有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100J17S (EDINETへの外部リンク)
レイズネクスト株式会社 事業等のリスク (2020年3月期)
当社グループの事業に関するリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項には、以下のような項目があります。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生回避および発生した場合の対応に努める所存であります。なお、これらの項目のうち、将来に関する事項は当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 連結会社(当社および連結子会社)の経営成績等の状況の異常な変動
分類 | 内容 | 統制活動の内容 | |
① | 受注工事高減少(メンテナンス事業) | 当社グループの事業は、石油・石油化学・一般化学等のプラント関係のメンテナンスをコアビジネスとしており、特に石油関係の需要減退の影響を受けやすい傾向にあるため、顧客においては工場の統廃合や一部プラントの停止をはじめ、メンテナンス費用の削減が行われた場合には、受注工事高の減少につながり、業績に影響を及ぼす可能性があります。 | メンテナンス事業においては、産業インフラであるプラントの安全で安定的な操業を継続するために、メンテナンスは必要不可欠です。また、当社は全国規模で構内に常駐しながらメンテナンス事業を営んでおり、顧客生産工場の統廃合や一部プラントの停止等があっても、既存人員体制を他所への強化に投入するなどして、今後も一定程度の需要が見込まれるものと想定しております。 当社グループでは、中期経営計画を策定し、新規顧客の開拓や仕事幅の拡大、生産性の向上など経営成績等に大きな影響を及ぼすことのないように各種の施策を推進しております。また、経営統合により統合前の両社の強みを活かし、シナジー効果を創出し、新たな需要の創出やこれまでに経験のない業界分野への進出に努めてまいります。 |
② | 受注工事高減少(エンジニアリング事業) | 当社グループの事業は、石油・石油化学・一般化学等のプラント関係のエンジニアリング事業(新設及び改修工事(増設・増強))にも力を入れておりますが、国内の経済動向や国際情勢に影響を受けやすい傾向にあるため、顧客において設備投資の削減が行われた場合には、受注工事高の減少につながり、業績に影響を及ぼす可能性があります。 | エンジニアリング事業においては、設備投資需要が左右されるため、国内の経済動向や製品の需要動向、国際情勢により、大幅な投資削減が行われた場合には、工事需要が減少することが想定されます。 また、顧客は投資意欲はあるものの、昨今の労働者不足や作業員賃金アップが起因して投資予算と折り合いがつかず、中止・延期等になるケースもあります。 当社グループでは、中期経営計画を策定し、新規顧客の開拓や仕事幅の拡大、生産性の向上など経営成績等に大きな影響を及ぼすことのないように各種の施策を推進しております。また、経営統合により統合前の両社の強みを活かし、シナジー効果を創出し、新たな需要の創出やこれまでに経験のない業界分野への進出に努めてまいります。 |
③ | 資機材価格高騰 | プラントのメンテナンスおよび建設関係に使用する資機材等につき、原材料、資材、機材等の価格が市場動向や為替変動などにより予想を超えて高騰した際、それを請負金額に反映することが困難な場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。 特に、プラント建設工事での工期が長期間にわたる場合に、見積・受注時点の価格と、工事を発注する時点でのタイムラグがあり、この間に価格が高騰した場合には、当初想定した収益性が低下する恐れがあり、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 | 資機材価格の高騰に関して、それぞれの価格動向のモニタリング・予測について情報の収集・発信に努めるとともに、資機材の早期発注、多様な調達先の確保、価格高騰の場合の条件の契約への盛り込み、工事価格への転嫁等の対策を実施し、リスクの低減に努めております。 |
④ | 工事従事者不足 賃金高騰リスク | プラントメンテナンスにおける大規模な定期修理工事や大型のプラント建設工事において、工事監督者や工事作業員等の工事従事者が不足した場合、また、この影響により工事従事者の賃金が高騰した場合には、定期修理工事や建設工事の遅延、工事原価の増加により工事採算が悪化し、当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。 | プラント市場における建設労働力の動向をモニタリング・予測するとともに、将来3年程度の中期的な工事需要の予測に基づき、必要な工事監督者や工事作業員等の必要な工事従事者の人員数の把握に努め、これらの情報を協力会社と共有化し、工事従事者の不足リスクの低減に努めております。また、建設労働者の不足により賃金が高騰しておりますが、工事価格への転嫁や中期的な工事需要に基づく協力会社への安定的な工事の発注により、急激な賃金高騰リスクの低減に努めております。 |
(2) 特定の取引先・製品・技術等への依存
分類 | 内容 | 統制活動の内容 | |
