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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100IYSA (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 カヤバ株式会社 研究開発活動 (2020年3月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等

(1) 目的

当社では、モノづくりを通して豊かな社会づくりに貢献する信頼のブランドを確立していくため、本年よりスタートした新中期経営計画の「取り戻そう信頼と誇り」をスローガンとして、KYBグループ一丸となり研究開発活動を今後も精力的に推進してまいります。
現行製品の性能向上はもとより、高機能化やシステム化への対応および軽量化や省エネルギー、環境負荷物質削減などを通して世界中の至る所で地域の人々の暮らしを支え、安心・安全・快適さを提供するための新製品開発と革新的なモノづくりに挑戦し続けています。また、グローバル化の加速に伴い、国際感覚を身につけた人財の育成やマネジメントシステムの構築も進め、グローバル生産・販売・技術の一体活動でイノベーションを起こすことによってKYBの新しい価値を創造し、企業価値の向上に繋げ、技術の持続的成長を目指します。


(2) 体制

当社では、基盤技術研究所と生産技術研究所を中核として、独創性に優れた先行技術の研究開発を行っています。
研究所では基礎研究や要素技術開発を、各事業の技術部門は新製品および性能向上や低コスト化など商品力向上のための開発を担うとともに、全社を横断して研究所と各事業技術部門が一体となったプロジェクト活動も推進しています。また、研究開発からモノづくりまでを無駄なく連続的に、スムーズかつタイムリーに実施していくために、長期的な環境変化とそれに伴う社会ニーズや顧客ニーズの調査、分析、予測に基づいた将来技術のあるべき姿とそこに向けた持続的成長戦略を、ロードマップとして明確に定め、活動を進めています。また、工機センターでは、先進性に溢れた信頼性の高い設備や金型の内製化に取り組んでおり、生産技術研究所で開発された新しい工法や各工場で培われたノウハウの具現化を推進しています。
一方で、従来からの研究開発および製品化に向けた体制に加え、新しい時代に対応するための取組みも始めています。
まず、2018年に欧州に技術者駐在員事務所を設置いたしました(欧州テクニカルセンターと同敷地内)。自動車、油圧機器を問わず、欧州地区をはじめとする世界の最先端情報を収集することで、技術トレンドの把握と社内の研究開発テーマへのブレークダウンを行っています。
更に、AIやIoTなどのデジタル技術の全社的推進ならびにこれらの醸成を目的とし、2019年にDX(デジタルトランスフォーメーション)推進部を創設いたしました。当社グループのIoTプラットフォームの構築をはじめ、生産性や品質の向上、AIを活用したモノづくりをはじめ、製品開発や新サービスの展開により、今まで以上にお客様に安心してお使いいただける製品のご提供を目指していきます。
当社グループの関係会社は、主に自動車機器・油圧機器・電子機器の製造販売および製品の改良開発を行っています。そして、課題の解決にあたっては、当社の研究所をはじめとする機能部門や、各事業の技術・生産・品質部門が支援、協業する体制をとっています。
製品の高機能化やシステム化におきましては、当社独自の取組みは勿論のこと、お客様あるいは関連機器サプライヤとの共同研究開発を推進するとともに、効率的な研究開発推進のために産学交流による最先端技術開発にも積極的に取り組んでいます。また、昨今、製品機能の高度化・複雑化に対応すると共に、開発効率の向上を図るため、全社的にモデルベース開発(MBD)の推進に取り組んでいます。これにより、開発期間の短縮と共にお客様からのニーズに素早く対応し、ご高評をいただけるように努めていきます。

(3) 成果

当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発活動の金額は6,312百万円であります。
① AC(オートモーティブコンポーネンツ)事業
自動車業界が100年に一度と言われる大変革期を迎える中、AC事業本部(サスペンション・ステアリング・モーターサイクルの各事業部で構成)は、欧州向け自動車用部品の開発機能の拡充を目的に、ドイツミュンヘン市内に欧州テクニカルセンターを設立し、欧州顧客ニーズ収集と併せたグローバル商品開発力強化及び欧州におけるOEMビジネスの拡充を図っています。また、次世代自動車技術開発に向け、欧州における先行技術情報の収集機能の強化により、世界的なトレンドの把握と具体的な製品開発への展開を行っています。
また、当社はテストコースを保有し、これを活用することによって、サスペンションモジュールやシステム、ステアリングを含めた車両軸での評価技術を強化しています。
四輪車用の油圧緩衝器では、摺動部やバルブ構造に革新的な改良を施すことで、乗り心地と操縦安定性の更なる向上を狙った製品の開発を継続しています。この結果、乗り心地質感やライントレース性を両立したProsmooth技術がトヨタ自動車様のカローラを始めとした派生車種への採用に加え、カムリWSグレードや、ダイハツ工業様のロッキーやコペンGRにも採用が広がっています。加えて、従来は実現困難であった極微低速での減衰力をコントロールできるSwingValveを新開発し、同じくトヨタ自動車様のレクサスESに続き、マークXGRMNでも採用いただき高評価をいただいております。現在、多数のお客様から開発依頼をいただき、採用に向けて信頼性評価を推進しています。また、世界最小の減衰力調整部により車両搭載性に優れ、かつ世界トップレベルの性能を有する電子制御サスペンションがトヨタ自動車様のクラウンに採用されました。なお、これらに適用した技術はお客様から高い評価を得ることができ、幾つかの表彰もいただいています。

