有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100IWGU (EDINETへの外部リンク)
アルプスアルパイン株式会社 事業等のリスク (2020年3月期)
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)新型コロナウイルスの感染拡大に係るリスク
新型コロナウイルスの感染拡大は、全世界の経済活動に多大な影響を及ぼしており、当社グループの顧客及び取引先において生産停止や規模縮小等の対応がされています。当社グループにおいても受注額の変動に応じて工場における生産調整等を適宜実施し、従業員の安全確保も踏まえ生産停止や縮小を行った結果、売上の減少や稼働率の低下を余儀なくされています。現時点において2020年度の世界自動車販売台数が前年比20%減少すると予測しており、特に車載事業の業績への影響が生じると見込んでいます。また、スマートフォン関連製品は顧客の販売予想を基に業績への影響を評価しており、これらを勘案すると翌連結会計年度の第1四半期においては、当社グループの業績への影響は大きいと想定されるものの、第2四半期から緩やかに回復し年度末にかけて収束に向かうと予測しています。また、これらの影響により、当社グループの中期事業目標であるITC101の達成時期は1年程度遅延する見込みです。
これらのリスクへの対応策として、構造改革によるコスト削減を進めるとともに、新規事業やESG環境への投資は継続し、2021年以降のスマートフォン向け製品の拡大や2023年以降のデジタルキャビン製品の拡大に向けた取組みを推進します。また、新型コロナウイルスの感染拡大による不測の事態に備えた短期運転資金を使途として、資金の借入及びコミットメントライン契約を締結し、運転資金を確保しています。
(2)経済状況の変動に係るリスク
当社グループは、電子部品事業、車載情報通信機器事業を中心としてグローバルに事業を展開しており、当連結会計年度の海外売上高は約80.9%を占めています。また、当社グループ製品の大部分は顧客である国内外のメーカーに販売されるため、顧客への販売状況がグローバルの経済動向に左右されることで、当社グループの事業に大きく影響を及ぼす可能性があります。従って、当社グループは直接あるいは間接的に、自動車やスマートフォンなどをはじめとしたグローバルの各市場における経済状況の影響を受ける環境にあり、各市場における景気の変動等によって、当社グループの業績及び財務状況に影響が及ぶ可能性があります。また、予期しない法律又は税制の変更、不利な政治又は経済要因、貿易摩擦、テロ・戦争・その他の社会的混乱等のリスクが常に内在しています。
従って、これらの事象が起きた場合には、当社グループの事業の遂行が妨げられる可能性があり、これらの様々なリスクについて対処していくことができない場合は、当社グループの業績及び財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。これらの変化への対応として、生産拠点と販売拠点が綿密に連携し、迅速に顧客に販売動向や市場の動向を共有することで、生産規模の適正化を図っています。
(3)外国為替に係るリスク
当社グループは、グローバルに事業展開しており、結果として為替レートの変動による影響を受けます。一例として、外国通貨に対する円高、特に米ドル及びユーロに対して円高に変動した場合には、当社グループの業績にマイナスの影響を及ぼす可能性があります。従って当社グループでは、先物為替予約によるヘッジ取引や外貨建債権債務の相殺等、為替変動による影響額の極小化を図っていますが、為替レートの変動が想定から大きく乖離した場合、業績への影響を抑制できる保証はありません。
(4)有価証券の時価変動に係るリスク
当社グループは、売買を目的とした有価証券は保有していませんが、当連結会計年度末において、309億円の有価証券を保有しています。時価を有するものについては全て時価評価を行っており、株式市場における時価の変動が当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5)顧客ニーズ及び新技術の導入に係るリスク
