有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100IC0T (EDINETへの外部リンク)
株式会社荏原製作所 研究開発活動 (2019年12月期)
当社グループの研究開発は、①事業の根幹を支える共通基盤技術、その融合による製品コア技術の研究開発、②中長期的展望に基づいた技術シーズの探索と実用化、③現有技術の拡張展開、新技術の実用化・新製品応用のための研究開発、④既存製品の高付加価値化のための研究開発に区分されます。①と②はコーポレート研究開発組織を中心に、カンパニーと密接に連携を取り、大学等の外部研究機関との共同研究も積極的に活用して進めました。さらに、特徴のある技術を有する中小企業との連携を発展させ、研究開発に係わる試作機能を強化しました。③と④については個別の事業部門及びグループ各社が主体となって実施しました。これらのいずれにも区分されない領域は、新事業創出のための制度であるEIX(Ebara Innovation for X)制度を活用し、プロセスイノベーション等への取り組みと成果の利用を加速し進めています。当連結会計年度の研究開発費は11,530百万円です。
セグメントごとの研究開発活動の状況は、以下のとおりです。
(風水力事業)
風水力事業分野では、中長期的に成長の持続が期待される、水インフラ、エネルギー(石油・ガス、電力)、建築設備分野などのグローバル市場向け製品に関し、海外グループ会社との連携強化を含め、ラインナップ拡充や製品力強化に取り組んでいます。標準ポンプでは、省エネ・省資源・環境負荷低減を指向した製品群の開発を継続して進めると共に、顧客利便性向上に向けインバータ内蔵PMモータを搭載した新型給水ユニット製品を市場投入しました。カスタムポンプでは、エネルギー分野と水利分野において省エネ・省資源・環境負荷低減を指向した製品群の開発を継続して進めており、高速コンパクト化した大容量斜流ポンプや漏洩リスクをゼロにするキャンドモータポンプ等を市場投入しました。コンプレッサ・タービン分野では、省エネ・省資源に貢献する新型高効率タービンの開発を継続して進めています。冷凍機分野では、環境負荷低減化の要望の高まりに応えるため、当該技術のラインナップ拡充、応用範囲拡大に努めています。基盤技術に関しては、社内研究組織と連携し、「素形材・溶接・表面改質・加工等に対する新しい生産基盤技術」、「数値シミュレーションと新しい最適化手法の導入などによる開発スループットの一層の向上とプロセスの標準化」、「実験基盤技術の拡充」、「製品性能や信頼性の向上に寄与する製品ライフサイクルを支えるIoT技術の開発・応用」などについて継続して取り組んでいます。これらの基盤技術のうち、生産基盤技術はEIX制度の活用によって、またその他の研究はコーポレート研究開発組織と連携して取り組んでいます。当連結会計年度の研究開発費は5,298百万円です。(環境プラント事業)
環境プラント事業分野では、廃棄物処理施設の建設工事(EPC)から施設運営・維持管理(O&M)までを長期的に一括して行うDBO事業、既存施設の延命化を提案する延命化事業、既存施設のO&Mを長期にわたり運営委託を受ける長期包括事業に取り組んでおり、これまで以上に提案力や、品質、コスト競争力強化が求められています。これらの状況を踏まえ、施設更新に伴う機能強化、ライフサイクルコスト低減を可能とする新技術・新製品開発、保守運営技術の改良開発に加え、これらを支えるAIやIoT技術の活用を推進しています。また、再生可能エネルギーの1つとしてのバイオマス、廃プラスチックなどを燃料とする発電施設の需要を見込み、発電効率や運転の安定性を向上するための要素技術の開発に取り組んでいます。さらに、世界的な重要課題となっている気候変動問題や廃プラスチック問題の解決に寄与すべく、ガス化技術を用いた廃プラスチックのケミカルリサイクルについて、検討を開始しました。当連結会計年度の研究開発費は703百万円です。(精密・電子事業)
精密・電子事業分野では、半導体デバイス製造プロセス装置において、チップの微細化や3次元集積化だけでなく、重要度が増している新しいパッケージング技術などの開発要求やAI、IoT分野などの市場を見据えた技術開発要求に対応できるよう、装置の改良・改善及び新機種の開発に取り組んでいます。コンポーネント製品においては、更なる省エネ化及び環境負荷低減に貢献できる製品の開発に取り組んでいます。また、顧客との共同開発・コンソーシアムへの参画、さらには各大学との共同研究などを通して、次世代半導体プロセス技術の研究も継続しています。当連結会計年度の研究開発費は5,528百万円です。
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ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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