欧州市場においても、高い車両安定レベルを実現した新開発のDHS(Double Hydraulic Stop)や新開発の電子制御サスペンション(システム提供)がPSA様に採用されるなど高い評価を得ています。
二輪車用の緩衝器でも、四輪車用と同様に高性能・高機能化に加え、電子制御式サスペンションの開発を進めています。KYB独自開発による制御システムと新開発サスペンションを組み合わせ、従来に無い接地性と乗り心地を実現する新システムの開発が完了し、採用に向けた信頼性評価を推進しています。
四輪車用電動パワーステアリング機器では、システムの一部に問題が生じたとしても機能停止することなく動作し続けられるよう(フォールトトレラント設計)、冗長性を備えた電装品開発を進めています。
また、乗用車用以外のカテゴリーでも幅広くステアリング製品の拡販活動を継続しています。新規のお客様としてオフロード車両(ROV)世界シェアNo.1の米国ポラリス社様に乗用車向けに培ったピニオン式EPS技術をご評価いただき、前2輪の3輪車両・スリングショットへ量産を開始すると共に、その他車両の受注も決定いたしました。本製品は従来他社品に対し部品点数削減と軽量化を実現し、また、当社グループ会社のKYBトロンデュールで生産するコントローラ一体型モータの採用による高出力、内製によるソフトウェア対応自由度の高さ等がご高評いただいており、ご採用拡大に向け商談中です。
更に将来の自動運転に向けては、電子制御サスペンションと電動ステアリングの技術を融合した統合システムの開発を進めています。
四輪用トランスミッション用オイルポンプ製品では、効率、静粛性に優れたベーンポンプが、ジヤトコ様の無段変速機(CVT)に採用されています。2019年には軽自動車専用(日産自動車様、三菱自動車様の新型車両)の無段変速機へ搭載される油圧源用ベーンポンプを新開発し、現行品に対し性能は高レベルを維持したまま、低コスト・小型化を実現しました。開発初期段階から生産・技術・販売一体となり、コスト低減効果が大きいアイテムを多数採用することでお客様から高い評価を得ることができ、 その結果、お客様からの表彰もいただいています。
当セグメントにおける研究開発費の金額は4,524百万円であります。
② HC(ハイドロリックコンポーネンツ)事業
建設機械、農業機械の情報化施工や自動化が進む中で、これに対応するため油圧機器の電子制御化モデルの開発とラインアップ化を継続して進めています。まず、電子制御化に対応した5トン~6トンミニショベル用ピストンポンプPSVL-64を2020年3月から量産を開始しました。更に、各セクションに電磁弁を搭載可能とした16~30トンショベル用コントロールバルブKVMG-270の開発を完了しています。また、汎用モデルとしては6~8トン用ミニショベルに対応したロードセンシングバルブKVSX-18を2020年1月から量産を開始しました。農業機械用としては一体型HST(Hydro-Static Transmission)に加え、小型車両用に対応したタンデムポンプPSVH2-30の電子制御化も開発を完了しており、KVMG-270同様にお客様からのご要望に即座にお応えできる体制を整えています。
当セグメントにおける研究開発費の金額は1,524百万円であります。
③ システム製品
システム製品は、舞台装置の主幹製品である舞台機構操作卓の機能拡充に関する開発を行いました。今後もエンドユーザー様が直接手に触れる操作系デバイスの開発に注力していきます。
当セグメントにおける研究開発費の金額は29百万円であります。
④ 航空機器事業
航空機器事業は、防衛省及び民間航空機向けの製品開発を実施しております。Boeing様で開発中のB777-Xが2020年1月より飛行試験を開始しており、当社はアクチュエータを供試しています。
当セグメントにおける研究開発費の金額は122百万円であります。
⑤ 特装車両事業および電子機器等
特装車両事業は、ユーザー様の使い勝手を改善した環境対応型(省エネ・低騒音・排ガス削減)電子制御ミキサ車(eミキサⅢ)を開発中で、機器のメンテナンス時期や現在の車両の状況を通知できる表示機を搭載し、2020年度にモニタ評価を開始します。更に、積載量向上という市場ニーズにお応えするために、高強度薄肉軽量型ミキサの開発中であり、同様にモニタ評価を開始します。
当セグメントにおける研究開発費の金額は113百万円であります。

事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E02147] S100IYSA)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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