有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100IYOC (EDINETへの外部リンク)
東急建設株式会社 研究開発活動 (2020年3月期)
セグメントごとの研究開発は次のとおりであります。なお、「建設事業(建築)」及び「建設事業(土木)」の研究開発費は、建設事業共通でかかる費用のため、「建設事業」として記載しております。
[建設事業]
研究開発活動については、社会課題の把握と抽出を行い、SDGs(持続可能な開発目標)において当社が優先して取り組む重要な社会課題のうち、安全で安心・快適なまちづくりへの貢献、技術革新による生産プロセスの効率性向上、省資源・省エネルギーの推進につながる技術の開発を目指します。また、施工品質向上技術、環境技術等受注確保につながる技術の実用化も目指しております。当連結会計年度においては、以下の技術分野に関して、研究開発を進めました。
1.安心安全 ・維持管理技術・災害対策技術(地震、洪水等)・施工自動化システム
2.生産性向上 ・建築構造・省力化技術・通信技術・土壌浄化促進技術・検査支援システム
・ICTロボット技術・シミュレーション技術
3.環境負荷低減 ・資源再利用・ZEB(Zero Energy Building)・グリーンインフラ
・木材の積極利用技術
更に、大学、公共研究機関及び関連企業との共同研究をはじめとする社外連携を進め、競争的資金の活用等により研究開発の効率を高めております。特に、東京都市大学とは産学連携に関する包括契約を締結しており、2019年度は7テーマの共同研究を実施しました。
当連結会計年度における研究開発費は、1,014百万円であります。
主な研究開発成果は次のとおりであります。
(1)災害対策・事業継続ソリューション「Dr.BC・プッシュ」のサービス提供開始
当社と富士電機㈱が開発し、東急リニューアル㈱がサービス提供する構造見守りサービス「4D-Doctor」、イッツ・コミュニケーションズ㈱が提供する防災・生活情報サービス「テレビ・プッシュ」、東急ファシリティサービス㈱が提供する「BCビルマネジメント」の3サービスを組み合わせた、災害対策から発災後の事業継続を一括サポートするサービス「Dr.BC・プッシュ」の提供を2019年9月より開始いたしました。本サービスは、新築の建物のみならず、既存の建物に対しても導入可能で、「平常時」、「地震等発生時」、「復旧時」の3つの時間軸でサポートを行い、施設の安心・安全を高めることができます。
(2)「トンネル全断面点検・診断システム」の活用を開始
「トンネル全断面点検・診断システム」は、2014年から2018年度にかけて実施された内閣府「SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)インフラ維持管理・更新・マネジメント技術」において、東京大学、湘南工科大学、東京理科大学、㈱小川優機製作所及び㈱菊池製作所と共同開発したシステムです。本システムは、道路を跨ぐ形でトンネル内を走行することにより、自動車等の通行を妨げることなく点検を行うことができ、点検から帳票作成までの作業効率を向上させることができます。
2019年4月にはIAM(インフラアセットマネジメント)を推進する組織を立ち上げており、社会インフラの効率的維持管理技術の実用化を推進するため、本システムの活用を開始しております。
(3)建設現場用搬送ロボットの実証実験を開始
当社とTHK㈱は、建設現場の資機材搬送を自動化するロボットを共同開発中であり、商用化を目指して実証実験を進めております。建設現場では、人手不足に加えて、狭い通路や段差等が資機材搬送の生産性を阻害しています。そこで当社とTHK㈱は、作業効率を約30%向上させることを目指して、段差や粉じんのある環境での資機材搬送作業を自動化し、作業環境に合わせて即座に経路変更が可能な建設現場用搬送ロボットの共同開発を進めております。
本ロボットは、プログラミングの知識がない現場作業者でも、搬送経路の設定が素早く簡単にできるTHK㈱独自の自立移動制御システム「SIGNAS」を搭載しています。既に実際の建設現場で、本ロボットが台車に載せた1トンの資機材を牽引しながら鉄板の段差を乗り越え、物の配置等が変化しても安定して走行できることを実証実験で確認しております。当社とTHK㈱は本ロボットの改善を進め、建設現場の生産性向上へ貢献してまいります。
(4)人工知能画像解析を応用した「配筋検査システム」の共同研究開発を開始