① | 特定業界・特定取引先への依存 | 当社グループの事業は、石油・石油化学業界の顧客を主要な取引先としており、これらの顧客に対する受注高・完成工事高が大きなウエイトを占めております。このため、国内におけるエネルギー政策や製品のこれらの需要動向、また、これらの業界の顧客の事業再編や設備再編、設備投資や設備の合理化等の動向が当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 | 石油・石油化学分野では、将来的な石油製品需要の減少が想定され、業界再編や設備再編等が進展し、大規模な設備投資が見込めない状況にありますが、現状ではプラントの経年化対策工事やプラントの安全・安定的な稼働を行うためのメンテナンス需要が堅調のため、これらの需要に対応し、業績の維持・拡大に努めております。また、石油・石油化学以外の業界分野の工事の拡大に対応するため、中期経営計画において一般化学分野の拡大や、医薬・食品等の実績の積み上げに努めております。 |
(3) 特有の法的規制・取引慣行・経営方針
分類 | 内容 | 統制活動の内容 | |
① | コンプライアンスに関するリスク | 当社グループは、事業活動を行うにあたり、建設業法をはじめ様々な法規制の適用を受けております。当該各種法令のみならず、当社の社内規程の遵守といった当社グループのコンプライアンス体制が十分に機能しなかった場合、当社グループが行政処分等の対象になるなど、当社グループの信用、業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 | 当社グループは、行動基準の第1項に「法令および社内規程の遵守」を掲げ、公正で透明性の高い企業活動を行う旨宣言しており、これを当社グループの役職員に周知・徹底しております。 また、次のとおり、当社グループのコンプライアンス体制を整備・運用しております。 1.コンプライアンス委員会を年2回開催し、コンプライアンス体制強化にかかる年度活動計画の策定および活動状況のチェックを実施 2.全員参加型の自主点検活動である「遵法状況点検」を毎年実施し、遵守法令の確認、コンプライアンス上疑義のある行為の早期把握・是正を実施 3.法務部および社外法律事務所を窓口とした「コンプライアンス・ホットライン制度」を整備・適正運用 4.建設業法、安全保障貿易管理関連等重要法令にかかるコンプライアンス関連教育・研修を実施 |
② | 内部統制に関するリスク | 内部統制体制が十分に機能しないため、業務の適正を確保できない結果、当社グループの業績及び財政状態、財務報告の信頼性等に影響を及ぼす可能性があります。 | 当社グループは取締役会で決議された内部統制システムの整備・運用に関わる基本方針に基づき、体系的に業務の適正を確保する体制を構築・運用しています。具体的には内部統制委員会を設置し、毎年定期的に内部統制システムの整備・運用状況の確認および同計画を確認したうえ、その結果を経営会議において審議し取締役会で報告しています。また、財務報告の信頼性確保のため金融商品取引法に基づく内部統制にも対応しております。 |
(4) 重要な訴訟事件等の発生
分類 | 内容 | 統制活動の内容 | |
① | 重要な訴訟に関するリスク | 当社グループの事業活動に関連して、当社グループに対して訴訟その他法的措置が提起される可能性があり、その内容によっては、当社グループの信用、業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 | 各事業活動にかかる契約の事前審査の徹底、社内決裁や取締役会決議取得時の徹底したリーガルチェック、コンプライアンス体制の整備・適正運用を通じて、訴訟リスクの未然防止・軽減に努めております。また、取引先との間で紛争に発展しそうな案件が生じた場合に備え、前広に法務部に相談する体制を整えております。さらに、万一、訴訟等が提起された場合に備え、法律事務所と連携し、訴訟等に的確に対応する体制を整備しております。 |
(5) その他投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項
分類 | 内容 | 統制活動の内容 | |
① | 工事上の品質リスク | 設計・施工の品質管理には万全を期しておりますが、契約不適合責任および製造物責任による損害賠償が発生した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。 | 当社グループでは、事業に関連する各種法令や、ISO9001による品質マネジメントシステム、各種技術基準等の遵守により、設計や施工等の品質確保と品質不適合の発生防止に努めております。また、当社の契約不適合による品質トラブルが発生した場合に備え、対応した各種保険に加入することにより、費用負担の軽減に努めております。 |
② | 情報セキュリティへの脅威 | 当社グループは、事業の遂行に必要な顧客や取引先情報、個人情報を多数管理しているほか、当社グループの技術・営業・施工・経営情報等の事業に関する機密情報等を保有しております。コンピューターウイルスの感染、外部からの不正なアクセス、標的型のメール、サイバー攻撃、その他不測の事態等により、重要な情報が社外に漏洩した場合は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 | 当社グループでは、顧客、取引先、個人情報、技術情報などの秘密保持関係の規程を整備するとともに、取引基本契約等に秘密保持条項を盛り込む等の対策をとっております。コンピュータのウィルス感染やサイバー攻撃などの情報漏洩については、情報漏洩、悪用を防ぐためのセキュリティ対策や、当社グループ社員に対する定期的な教育等を実施し、社員の意識の向上に努める等、これらのリスクの回避・影響の最小化に努めています。 |
