有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100JLYX (EDINETへの外部リンク)
株式会社日清製粉グループ本社 事業等のリスク (2020年3月期)
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が経営成績等に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
当社グループでは、「日清製粉グループリスクマネジメント規程」「日清製粉グループクライシスコントロール規程」を制定し、リスクに対する適切な対応を確保し、リスクの予防・制御を目的とした日常的なリスクマネジメント活動を強化しております。また、当社社長を委員長、各事業会社社長等を委員とするリスクマネジメント委員会を設置し、当社グループ全体の重要リスクの確認と対応策の推進を図る等、事業運営におけるリスクの低減に取り組んでおります。さらに、リスクマネジメント委員会の下部組織として、企画部会、災害部会、海外安全対策部会を設置し、課題ごとの具体策を検討・提言する体制を整備することにより、適切なリスクマネジメントに努め、当社グループの事業継続と製品の安定供給という使命を果たしてまいります。
また、世界的に大流行する新型コロナウイルス感染症は、国内外の経済活動に重大な影響を及ぼしております。当社グループでは、従業員の安全と「食」の安定供給を引き続き確保するため、新型コロナウイルス感染症対策に伴う事業環境の急変に最優先に対応してまいりますが、その感染拡大等の状況次第では、経済活動がより一層停滞し、需要の更なる減退、サプライチェーンの混乱、当社グループの生産活動への悪影響等、当社グループが事業展開するうえで、重大なリスクに繋がる可能性があると認識しております。海外子会社も含む当社グループの感染症対策としては、社長を本部長とする「新型コロナウイルス感染症対策本部」を設置し、出社時の体温確認・手洗い消毒・マスク着用等衛生対策の他、在宅勤務の実施、WEB会議の活用等の対策を徹底しております。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2020年8月28日)現在において当社グループが判断したものであります。
① 国際貿易交渉の進展と麦政策の変更
TPP11協定(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)、及び日EU・EPA、日米貿易協定等、国際貿易交渉の進展により貿易の自由化に向けた潮流は加速しており、今後国内事業においては、小麦関連製品の国境措置低下に伴う需要変動、競争激化により、当社グループの製粉、加工食品事業を始めとする小麦粉関連業界に影響が及ぶことが予想されます。
また、国内での麦政策の見直し等により、現行の国家貿易のあり方など小麦の管理手法(調達・在庫・売渡方法など)の変更、国内小麦粉・二次加工品市場の混乱、関連業界の再編など製粉事業、加工食品事業においてリスクの発生の可能性があります。
このような貿易自由化・麦政策変更等のリスクに対応するため、当社グループはグローバルな生産体制の整備や新技術の活用によるローコストオペレーション、顧客ニーズの変化への適合、海外事業拡大の一層の加速等に取り組んでおり、今後もより強固な企業体質を構築してまいります。
② 製品安全
食の安心・安全についての社会的関心が年々高まっており、食品業界におきましては、より一層厳格な対応が求められるようになっております。当社グループは、自社工場、及び生産の外部委託先に対して製品安全に関する取り組みを継続的に実施しておりますが、外的要因も含め、当社グループの想定範囲を超えた事象が発生した場合、製品回収、出荷不能品が発生する可能性があります。
このような製品安全上のリスクに対応するため、当社グループは「消費者視点での品質保証」を基本とし、開発から製造・物流・営業まで、全ての業務に携わる従業員への教育・指導、新規原材料・新製品に対する安全性の総合的評価(セイフティレビュー)、食品防御(フードディフェンス)の取り組み強化、食品安全マネジメントシステムの国際規格であるISO・FSSC等の認証取得と継続的な実効性検証、生産の外部委託先に対する自社工場と同様の管理の徹底等、製品の品質保証体制の維持・向上に取り組んでおります。
③ 災害・事故・感染症
当社グループは、安心・安全な製品を安定的に供給するために工場等の設備維持・安全確保に努めておりますが、地震や風水害などの大規模自然災害、火災・爆発などの事故や新たな感染症の流行が発生した場合、損害発生、顧客への製品供給に支障をきたすなどの可能性があります。
