有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100IT9V (EDINETへの外部リンク)
本田技研工業株式会社 事業等のリスク (2020年3月期)
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2020年6月19日)現在において当社が判断したものであり、不確実性を内包しているため、将来生じうる実際の結果と大きく異なる可能性もありますので、ご留意ください。
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う影響
新型コロナウイルス感染症は、世界保健機関(WHO)が2020年1月に国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態宣言を行った後、2020年3月にパンデミック宣言を行いました。その後も世界的に感染が拡大し、多くの国々で外出や移動が制限され、世界各地で経済・企業活動が停滞し、四輪車などの販売台数が減少しました。
当社グループにおいても、新型コロナウイルス感染症の拡大により二輪事業、四輪事業、金融サービス事業およびライフクリエーション事業及びその他の事業において、事業、業績に悪影響が発生しています。各国政府による行動制限措置の実施などに伴い、国内外の生産拠点において、従業員の出社規制およびサプライチェーンにおける部品の供給遅延などによる製品の生産停止・減産といった影響が発生しています。中国武漢市に所在する東風本田汽車有限公司は2020年2月3日に生産活動を休止しましたが、2020年3月11日以降順次生産を再開しています。米国の四輪車生産拠点では、2020年3月23日に生産活動を休止しましたが、2020年5月11日以降順次生産を再開しています。国内外の一部の販売店において、店舗で営業休止、営業時間の短縮、点検・修理に関する業務の縮小などの影響が発生しています。経済情勢の悪化に伴う、将来の失業率上昇や中古車価格下落などの見通しの変化により、顧客の信用リスクなどに影響が発生しています。
また、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う金融市場の変動により、金融サービス事業における資金調達コストに影響が発生しています。なお、当社および連結子会社の当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、売上収益の約2.1ヵ月相当の水準となっており、事業運営上、十分な流動性を確保していると考えています。
なお、財務報告に係る内部統制に関して重要な変更はありません。
当社グループにおいては、2020年1月にグローバル危機対策本部を設置し、お客様、お取引先および従業員をはじめとするステークホルダーの安全を最優先にしつつ、事業継続の観点から事業、業績への悪影響を最小化するための対応を行っています。WHOおよび各国政府の指針に基づく感染防止策の徹底をはじめとして、各国の渡航制限に伴う感染リスクが高い国への渡航禁止、出社規制の導入による在宅勤務の拡大、多くのステークホルダーが集まるイベントの中止・縮小など、様々な対応を実施しています。従業員の体温チェック、執務エリアにおける衛生保持活動およびソーシャルディスタンスの確保などの対応を実施したうえで、各国政府の規制、部品の供給状況などの動向を踏まえ、一部の国においては順次事業活動を再開しています。
上記のとおり、事業活動は一部再開しつつありますが、新型コロナウイルス感染症の収束時期や市場動向、経済動向などは依然として不透明です。今後の動向により、工場の稼働低下、販売店の営業休止・営業時間の短縮、およびこれらに伴う販売台数の減少、感染防止策の長期化による対応費用の増加などにより、事業、業績に悪影響を与える可能性があります。さらなる失業率の上昇や今後の中古車価格下落などの見通しの変化に伴う顧客の信用リスクなどの増大は、クレジット損失の増加やリース残価損失の増加などの業績に悪影響を与える可能性があります。
また、今後、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う影響が長期化した場合には、当社および連結子会社の流動性および資金調達環境に影響を与える可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の拡大は、下記に記載されたリスクに影響を与える可能性があります。
(1) 地域リスク
当社グループは、世界各国において事業を展開しており、それらの国や近隣地域での関税、輸出入規制、租税を含む現地法令・制度・協定・商習慣の変化、戦争・テロ・政情不安・治安の悪化、政治体制の変化、ストライキなどのリスクにさらされています。これら予期せぬ事象が発生し、事業活動の遅延・停止が発生した場合、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
その中でも、主に以下のリスクを認識しています。これらは、当社グループのさらなる、電動化の推進・モビリティサービスなどの提供に関する中長期的な取り組みに与える影響も大きいため、対策の重要性は高まっています。これらの現地法令・制度等の変更が将来及ぼしうる各地域の事業規模については、連結財務諸表注記の「4 セグメント情報 (4) 地域別セグメント補足情報」を参照ください。