③ | 自然災害 | 地震、台風等の自然災害によって、正常な事業活動ができなくなる可能性があります。 | 当社では、危機管理規程に基づき、大地震、台風等の自然災害のリスクが顕在化した場合の対応に備えております。これに基づき、災害発生時においても、社員の安否確認を実施するなど、人命と安全に最大限に配慮しつつ、顧客との連携を密にして、顧客プラントの早期復旧に取り組んでおります。 なお、平時においては、安否確認システムの整備、非常用物資の備蓄、顧客との災害時応援協定の締結など災害発生時に備えております。さらに、首都直下地震により本社が被災した場合に備え、首都圏外の事業所に暫定的な対策本部を設置することなどを含む事業継続計画を策定し、当該計画の運用・見直しを進めてまいります。 |
④ | パンデミック | 国内や全世界的な新型ウイルス等感染症の蔓延により、経済活動に重大な影響や制限が発生し、プラント市場が大きく縮小した場合、また、当社グループの従業員への感染等により事業活動が大きく制限された場合は、経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。 | 当社グループでは、従業員に自身の健康管理を徹底させるとともに、政府・地方自治体の要請に応じ、可能な限り最大限、在宅勤務を実施するなど感染リスクの低減に努めています。特に工事現場においては、衛生管理や三密回避等の徹底した感染拡大防止を実施するとともに協力会社に所属社員の健康管理の徹底、感染者発生時の情報共有などを要請しております。 同時に危機管理規程に基づき感染症対策本部を設置し、感染症にかかわるタイムリーな情報収集と各種対策の立案・実施等により、感染症が事業に重大な影響を及ぼすことのないように努めております。 |
⑤ | プラント事故 | 当社グループがメンテナンスを施工または建設したプラントに、何らかの原因によってプラントの停止、爆発、火災等の重大事故が発生し、その発生原因が当社グループの責任である場合には、損害賠償責任、プラントの復旧等の負担等により業績に影響を及ぼす可能性があります。 | 当社グループでは、危機管理規程に基づき緊急の事態に備えるとともに、事業に関連する各種法令や、ISO9001による品質マネジメントシステム、現地工事安全衛生管理基準、作業安全基準、各種技術基準等の遵守により、施工等上の事故や品質不適合の発生防止に努めております。また、事故や契約不適合が発生した場合に備え、対応した各種保険に加入することにより、費用負担の軽減に努めております。 |
分類 | 内容 | 統制活動の内容 | |
⑥ | 労働災害 | 当社グループは、プラントのメンテナンスや建設工事にあたり、工事上の安全について徹底した管理を行っております。しかしながら、万一、労働災害、事故が発生した場合は、信用の失墜につながり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 | 当社グループは、プラントのメンテナンスや建設工事にあたり、安全衛生に係る各種法令や規程・マニュアル等の遵守など工事上の安全について徹底した管理を行うとともに労働災害、事故が発生した場合に備え、補償等に要する費用面での負担は各種保険に加入することにより、費用負担の軽減に努めております。また、事業活動に重大な影響を及ぼす労働災害が発生した場合には、危機管理規程に基づき対応することとしております。 |
⑦ | 人材の確保 | 当社グループは、事業の維持・成長に必要な人材の確保に努めております。国内の少子・高齢化や景気動向による労働市場の需給バランスの変化、人材の流動化の進展等により、人材の確保が想定どおりに進まない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 | 当社グループでは、売手市場や労働力不足で人材確保が難しくなるなか、経営統合による更なる事業拡大及び収益能力強化のために、優秀な人材確保、育成を継続的に推進していくことが重要となります。また人事諸制度に基づいた公平な評価、処遇の充実など仕組みの構築により、従業員の帰属意識を高め、人材の定着に取り組んでおります。 |
⑧ | 改正労働法に関するリスク | 改正労働法に基づき、当社グループの属する建設事業の労働時間の上限規制は、2024年4月から施行されます。上限規制を遵守できない場合は罰則が科せられ、それにより顧客の信用も失い、業績に影響を及ぼす可能性があります。 | 建設業界は、長時間労働が常態化していることは否めませんが、当社では期間外労働の削減、健康管理への取組み、有給休暇の取得等の推進・強化のための各種対策を実施しております。また、現場においては大型案件における作業に従事する人員の調整や負荷の多い責任者クラスの早期育成に取り組んでおります。あわせて、当社グループおよび業界をあげて、人手不足や工事の集中化などによる長時間労働の対策として、顧客と協力して工事工程の調整や休日の確保などの施策に取り組み、更に労働時間の削減に努めてまいります。 |
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