このような災害・事故に係るリスクに対応するため、当社グループは地震・風水害など自然災害の発生時に人的被害・工場等の設備破損が生じないように主要工場の耐震補強、水害対策等を進めるとともに、火災・爆発などの事故発生防止の体制作りの強化(設備・安全監査の実施、設備安全に関する規程整備を含む)、大規模地震に備えたBCP(事業継続計画)、及び風水害に備えたタイムライン等を整備しております。また、発生後の経過と終息を予測することの難しい新たな感染症に対しては、BCP(事業継続計画)、及び感染防止対策等を整備しております。なお、大規模自然災害対策にあたっては、近年の災害甚大化に伴う国の災害想定見直しを逐次確認し、それに対応した対策見直しを行っております。
④ 他社とのアライアンス及び企業買収の効果の実現
当社グループは、事業ポートフォリオの強化を図り、長期的な企業価値の極大化を実現するため、国内外において他社とのアライアンス及び企業買収を行っておりますが、アライアンス及び買収後の事業が当初の想定通りに進捗しない場合等には、その効果を実現できない可能性があります。また、企業買収等に伴い発生しているのれん等の無形資産について、期待されるキャッシュ・フローを生み出さない状況になるなど、収益性低下により投資額の回収が見込めなくなることにより、多額の減損損失を計上する必要が生じた場合、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは今後も事業ポートフォリオの強化を進めてまいりますが、他社とのアライアンス及び企業買収については、独自のガイドラインに基づく案件の事前検証、適切なM&Aチーム体制の構築等を実施することでリスクの低減を図り、アライアンス及び買収直後から確実な事業継承・立上げやPMI活動の充実等に取り組んでまいります。
⑤ 海外事業
当社グループは、アジア、北米、オセアニアを中心にして積極的にグローバル展開を推進し、海外売上高比率は20%超に達しております。また、コスト競争力強化のため、グローバルな最適生産体制の構築にも取り組んでおります。今後も海外事業基盤の拡大に取り組んでまいりますが、海外においては、政治あるいは経済の予期しない変動や法律・規制の変更、及び訴訟の提起、テロあるいは紛争等の発生、及び新型感染症の流行による事業活動の制約・停滞などにより、業績悪化、事業継続に支障が生じるなどの可能性があります。
このような海外事業におけるリスクを低減するため、グループ横断のリスクマネジメント委員会の下部組織である海外安全対策部会や外部専門家等を通じて、現地経営環境を踏まえた事業運営の適切な管理・サポート等を実施するとともに、現地に派遣する従業員の研修体制を整備しております。
⑥ 為替変動
当社グループは、加工食品事業をはじめ各事業において、原材料・製品の一部を海外より調達しており、為替変動により調達コストが増加する可能性があります。また、海外事業においては損益、財務状況が円換算の変動により悪影響を受け、製粉事業においては副産物のふすま価格が為替で変動する輸入ふすま価格の影響を受ける可能性があります。
このような為替変動によるリスクに対応するため、当社グループではグループ横断の為替委員会を設置し、為替予約ルールの設定、為替に関する情報共有及び対策の協議を行うなど、為替変動により業績が大きく左右されないよう取り組んでおります。
⑦ 原材料調達
当社グループは、各事業において安全で、かつコスト競争力のある原材料の持続的な調達に努めておりますが、原材料市況の変動及び賃金、物流コスト、包装資材等の原材料価格の上昇などで調達コストが高騰し、コスト低減を実現できない可能性があります。また、輸入小麦価格の大幅な引き上げ等原材料や商品等の調達コストの上昇に対応した小麦粉及び加工食品等の販売価格の改定が確実に行われない場合、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、原材料調達に係る環境・人権問題等の社会的課題に対して適切に対応できなかった場合、企業としての信頼が失墜し、企業ブランド価値・競争力の低下に繋がる可能性があります。
このような原材料調達に係るリスクに対応するため、当社グループは調達コスト、生産コストの継続的なローコストオペレーションを推進するとともに、マーケットの変化に適合した新製品開発や高付加価値化戦略等により製品の適正価値維持に取り組んでおります。また、安全な原材料を安定的かつ持続的に調達するため、サプライヤーとの協力のもと、サプライチェーンも含めて公正で倫理的な取引を基本とした責任ある調達活動を行ってまいります。
⑧ 情報・システム
