有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100IZYU (EDINETへの外部リンク)
株式会社高見沢サイバネティックス 研究開発活動 (2020年3月期)
(1) 研究開発活動
当社グループの事業である電子制御機器に係る研究開発活動は当社が担っております。当社グループの主力製品は、交通システム機器、メカトロ機器、特機システム機器を三本柱としており、これらに共通したチケット(T)、紙幣(B)、コイン(C)、カード(C)関連機器を中心に、多様化・高度化する市場ニーズを的確に捉え、それらに適応できる新製品を研究・開発して、タイムリーに提供することを主眼とした活動を行っております。
当社の研究開発活動の取り組み方法としては、①社内及び関係会社の社員から出された新製品開発提案②市場ニーズに基づき社内検討の結果、開発の必要性が認められた新製品③特定顧客から具体的な開発依頼のあった新製品④現在、生産・販売している既存製品のモデルチェンジの4つのルートにより提案され、審議を経て着手が決定された新製品・新技術の開発を行っております。
当連結会計年度に実施した各機器における主な研究開発活動は次のとおりであります。
駅務機器関連では、中小規模の駅に適した小型・省スペース型券売機、駅改札口の近傍などに設置されるスタンド設置型ICカードチャージ機の後継機の開発を完了し、販売を開始しました。従来機は顧客要求の多様化に伴って改良・派生が加えられ、複数の製品系列として開発されていましたが、都度設計の効率化および生産効率の向上を図るため機種の統一を行うとともに、構成部品の見直しを実施し、性能の向上および省電力化を図りました。また、通貨の識別においては、電子検銭方式に加えて画像処理による硬貨識別を取り入れ、変造・偽造硬貨を高い識別技術により排除する機能を設けました。
ホームドア関連では、列車扉に連動してホームドアの開口部を動作させる装置の開発を完了し、販売を開始しました。3Dカメラによる画像センシング技術を用いて、列車扉とホームドアを連動させます。この装置は、車両への改造を必要としないことから、容易にホームドアの開閉制御が可能になります。
入退場管理システムでは、省力化(運用負荷軽減)を実現した無人受付システムの開発を完了し、販売を開始しました。発行された認証媒体を、回収時に整列収納させる機能を有したカセットに格納し、カセットを回収機/発行機で入れ替えることで必要最小数量の認証媒体を運用停止することなく稼働が可能となります。
ゲート関連機器では、セキュリティゲートと顔認証技術を組み合わせた顔認証ゲートの研究を進めています。歩きながら通過して本人確認ができるウォークスルー方式で、駅の改札機として実証実験を実施しています。
駐輪場管理システムでは、システムを構成する機器間のハードウェア、ソフトウェアを共通化した定期更新機、ラック式精算機の後継機の開発を完了し、販売を開始しました。機器間の共通化を進めることで、保守全般の対応経費の負担の軽減を図ることができます。
防災計測システムでは、主力機種である計測震度計の後継機の開発を完了し、販売を開始しました。処理能力の大幅な向上を図るとともに、低消費電力設計による停電時のバックアップ時間を格段に向上させました。
(2) 研究開発の体制
当社の研究開発の体制は、機構設計センター、メカコン設計センター、システム設計センター、NTC開発センター、TPPセンターおよび品質保証センターで組織されており、全社的な協力体制の下で運営されています。機構設計センターは、交通システム、メカトロ、特機システム機器の機械設計の研究開発業務を担当する部門であります。
メカコン設計センターは、交通システム、メカトロ、特機システム機器の電気設計およびファームウェア設計の研究開発業務を担当する部門であります。
システム設計センターは、交通システム、メカトロ、特機システム機器のソフトウェア設計の研究開発業務を担当する部門であります。
NTC開発センターは、将来の新製品開発に必要不可欠な基本技術の確立を目的とした基礎研究業務を担当する部門、地震計のソフトウェア・電気設計の研究開発業務を担当する部門であります。
TPPセンターは、コスト管理、開発試作機の迅速な完成を目的として、開発製品の部材調達から組立、調整までを担当する部門であります。
品質保証センターは、開発製品に対して、当社制定の品質標準規格に基づき、機能、性能、信頼性、安全性等の総合的な評価試験を行い、基準に合格した製品であることを認証し、保証する部門であります。
以上の各部門が相互に協力しあうことによって、開発期間の短縮を図り、高性能、高品質な製品を開発し、市場ニーズに合致した新製品をタイミングよく顧客に供給できるような体制で研究開発を行っております。
なお、当連結会計年度に支出した研究開発費の総額は488百万円であり、連結売上高の2.9%に相当致します。
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ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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