(貿易協定の状況)
米国を中心とした貿易協定交渉をめぐる今後の動向が当社グループの事業・業績に悪影響を与える可能性があります。引き続き交渉状況のモニタリングを行い、当社グループへの影響を踏まえた対応を行っていきます。その中でも、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)は2020年7月に発効される見込みです。協定域内で販売する自動車の原産地規則など各種規則の見直しが当社グループの北米地域における事業に悪影響を与える可能性があります。今後、規制の状況を注視したうえで、最適な生産・開発体制の構築などの対応を行っていきます。
(環境規制の状況)
世界各国で燃費・排出規制などの見直しが実施もしくは今後予定されています。規制内容または見直しの動向によっては、開発や部品調達にかかる規制対応費用の発生などが生じる可能性があり、当社グループの北米地域、欧州地域、アジアなどにおける事業に悪影響を与える可能性があります。引き続き、政策・規制動向を注視するとともに、それらの状況に基づく最適な生産・開発体制の構築などの対応を行っていきます。
(個人情報保護規則の状況)
近年、2020年1月に施行されているカリフォルニア州消費者プライバシー法をはじめ世界各国で個人情報保護規則が急速に整備されており、個人情報漏洩など、規則への違反が発生した場合には、各国規則に基づき罰金を科され、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。モビリティサービスなどの提供をはじめとした次世代技術への取組みにおいても、個人情報保護に向けた対策の重要性は高まっています。現行の規制のほか、今後施行が見込まれている個人情報保護規則への対応を行っていきます。
(2) 情報セキュリティリスク
当社グループは、委託先によって管理されているものを含め、事業活動および当社製品において情報サービスや運転支援に関する様々な情報システムやネットワークを利用しています。特に近年急速に進化するIoTなどの情報技術が自動車の制御に不可欠なものになっています。
その中でも、サイバー攻撃については、当社グループのさらなる、安全運転支援技術の普及と進化・モビリティサービスなどの提供に関する中長期的な取り組みに与える影響も大きいため、対策の重要性は高まっています。この傾向は今後も加速すると予想されます。
外部からのサイバー攻撃のほか、機器の不具合、当社グループや委託先内部での管理上の不備や人為的な過失、さらには自然災害やインフラ障害等の不測の事態により、重要な業務やサービスの停止、機密情報・個人情報等の漏洩、不適切な事務処理、あるいは重要データの破壊、改ざん等が発生する可能性があります。
このような事象が起きた場合、ブランドイメージや社会的信用の低下、影響を受けた顧客やその他の関係者への損害責任、制裁金の支払い、生産活動の停滞や遅延、当社グループの競争力の損失に繋がる等、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
当社グループにおいては、事業、業績への悪影響を最小化するため、情報システムのセキュリティに関する管理体制および基準を定めています。本基準に基づき、ハード面およびソフト面でのセキュリティ対策を実施し、情報システムのセキュリティ強化を図っています。
また、製品へのサイバー攻撃に対しては、サイバーセキュリティ委員会を設置し、グローバルでの対応体制を構築しています。法規を踏まえた規程・手順書などの整備、対応フロー策定、サイバーセキュリティに関する演習を通じた改善点の検証・対策、人材育成などを行っています。
また、サイバー攻撃に関するインシデントが発生した場合には、迅速に実態把握を行ったうえで、影響を最小化するための対応を行っています。
補足事項(当社グループへのサイバー攻撃によるシステム障害について)
2020年6月8日、当社グループにおいてサイバー攻撃によりオフィスパソコンなどの接続障害が広範囲で発生し、生産拠点などを含む一部拠点において業務の一時中断が発生しました。
当社グループにおいては、障害が発生したオフィスパソコンなどの復旧作業を実施したほか、サイバー攻撃の経路などについて調査を実施しています。当社グループが実施した調査においては、現時点において、顧客やその他の関係者に関する情報流出などの被害は確認されていません。また、影響を最小化するため、類似のサイバー攻撃への対応を実施していますが、原因などについては調査中であり、現在判明していない影響が発生する可能性があるため、類似のサイバー攻撃に対して対策が万全に機能しない可能性があります。
本サイバー攻撃による新たな影響が判明した場合や、類似のサイバー攻撃による影響が発生した場合、ブランドイメージや社会的信用の低下、影響を受けた顧客やその他の関係者への損害責任、制裁金の支払い、生産活動の停滞や遅延、当社グループの競争力の損失に繋がる等、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