当社グループは、業務効率の最適化を実現するため基幹系をはじめとして多くのシステムを活用しておりますが、システム運用上のトラブルの発生、当社グループの予測不能なウィルスの侵入・サイバーテロや情報への不正アクセスなどにより、顧客対応に支障をきたす可能性や、営業秘密・個人情報の社外への流出などによる費用の発生、社会的信用の低下などにより事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
このような情報セキュリティに係るリスクを低減するため、当社グループでは「情報セキュリティ基本規程」に基づく積極的な情報セキュリティ活動(教育訓練含む)を展開すると共にセキュリティ関連の情報収集に努め、より高度なコンピューターウィルス対策の実行、基幹系サーバの二重化等の適切なIT管理体制の構築に取り組んでおります。
⑨ 環境課題
当社グループは、企業活動を通じて省エネルギー、廃棄物削減など環境経営を積極的に進めております。しかしながら、当社グループの想定範囲を超えた環境に係る法的規制の変更、強化等が発生した場合、対応費用が発生するなどの可能性があります。また、当社グループが、食品廃棄物・廃プラスチック、及び気候変動等のグローバルな環境課題に対して適切な対応ができなかった場合、地球の資源・環境保全に貢献できないだけでなく、当社グループの企業ブランド価値が低下し、事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは「日清製粉グループ環境基本方針」に基づき、ISO14001のグループ一括認証、環境管理システムの充実、2030年までの中期環境目標の設定(CO₂排出量の削減と資源の有効利用に注力)とその達成に向けた取組み等の環境保全活動を推進するとともに、食品廃棄物の発生抑制や再利用、環境配慮設計の推進などの「食品廃棄物、容器包装廃棄物への対応」及び事業活動におけるCO₂の排出削減などの「気候変動及び水問題への対応」を当社グループのCSR重要課題に位置付け、長期的な企業価値の向上と企業競争力の強化を図り、社会の持続可能な発展に貢献してまいります。
⑩ 人材の確保等
当社グループは、事業競争力強化のため既存事業のモデルチェンジと事業ポートフォリオの強化に取り組んでおり、それらに対応するための多様な人材を確保・育成する必要があります。しかし、労働力人口の減少や雇用情勢の変動等により、当社グループのそれぞれの事業で必要とする人材の確保・育成等ができない場合には、長期的に当社グループの競争力が低下する可能性があります。
このような人材の確保に係るリスクに対応するため、当社グループは採用活動の強化、教育研修の充実、及び多様な価値観を持つ従業員一人ひとりが能力を十分に発揮できる、健全で働きがいのある労働環境の確保や適切な労務管理に努めるとともに、併せて自動化、ロボット化、AI等の様々な技術の導入による生産効率の向上に取り組んでいます。
⑪ 新技術への対応
当社グループは、それぞれの事業において、急激な市場の変化や技術の進化・変化に適切な対応が取れず、製品開発技術力・生産技術力の低下、及び基盤技術の陳腐化に繋がった場合、顧客ニーズに適合した魅力ある新製品開発ができずに、出荷低迷、企業ブランド価値の低下により経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
このような新技術への対応遅れ等のリスクに対応するため、当社グループでは、グループ横断プロジェクト等を活用した技術の進化と技術者の育成、グループシナジー効果を活用した技術領域の拡大、産官学共同研究等外部からの技術導入の推進等、社内外の総合力を最大化することで継続的に技術力を強化し、市場で求められる製品開発に取り組んでまいります。
上記以外にも当社グループが事業活動を展開するうえで、経済情勢や業界環境の変化に伴う主要製品の出荷変動、単価下落リスクの他、国内外での法的規制・訴訟リスク、商標権・特許権等の知的財産権に伴うリスク、取引先(生産委託先を含む)の経営環境の変化によるリスクなど、様々なリスクが当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性がありますが、これらのリスク回避、低減に向けて適切に取り組んでまいります。
また、当社グループは、未来に向かって「健康」を支え「食のインフラ」を担うグローバル展開企業の実現に向けて、経済的価値と社会的価値の双方を追求し、グループ一体で企業価値の向上を目指して取り組んでおります。その実現には、人口動態の変化、地球温暖化や廃棄物汚染・食資源の枯渇、サプライチェーンも含めた環境・人権問題等の社会的課題に対応していく必要がありますが、それらの社会的課題に対するステークホルダーのニーズ・要請の変化に対して、製品開発を含めた事業活動全体を通じて適切に対応できなかった場合、企業としての信頼が失墜し、企業ブランド価値・競争力の低下に繋がり、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