当社グループの事業は、自動車やスマートフォンをはじめとして技術革新のスピードが非常に早く、顧客要求の変化や新製品・サービスの導入が頻繁な市場であり、新たな技術・製品・サービスの開発により短期間に既存の製品・サービスが陳腐化して市場競争力を失ったり、販売価格が大幅に下落することがあります。電子部品事業においては、スマートフォン向けカメラ用アクチュエータの大型化、複数レンズの採用等の動きが進み、車載ビジネスにおいては、CASEに代表されるようにシステムが高度化するなど、急速に技術革新が進んでいます。これらの変化に対応すべく2020年3月期においては、423億円の設備投資、376億円の研究開発を実施しました。しかし、それらの市場の変化に迅速な対応ができない場合や、製品の販売が想定した台数に達しない場合、又は顧客ニーズに合わせた新製品の導入ができない場合、当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(6)特定の部品の供給体制に係るリスク
当社グループの事業は、重要部品を当社グループ内で製造するよう努めていますが、一部については、当社グループ外の企業から供給を受けています。従って、これらの供給元企業が災害・事故等の事由により当社グループの必要とする数量の部品を予定どおり供給できない場合、生産遅延や販売機会の損失等が発生し、当社グループの業績及び財務状況に影響が及ぶ可能性があります。
供給問題を未然に防ぐ対策として、サプライチェーンマネジメントの強化に取組み、代替調達先の確保や、災害・事故等の発生時は調達部品の生産地を特定できるシステム等により、迅速な対策が取れるよう取組んでいます。また、一定水準の部品在庫の確保を図ることにより、生産遅延や販売機会の損失等を最小限に留める取組みを進めています。
(7)顧客の生産計画に係るリスク
当社グループの事業顧客である国内外のメーカーからの受注生産のため、顧客の生産計画の影響を直接受けます。また、顧客の生産計画は、個人消費の周期性や季節性、新製品の導入、新仕様や規格に対する需要予測及び技術革新のスピードなどの要因に左右されます。従って、このような不確実性が、当社グループの中長期的な研究開発や設備投資計画の策定に影響を及ぼす可能性があります。対応策として、販売部門と生産部門が綿密に連携し、顧客や市場の動向を迅速に共有化し、生産規模の適正化する取組みを進めています。
(8)M&A及び業務提携・戦略的投資に係るリスク
当社グループは、持続的な成長と中長期的な企業価値向上のため、新規事業領域への参入、新技術の獲得、現行事業の競争力強化を目的として、M&A及び業務提携・戦略的投資を実施しています。これらの実施に当たっては、当社事業計画に照らし合わせ、市場・技術動向や顧客ニーズ、相手先企業のポテンシャル等のリスクを十分に分析した上で、慎重に進めています。しかし、市場環境の著しい変化や、買収した事業が計画通りに進めることが出来ず、投下資金の回収遅れや未回収、追加費用の発生などにより、当社グループの業績及び財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(9)競合に係るリスク
当社グループは、例えば、電子部品事業におけるスマートフォン向けカメラ用アクチュエータ、車載情報機器事業におけるナビゲーションなど全ての事業分野において、他社との激しい競争に晒されています。当社グループは、新製品の導入や高品質の製品供給、グローバルなネットワークの整備・拡充等により、顧客満足を得るべく努めていますが、国内外の競合各社との市場における競争は更に激化することが予想されます。従って、失注などの不測事態の発生によって、当社グループの業績及び財務状況に影響が及ぶ可能性があります。
(10)製品品質に係るリスク
当社グループは、品質保証体制を構築し、品質改善活動を通じ、製品の品質維持・向上に努め、また問題発生の未然防止に取り組んでいます。しかしながら、当社グループの製品の品質に起因して顧客の損失が発生した場合、生産物賠償責任保険の適用を超える賠償責任を問われる可能性があります。その結果として、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(11)顧客の財務状況に係るリスク
当社グループは、顧客が適時に支払うことができないことから生じる見積損失について、売掛金に関連する貸倒引当金を維持しています。ただし、通常の業務の過程に関連する売掛金は、担保又は信用保険の対象にはなりません。貸倒引当金は当連結会計年度末において7億円計上されていますが、実質的な売掛金を保有している顧客が景気低迷のために支払いが困難になり、その売掛金を償却しなければならない場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(12)災害等に係るリスク
