有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100G9FO
古河電気工業株式会社 研究開発活動 (2019年3月期)
当社グループは、新商品、新技術開発による新規事業の創出と展開を図るべく、国内の当社研究所等(先端技術研究所、コア技術融合研究所、自動車・エレクトロニクス研究所、情報通信・エネルギー研究所、次世代インフラ創生センター)及び海外のOFS Laboratories, LLC (米国)、Furukawa Electric Institute of Technology Ltd.(ハンガリー)、SuperPower Inc.(米国)、Silicon Valley Innovation Laboratories, Furukawa Electric(米国)を中心とした研究体制を有し、積極的に研究開発へ取り組んでおります。
当連結会計年度における研究開発費は、注力分野及び新事業創出の強化を進めていくため、前連結会計年度比8.2%増の21,141百万円とし、各セグメントの主な成果等は次のとおりであります。
(1)インフラ
①次世代の400Gbps・1Tbps大容量光デジタルコヒーレント伝送向け制御回路付信号光源について、さらなる小型化・低消費電力化・狭線幅化を実現すべく、構成要素である半導体レーザチップ、パッケージ技術及び制御回路の開発ならびに特性評価を行っております。②将来の超大容量光通信における空間多重技術の長距離幹線系、加入者アクセス系への適用に向けて、国立研究開発法人情報通信研究機構が実施するプロジェクトからの委託研究である「マルチコアファイバによる周回伝送実験の研究」、また、総務省が実施する「新たな社会インフラを担う革新的光ネットワーク技術の研究開発」を活用し、1本の光ファイバに複数のコアを含むマルチコア光ファイバを用いた光ファイバ・ケーブルの製造技術及び光ファイバの接続技術、マルチコア光増幅技術の検討を行っております。
③ファイバレーザについて、光出力が1.3kWまでのシングルモードファイバレーザ及び6kWまでのマルチモードファイバレーザを製品化しており、それらのさらなる小型化、低コスト化、低消費電力化を目指した開発を行っております。これらのファイバレーザは非常に優れたビーム品質を有し、出力ビーム形状制御技術を用いることにより、溶接加工品質向上(特に溶接飛沫の低減)に貢献するもので、顧客から高い評価を受けております。
④国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業「電力送電用超電導ケーブルシステムの実用化開発」に参画し、超電導ケーブルの電力系統への適用の際に起こり得る不測の事故(地絡・短絡・外傷等)に対する安全性・信頼性の確立に向けたガイドラインの作成を東京電力ホールディングス株式会社と行いました。
⑤公益財団法人鉄道総合技術研究所、山梨県企業局及び株式会社ミラプロと共同で進めている、次世代フライホイール蓄電システムの開発において高温超電導磁気軸受を開発し、山梨県米倉山の太陽光発電システムに設置して実証試験を行っております。さらに、公益財団法人鉄道総合技術研究所と共同で鉄道用途に向けた大荷重超電導磁気軸受の開発に成功しました。
⑥経済産業省の委託事業「浮体式洋上ウィンドファーム実証研究事業」に受託コンソーシアムの一員として参画し、浮体式設備の動きや波・潮流に追従し水中で浮遊する浮体式風力発電用ライザーケーブルの開発を担当しております。7MW用風車及び5MW用風車に施工した22kVライザーケーブルの設計検証として、実証データに基づく挙動及び疲労解析を実施し、設計の妥当性を確認しました。
⑦情報・エネルギー・モビリティが融合した「次世代の新しいインフラ」を考案し社会実装を目指す組織として、「次世代インフラ創生センター」を設立しました。安全・安心・快適で、環境にやさしい社会の創生に貢献する活動を推進してまいります。
以上、当該事業に係る研究開発費は11,162百万円であります。
(2)電装エレクトロニクス
①アルミ電線を使用した自動車用ワイヤハーネスについては、車両軽量化への要請を背景としたさらなる適用部位拡大に向け、関連技術の開発を行っております。②自動車用バッテリ状態検知センサについては、過充電抑制での燃費向上及び過放電によるバッテリ上がり防止などへの貢献が期待されており、拡販及び受注活動とともに、高機能化に向けた開発を行っております。また、今後予測される車載電子機器の増加や自動車の電動化に対して、電源品質を維持する電源マネジメントシステムに関連した製品の開発を行っております。