(3) 他社との業務提携・合弁リスク
当社グループは、相乗効果や効率化などを期待、もしくは事業展開している国の要件に従う場合に、他社と業務提携・合弁による事業運営を行っています。
当社グループのさらなる、電動化の推進・安全運転支援技術の普及と進化・モビリティサービスなどの提供に関する中長期的な取り組みを進めるにあたっては、業務提携などの活用の重要性は高まっています。
業務提携などにおいて、当事者間で業務上の不一致、利益や技術の流出、意思決定の遅れ、業務提携先などの業績不振が生じた場合、あるいは提携内容の変更や解消が生じた場合、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
当社グループにおいては、中長期の事業戦略に基づき業務提携などの戦略を議論・策定したうえで、デューデリジェンスを通じた情報収集・リスク検証を行っています。契約締結後においても業務提携などに関する運営状況のモニタリングを行い、当社グループの事業、業績への影響が発生する可能性がある場合には、提携先などと連携し影響を最小化するための対応を行っています。
(4) 知的財産リスク
当社グループは、長年にわたり、自社が製造する製品に関連する多数の特許および商標を保有し、もしくはその権利を取得しています。これらの特許および商標は、当社グループのさらなる、安全運転支援技術の普及と進化・モビリティサービスなどの提供に関する中長期的な取り組みに与える影響も大きいため、対策の重要性は高まっています。
当社グループの知的財産が広範囲にわたって保護できないこと、あるいは、広範囲にわたり当社グループの知的財産権が違法に侵害されること、さらには特許権侵害訴訟による製造・販売の差し止めや高額の損害賠償金、ライセンス料の請求によって、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
当社グループにおいては、外部の専門家、取引先と連携し、特許保有者からの特許権侵害訴訟を想定した対策を実施しています。また、関連法規の動向を注視・分析し、将来の法的手続で不利な判断がなされた場合など当社グループの事業、業績への悪影響が発生する可能性がある場合には、影響を最小化するための対応を行っています。
(5) 自然災害等リスク
地震、風水害、感染症などの発生時に当社グループの拠点や従業員が被害を受け、生産・開発・購買・営業などの事業活動の停止・遅延が発生した場合、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
当社グループは、事業、業績への影響を最小化するため、これらの事象のリスク評価や事業継続計画(BCP)の策定および定期的な見直し、訓練実施による改善点の検証・対策などを行っています。また、重大な影響を与える事象が発生した場合には、グローバル危機対策本部を設置し、各地域の情報収集および影響の最小化に向けた対応を全社横断的な観点で実施します。
(6) 金融・経済リスク
当社グループにおいては、金融・経済などの動向をモニタリングし当社グループに対する事業影響を把握するとともに、事業計画に反映し、対応を実施しています。
① 経済動向、景気変動リスク
当社グループは、世界各国で事業を展開しており、様々な地域、国で生産活動を行い、製品を販売しています。これらの事業活動は経済低迷、通貨変動などの影響を受けることで、市場の縮小による販売台数の減少、部品調達価格および製品の販売価格の上昇、信用リスクの上昇、資金調達金利の上昇などに繋がる可能性があります。その結果として当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
② 為替変動リスク
当社グループは、日本をはじめとする世界各国の生産拠点で生産活動を行っており、その製品および部品の多くを複数の国に輸出しています。各国における生産および販売では、外貨建てで購入する原材料および部品や、販売する製品および部品があります。したがって、為替変動は、購入価格や販売価格の設定に影響し、その結果、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
(7) 市場環境変化リスク
当社グループは、日本、北米、欧州およびアジアを含む世界各国で事業を展開しています。これらの市場の長期にわたる経済低迷、消費者の価値観、ニーズの変化や、燃料価格の上昇および金融危機、原材料の高騰・供給量低下による製品価格上昇などによる購買意欲の低下、他社との競争激化は、当社グループの製品の需要低下につながり、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
(8) 金融事業特有のリスク
当社グループの金融サービス事業は、お客様に様々な資金調達プログラムを提供しており、それらは、製品の販売をサポートしています。しかしながら、お客様は当社グループの金融サービス事業からではなく、競合する他の銀行およびリース会社等を通して、製品の購入またはリースの資金を調達することができます。当社グループが提供する金融サービスは、残存価額および資本コストに関するリスク、信用リスク、資金調達リスクなどを伴います。お客様獲得に関する競合および上記金融事業特有のリスクは、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
