有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100IVC3 (EDINETへの外部リンク)
富士通株式会社 研究開発活動 (2020年3月期)
当社グループでは、デジタルテクノロジーにより、「人」「企業」「システム」「プロセス」「データ」などが複雑かつ無限につながる社会において、あらゆる局面で求められる信頼「Trust」を確保することを重要な技術戦略に位置付けております。そして、このデジタル時代のTrustの実現と共に、デジタル技術とデータを駆使して革新的なサービスやビジネスプロセスの変革をもたらす、DX(デジタルトランスフォーメーション)企業を目指し、イノベーションが絶えず生まれるために必要な先端テクノロジー開発に取り組んでおります。
当社グループの事業は、「テクノロジーソリューション」、「ユビキタスソリューション」及び「デバイスソリューション」の各セグメントにより構成されており、上記の研究開発方針のもと、それぞれの分野ごとに研究開発活動を行っております。「テクノロジーソリューション」では、次世代のサービス、サーバ、ネットワーク等に関する研究開発を行っております。「ユビキタスソリューション」では、ユビキタス社会に不可欠な製品及び技術に関する研究開発を行っております。「デバイスソリューション」では、LSI、電子部品(半導体パッケージ及び電池)等の各種デバイス製品及び関連技術に関する研究開発を行っております。
当社グループの当年度における主な研究開発活動の成果は、以下のとおりです。また、当年度における研究開発費の総額は、1,233億円となりました。このうち、テクノロジーソリューションに係る研究開発費は790億円、ユビキタスソリューションに係る研究開発費は26億円、デバイスソリューションに係る研究開発費は105億円、その他及び消去又は全社に係る研究開発費は311億円です。
・ディープラーニングを高速化する技術を開発し、画像認識精度を競うコンテストでの画像データを利用し学習時間を測定した結果、世界最高速(2019年4月1日時点)を達成しました。ディープラーニングの学習の進捗度に応じて学習強度を適切に調整する処理に、これまでHPC開発で培ってきた高効率な分散並列処理技術を加えることで、画像認識のディープニューラルネットワークであるResNet-50の学習処理を74.7秒で完了し、従来の最速記録を30秒以上短縮しました。
・オンライン上で事業者や利用者の経歴や資格といったID情報の真偽を判断可能にするアイデンティティー流通技術(IDYX:IDentitY eXchange)を開発しました。IDYXはID情報を改ざんなく交換する技術で、ブロックチェーン上で取引相手の評価や過去の取引などのユーザー間の関係性を構造化し、それらを分析することで取引相手のID情報の信用度をスコア化します。これにより、取引相手の信用性を判断可能にし、より安全で高信頼なオンラインサービスを実現します。
・生体情報のみで本人を特定する「手ぶらでの決済」の安心安全を実現する、生体情報を暗号化したまま高速に認識できる技術を開発しました。大規模チェーン店などではインターネットを経由したオープンな環境でキャッシュレス決済に利用できる生体認証システムが期待されています。今回、手のひら静脈認証で暗号化の際の照合精度の劣化を防ぎ、照合処理を高速化することに成功しました。本技術によりクラウド環境などでの安全な手ぶら決済を可能にします。
・疾病の影響による患者の歩き方の特徴を定量化する、歩行特徴デジタル化技術「FUJITSU KIDUKU Walking Engine(キヅク ウォーキングエンジン)」を開発しました。歩行時の左右の足の動作の関係性や一歩ごとの動作の移り方に基づくモデルを活用し、患者の両足首に装着したジャイロセンサーの信号から特徴点を計測します。これにより、歩幅やスイング時間などの歩き方の特徴を高精度に定量化できました。医療現場などで理学療法士の観察に貢献します。
・組合せ最適化問題を高速に解く次世代アーキテクチャー「デジタルアニーラ」を活用し、ペプチドリーム株式会社と中分子(ペプチド)創薬分野において、共同開発を前提とした共同研究を開始しました。当社が持つ独自の高速コンピューティング技術と、ペプチドリーム株式会社が有する特殊ペプチドに関する先進的な知見や豊富な実験データを組み合わせ、中分子創薬分野における革新的な「in silico創薬」技術の開発と、その利用による医薬品候補化合物探索の飛躍的な効率化を目指します。
・AIの精度低下を防ぐ「High Durability Learning(ハイ デュラビリティ ラーニング)」を開発しました。学習データから構築したAIモデルは時間が経つと社会情勢の変化などに対応できず精度が下がることがあります。本技術は、AI運用時の入力データの正解付けを自動化することで、AIの精度を随時推定し、精度低下時にはAIモデルの自動修復を可能にします。AIモデルを高い精度で長期間維持し、様々な業務での安定したAI運用を実現します。