当社グループは、国内外の各生産拠点において地震などの防災対策を徹底しており、過去の災害発生時には事業への影響を最小限に留めています。しかし、想定を超える大規模な災害が発生した場合には、事業への影響が大きくなる可能性があります。
そのため、当社グループでは、重要な情報インフラのバックアップ体制の整備を進めており、また、災害等が発生した場合は、災害対策本部を設置、迅速に対応にあたる体制を構築しています。
(13)環境汚染に係るリスク
当社グループは、昨年度企業ビジョンを制定し、グループ経営、コンプライアンス及び環境保全についての基本理念と行動指針を定めて当社及び当社子会社に展開しています。その中で、経営姿勢の一つとして、地球との調和を掲げ、環境リスク対策への取組みを行っています。具体的には、化学物質の漏洩防止策や排水・排気管理の徹底、国内事業所における土壌・地下水の浄化等を実施しています。しかし、事業活動を通じて今後新たな環境汚染が発生しないという保証はありません。このような不測の事態が発生又は判明した場合、その対策費用が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(14)法的手続き及び訴訟に係るリスク
当社グループは、事業活動に関するコンプライアンス体制を構築し、役員・従業員に対するコンプライアンス教育を行う等の方法で、コンプライアンス違反に係るリスクの低減を図っています。しかしながら、当社グループの活動に関連して、独占禁止法や環境規制等の法令違反に関し規制当局による法的手続きが開始される可能性、あるいは知的財産や製品品質に関して取引先や第三者との間で訴訟が発生する可能性があります。これらの法的手続きの開始や訴訟の提起の結果として、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(15)知的財産に係るリスク
特許その他の知的財産は、当社グループ製品の市場の多くが技術革新に重点を置いていることなどから、重要な競争力の要因となっています。当社グループは、自社開発技術において、特許、商標及びその他の知的財産権を取得し、場合によってはそれを行使することなどにより、当該技術の保護を図っています。一方、製品開発に当たっては第三者の知的財産権を尊重した製品開発を行っていますが、第三者による知的財産権侵害の申し立てを受ける可能性はあります。
また、当社グループが知的財産権を侵害しているとして損害賠償請求を提訴されている訴訟案件については、訴状への反論を行っていますが、裁判の経過により将来において訴訟の解決による損害賠償支払が確定した場合には、当社グループの業績や財務状況に影響が及ぶ可能性があります。更に当社グループの製品には、他社の知的財産権のライセンスを受けているものもありますが、当該知的財産権の保有者が将来において、ライセンスを当社グループに引き続き与えるという保証はありません。当社グループにとって好ましくない事態が生じた場合には、当社グループの事業はその影響を受ける可能性があります。
(16)人材の確保等に係るリスク
当社グループの事業の中核の一つである自動車市場では、CASEをはじめとする技術革新が加速しています。これらの環境下、ビジネスを確立・拡大していくためには、多様な分野において優れた専門性を有した人材の必要性がますます高まっています。一方、同業他社を含む各社の採用意欲の高まりや、少子高齢化に伴う労働人口の減少などにより、年々、人材の確保に関する難易度が高まっています。
これに対して当社では、継続的な新卒採用に加え、ニーズに基づいたキャリア採用を実行し、人材を確保するとともに、入社時からの体系的な人材育成や、人事理念に基づく評価、昇進・昇格、賃金制度等により、社員の能力・意欲を高める取組みを行っています。また、ビジネスのグローバル化に対応し、日本においても継続して、外国籍社員の採用にも積極的に取り組んでいます。一方では、社員の高齢化や、定年再雇用者が増加する中、各人の適性に応じた職務の割当てにより、社員一人ひとりの豊富な経験や能力を十分に発揮できる環境の整備に努めています。しかし、雇用環境の変化などにより、当社が求める人材の確保やその定着・育成が計画通りに進まなかった場合には、当社グループの将来の成長に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(17)情報管理に係るリスク