当社を含む総合建設会社20社(文末参照)は、AI及び画像解析を応用した「配筋検査システム」の共同研究開発契約を締結し、2019年4月より約2年間にわたる研究開発を進めています。本研究開発では、施工管理者の習熟度によらない効率的かつ正確な配筋検査と、建設現場での適切な配筋施工を支援するシステムの開発を目指しています。
本研究開発では、配筋施工支援を目的とするタブレット端末を用いた「配筋チェック機能」、及び検査効率改善を目的とする特殊カメラ等を用いた「配筋検査機能」の2つの機能を統合したシステム開発を目指します。2020年度には「配筋チェック機能」の現場試行を開始いたします。
当社以外の共同研究参画会社は次の通りです。
青木あすなろ建設㈱、㈱淺沼組、㈱安藤・間、㈱奥村組、北野建設㈱、㈱熊谷組、五洋建設㈱、佐藤工業㈱、大末建設㈱、髙松建設㈱、鉄建建設㈱、戸田建設㈱、飛島建設㈱、西松建設㈱、日本国土開発㈱、㈱長谷工コーポレーション、㈱ピーエス三菱、㈱松村組、矢作建設工業㈱
(5)グリーンインフラ実証施設において雨水貯留・流出抑制効果と環境保全効果を確認
当社は、2018年3月に技術研究所内に設置したグリーンインフラ実証施設(約120㎡)において約2年間のデータ計測を行い、自然環境が有する多様な機能と、雨水を活用したビオトープ(水辺の生息空間)でのホタルの生息を確認しました。
本施設では、雨水の貯留量と施設で消費する水収支や生物生息空間としての基礎実験データ等を収集し、グリーンインフラ施設としての効果を検証しています。検証の結果、集中豪雨時に雨水の浸透を促進させるとともに、雨水を貯留して流出を抑制する効果があること、また貯留した雨水を有効活用したビオトープを創出し、暑熱緩和対策としても有効であることを確認しました。今後、都市部でのグリーンインフラ施設の設置提案や開発案件における環境保全への活用を進めてまいります。
(6)「運搬最適化シミュレーター」の開発
当社は、土砂運搬作業の最適化を支援する「運搬最適化シミュレーター」を開発しました。本システムは、当社独自のICTとして全国の現場に展開している「KenkiNavi」(GPS搭載型の建設機械ナビシステム)の稼働データと連携することで、現場や捨場付近の渋滞緩和、1日の運搬回数増加による生産性向上等に関わる最適な運搬車両の台数、間隔、運搬ルートを決定する際の支援ツールです。
2019年度は、本システムの有効性を確認するために首都圏の2現場で検証した結果、現場と捨場の到達時間が、シミュレーションと実際の時刻差で数分内に収まっていることを確認しました。今後は、様々な現場に適用し、土砂運搬作業で渋滞を回避するルートを見つけ出したり、現場や捨場付近での待機台数を低減したりするなど、スムーズな運搬作業の意思決定支援ツールとして展開していきます。
(7)「Teshub X(テシュブ エックス)」(都市河川監視システム)の適用範囲拡大
当社は、中央大学と共同で、異常気象に伴う安全・安心技術として「Teshub X」(都市河川監視システム)を開発し、適用範囲拡大を図っています。
本システムは、気象レーダーの情報から得られた降雨予測値を入力値として数時間後までの河川水位を予測するクラウドシステムです。2017年に本システムを開発し、既に、渋谷ストリームにおける渋谷川の河川監視システムに導入されています。2019年度からは、渋谷川と比較して流域が広く、かつ潮汐や高潮等の影響を受けやすい臨海部の都市河川への適用を目指して技術改良を進めています。技術改良したシステムが実用化できれば、近年増加傾向にある都市型水害の被害軽減ツールとして適用範囲が拡大できます。
(8)外装施工の生産性向上を図る「外装下地ユニット工法」を確立
当社は、大型物流倉庫等の外装に多く採用されるサンドイッチパネルの下地胴縁の施工方法において、施工効率を向上させた「外装下地ユニット工法」を確立しました(特許出願済)。
本工法は、サンドイッチパネルの下地となる胴縁を精度管理した状態で数本まとめてユニット組みした上で、その精度を維持したまま取り付けることが可能となります。2019年3月及び11月に試験施工を行い、従来の精度維持しない地組方法と比較して、生産性向上と品質確保を実現しました。
また、本工法では外装のサンドイッチパネル表面のばたつきが低減され、意匠だけでなく漏水事象等も低減されます。2020年度には本工法を大型物流倉庫の建築工事において採用予定です。
なお、子会社においては、研究開発活動は特段行われておりません。
[不動産事業等]
