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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100G2DL

有価証券報告書抜粋 JFEホールディングス株式会社 研究開発活動 (2019年3月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等


当社グループ(当社および連結子会社)は、世界最高の技術をもって社会に貢献することを企業理念とし、顧客ニーズを先取りした独自新商品の開発、高品質な商品を効率的に生産する技術の開発、地球環境保全に寄与する商品および製造技術の開発、ならびにグループ全体としてのシナジーを活かした開発により、常に業界をリードし、新たな分野を開拓していくというグループ共通の開発コンセプトの下、各事業会社が創造性にあふれる研究開発を展開しています。
グループ全体の研究開発戦略の策定や横断的に取り組むべき重要課題の選定・推進については、当社社長を議長とする「技術開発会議」の場で、各事業会社が一体となって取り組んでいます。
今後も、経営環境の変化に柔軟に対応しつつ高い収益力を確保するとともに、市場・社会からの高い信頼を獲得し、将来の経営基盤を育成・発展させるべく、積極的な研究開発に取り組んでいきます。
また、各事業会社において、AI・IoT・ビッグデータ等のデータサイエンス技術の活用を推進するための組織を設置し、またロボティクス技術を積極的に活用して、製造設備の生産性や商品・サービスの付加価値向上に向けた研究開発等にも積極的に取り組んでいます。
当連結会計年度における研究開発費は37,271百万円であり、主要事業内訳は鉄鋼事業34,066百万円、エンジニアリング事業3,204百万円であります。
なお、当連結会計年度における主な事業別の研究の目的、主要課題および研究成果は以下のとおりです。

(1)鉄鋼事業

鉄鋼事業では、10年先を見据えてお客様や社会のニーズを先取りした新商品・利用技術開発、世界最高水準の地球環境技術や省資源技術の開発を加速するとともに、プロセス革新による画期的新商品の創出と高品質商品製造技術の確立を強力に推進しております。
以下、当連結会計年度の主な研究成果を挙げます。


JFEスチール㈱は、国立大学法人大阪大学と共同で、鉄鋼材料の溶接・接合に関する課題解決やメカニズム解明と、溶接・接合分野の新たなオープンイノベーションの創出を目的として、「JFEウエルディング協働研究所」(以下、「協働研究所」)を設立しました。鉄鋼という産業の基礎素材が有する魅力を最大限引き出すため、より深化した形で溶接・接合技術の技術開発を進める必要があると考え、今回これまでの連携をさらに強化した協働研究所の設立に合意しました。

また、鉄鋼材料の破壊・疲労に関する研究開発活動と、同分野の新たなイノベーションの創出を目的として、「大型破壊・疲労評価センター(JWI-CIF2)」をスチール研究所・千葉地区に開設しました。「JWI-CIF2」は、8,000トン引張試験機等の大型破壊、疲労破壊等の実験設備を多数備え、鉄鋼分野において国内では圧倒的な規模を誇る世界最大級の施設です。これにより、大型の鋼構造物の様々な研究試験をOne Stopで実行することを可能にし、試験対象の大型化への対応や研究効率の飛躍的な向上を実現します。

更に溶接・接合分野に関して、JFEスチール㈱は高施工性CO2アーク溶接技術「超狭開先J-STAR®溶接」を開発しました。この技術は「J-STAR®溶接」を活用し、溶接ノズル構造の最適化により、開先の断面積を従来の約半分まで低減できます。これにより、溶接変形抑制および溶接施工期間短縮を達成可能としました。この技術のメリットが高く評価された結果、熊本城天守閣復旧整備事業のうち、大天守6階鉄骨造の溶接組立箱形断面柱の各部溶接に採用されました。




薄板分野においては、欧米系自動車メーカー向けにプレス成形性を飛躍的に向上させた高潤滑自動車用溶融亜鉛めっき(GI)鋼板「GI JAZ®」を開発し、西日本製鉄所において営業生産を開始しました。すでに量産している「JAZ®」と同様に、自動車メーカーの設計における車両構造やデザインの自由度の拡大、ならびにプレス加工工程における不良削減などの安定化に寄与します。