(9) 購買・調達リスク
当社グループは、良い物を、適正な価格で、タイムリーにかつ永続的に調達することを目指して、多数の外部の取引先から原材料および部品を購入していますが、製品の製造において使用するいくつかの原材料および部品については、特定の取引先に依存しています。効率的かつ低コストで継続的に供給を受けられるかどうかは、当社グループがコントロールできないものも含めて、多くの要因に影響を受けます。それらの要因のなかには、取引先が継続的に原材料および部品を確保できるかどうか、また、供給を受けるにあたって、当社グループがその他の需要者に対してどれだけ競争力があるか等が含まれます。また、特に主要な取引先を失うことは、当社グループの生産に影響を与えるなど、事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
(10) 法務リスク
当社グループは、訴訟、関連法規に基づく様々な調査、法的手続を受ける可能性があります。係争中、または将来の法的手続で不利な判断がなされた場合、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
(11) 退職後給付に関わるリスク
当社グループは、各種退職給付および年金制度を有しています。これらの制度における給付額は、基本的に従業員の給与水準、勤続年数およびその他の要素に基づいて決定されます。また、掛金は法令が認める範囲で定期的に見直されています。確定給付制度債務および確定給付費用は、割引率や昇給率などの様々な仮定に基づいて算出されています。仮定の変更は将来の確定給付費用、確定給付制度債務および制度への必要拠出額に影響を与えることにより、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。
(12) ブランドイメージに関連するリスク
当社グループのブランドに対するお客様や当社グループを取り巻く社会からの信頼・支持が、企業の永続性において重要な要素の一つとなっています。このブランドイメージを支えるため、製品の品質や法規制への対応、リスク管理の実施、内部統制の充実などあらゆる企業活動において常に社会からの信頼に応えられるように努めています。しかしながら予測できない事象により、当社グループのブランドイメージを毀損した場合や迅速で適切な情報発信などの対応が実施出来なかった場合、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2020年6月19日)現在において当社が判断したものであり、不確実性を内包しているため、将来生じうる実際の結果と大きく異なる可能性もありますので、ご留意ください。
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う影響
新型コロナウイルス感染症は、世界保健機関(WHO)が2020年1月に国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態宣言を行った後、2020年3月にパンデミック宣言を行いました。その後も世界的に感染が拡大し、多くの国々で外出や移動が制限され、世界各地で経済・企業活動が停滞し、四輪車などの販売台数が減少しました。
当社グループにおいても、新型コロナウイルス感染症の拡大により二輪事業、四輪事業、金融サービス事業およびライフクリエーション事業及びその他の事業において、事業、業績に悪影響が発生しています。各国政府による行動制限措置の実施などに伴い、国内外の生産拠点において、従業員の出社規制およびサプライチェーンにおける部品の供給遅延などによる製品の生産停止・減産といった影響が発生しています。中国武漢市に所在する東風本田汽車有限公司は2020年2月3日に生産活動を休止しましたが、2020年3月11日以降順次生産を再開しています。米国の四輪車生産拠点では、2020年3月23日に生産活動を休止しましたが、2020年5月11日以降順次生産を再開しています。国内外の一部の販売店において、店舗で営業休止、営業時間の短縮、点検・修理に関する業務の縮小などの影響が発生しています。経済情勢の悪化に伴う、将来の失業率上昇や中古車価格下落などの見通しの変化により、顧客の信用リスクなどに影響が発生しています。
また、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う金融市場の変動により、金融サービス事業における資金調達コストに影響が発生しています。なお、当社および連結子会社の当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、売上収益の約2.1ヵ月相当の水準となっており、事業運営上、十分な流動性を確保していると考えています。
なお、財務報告に係る内部統制に関して重要な変更はありません。
