有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100ITZN (EDINETへの外部リンク)
日本航空電子工業株式会社 研究開発活動 (2020年3月期)
当社グループは、グローバルな視点での事業運営と顧客価値の追求に徹し、優れた製品をタイムリーに市場に供給するため、グローバルマーケティング力の強化及び技術開発力の強化を積極的に推進しております。これを牽引し支えるために、商品開発センターにおいては、基礎・応用技術の研究開発を主体に、各事業部の技術部門においては、所管事業に関する新製品、新製法の開発を主体に、それぞれが連携をとりながら長年にわたって培ってきた経験と実績を生かして研究開発活動を実施しております。また、各生産子会社は、所管製品に関連する事業部との密接な連携のもとに新製法の開発を主体に取り組んでおります。
当連結会計年度におけるセグメント別の主な研究開発成果は次のとおりであります。
(1) 商品開発センター
小型携帯機器、自動車などで利用される電気コネクタ開発では、従来からの小型化や薄型化に加え、折りたたみスマートフォンに代表されるような電子機器の多様化に伴う柔軟性や伸縮性などの特性が課題となっております。このような課題に対応した粘着性のフィルム型電気接続技術を開発し、電子回路基板の柔軟性を小型携帯機器内の実装の省スペース化に利用するモノづくり改革の進展に対応した製品開発を目指しております。このフィルム型電気接続技術の示す柔軟性と伸縮性は「動きのあるデバイス」に優位性を持つことが分かり、ロボット用途のフレキシブルな触覚センサモジュールに当該技術を適用した「ロボットハンド用グローブ型センサモジュール」は、日刊工業新聞社主催の2019年「超モノづくり大賞」奨励賞を受賞しました。現在、配線用の伸縮材料開発などの要素技術開発と共に、ウェアラブル機器や次世代型の生産ロボット、介護ロボットに広く適用可能となる配線接続およびフレキシブルなセンサモジュールの試作を行いながら事業性を調査しております。IoT製品の鍵技術のひとつであるセンシングモジュール関連の開発では、独自のMEMS加速度計を用いて高精度のセンサシステムを試作し、構造物診断市場への参入を目的とする実証実験を通じ、劣化診断システムに要求される課題抽出とその解決に向け取り組んでおり、高速道路などの大規模なインフラに対する劣化診断システムを目指し、事業化企画を進めております。また、高精度センサに関する様々な要素開発として、独自の電気化学計測および量子センサなどの技術開発も進めております。量子センサ開発においては、文部科学省の大型プロジェクトに参画し、断層調査や資源探査に重要なジオイド計測の可能性の実証を進め、自動運転などで必要となるセンサ技術への醸成を図る予定です。更に、当社の有するセンシングデバイス設計技術やコイル製造技術などを利用し、ヘルスケア、環境、海洋などの産業向けの様々なIoT製品の試作を行い、新たな市場創出を目的とした事業性の調査を進めております。
(2) コネクタ事業
製品開発では、ICT機器市場向けとして、USB Type-C™コネクタ「DX07」シリーズに、充電用等に需要の多い、省スペース、低価格な16芯製品をラインナップしました。自動車市場向けでは、環境車向けに、モーター近傍の高温に対応した、省スペースのコネクタ「MX71」シリーズの開発、エアバッグの起爆装置用コネクタとして、欧米で標準的に採用されているAK規格準拠製品の「MX72」シリーズを開発しました。産機市場向けには、ロボット、工作機械等の基板間接続用として、高速伝送、かつ2点接点による高い接触信頼性を実現したフローティングコネクタ「AX01」シリーズを開発しました。生産技術開発では、自動化による安定品質、高速加工、高稼働加工に加え、変量多品種生産用設備の製作リードタイム短縮、設備費用削減を目的とした汎用設備開発を進めております。また、成形、プレス、表面処理加工においてはシミュレーション技術の積極的活用による製品開発、改善活動を推進し、顧客要求に応えるべくものづくり力の強化を図っております。
基盤技術開発では、次世代製品開発として、洗濯対応及び多種導電素材対応の研究を実施し、スマート衣料向けコネクタ「RK01」シリーズを製品化しました。要素技術開発では、高速伝送コネクタの設計・解析環境を充実させたほか、大電流コネクタ接点の長寿命化や、太径電線とコンタクトの結線技術などの大電流に関する研究を進めました。
(3) インターフェース・ソリューション事業
車載静電タッチパネル技術開発では、車載ディスプレイの大型化トレンドに対応した、メタルメッシュ電極センサの機能向上、生産性改善に取り組んでおります。特にフィルム型メタルメッシュセンサでは、インク等の各種物性を分析し高精細印刷への最適化を実現したことにより、歩留まりの改善を図りました。またタッチパネル製品のカバー部品では、表面の反射光抑制等の外観見栄えやタッチ部表面の清掃性改善など、更なる高機能化に向け取り組んでおります。産機・インフラ市場向けには、静電センサのノイズ耐性及びユーザビリティを向上する開発を行いました。またロボット用ティーチングペンダントの開発では、材料の選定や制御部の機能集約などの改善により、軽量化と耐衝撃性能を向上した製品の開発が完了し、量産化に向けた取組みを行なっております。
(4) 航機事業
産機市場向け慣性計測装置の製品開発として、i-Construction、スマート農業及び無人機などの自動運転のセンサとして使用する小型IMUについて、更なる実用化に向けたアルゴリズムの最適化および環境・EMC対応技術の研究を継続しています。基幹センサである高精度光応用センサにおいては、新しい制御則による性能改善を研究しており、中精度光応用センサにおいては、光学系の要素技術を研究し、小型・高性能の市場要求に対応するための機能・性能改善を進めています。
更に、アビオニクスにおいては、将来機器への適用を目指し、モデルベース設計手法の研究を進め、具体的なモデル構築による評価を開始しております。
以上の研究開発費総額は11,158百万円であります。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01828] S100ITZN)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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