昨今の情報システムへのサイバー攻撃の高度化や、ITを活用したビジネス詐欺の巧妙化などにより、当社が事業活動を通じて創出した情報、顧客・サプライヤー又はその他団体及び個人(従業員含む)よりお預かりした情報などが漏えい、改ざん、破壊、更に当社情報システムが停止させられ利用できないなど、様々なインシデントが発生する可能性があります。
このような事態が発生した場合、当社グループの事業、業績及び財務状況に対して、重要な業務の中断による生産及び出荷の停止、顧客やその他関係者の機密情報漏えいに起因する損害賠償請求などの短期的な影響、企業戦略や新技術の漏えいによる競争力低下、並びに当社グループの企業イメージ毀損による販売機会喪失など、中・長期的な影響を生じる可能性があります。
また、特に自動車業界におけるCASE領域の製品では、サイバーセキュリティ体制整備が顧客の採用条件になりつつあり、対策の遅れが販売機会の損失に繋がる可能性もあります。よって当社では、情報の取り扱いに細心の注意を払うため、情報管理に関する規定の整備、サイバー攻撃を早期に発見し排除するセキュリティシステムの活用に加え、社内研修による従業員の知識習得と意識向上などの対策を講じて情報管理に取り組むとともに、今期から公的な情報セキュリティ認証の取得を目指し、インシデントの予防・発見・回復能力の強化と、その有効性を継続的に維持改善していくための体制整備を開始しています。
(18)公的規制に係るリスク
当社グループは、事業展開する各国において事業・投資の許可、関税をはじめとする輸出入規制等、様々な政府規制・法規制の適用を受けています。これらの規制によって、当社グループの事業活動が制限されコストの増加につながる可能性があります。従って、これらの規制は当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(19)資金繰りに係るリスク
当社グループは、取引先銀行とシンジケートローン契約及びシンジケート方式のコミットメントライン契約を締結していますが、これら契約の財務制限条項に抵触した場合には、借入金の繰上げ返済請求を受けることがあり、当社グループの財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、新型コロナウイルスの感染拡大による不測の事態に備えた短期運転資金を使途として、資金の借入及びコミットメントライン契約を締結し運転資金を確保しています。
(20)固定資産の評価及び減損損失に係るリスク
当連結会計年度末における有形固定資産及び無形固定資産の帳簿価額は2,061億円です。当社グループは顧客の需要予測による将来の販売計画に基づいて設備投資を行っていますが、固定資産の回収可能性は、個人消費の動向、新製品の導入タイミング、新仕様や規格変更への対応、及び技術革新のスピード等に影響を受けます。当社グループは、各市場における製品ライフサイクルを分析し生産設備等の経済的耐用年数を設定しています。
新製品の導入が活発なスマートフォン市場向けの一部の固定資産については経済実態に即してより短期間で償却する等によりリスクの軽減に努めています。
一方で自動車市場においては、エレクトロニクスの重要性が高まり市場拡大が見込まれますが、自動車販売台数に基づく顧客の需要変動や顧客ニーズの変化、CASE領域における技術革新への対応等が遅延した場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、投資判断を行う際、その収益性・投資回収予定時期を社内で厳格に精査することで減損損失の計上リスクの軽減に努めています。
しかしながら、急激な経営環境の悪化により収益性が低下し、帳簿価額の全部又は一部を回収できないと判断した場合、減損損失を計上する可能性があります。
(21)繰延税金資産に係るリスク
当連結会計年度末において、繰延税金資産を69億円計上しています。
当社グループは繰延税金資産の回収可能性を評価するにあたり将来の課税所得を見積もっています。将来課税所得は、顧客からの受注見込みや過去の業績、移転価格を考慮した連結会社間の利益の配分等に基づいて算定しています。
当社グループは、経営環境の変化に応じて事業計画を見直し経営成績の維持を図るとともに必要な税務戦略を考慮しています。しかし、将来において顧客の需要変動や移転価格を含む税務関連の動向の変化により課税所得が予想を下回り、すでに計上されている繰延税金資産の全部又は一部を回収できないと判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産を取崩し、税金費用が計上される可能性があります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)新型コロナウイルスの感染拡大に係るリスク
