有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100J17S (EDINETへの外部リンク)
レイズネクスト株式会社 研究開発活動 (2020年3月期)
当社グループの研究開発活動は、顧客ニーズに対してメンテナンス及びエンジニアリングによるソリューション・サービスを提供することを目指し、テーマを選択して取り組んでまいりました。
当期は経営統合による第1次中期経営計画の初年度として、メンテナンス技術力とエンジニアリング技術力の強化をキーワードとして、関連する13テーマについて活動を展開してきました。作業の非熟練化、軽労化、安全性向上に寄与する現場作業の機械化を積極的に推進すると共に、管理業務の効率化や業務品質の向上を目的とした業務のIT化にも継続して取組んでまいりました。
なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は126,383千円(消費税等は含まない)であり、主な取り組みは次のとおりです。
(1) メンテナンス作業の機械化
作業の機械化については、既存技術の付加価値向上に加え作業員の非熟練化、軽労化及び安全性の向上を目的として6つのテーマに取り組みました。
まず熱交換器のメンテナンスに関連する技術として、定期修理工事において特殊な技能が必要とされる熱交換器チューブバンドルの抜出・挿入作業に関し、より一層の非熟練化を目指しました。操作性等を向上させる機能を追加した新型ハイドロエキストラクターを現場適用し、追加機能の有効性を検証しました。引き続き、現場適用を行いながら改善を図り、今後導入・更新する機材の標準化を図っていく所存です。
次に熱交換器チューブバンドルの洗浄作業においては、前期に遠隔操作による内面洗浄機としてチューブ位置合わせの自動化、位置合わせと連動したフレキシブルランスの動作及び高圧水のON/OFF制御機能を搭載した機材を開発し、当期にて現場への試験適用を行いました。その結果、各種課題から現行機での現場適用は難しいと判断し、引き続き有効な機材の調査および開発研究を行ってまいります。
また熱交換器のカバー類の脱着に関しては、前期に検討しました狭所における支保工材を活用した脱着工法を定期修理工事の現場に試験適用し、有効性を確認いたしました。今後はさらに軽量で取扱いが容易な部材や冶具開発を行うことで、標準工法化を目指してまいります。
配管切断技術に関しては、完全な無火気工法としてウォータージェットを利用した切断機を導入し、現場における大径配管の切断に初適用し、その有効性を検証しました。来期以降も現場での適用実績を積み重ね改良を図りながら、既存の技術を含めてコールドカッティング技術全体のメニュー化を図ってまいります。
溶接技術に関しては、前期にタンク側板の自動溶接における危険物保安技術協会の溶接確認試験を受験し合格したことを受け、当期はタンク開放検査工事で発生した側板上部の部分更新工事へ適用いたしました。その結果、各種課題はあるものの現場適用が可能であることを検証しました。実績を積みながら改善を図ることで作業の効率化及びコスト低減を図ってまいります。また、現在の水平継手に加えて、縦継手についても適用を拡大していく所存です。
また将来的に懸念されている溶接工の不足に対応すべく、配管の自動溶接機を導入し溶接実験を開始いたしました。
来期も自動溶接機の現場適用に向けて活動を継続してまいります。
今後もメンテナンス技術力の強化を目標にメンテンナンス作業の機械化を進めてまいります。
(2) 現場業務のIT化分野
現場で利用される情報の一元化、共有、連携や情報取得の省力化等により、現場管理業務を効率化すると共に業務品質を向上させることを目標として、ITツールの開発やその活用強化に関する5テーマに取り組みました。
まず自社開発したメンテナンスデータベース(S-TORAGE)は、ユーザーの利便性のための機能改修およびクラウド化を実施いたしました。また、効果的な運用方法をマニュアル化し、複数の定期修理工事現場においてS-TORAGEが有効に活用されてきました。
次に位置情報の管理技術として、各種工事及び工事に使用するクレーン等機材の位置情報を管理するシステムについては機能改修を実施し一連の開発を完了いたしました。既に定期修理工事や日常保全工事の多くの現場で活用されており、浸透してきました。また現場の機器等の工事管理用に開発した位置情報システムについては、より高精度の位置測位方法や新しい通信方法について検討を重ね現場で試験適用した結果、位置測位については概ね良好な結果が得られました。引き続き、改善を図りながら現場への本格的な導入を目指してまいります。
エンジニアリング業務に使用するデータ等を一元管理するシステムを前期までに開発し、当期においてはそのデータを活用した計算機能を付加することで、業務の効率化と業務品質の向上を図ってまいりました。また積算業務の効率化にも取り組み、成果を上げることができました。
また、当期からVR(バーチャル・リアリティ)映像の現場活用化への取り組みを開始し、視線計測技術やVRを活用した危険体感訓練シミューレーター等を導入いたしました。来期も継続して現場活用に向けて取り組みを行ってまいります。
これら現場業務のIT化に関する研究開発は、業務効率化や省力化による業務品質の向上だけでなく働き方改革にも寄与する取り組みとして、社内標準化を目指し継続的に推進してまいります。
(3)その他の技術
その他の技術として、溶接補修により溶接熱影響部のクリープ寿命に著しい影響を及ぼすといわれている材料について、適切な溶接技術を確立するための材料評価を実施しております。当期は溶接条件の異なる各種試験片の製作と硬度及びクリープ試験による基礎データの採取が完了いたしました。来期は溶接補修を施した試験片の製作と硬度及びクリープ試験によるデータ採取を行い、未補修のデータと比較することで接欠陥への対処に関する知見を獲得し、リスクを回避した溶接施工方法を確立してまいります。
また、第1次中期経営計画に掲げております新規分野における体制基盤の強化の一環として、コンサルティング会社等も活用しがなら、顧客のニーズや懸案事項に応えるソリューションの調査、検討等を進めており、来期も継続して取り組んでまいります。
当社グループの主要顧客業界である石油業界や石油化学業界においては、既存プラントの安全・安定操業のニーズの高まりや設備の経年劣化による事故・トラブルの未然防止への取組みに加えて、保安力の向上・高度化に向けた動きがある中でプラントメンテナンスの重要性がますます高まるものと想定されます。このような事業環境において、メンテナンス請負企業に対する労働安全や品質管理に対する要求も厳しくなってきています。さらに社内においても時間外労働時間の削減は重要課題であり、更なる業務の効率化による働き方改革が求められております。
研究開発活動は、こうした顧客ニーズや事業環境に応えられるように相応しい研究開発テーマを選定し実施していく所存であります。なおテーマの選定にあたっては、国内はもとより欧州や米国等においても技術及び市場調査を継続して行い、その成果を有効に活用してまいります。
また、経営統合に伴い、旧両社の固有技術の適用拡大に係るテーマの選定やインフラの有効活用等により、シナジー効果の創出を図ってまいります。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01577] S100J17S)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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