当社グループにおいては、2020年1月にグローバル危機対策本部を設置し、お客様、お取引先および従業員をはじめとするステークホルダーの安全を最優先にしつつ、事業継続の観点から事業、業績への悪影響を最小化するための対応を行っています。WHOおよび各国政府の指針に基づく感染防止策の徹底をはじめとして、各国の渡航制限に伴う感染リスクが高い国への渡航禁止、出社規制の導入による在宅勤務の拡大、多くのステークホルダーが集まるイベントの中止・縮小など、様々な対応を実施しています。従業員の体温チェック、執務エリアにおける衛生保持活動およびソーシャルディスタンスの確保などの対応を実施したうえで、各国政府の規制、部品の供給状況などの動向を踏まえ、一部の国においては順次事業活動を再開しています。
上記のとおり、事業活動は一部再開しつつありますが、新型コロナウイルス感染症の収束時期や市場動向、経済動向などは依然として不透明です。今後の動向により、工場の稼働低下、販売店の営業休止・営業時間の短縮、およびこれらに伴う販売台数の減少、感染防止策の長期化による対応費用の増加などにより、事業、業績に悪影響を与える可能性があります。さらなる失業率の上昇や今後の中古車価格下落などの見通しの変化に伴う顧客の信用リスクなどの増大は、クレジット損失の増加やリース残価損失の増加などの業績に悪影響を与える可能性があります。
また、今後、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う影響が長期化した場合には、当社および連結子会社の流動性および資金調達環境に影響を与える可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の拡大は、下記に記載されたリスクに影響を与える可能性があります。
(1) 地域リスク
当社グループは、世界各国において事業を展開しており、それらの国や近隣地域での関税、輸出入規制、租税を含む現地法令・制度・協定・商習慣の変化、戦争・テロ・政情不安・治安の悪化、政治体制の変化、ストライキなどのリスクにさらされています。これら予期せぬ事象が発生し、事業活動の遅延・停止が発生した場合、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
その中でも、主に以下のリスクを認識しています。これらは、当社グループのさらなる、電動化の推進・モビリティサービスなどの提供に関する中長期的な取り組みに与える影響も大きいため、対策の重要性は高まっています。これらの現地法令・制度等の変更が将来及ぼしうる各地域の事業規模については、連結財務諸表注記の「4 セグメント情報 (4) 地域別セグメント補足情報」を参照ください。
(貿易協定の状況)
米国を中心とした貿易協定交渉をめぐる今後の動向が当社グループの事業・業績に悪影響を与える可能性があります。引き続き交渉状況のモニタリングを行い、当社グループへの影響を踏まえた対応を行っていきます。その中でも、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)は2020年7月に発効される見込みです。協定域内で販売する自動車の原産地規則など各種規則の見直しが当社グループの北米地域における事業に悪影響を与える可能性があります。今後、規制の状況を注視したうえで、最適な生産・開発体制の構築などの対応を行っていきます。
(環境規制の状況)
世界各国で燃費・排出規制などの見直しが実施もしくは今後予定されています。規制内容または見直しの動向によっては、開発や部品調達にかかる規制対応費用の発生などが生じる可能性があり、当社グループの北米地域、欧州地域、アジアなどにおける事業に悪影響を与える可能性があります。引き続き、政策・規制動向を注視するとともに、それらの状況に基づく最適な生産・開発体制の構築などの対応を行っていきます。
(個人情報保護規則の状況)
近年、2020年1月に施行されているカリフォルニア州消費者プライバシー法をはじめ世界各国で個人情報保護規則が急速に整備されており、個人情報漏洩など、規則への違反が発生した場合には、各国規則に基づき罰金を科され、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。モビリティサービスなどの提供をはじめとした次世代技術への取組みにおいても、個人情報保護に向けた対策の重要性は高まっています。現行の規制のほか、今後施行が見込まれている個人情報保護規則への対応を行っていきます。
(2) 情報セキュリティリスク
当社グループは、委託先によって管理されているものを含め、事業活動および当社製品において情報サービスや運転支援に関する様々な情報システムやネットワークを利用しています。特に近年急速に進化するIoTなどの情報技術が自動車の制御に不可欠なものになっています。
その中でも、サイバー攻撃については、当社グループのさらなる、安全運転支援技術の普及と進化・モビリティサービスなどの提供に関する中長期的な取り組みに与える影響も大きいため、対策の重要性は高まっています。この傾向は今後も加速すると予想されます。
外部からのサイバー攻撃のほか、機器の不具合、当社グループや委託先内部での管理上の不備や人為的な過失、さらには自然災害やインフラ障害等の不測の事態により、重要な業務やサービスの停止、機密情報・個人情報等の漏洩、不適切な事務処理、あるいは重要データの破壊、改ざん等が発生する可能性があります。
