有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100KFLA (EDINETへの外部リンク)
川岸工業株式会社 研究開発活動 (2020年9月期)
建築構造物の高層化に伴い、溶接組立箱形断面柱(以下、4面BOX柱)の鋼材の高強度化、極厚化、大断面化が進んでおり、4面BOX柱の製作に対して、溶接の高能率化が求められております。
そこで、当事業年度は4面BOX柱(角継手、内ダイアフラム継手)の生産性向上を図るために、
・4面BOX柱角継手の生産性向上の一環として、板厚80mm(550N/mm2級鋼材)を用いた 2パスSAWによる溶接実験
・4面BOX柱(550N/mm22級鋼材)の内ダイアフラム板厚70mm(従来は内ダイアフラム板厚65mmが溶接可能範囲)を対象に、内ダイアフラム溶接継手の高能率化溶接を目的として、エレクトロスラグ溶接(以下、ESW)による柱スキンプレートと内ダイアフラム板厚の組合わせの差(3、4、5サイズ差)が、ESW部の機械的性能に与える影響に関する溶接実験
等の溶接実験を実施し、いずれも健全溶接継手で良好な機械的性能が得られました。この研究成果の一部と昨年度の研究成果の一部は、2020年度建築学会論文大会に論文を投稿致しました。
来年度も、鉄骨製作の生産性向上(溶接の高能率化)に焦点を当てて、以下の研究テーマを計画しております。
① 当事業年度継続研究テーマとして、柱スキンプレートの強度レベルを590N/mm22級鋼材に着目して、内ダイアフラム板厚70mm(従来は内ダイアフラム板厚65mmが溶接可能範囲)を対象に、柱スキンプレート(590N/mm2級鋼材)と内ダイアフラムの板厚差(3、4、5サイズ差)がエレクトロスラグ溶接部の溶接継手と機械的性能に与える影響に関する溶接実験
② 550N/mm2級鋼材の冷間成形角形鋼管に着目して、従来ロボット溶接を用いるSBCP385Bによる溶接試験を計画しており、また、新材料・新工法導入の一環としてNBFW(Non Brittle Fracture Welding)法の適用が回避可能な鋼材であるSBCP385TF材による溶接施工試験等の溶接実験を計画しております。
一方、外部活動としては、日本建築学会の鉄骨工事運営委員会、日本鋼構造協会の研究委員会及び鉄骨建設協会の技術研究委員会にも積極的に参加し、当社技術レベルアップに努めております。
当事業年度における研究開発費は、9百万円であります。
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