また、JFEスチール㈱のJFEトポロジー最適化技術が、スズキ㈱が発売した「スイフトスポーツ」に、部品形状の設計手法として採用されました。設計空間(当該部品を配置する空間)を車体の一部として組み込んで解析することで、車体全体の荷重伝達を考慮した正確な伝達計算が可能になり、少ない重量で車体の衝突安全性能を効率的に向上させる最適な部品形状を作成することができます。

更に、JFEスチール㈱が開発した1310MPa級高張力鋼板が、マツダ㈱の新型「MAZDA3」の車体骨格部品に冷間プレス成形用途として世界で初めて採用されました。冷間プレス成形による車体骨格部品の強度としては、世界最高レベルとなります。従来、1310MPa級高張力鋼板はロール成形などに加工方法が限定されバンパー部品などに適用が留まっていましたが、マツダ㈱と共同で技術開発に取り組み、プレス成形性、部品の寸法精度などの技術課題を解決したことにより車体骨格部品への採用が可能となりました。

2013年から神奈川県横浜市とともに、鉄鋼スラグ製品を用いた山下公園前海域の水質浄化の回復に関する共同研究を行ってまいりました。この共同研究は、生物付着基盤や底質改善の効果が期待される鉄鋼スラグ製品を沿岸域に配置し、海域が本来持っている生物による水質浄化能力の回復に向けた生物生息環境の改善手法を検討することを目的とし、「マリンブロック®」等を設置して約4年半にわたり調査しました。その結果、生物が棲みつくほど水質が改善される成果を得ることができました。共同研究は2018年3月に終了しましたが、この成果に基づき海の環境改善や賑わい創出を推進するための協力を継続してまいります。




JFEスチール㈱が開発してまいりました商品、技術は社外からも高く評価されております。例えば、「CO2排出量削減に適した製鉄原料製造プロセス(Super-SINTER®)の開発」の成果が認められ、2018年度科学技術分野の文部科学大臣表彰科学技術賞(開発部門)を受賞しました。この賞は2016年度以来の受賞となります。また、JFEスチール㈱の開発したコンテナ船用「高アレスト鋼」が2018年度全国発明表彰を受賞しました。この全国発明表彰受賞は5年連続で、JFEスチール㈱発足以来9回目となります。

JFEスチール㈱の開発した重貨物鉄道用高耐久熱処理レール「SP3」が、公益財団法人 大河内記念会より第65回(2018年度)大河内記念技術賞を受賞しました。また、JFEスチール㈱が開発した「漏洩磁束法による鋼板微小凹凸表面探傷装置」が、一般社団法人機械振興協会から第53回機械振興賞 機械振興協会会長賞を受賞しました。JFEスチール㈱の機械振興賞の受賞は2年ぶり8回目となります。

(2)エンジニアリング事業

エンジニアリング事業では、「モノとサービスの融合で、他社に先駆け新たな価値を提供」という方針に基づき、研究開発を推進しています。当連結会計年度は、主力事業である環境、エネルギー、社会インフラ分野に加え、今後益々の発展が期待されているICT分野に重点的な投資を実施しました。具体的には、廃棄物発電プラントの発電量最大化に関する技術、AI技術を活用したプラントの最適操業と自動化、製作所や施工現場の省力化・効率化に関する技術等に取り組んでおります。
さらに、開発のスピードアップや合理的な開発投資を目的に、国内外の大学や研究機関および他企業との連携・共同開発を推進しております。その一例として、次世代の廃棄物処理技術の研究を目的としてシンガポールに研究拠点を開設するなど、積極的に取り組んでおります。
開発成果は社外からも高く評価されており、環境プラント分野においては、対向流燃焼方式を適用した廃棄物焼却炉が「第44回優秀環境装置表彰 経済産業大臣賞」を受賞しました。また、エネルギー分野においてはBOG再液化設備「MiReLiS®」(ミレリス)にて「地球温暖化防止活動環境大臣表彰」を、微粒化技術を適用した都市ガス熱量調整設備「AtoMS®」(アトムス)にて「日本機械学会賞(技術)」をそれぞれ受賞しました。

事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01264] S100G2DL)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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