研究開発活動は、特段行われておりません。
[建設事業]
研究開発活動については、社会課題の把握と抽出を行い、SDGs(持続可能な開発目標)において当社が優先して取り組む重要な社会課題のうち、安全で安心・快適なまちづくりへの貢献、技術革新による生産プロセスの効率性向上、省資源・省エネルギーの推進につながる技術の開発を目指します。また、施工品質向上技術、環境技術等受注確保につながる技術の実用化も目指しております。当連結会計年度においては、以下の技術分野に関して、研究開発を進めました。
1.安心安全 ・維持管理技術・災害対策技術(地震、洪水等)・施工自動化システム
2.生産性向上 ・建築構造・省力化技術・通信技術・土壌浄化促進技術・検査支援システム
・ICTロボット技術・シミュレーション技術
3.環境負荷低減 ・資源再利用・ZEB(Zero Energy Building)・グリーンインフラ
・木材の積極利用技術
更に、大学、公共研究機関及び関連企業との共同研究をはじめとする社外連携を進め、競争的資金の活用等により研究開発の効率を高めております。特に、東京都市大学とは産学連携に関する包括契約を締結しており、2019年度は7テーマの共同研究を実施しました。
当連結会計年度における研究開発費は、1,014百万円であります。
主な研究開発成果は次のとおりであります。
(1)災害対策・事業継続ソリューション「Dr.BC・プッシュ」のサービス提供開始
当社と富士電機㈱が開発し、東急リニューアル㈱がサービス提供する構造見守りサービス「4D-Doctor」、イッツ・コミュニケーションズ㈱が提供する防災・生活情報サービス「テレビ・プッシュ」、東急ファシリティサービス㈱が提供する「BCビルマネジメント」の3サービスを組み合わせた、災害対策から発災後の事業継続を一括サポートするサービス「Dr.BC・プッシュ」の提供を2019年9月より開始いたしました。本サービスは、新築の建物のみならず、既存の建物に対しても導入可能で、「平常時」、「地震等発生時」、「復旧時」の3つの時間軸でサポートを行い、施設の安心・安全を高めることができます。
(2)「トンネル全断面点検・診断システム」の活用を開始
「トンネル全断面点検・診断システム」は、2014年から2018年度にかけて実施された内閣府「SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)インフラ維持管理・更新・マネジメント技術」において、東京大学、湘南工科大学、東京理科大学、㈱小川優機製作所及び㈱菊池製作所と共同開発したシステムです。本システムは、道路を跨ぐ形でトンネル内を走行することにより、自動車等の通行を妨げることなく点検を行うことができ、点検から帳票作成までの作業効率を向上させることができます。
2019年4月にはIAM(インフラアセットマネジメント)を推進する組織を立ち上げており、社会インフラの効率的維持管理技術の実用化を推進するため、本システムの活用を開始しております。
(3)建設現場用搬送ロボットの実証実験を開始
当社とTHK㈱は、建設現場の資機材搬送を自動化するロボットを共同開発中であり、商用化を目指して実証実験を進めております。建設現場では、人手不足に加えて、狭い通路や段差等が資機材搬送の生産性を阻害しています。そこで当社とTHK㈱は、作業効率を約30%向上させることを目指して、段差や粉じんのある環境での資機材搬送作業を自動化し、作業環境に合わせて即座に経路変更が可能な建設現場用搬送ロボットの共同開発を進めております。
本ロボットは、プログラミングの知識がない現場作業者でも、搬送経路の設定が素早く簡単にできるTHK㈱独自の自立移動制御システム「SIGNAS」を搭載しています。既に実際の建設現場で、本ロボットが台車に載せた1トンの資機材を牽引しながら鉄板の段差を乗り越え、物の配置等が変化しても安定して走行できることを実証実験で確認しております。当社とTHK㈱は本ロボットの改善を進め、建設現場の生産性向上へ貢献してまいります。
(4)人工知能画像解析を応用した「配筋検査システム」の共同研究開発を開始
当社を含む総合建設会社20社(文末参照)は、AI及び画像解析を応用した「配筋検査システム」の共同研究開発契約を締結し、2019年4月より約2年間にわたる研究開発を進めています。本研究開発では、施工管理者の習熟度によらない効率的かつ正確な配筋検査と、建設現場での適切な配筋施工を支援するシステムの開発を目指しています。