③パルス方式により複数の対象物を正確に認識可能な車載用の24GHz帯周辺監視レーダについて、量産を開始しておりますが、先進運転支援システムを支える検知技術のさらなる高性能化を目指し開発を行っております。
④ハイブリッド自動車(HEV)や電気自動車(EV)の普及に伴い、燃費性能や動力性能を左右する駆動用モーターに対する小型化・高出力化の要求が一層高まっており、これらモーターの性能向上を可能とする高機能巻線の開発に注力しております。
⑤窒化ガリウム(GaN)パワーデバイスは、同製品市場の有力事業者で資本提携先の Transphorm, Inc.(米国)との相互連携を図り、継続して両社のGaNパワーデバイス応用製品群の強化に取り組んでおります。
⑥カーボンナノチューブ(CNT)電線開発技術について、NEDOの委託事業と環境省の補助事業を実施しております。NEDO「超先端材料超高速開発基盤技術プロジェクト」では、先端素材高速開発技術研究組合(ADMAT)の一員として、産業技術総合研究所とともに計算・計測・プロセスの三位一体でCNT電気電導シミュレーション開発を行いました。環境省「CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業」では、CNT電線を用いて試作したモーターの稼働を確認しました。両事業ともに次年度へ継続となり、CNT電線の実用化に向けた開発を進めております。
⑦研究開発の効率化のため、シミュレーション技術等の有効活用を推進しております。ワイヤハーネスなどの自動車用部品の変形・応力シミュレーション、電子機器開発においては振動・熱流体シミュレーション、レーダ開発においては電磁界シミュレーションを活用したほか、車載ソフト用のアルゴリズム構築に際してのモデルベース開発などを行いました。また、CNTなどの新材料に対し、第一原理計算を用いた材料シミュレーションを適用し、試作回数・費用の削減や設計の最適化に取り組んでおります。
⑧電子機器における小型化・大容量化に伴う接続部品(コネクタ、端子等)の多極化・高密度化、発熱の制御、自動車の電動化や車載電子機器の増加に伴う電装品(ワイヤハーネス等)の高電圧化・大電流化へ対応できる、高強度・高導電な銅合金及び貴金属めっきの開発を行っております。
以上、当該事業に係る研究開発費は5,161百万円であります。
(3)機能製品
①植物由来のセルロースナノファイバー(CNF)の高剛性・軽量性という特長を活かし、自動車分野など様々な用途活用が期待されるCNF強化樹脂の高効率製造法の開発を行い、その実用化に向けた検証を行っております。②ヒートパイプ技術を活用した熱マネジメント(均熱・放熱)技術システムについては、エレクトロニクス機器の薄型化、軽量化、高発熱化に対応する製品や次世代自動車への搭載に向けた製品の開発を行っております。
③通信ネットワークの高速化、高周波数化に対応する高周波プリント基板用銅箔を製品化いたしました。引き続き、次世代高周波回路に適した銅箔の開発を行っております。
以上、当該事業に係る研究開発費は2,191百万円であります。
(4)サービス・開発等
①研究子会社であるSuperPower Inc.(米国)において、イットリウム系高温超電導線材の研究開発を継続しております。この高温超電導線材と当社製金属系超電導線材とを併せ用いることにより、次世代エネルギー源と期待される核融合炉、新素材や先端医薬の開発に欠かせない高磁場マグネットなど、各方面への応用が期待されます。②VOC(Voice Of Customer)により得られた顧客ニーズに対して、コア技術融合研究所内に設置した先行開発センターを中心に、迅速にコンセプトサンプルを提示する活動に取り組んでおり、顧客とともに新たな価値の創出を実現する新製品または新事業の開発を進めております。
③2018年8月に、米国カリフォルニア州のシリコンバレーに当社にとって4番目の海外研究拠点であるSilicon Valley Innovation Laboratories, Furukawa Electric(SVIL)を開設しました。世界中から優秀な人材や技術が集積し、イノベーションの発信地である同地で、最新技術の調査や現地のスタートアップ企業及び大学との協働の機会発掘に取り組んでおります。2019年5月に刷新した「古河電工グループビジョン2030」を踏まえ、長期的な視点でイノベーション活動に取り組む研究拠点となるよう努めてまいります。
以上、当該事業に係る研究開発費は2,626百万円であります。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01332] S100G9FO)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。