・演算精度を自動で制御しAI処理を最大10倍高速化する技術「Content-Aware Computing(コンテンツ アウェア コンピューティング)」を開発しました。AI技術の進化により画像認識など活用が広がり、AI処理の計算量が増大するため処理の高速化が必要です。今回、データに合わせてビット数を自動的に削減し、実行時間にばらつきのある並列環境でも高速実行を可能にしました。本技術をディープラーニングに適用することで、計算能力の最大10倍高速化に成功しました。
・がんゲノム医療の効率化を目指し、医学論文からナレッジを自動抽出するAI技術を開発しました。遺伝子変異と治療薬の関係性や、治療薬と効果の関係性などのナレッジを医学論文から自動的に抽出し、グラフ構造型のデータベース、ナレッジグラフとして構築しました。実際の急性骨髄性白血病の過去の診療ケースを題材にした東大医科研との共同実験で、治療方針を導き出す検討作業の測定時間が従来の半分以下になり、効果を実証しました。
・映像から不審な動きや購買行動など、人の行動を分析する技術「Actlyzer(アクトライザー)」を開発しました。人の基本的な動作の組み合わせから、歩く・首を振る・手を伸ばす、といった約100種の基本動作パターンをあらかじめ学習し認識することで、人の複雑な行動を分析することが出来ます。学習用の大量映像データが必要ないため、人の行動を認識するシステムの短時間での導入が可能になります。
・GaN HEMT(窒化ガリウム 高電子移動度トランジスタ)の表面に放熱性の高いダイヤモンド膜を形成する技術を開発しました。気象レーダーや無線通信などに使用されているトランジスタは高出力のため発熱量が増大します。今回、HEMTが破壊されない低温(650℃)でGaN HEMTの表面にダイヤモンド膜を形成し、動作時の発熱量の40%低減に成功しました。それにより冷却装置が簡素化され、GaN HEMTを利用したレーダーシステムの小型化が可能となります。
・センサーデータなどの時系列データから異常検知を行うAIモデルを自動で作成する技術をフランスの国立研究機関Inriaと共同開発しました。本技術はTopological Data Analysis(TDA)を用いた独自の時系列データ解析技術を活用し、様々な情報が複雑に絡み合う時系列データの中から異常検知に必要な情報の自動抽出に成功しました。これにより専門のエンジニアでなくても、脈拍データによる眠気検知や橋梁振動からの破損検知など、目的に即したAIモデルを自動で作成できます。
・量子コンピュータの高ノイズ耐性アルゴリズムの共同研究をカナダのQuantum Benchmark(QB社)と開始します。富士通研究所のAIアルゴリズム開発技術や「デジタルアニーラ」の応用展開で得られた金融・創薬・材料開発などの実問題に関する知見と、QB社の量子コンピュータのノイズ診断・対策技術を融合することで、実用的な量子アルゴリズムの開発を進めます。量子コンピュータの実用化に向けて100量子ビット級の量子コンピュータ上でのアルゴリズム実証を目指します。
当社グループの事業は、「テクノロジーソリューション」、「ユビキタスソリューション」及び「デバイスソリューション」の各セグメントにより構成されており、上記の研究開発方針のもと、それぞれの分野ごとに研究開発活動を行っております。「テクノロジーソリューション」では、次世代のサービス、サーバ、ネットワーク等に関する研究開発を行っております。「ユビキタスソリューション」では、ユビキタス社会に不可欠な製品及び技術に関する研究開発を行っております。「デバイスソリューション」では、LSI、電子部品(半導体パッケージ及び電池)等の各種デバイス製品及び関連技術に関する研究開発を行っております。
当社グループの当年度における主な研究開発活動の成果は、以下のとおりです。また、当年度における研究開発費の総額は、1,233億円となりました。このうち、テクノロジーソリューションに係る研究開発費は790億円、ユビキタスソリューションに係る研究開発費は26億円、デバイスソリューションに係る研究開発費は105億円、その他及び消去又は全社に係る研究開発費は311億円です。
・ディープラーニングを高速化する技術を開発し、画像認識精度を競うコンテストでの画像データを利用し学習時間を測定した結果、世界最高速(2019年4月1日時点)を達成しました。ディープラーニングの学習の進捗度に応じて学習強度を適切に調整する処理に、これまでHPC開発で培ってきた高効率な分散並列処理技術を加えることで、画像認識のディープニューラルネットワークであるResNet-50の学習処理を74.7秒で完了し、従来の最速記録を30秒以上短縮しました。
・オンライン上で事業者や利用者の経歴や資格といったID情報の真偽を判断可能にするアイデンティティー流通技術(IDYX:IDentitY eXchange)を開発しました。IDYXはID情報を改ざんなく交換する技術で、ブロックチェーン上で取引相手の評価や過去の取引などのユーザー間の関係性を構造化し、それらを分析することで取引相手のID情報の信用度をスコア化します。これにより、取引相手の信用性を判断可能にし、より安全で高信頼なオンラインサービスを実現します。