このような事象が起きた場合、ブランドイメージや社会的信用の低下、影響を受けた顧客やその他の関係者への損害責任、制裁金の支払い、生産活動の停滞や遅延、当社グループの競争力の損失に繋がる等、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
当社グループにおいては、事業、業績への悪影響を最小化するため、情報システムのセキュリティに関する管理体制および基準を定めています。本基準に基づき、ハード面およびソフト面でのセキュリティ対策を実施し、情報システムのセキュリティ強化を図っています。
また、製品へのサイバー攻撃に対しては、サイバーセキュリティ委員会を設置し、グローバルでの対応体制を構築しています。法規を踏まえた規程・手順書などの整備、対応フロー策定、サイバーセキュリティに関する演習を通じた改善点の検証・対策、人材育成などを行っています。
また、サイバー攻撃に関するインシデントが発生した場合には、迅速に実態把握を行ったうえで、影響を最小化するための対応を行っています。
補足事項(当社グループへのサイバー攻撃によるシステム障害について)
2020年6月8日、当社グループにおいてサイバー攻撃によりオフィスパソコンなどの接続障害が広範囲で発生し、生産拠点などを含む一部拠点において業務の一時中断が発生しました。
当社グループにおいては、障害が発生したオフィスパソコンなどの復旧作業を実施したほか、サイバー攻撃の経路などについて調査を実施しています。当社グループが実施した調査においては、現時点において、顧客やその他の関係者に関する情報流出などの被害は確認されていません。また、影響を最小化するため、類似のサイバー攻撃への対応を実施していますが、原因などについては調査中であり、現在判明していない影響が発生する可能性があるため、類似のサイバー攻撃に対して対策が万全に機能しない可能性があります。
本サイバー攻撃による新たな影響が判明した場合や、類似のサイバー攻撃による影響が発生した場合、ブランドイメージや社会的信用の低下、影響を受けた顧客やその他の関係者への損害責任、制裁金の支払い、生産活動の停滞や遅延、当社グループの競争力の損失に繋がる等、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
(3) 他社との業務提携・合弁リスク
当社グループは、相乗効果や効率化などを期待、もしくは事業展開している国の要件に従う場合に、他社と業務提携・合弁による事業運営を行っています。
当社グループのさらなる、電動化の推進・安全運転支援技術の普及と進化・モビリティサービスなどの提供に関する中長期的な取り組みを進めるにあたっては、業務提携などの活用の重要性は高まっています。
業務提携などにおいて、当事者間で業務上の不一致、利益や技術の流出、意思決定の遅れ、業務提携先などの業績不振が生じた場合、あるいは提携内容の変更や解消が生じた場合、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
当社グループにおいては、中長期の事業戦略に基づき業務提携などの戦略を議論・策定したうえで、デューデリジェンスを通じた情報収集・リスク検証を行っています。契約締結後においても業務提携などに関する運営状況のモニタリングを行い、当社グループの事業、業績への影響が発生する可能性がある場合には、提携先などと連携し影響を最小化するための対応を行っています。
(4) 知的財産リスク
当社グループは、長年にわたり、自社が製造する製品に関連する多数の特許および商標を保有し、もしくはその権利を取得しています。これらの特許および商標は、当社グループのさらなる、安全運転支援技術の普及と進化・モビリティサービスなどの提供に関する中長期的な取り組みに与える影響も大きいため、対策の重要性は高まっています。
当社グループの知的財産が広範囲にわたって保護できないこと、あるいは、広範囲にわたり当社グループの知的財産権が違法に侵害されること、さらには特許権侵害訴訟による製造・販売の差し止めや高額の損害賠償金、ライセンス料の請求によって、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
当社グループにおいては、外部の専門家、取引先と連携し、特許保有者からの特許権侵害訴訟を想定した対策を実施しています。また、関連法規の動向を注視・分析し、将来の法的手続で不利な判断がなされた場合など当社グループの事業、業績への悪影響が発生する可能性がある場合には、影響を最小化するための対応を行っています。
(5) 自然災害等リスク
地震、風水害、感染症などの発生時に当社グループの拠点や従業員が被害を受け、生産・開発・購買・営業などの事業活動の停止・遅延が発生した場合、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
当社グループは、事業、業績への影響を最小化するため、これらの事象のリスク評価や事業継続計画(BCP)の策定および定期的な見直し、訓練実施による改善点の検証・対策などを行っています。また、重大な影響を与える事象が発生した場合には、グローバル危機対策本部を設置し、各地域の情報収集および影響の最小化に向けた対応を全社横断的な観点で実施します。
(6) 金融・経済リスク