新型コロナウイルスの感染拡大は、全世界の経済活動に多大な影響を及ぼしており、当社グループの顧客及び取引先において生産停止や規模縮小等の対応がされています。当社グループにおいても受注額の変動に応じて工場における生産調整等を適宜実施し、従業員の安全確保も踏まえ生産停止や縮小を行った結果、売上の減少や稼働率の低下を余儀なくされています。現時点において2020年度の世界自動車販売台数が前年比20%減少すると予測しており、特に車載事業の業績への影響が生じると見込んでいます。また、スマートフォン関連製品は顧客の販売予想を基に業績への影響を評価しており、これらを勘案すると翌連結会計年度の第1四半期においては、当社グループの業績への影響は大きいと想定されるものの、第2四半期から緩やかに回復し年度末にかけて収束に向かうと予測しています。また、これらの影響により、当社グループの中期事業目標であるITC101の達成時期は1年程度遅延する見込みです。
これらのリスクへの対応策として、構造改革によるコスト削減を進めるとともに、新規事業やESG環境への投資は継続し、2021年以降のスマートフォン向け製品の拡大や2023年以降のデジタルキャビン製品の拡大に向けた取組みを推進します。また、新型コロナウイルスの感染拡大による不測の事態に備えた短期運転資金を使途として、資金の借入及びコミットメントライン契約を締結し、運転資金を確保しています。
(2)経済状況の変動に係るリスク
当社グループは、電子部品事業、車載情報通信機器事業を中心としてグローバルに事業を展開しており、当連結会計年度の海外売上高は約80.9%を占めています。また、当社グループ製品の大部分は顧客である国内外のメーカーに販売されるため、顧客への販売状況がグローバルの経済動向に左右されることで、当社グループの事業に大きく影響を及ぼす可能性があります。従って、当社グループは直接あるいは間接的に、自動車やスマートフォンなどをはじめとしたグローバルの各市場における経済状況の影響を受ける環境にあり、各市場における景気の変動等によって、当社グループの業績及び財務状況に影響が及ぶ可能性があります。また、予期しない法律又は税制の変更、不利な政治又は経済要因、貿易摩擦、テロ・戦争・その他の社会的混乱等のリスクが常に内在しています。
従って、これらの事象が起きた場合には、当社グループの事業の遂行が妨げられる可能性があり、これらの様々なリスクについて対処していくことができない場合は、当社グループの業績及び財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。これらの変化への対応として、生産拠点と販売拠点が綿密に連携し、迅速に顧客に販売動向や市場の動向を共有することで、生産規模の適正化を図っています。
(3)外国為替に係るリスク
当社グループは、グローバルに事業展開しており、結果として為替レートの変動による影響を受けます。一例として、外国通貨に対する円高、特に米ドル及びユーロに対して円高に変動した場合には、当社グループの業績にマイナスの影響を及ぼす可能性があります。従って当社グループでは、先物為替予約によるヘッジ取引や外貨建債権債務の相殺等、為替変動による影響額の極小化を図っていますが、為替レートの変動が想定から大きく乖離した場合、業績への影響を抑制できる保証はありません。
(4)有価証券の時価変動に係るリスク
当社グループは、売買を目的とした有価証券は保有していませんが、当連結会計年度末において、309億円の有価証券を保有しています。時価を有するものについては全て時価評価を行っており、株式市場における時価の変動が当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5)顧客ニーズ及び新技術の導入に係るリスク
当社グループの事業は、自動車やスマートフォンをはじめとして技術革新のスピードが非常に早く、顧客要求の変化や新製品・サービスの導入が頻繁な市場であり、新たな技術・製品・サービスの開発により短期間に既存の製品・サービスが陳腐化して市場競争力を失ったり、販売価格が大幅に下落することがあります。電子部品事業においては、スマートフォン向けカメラ用アクチュエータの大型化、複数レンズの採用等の動きが進み、車載ビジネスにおいては、CASEに代表されるようにシステムが高度化するなど、急速に技術革新が進んでいます。これらの変化に対応すべく2020年3月期においては、423億円の設備投資、376億円の研究開発を実施しました。しかし、それらの市場の変化に迅速な対応ができない場合や、製品の販売が想定した台数に達しない場合、又は顧客ニーズに合わせた新製品の導入ができない場合、当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(6)特定の部品の供給体制に係るリスク