・生体情報のみで本人を特定する「手ぶらでの決済」の安心安全を実現する、生体情報を暗号化したまま高速に認識できる技術を開発しました。大規模チェーン店などではインターネットを経由したオープンな環境でキャッシュレス決済に利用できる生体認証システムが期待されています。今回、手のひら静脈認証で暗号化の際の照合精度の劣化を防ぎ、照合処理を高速化することに成功しました。本技術によりクラウド環境などでの安全な手ぶら決済を可能にします。
・疾病の影響による患者の歩き方の特徴を定量化する、歩行特徴デジタル化技術「FUJITSU KIDUKU Walking Engine(キヅク ウォーキングエンジン)」を開発しました。歩行時の左右の足の動作の関係性や一歩ごとの動作の移り方に基づくモデルを活用し、患者の両足首に装着したジャイロセンサーの信号から特徴点を計測します。これにより、歩幅やスイング時間などの歩き方の特徴を高精度に定量化できました。医療現場などで理学療法士の観察に貢献します。
・組合せ最適化問題を高速に解く次世代アーキテクチャー「デジタルアニーラ」を活用し、ペプチドリーム株式会社と中分子(ペプチド)創薬分野において、共同開発を前提とした共同研究を開始しました。当社が持つ独自の高速コンピューティング技術と、ペプチドリーム株式会社が有する特殊ペプチドに関する先進的な知見や豊富な実験データを組み合わせ、中分子創薬分野における革新的な「in silico創薬」技術の開発と、その利用による医薬品候補化合物探索の飛躍的な効率化を目指します。
・AIの精度低下を防ぐ「High Durability Learning(ハイ デュラビリティ ラーニング)」を開発しました。学習データから構築したAIモデルは時間が経つと社会情勢の変化などに対応できず精度が下がることがあります。本技術は、AI運用時の入力データの正解付けを自動化することで、AIの精度を随時推定し、精度低下時にはAIモデルの自動修復を可能にします。AIモデルを高い精度で長期間維持し、様々な業務での安定したAI運用を実現します。
・演算精度を自動で制御しAI処理を最大10倍高速化する技術「Content-Aware Computing(コンテンツ アウェア コンピューティング)」を開発しました。AI技術の進化により画像認識など活用が広がり、AI処理の計算量が増大するため処理の高速化が必要です。今回、データに合わせてビット数を自動的に削減し、実行時間にばらつきのある並列環境でも高速実行を可能にしました。本技術をディープラーニングに適用することで、計算能力の最大10倍高速化に成功しました。
・がんゲノム医療の効率化を目指し、医学論文からナレッジを自動抽出するAI技術を開発しました。遺伝子変異と治療薬の関係性や、治療薬と効果の関係性などのナレッジを医学論文から自動的に抽出し、グラフ構造型のデータベース、ナレッジグラフとして構築しました。実際の急性骨髄性白血病の過去の診療ケースを題材にした東大医科研との共同実験で、治療方針を導き出す検討作業の測定時間が従来の半分以下になり、効果を実証しました。
・映像から不審な動きや購買行動など、人の行動を分析する技術「Actlyzer(アクトライザー)」を開発しました。人の基本的な動作の組み合わせから、歩く・首を振る・手を伸ばす、といった約100種の基本動作パターンをあらかじめ学習し認識することで、人の複雑な行動を分析することが出来ます。学習用の大量映像データが必要ないため、人の行動を認識するシステムの短時間での導入が可能になります。
・GaN HEMT(窒化ガリウム 高電子移動度トランジスタ)の表面に放熱性の高いダイヤモンド膜を形成する技術を開発しました。気象レーダーや無線通信などに使用されているトランジスタは高出力のため発熱量が増大します。今回、HEMTが破壊されない低温(650℃)でGaN HEMTの表面にダイヤモンド膜を形成し、動作時の発熱量の40%低減に成功しました。それにより冷却装置が簡素化され、GaN HEMTを利用したレーダーシステムの小型化が可能となります。
・センサーデータなどの時系列データから異常検知を行うAIモデルを自動で作成する技術をフランスの国立研究機関Inriaと共同開発しました。本技術はTopological Data Analysis(TDA)を用いた独自の時系列データ解析技術を活用し、様々な情報が複雑に絡み合う時系列データの中から異常検知に必要な情報の自動抽出に成功しました。これにより専門のエンジニアでなくても、脈拍データによる眠気検知や橋梁振動からの破損検知など、目的に即したAIモデルを自動で作成できます。
・量子コンピュータの高ノイズ耐性アルゴリズムの共同研究をカナダのQuantum Benchmark(QB社)と開始します。富士通研究所のAIアルゴリズム開発技術や「デジタルアニーラ」の応用展開で得られた金融・創薬・材料開発などの実問題に関する知見と、QB社の量子コンピュータのノイズ診断・対策技術を融合することで、実用的な量子アルゴリズムの開発を進めます。量子コンピュータの実用化に向けて100量子ビット級の量子コンピュータ上でのアルゴリズム実証を目指します。
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