有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100IUFY (EDINETへの外部リンク)
株式会社PEGASUS 研究開発活動 (2020年3月期)
(1) 工業用ミシン
① 研究開発活動の方針及び体制
工業用ミシン事業は、主にニット衣料等の縫製に使用される環縫いミシンの有力メーカーとして研究開発に注力し、当社独自の固有技術の創出をもって他社との差別化を図ってまいりました。アパレル業界は、デザインや素材の変化が著しく、アパレルの生産現場である縫製工場では日々新しい問題に直面しております。縫製工場が抱える問題に対して、ソリューションを迅速に提供することを研究開発の使命と位置付け、専門のスタッフを配置すると共に新製品の企画から市場投入までのリードタイム短縮に取り組んでおります。開発リードタイムの短縮に向け、当社は販売部門と研究開発部門を同一傘下の本部に組織し、販売部門から得た市場ニーズを同本部内の研究開発部門に繋げ、よりスピーディーな商品開発が可能な組織としております。そのほか、差別化の一環といたしまして、基礎研究の充実化を図るために機構研究、電子制御、縫製分野を個別に分け、専門分野としてより深く研究を重ねております。さらに、ダイレクトモーター搭載の環縫いミシンの新機種発売にともない、ダイレクトモーター搭載機種専門のモーター事業課を設立し、製品の安定化に向けて取り組んでおります。
また、新機種開発及び新たなセールスポイントの研究も行っており、蓄積した技術を体系的に管理しております。確立した技術につきましては随時、新製品に取り込んでおります。研究期間が長期に渡る将来的なテーマも取り上げ、基礎研究の継続と強化を図っております。
当連結会計年度における実績について、産業財産権(特許・実用新案・意匠)に関しては、日本国内外併せて新規出願が9件、登録が5件です。また、研究開発費の総額は、4億8百万円であります。なお、研究開発費総額には、消費税等は含まれておりません。
② 主な研究開発の成果
・偏平縫いミシン改良の開発
当社の専門分野である環縫い技術を活かし、難素材を使用した製品に対する品質の向上及び作業用途に応じた偏平縫いミシンの改良を行いました。生産性、縫い目品質に高い評価を得ており、量産化へ向けて対応しております。・新型上下送りオーバーロック・安全縫いミシン及び各種省力装置の開発
当社独自のセミドライ技術を従来の針棒、上ルーパーの各メカに加え、業界初となる上送りメカにも同技術を付加して油汚れ対策を施した上下送りミシンと、縫製品の品質及び生産性向上に貢献する各種付帯省力装置の開発を行い、量産を開始してユーザーから高い評価を得ております。・フラットシーマ偏平縫いミシンの開発
フラットシーマミシンによる縫製品質の向上及びオペレーターの脱技能化の両立が可能な業界初となる特殊生地送りメカの開発を行い、量産を開始してユーザーから高い評価を得ております。・非アパレル用二重環ミシンの開発
当社の専門分野である環縫い技術を応用し、ポスト型及びフラットベッド型の非アパレルミシンの開発を行いました。生産性、縫い目品質に高い評価を得ており、製品化を開始してユーザーから高い評価を得ております。・小型ダイレクトドライブモーターの開発
従来は市販モーターを利用していた部分につきまして、自社で新しいモーターを開発し、オーバーロックミシン本体に直結しておりましたが、ノウハウを応用して、新たに偏平縫いミシン本体にも自社のモーターを直結いたしました。操作性の向上と省電力性を実現しており、量産を開始してユーザーから高い評価を得ております。(2) ダイカスト部品
① 研究開発活動の方針及び体制ダイカスト部品事業は、自動車用安全ベルト関連部品や自動車用ライト部品をはじめとする、競合工場が多いなかで高度技術に到達するのが難しいアルミダイカスト部品につきまして、高品質でコストパフォーマンスに優れた製品を提供するために研究開発を行い、グローバルな事業展開をしております。具体的な方針といたしましては、製品の効率的かつ安定的な生産に向けた研究開発活動を主として、生産工程における技術の向上や、金型・治具工具及び製品素材の研究に取り組んでおります。
② 主な研究開発の成果
・製造技術の研究
ダイカスト部品の最終工程において、工程の効率化による生産性の向上を目的として、「熱爆発表面処理」を用いた製造技術の研究に取り組んでおります。・品質検査の省力化及び精度の向上
完成後のダイカスト部品を3Dスキャナーで測定することで、取得した3Dデータとサプライヤー等から供給された3Dデータとの比較を瞬時に行い、従来の測定機器では測定できなかった部品内部の精度向上に活用しており、検査プログラム作成の工程削減や測定時間短縮等の品質検査の省力化を実現しております。・高精度な自動車用LEDライト用部品の開発
自動車用LEDライトに使用されているヒートシンクの機能を兼ねた回路保持部品について、平面度の精度を向上させるために「金型恒温保持装置」及び「金型極点冷却装置」等を用いた研究により、より精度の高い部品の製造を実現しております。・素材や表面処理の研究
自動車用の配線ハーネスを結束するための部品の素材について、マグネシウムや亜鉛の配合研究やアルマイト処理の研究等を行うことで、素材の強度や軽量化を実現しております。
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ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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