当社グループにおいては、金融・経済などの動向をモニタリングし当社グループに対する事業影響を把握するとともに、事業計画に反映し、対応を実施しています。
① 経済動向、景気変動リスク
当社グループは、世界各国で事業を展開しており、様々な地域、国で生産活動を行い、製品を販売しています。これらの事業活動は経済低迷、通貨変動などの影響を受けることで、市場の縮小による販売台数の減少、部品調達価格および製品の販売価格の上昇、信用リスクの上昇、資金調達金利の上昇などに繋がる可能性があります。その結果として当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
② 為替変動リスク
当社グループは、日本をはじめとする世界各国の生産拠点で生産活動を行っており、その製品および部品の多くを複数の国に輸出しています。各国における生産および販売では、外貨建てで購入する原材料および部品や、販売する製品および部品があります。したがって、為替変動は、購入価格や販売価格の設定に影響し、その結果、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
(7) 市場環境変化リスク
当社グループは、日本、北米、欧州およびアジアを含む世界各国で事業を展開しています。これらの市場の長期にわたる経済低迷、消費者の価値観、ニーズの変化や、燃料価格の上昇および金融危機、原材料の高騰・供給量低下による製品価格上昇などによる購買意欲の低下、他社との競争激化は、当社グループの製品の需要低下につながり、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
(8) 金融事業特有のリスク
当社グループの金融サービス事業は、お客様に様々な資金調達プログラムを提供しており、それらは、製品の販売をサポートしています。しかしながら、お客様は当社グループの金融サービス事業からではなく、競合する他の銀行およびリース会社等を通して、製品の購入またはリースの資金を調達することができます。当社グループが提供する金融サービスは、残存価額および資本コストに関するリスク、信用リスク、資金調達リスクなどを伴います。お客様獲得に関する競合および上記金融事業特有のリスクは、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
(9) 購買・調達リスク
当社グループは、良い物を、適正な価格で、タイムリーにかつ永続的に調達することを目指して、多数の外部の取引先から原材料および部品を購入していますが、製品の製造において使用するいくつかの原材料および部品については、特定の取引先に依存しています。効率的かつ低コストで継続的に供給を受けられるかどうかは、当社グループがコントロールできないものも含めて、多くの要因に影響を受けます。それらの要因のなかには、取引先が継続的に原材料および部品を確保できるかどうか、また、供給を受けるにあたって、当社グループがその他の需要者に対してどれだけ競争力があるか等が含まれます。また、特に主要な取引先を失うことは、当社グループの生産に影響を与えるなど、事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
(10) 法務リスク
当社グループは、訴訟、関連法規に基づく様々な調査、法的手続を受ける可能性があります。係争中、または将来の法的手続で不利な判断がなされた場合、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
(11) 退職後給付に関わるリスク
当社グループは、各種退職給付および年金制度を有しています。これらの制度における給付額は、基本的に従業員の給与水準、勤続年数およびその他の要素に基づいて決定されます。また、掛金は法令が認める範囲で定期的に見直されています。確定給付制度債務および確定給付費用は、割引率や昇給率などの様々な仮定に基づいて算出されています。仮定の変更は将来の確定給付費用、確定給付制度債務および制度への必要拠出額に影響を与えることにより、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。
(12) ブランドイメージに関連するリスク
当社グループのブランドに対するお客様や当社グループを取り巻く社会からの信頼・支持が、企業の永続性において重要な要素の一つとなっています。このブランドイメージを支えるため、製品の品質や法規制への対応、リスク管理の実施、内部統制の充実などあらゆる企業活動において常に社会からの信頼に応えられるように努めています。しかしながら予測できない事象により、当社グループのブランドイメージを毀損した場合や迅速で適切な情報発信などの対応が実施出来なかった場合、当社グループの事業、業績に悪影響を与える可能性があります。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E02166] S100IT9V)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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