本研究開発では、配筋施工支援を目的とするタブレット端末を用いた「配筋チェック機能」、及び検査効率改善を目的とする特殊カメラ等を用いた「配筋検査機能」の2つの機能を統合したシステム開発を目指します。2020年度には「配筋チェック機能」の現場試行を開始いたします。
当社以外の共同研究参画会社は次の通りです。
青木あすなろ建設㈱、㈱淺沼組、㈱安藤・間、㈱奥村組、北野建設㈱、㈱熊谷組、五洋建設㈱、佐藤工業㈱、大末建設㈱、髙松建設㈱、鉄建建設㈱、戸田建設㈱、飛島建設㈱、西松建設㈱、日本国土開発㈱、㈱長谷工コーポレーション、㈱ピーエス三菱、㈱松村組、矢作建設工業㈱
(5)グリーンインフラ実証施設において雨水貯留・流出抑制効果と環境保全効果を確認
当社は、2018年3月に技術研究所内に設置したグリーンインフラ実証施設(約120㎡)において約2年間のデータ計測を行い、自然環境が有する多様な機能と、雨水を活用したビオトープ(水辺の生息空間)でのホタルの生息を確認しました。
本施設では、雨水の貯留量と施設で消費する水収支や生物生息空間としての基礎実験データ等を収集し、グリーンインフラ施設としての効果を検証しています。検証の結果、集中豪雨時に雨水の浸透を促進させるとともに、雨水を貯留して流出を抑制する効果があること、また貯留した雨水を有効活用したビオトープを創出し、暑熱緩和対策としても有効であることを確認しました。今後、都市部でのグリーンインフラ施設の設置提案や開発案件における環境保全への活用を進めてまいります。
(6)「運搬最適化シミュレーター」の開発
当社は、土砂運搬作業の最適化を支援する「運搬最適化シミュレーター」を開発しました。本システムは、当社独自のICTとして全国の現場に展開している「KenkiNavi」(GPS搭載型の建設機械ナビシステム)の稼働データと連携することで、現場や捨場付近の渋滞緩和、1日の運搬回数増加による生産性向上等に関わる最適な運搬車両の台数、間隔、運搬ルートを決定する際の支援ツールです。
2019年度は、本システムの有効性を確認するために首都圏の2現場で検証した結果、現場と捨場の到達時間が、シミュレーションと実際の時刻差で数分内に収まっていることを確認しました。今後は、様々な現場に適用し、土砂運搬作業で渋滞を回避するルートを見つけ出したり、現場や捨場付近での待機台数を低減したりするなど、スムーズな運搬作業の意思決定支援ツールとして展開していきます。
(7)「Teshub X(テシュブ エックス)」(都市河川監視システム)の適用範囲拡大
当社は、中央大学と共同で、異常気象に伴う安全・安心技術として「Teshub X」(都市河川監視システム)を開発し、適用範囲拡大を図っています。
本システムは、気象レーダーの情報から得られた降雨予測値を入力値として数時間後までの河川水位を予測するクラウドシステムです。2017年に本システムを開発し、既に、渋谷ストリームにおける渋谷川の河川監視システムに導入されています。2019年度からは、渋谷川と比較して流域が広く、かつ潮汐や高潮等の影響を受けやすい臨海部の都市河川への適用を目指して技術改良を進めています。技術改良したシステムが実用化できれば、近年増加傾向にある都市型水害の被害軽減ツールとして適用範囲が拡大できます。
(8)外装施工の生産性向上を図る「外装下地ユニット工法」を確立
当社は、大型物流倉庫等の外装に多く採用されるサンドイッチパネルの下地胴縁の施工方法において、施工効率を向上させた「外装下地ユニット工法」を確立しました(特許出願済)。
本工法は、サンドイッチパネルの下地となる胴縁を精度管理した状態で数本まとめてユニット組みした上で、その精度を維持したまま取り付けることが可能となります。2019年3月及び11月に試験施工を行い、従来の精度維持しない地組方法と比較して、生産性向上と品質確保を実現しました。
また、本工法では外装のサンドイッチパネル表面のばたつきが低減され、意匠だけでなく漏水事象等も低減されます。2020年度には本工法を大型物流倉庫の建築工事において採用予定です。
なお、子会社においては、研究開発活動は特段行われておりません。
[不動産事業等]
研究開発活動は、特段行われておりません。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00316] S100IYOC)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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