当社グループの事業は、重要部品を当社グループ内で製造するよう努めていますが、一部については、当社グループ外の企業から供給を受けています。従って、これらの供給元企業が災害・事故等の事由により当社グループの必要とする数量の部品を予定どおり供給できない場合、生産遅延や販売機会の損失等が発生し、当社グループの業績及び財務状況に影響が及ぶ可能性があります。
供給問題を未然に防ぐ対策として、サプライチェーンマネジメントの強化に取組み、代替調達先の確保や、災害・事故等の発生時は調達部品の生産地を特定できるシステム等により、迅速な対策が取れるよう取組んでいます。また、一定水準の部品在庫の確保を図ることにより、生産遅延や販売機会の損失等を最小限に留める取組みを進めています。
(7)顧客の生産計画に係るリスク
当社グループの事業顧客である国内外のメーカーからの受注生産のため、顧客の生産計画の影響を直接受けます。また、顧客の生産計画は、個人消費の周期性や季節性、新製品の導入、新仕様や規格に対する需要予測及び技術革新のスピードなどの要因に左右されます。従って、このような不確実性が、当社グループの中長期的な研究開発や設備投資計画の策定に影響を及ぼす可能性があります。対応策として、販売部門と生産部門が綿密に連携し、顧客や市場の動向を迅速に共有化し、生産規模の適正化する取組みを進めています。
(8)M&A及び業務提携・戦略的投資に係るリスク
当社グループは、持続的な成長と中長期的な企業価値向上のため、新規事業領域への参入、新技術の獲得、現行事業の競争力強化を目的として、M&A及び業務提携・戦略的投資を実施しています。これらの実施に当たっては、当社事業計画に照らし合わせ、市場・技術動向や顧客ニーズ、相手先企業のポテンシャル等のリスクを十分に分析した上で、慎重に進めています。しかし、市場環境の著しい変化や、買収した事業が計画通りに進めることが出来ず、投下資金の回収遅れや未回収、追加費用の発生などにより、当社グループの業績及び財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(9)競合に係るリスク
当社グループは、例えば、電子部品事業におけるスマートフォン向けカメラ用アクチュエータ、車載情報機器事業におけるナビゲーションなど全ての事業分野において、他社との激しい競争に晒されています。当社グループは、新製品の導入や高品質の製品供給、グローバルなネットワークの整備・拡充等により、顧客満足を得るべく努めていますが、国内外の競合各社との市場における競争は更に激化することが予想されます。従って、失注などの不測事態の発生によって、当社グループの業績及び財務状況に影響が及ぶ可能性があります。
(10)製品品質に係るリスク
当社グループは、品質保証体制を構築し、品質改善活動を通じ、製品の品質維持・向上に努め、また問題発生の未然防止に取り組んでいます。しかしながら、当社グループの製品の品質に起因して顧客の損失が発生した場合、生産物賠償責任保険の適用を超える賠償責任を問われる可能性があります。その結果として、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(11)顧客の財務状況に係るリスク
当社グループは、顧客が適時に支払うことができないことから生じる見積損失について、売掛金に関連する貸倒引当金を維持しています。ただし、通常の業務の過程に関連する売掛金は、担保又は信用保険の対象にはなりません。貸倒引当金は当連結会計年度末において7億円計上されていますが、実質的な売掛金を保有している顧客が景気低迷のために支払いが困難になり、その売掛金を償却しなければならない場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(12)災害等に係るリスク
当社グループは、国内外の各生産拠点において地震などの防災対策を徹底しており、過去の災害発生時には事業への影響を最小限に留めています。しかし、想定を超える大規模な災害が発生した場合には、事業への影響が大きくなる可能性があります。
