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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100GALH

有価証券報告書抜粋 株式会社淺沼組 研究開発活動 (2019年3月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等


当社グループは、創業理念である「和の精神」「誠意・熱意・創意」の下、「仕事が仕事を生む」の企業精神に則り、事業活動を通じ誠実なモノづくりに専心し、社会の安全・安心・快適の増進に寄与することを基本理念として、変化する社会やお客様のニーズに対応できる技術開発を、技術研究所を拠点に推進している。
当社では、社会環境が大きく変化する中で、新たな独自性のある価値創出を加速するため、創業125周年にあたる2017年から、既存本館の施設および設備の全面改修を進め、試験機器を最新鋭のものに入れ替えるとともに、当連結会計年度の4月から新たにANNEX棟の建設を開始し、この3月に一連の増改築を完了させた。特に、強化に取り組むリニューアル分野での競争力を高めるため、試験機器を拡充させ、この分野では関西圏でトップレベルの設備とした。
研究開発活動としては、免震および制震技術などの高品質・高性能な構造物を実現する技術、ストック活用のためのリニューアル技術、施工改善・生産性向上に資する技術の研究開発と商品化に注力している。さらに、新たな価値創出を志向する企業・団体とのオープンイノベーションを進めており、当連結会計年度では関西の生コンクリート工業組合および調査診断会社と業務提携を締結した。
当連結会計年度における研究開発費の総額は319百万円である。
当連結会計年度の主要な研究開発活動は以下のとおりである。なお、子会社においては、研究開発活動は特段行われていない。
(建築及び土木)
[高品質・高性能な構造物の実現技術]
(1) 技能伝承システムの開発と運用
次世代建設生産の活性化対策として、技能伝承の見える化を生産活動に活用させる「Ai-MAP SYSTEM(アイマップシステム)」の開発に取り組んでいる。このシステムは、生産技術(匠の技)をAIとIoT活用により記録・見える化でき、熟練技能の伝承による高品質・高性能な構造物の実現技術である。なお本技術は、国土交通省の進める「建設現場の生産性を向上する革新的技術の導入・活用に関するプロジェクト」の試行対象技術として採択され、当社土木作業所における試行で高評価を得ることができた。今後は、建築現場への運用などにより、実用化に向けた展開を予定している。

(2) 免震及び制震技術の高度化
建築物の免震及び制震技術について、設計技術の高度化と当該技術による合理化を目指した研究開発を行っている。当連結会計年度では、制震技術の実証のため新設したANNEX棟に制震ダンパーの設置を行った。さらに地震時における建物の挙動を把握するための構造ヘルスモニタリングシステムを合わせて導入し、建物の安全・安心を即座に分かりやすく提供できる建物モニタリングサービスの研究開発を進めている。

(3) 鉄筋コンクリート造壁のひび割れ誘発目地工法「CCB-NAC工法」の展開
当社では、鉄筋コンクリート造壁に不可避な乾燥収縮によるひび割れを、壁に設けた目地内で確実に誘発させ、高品質な壁を築造する「CCB工法」、この技術を発展させた「CCB-NAC工法」を開発してきた。当連結会計年度では、実物件への適用を本格化させ、10物件に採用された。さらに、本工法を進化させ、目地部に誘導したひび割れを目立たないように目地内で分散させる「PRS目地充填工法」の研究開発及び試験施工を進め、次期連結会計年度には一般財団法人日本建築総合試験所の建築技術性能証明の取得を目指している。

(4) 低炭素型環境配慮コンクリートの開発
コンクリートの主原料であるセメントは、その製造時にCO2を大量に排出し、鉄筋コンクリート造建物を施工する際に排出するCO2総量の半分近くを占め、温暖化対策の面で課題となっていた。当社では、セメントの一部に代えて製鉄所の副産物である高炉スラグ微粉末を混和材料として使用して、CO2の排出量を削減した環境配慮型コンクリートの開発を進めている。次期連結会計年度には、一般財団法人日本建築総合試験所の建築技術性能証明を取得し、利用拡大を図ることを目指している。


[ストック活用のためのリニューアル技術]
(5) 補強組積ブロック増設耐震壁による耐震補強工法の適用範囲拡大の開発
強組積ブロック(RMユニット)を用いた増設耐震壁による耐震補強工法は、在来工法に比べ工期が短く、狭小な場所での施工が容易で、作業騒音が少ないなどの長所があり、これまで着実に施工実績を重ねている。当連結会計年度では、本工法の適用範囲をさらに拡大するための開発に着手し、次期連結会計年度には、一般財団法人日本建築総合試験所の建築技術性能証明の改定を進め、さらなる営業展開を図る。

(6) 収縮低減型の中・高流動コンクリート「スムースフィルクリート」の展開
耐震補強工事などに用いる低コストで製造方法も簡便な収縮低減型の中・高流動コンクリート「スムースフィルクリート」を開発し、当連結会計年度では、実物件への適用を本格化させ、温浴施設の改修及び病院の耐震改修工事などに採用された。

[施工改善・生産性向上に資する技術]
(7) 鉄骨造建物を対象とした合理化技術の開発
建築現場の人手不足にともない建築着工の比率が増加している鉄骨造を対象に合理化技術の開発を強化している。当連結会計年度では、間柱埋め込み柱脚省力化工法の実物件への適用を本格化させ、2物件に採用された。さらに、新たに鉄骨造小梁仕口部の合理化について大学との共同研究を開始した。

(8) タイル剥落防止工法の建築技術性能証明の取得
外壁タイルの落下は、第三者災害を引き起こす可能性があり、特に、大地震時に建物からのタイルの剥落を防止する工法が求められている。当社では、独自の「繊維植え込みシートを用いたタイル剥落防止工法」を既に開発しているが、当連結会計年度に一般財団法人日本建築総合試験所の建築技術性能証明を取得した。今後は、本工法の適用拡大を目指す。

(9) ICTを用いた品質・生産性向上のための開発
当社での設計・施工におけるBIM(ビルディングインフォメーションモデリング)活用はBIM推進室を中心に、全社的に進めている。技術研究所ではVR(バーチャルリアリティー)を駆使し、コンピュータ上の仮想空間を利用した技術教育システムの構築およびMR(複合現実)を利用した品質管理システムの可能性の調査研究などを進めている。当連結会計年度では、3次元モデルを活用した鉄骨造工事の技術教育コンテンツを開発し、若手技術者の研修で利用を開始した。

また、「その他」の事業においては、研究開発活動は特段行われていない。

事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00120] S100GALH)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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