そのため、当社グループでは、重要な情報インフラのバックアップ体制の整備を進めており、また、災害等が発生した場合は、災害対策本部を設置、迅速に対応にあたる体制を構築しています。
(13)環境汚染に係るリスク
当社グループは、昨年度企業ビジョンを制定し、グループ経営、コンプライアンス及び環境保全についての基本理念と行動指針を定めて当社及び当社子会社に展開しています。その中で、経営姿勢の一つとして、地球との調和を掲げ、環境リスク対策への取組みを行っています。具体的には、化学物質の漏洩防止策や排水・排気管理の徹底、国内事業所における土壌・地下水の浄化等を実施しています。しかし、事業活動を通じて今後新たな環境汚染が発生しないという保証はありません。このような不測の事態が発生又は判明した場合、その対策費用が発生し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(14)法的手続き及び訴訟に係るリスク
当社グループは、事業活動に関するコンプライアンス体制を構築し、役員・従業員に対するコンプライアンス教育を行う等の方法で、コンプライアンス違反に係るリスクの低減を図っています。しかしながら、当社グループの活動に関連して、独占禁止法や環境規制等の法令違反に関し規制当局による法的手続きが開始される可能性、あるいは知的財産や製品品質に関して取引先や第三者との間で訴訟が発生する可能性があります。これらの法的手続きの開始や訴訟の提起の結果として、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(15)知的財産に係るリスク
特許その他の知的財産は、当社グループ製品の市場の多くが技術革新に重点を置いていることなどから、重要な競争力の要因となっています。当社グループは、自社開発技術において、特許、商標及びその他の知的財産権を取得し、場合によってはそれを行使することなどにより、当該技術の保護を図っています。一方、製品開発に当たっては第三者の知的財産権を尊重した製品開発を行っていますが、第三者による知的財産権侵害の申し立てを受ける可能性はあります。
また、当社グループが知的財産権を侵害しているとして損害賠償請求を提訴されている訴訟案件については、訴状への反論を行っていますが、裁判の経過により将来において訴訟の解決による損害賠償支払が確定した場合には、当社グループの業績や財務状況に影響が及ぶ可能性があります。更に当社グループの製品には、他社の知的財産権のライセンスを受けているものもありますが、当該知的財産権の保有者が将来において、ライセンスを当社グループに引き続き与えるという保証はありません。当社グループにとって好ましくない事態が生じた場合には、当社グループの事業はその影響を受ける可能性があります。
(16)人材の確保等に係るリスク
当社グループの事業の中核の一つである自動車市場では、CASEをはじめとする技術革新が加速しています。これらの環境下、ビジネスを確立・拡大していくためには、多様な分野において優れた専門性を有した人材の必要性がますます高まっています。一方、同業他社を含む各社の採用意欲の高まりや、少子高齢化に伴う労働人口の減少などにより、年々、人材の確保に関する難易度が高まっています。
これに対して当社では、継続的な新卒採用に加え、ニーズに基づいたキャリア採用を実行し、人材を確保するとともに、入社時からの体系的な人材育成や、人事理念に基づく評価、昇進・昇格、賃金制度等により、社員の能力・意欲を高める取組みを行っています。また、ビジネスのグローバル化に対応し、日本においても継続して、外国籍社員の採用にも積極的に取り組んでいます。一方では、社員の高齢化や、定年再雇用者が増加する中、各人の適性に応じた職務の割当てにより、社員一人ひとりの豊富な経験や能力を十分に発揮できる環境の整備に努めています。しかし、雇用環境の変化などにより、当社が求める人材の確保やその定着・育成が計画通りに進まなかった場合には、当社グループの将来の成長に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(17)情報管理に係るリスク
昨今の情報システムへのサイバー攻撃の高度化や、ITを活用したビジネス詐欺の巧妙化などにより、当社が事業活動を通じて創出した情報、顧客・サプライヤー又はその他団体及び個人(従業員含む)よりお預かりした情報などが漏えい、改ざん、破壊、更に当社情報システムが停止させられ利用できないなど、様々なインシデントが発生する可能性があります。
このような事態が発生した場合、当社グループの事業、業績及び財務状況に対して、重要な業務の中断による生産及び出荷の停止、顧客やその他関係者の機密情報漏えいに起因する損害賠償請求などの短期的な影響、企業戦略や新技術の漏えいによる競争力低下、並びに当社グループの企業イメージ毀損による販売機会喪失など、中・長期的な影響を生じる可能性があります。
また、特に自動車業界におけるCASE領域の製品では、サイバーセキュリティ体制整備が顧客の採用条件になりつつあり、対策の遅れが販売機会の損失に繋がる可能性もあります。よって当社では、情報の取り扱いに細心の注意を払うため、情報管理に関する規定の整備、サイバー攻撃を早期に発見し排除するセキュリティシステムの活用に加え、社内研修による従業員の知識習得と意識向上などの対策を講じて情報管理に取り組むとともに、今期から公的な情報セキュリティ認証の取得を目指し、インシデントの予防・発見・回復能力の強化と、その有効性を継続的に維持改善していくための体制整備を開始しています。
(18)公的規制に係るリスク
当社グループは、事業展開する各国において事業・投資の許可、関税をはじめとする輸出入規制等、様々な政府規制・法規制の適用を受けています。これらの規制によって、当社グループの事業活動が制限されコストの増加につながる可能性があります。従って、これらの規制は当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(19)資金繰りに係るリスク
当社グループは、取引先銀行とシンジケートローン契約及びシンジケート方式のコミットメントライン契約を締結していますが、これら契約の財務制限条項に抵触した場合には、借入金の繰上げ返済請求を受けることがあり、当社グループの財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、新型コロナウイルスの感染拡大による不測の事態に備えた短期運転資金を使途として、資金の借入及びコミットメントライン契約を締結し運転資金を確保しています。
(20)固定資産の評価及び減損損失に係るリスク
当連結会計年度末における有形固定資産及び無形固定資産の帳簿価額は2,061億円です。当社グループは顧客の需要予測による将来の販売計画に基づいて設備投資を行っていますが、固定資産の回収可能性は、個人消費の動向、新製品の導入タイミング、新仕様や規格変更への対応、及び技術革新のスピード等に影響を受けます。当社グループは、各市場における製品ライフサイクルを分析し生産設備等の経済的耐用年数を設定しています。
新製品の導入が活発なスマートフォン市場向けの一部の固定資産については経済実態に即してより短期間で償却する等によりリスクの軽減に努めています。
一方で自動車市場においては、エレクトロニクスの重要性が高まり市場拡大が見込まれますが、自動車販売台数に基づく顧客の需要変動や顧客ニーズの変化、CASE領域における技術革新への対応等が遅延した場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、投資判断を行う際、その収益性・投資回収予定時期を社内で厳格に精査することで減損損失の計上リスクの軽減に努めています。
しかしながら、急激な経営環境の悪化により収益性が低下し、帳簿価額の全部又は一部を回収できないと判断した場合、減損損失を計上する可能性があります。
(21)繰延税金資産に係るリスク
当連結会計年度末において、繰延税金資産を69億円計上しています。
当社グループは繰延税金資産の回収可能性を評価するにあたり将来の課税所得を見積もっています。将来課税所得は、顧客からの受注見込みや過去の業績、移転価格を考慮した連結会社間の利益の配分等に基づいて算定しています。
当社グループは、経営環境の変化に応じて事業計画を見直し経営成績の維持を図るとともに必要な税務戦略を考慮しています。しかし、将来において顧客の需要変動や移転価格を含む税務関連の動向の変化により課税所得が予想を下回り、すでに計上されている繰延税金資産の全部又は一部を回収できないと判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産を取崩し、税金費用が計上される可能性があります。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01793] S100IWGU)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。