このような社会的課題への対応リスクを低減するため、当社グループでは、優先的に取り組むべき課題を抽出・整理し、「CSR重要課題」※として特定しました。この重要課題への取り組みを経営や事業戦略に統合することで長期的な企業の価値向上や競争力の強化に繋げ、社会の持続可能な発展に貢献できるよう努めてまいります。
※CSR重要課題
(1) 安全で健康的な食の提供と責任ある消費者コミュニケーション
(2) 安定的かつ持続可能な原材料の調達推進
(3) 食品廃棄物、容器包装廃棄物への対応
(4) 気候変動及び水問題への対応
(5) 健全で働きがいのある労働環境の保護
当社グループでは、「日清製粉グループリスクマネジメント規程」「日清製粉グループクライシスコントロール規程」を制定し、リスクに対する適切な対応を確保し、リスクの予防・制御を目的とした日常的なリスクマネジメント活動を強化しております。また、当社社長を委員長、各事業会社社長等を委員とするリスクマネジメント委員会を設置し、当社グループ全体の重要リスクの確認と対応策の推進を図る等、事業運営におけるリスクの低減に取り組んでおります。さらに、リスクマネジメント委員会の下部組織として、企画部会、災害部会、海外安全対策部会を設置し、課題ごとの具体策を検討・提言する体制を整備することにより、適切なリスクマネジメントに努め、当社グループの事業継続と製品の安定供給という使命を果たしてまいります。
また、世界的に大流行する新型コロナウイルス感染症は、国内外の経済活動に重大な影響を及ぼしております。当社グループでは、従業員の安全と「食」の安定供給を引き続き確保するため、新型コロナウイルス感染症対策に伴う事業環境の急変に最優先に対応してまいりますが、その感染拡大等の状況次第では、経済活動がより一層停滞し、需要の更なる減退、サプライチェーンの混乱、当社グループの生産活動への悪影響等、当社グループが事業展開するうえで、重大なリスクに繋がる可能性があると認識しております。海外子会社も含む当社グループの感染症対策としては、社長を本部長とする「新型コロナウイルス感染症対策本部」を設置し、出社時の体温確認・手洗い消毒・マスク着用等衛生対策の他、在宅勤務の実施、WEB会議の活用等の対策を徹底しております。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2020年8月28日)現在において当社グループが判断したものであります。
① 国際貿易交渉の進展と麦政策の変更
TPP11協定(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)、及び日EU・EPA、日米貿易協定等、国際貿易交渉の進展により貿易の自由化に向けた潮流は加速しており、今後国内事業においては、小麦関連製品の国境措置低下に伴う需要変動、競争激化により、当社グループの製粉、加工食品事業を始めとする小麦粉関連業界に影響が及ぶことが予想されます。
また、国内での麦政策の見直し等により、現行の国家貿易のあり方など小麦の管理手法(調達・在庫・売渡方法など)の変更、国内小麦粉・二次加工品市場の混乱、関連業界の再編など製粉事業、加工食品事業においてリスクの発生の可能性があります。
このような貿易自由化・麦政策変更等のリスクに対応するため、当社グループはグローバルな生産体制の整備や新技術の活用によるローコストオペレーション、顧客ニーズの変化への適合、海外事業拡大の一層の加速等に取り組んでおり、今後もより強固な企業体質を構築してまいります。
② 製品安全
食の安心・安全についての社会的関心が年々高まっており、食品業界におきましては、より一層厳格な対応が求められるようになっております。当社グループは、自社工場、及び生産の外部委託先に対して製品安全に関する取り組みを継続的に実施しておりますが、外的要因も含め、当社グループの想定範囲を超えた事象が発生した場合、製品回収、出荷不能品が発生する可能性があります。
このような製品安全上のリスクに対応するため、当社グループは「消費者視点での品質保証」を基本とし、開発から製造・物流・営業まで、全ての業務に携わる従業員への教育・指導、新規原材料・新製品に対する安全性の総合的評価(セイフティレビュー)、食品防御(フードディフェンス)の取り組み強化、食品安全マネジメントシステムの国際規格であるISO・FSSC等の認証取得と継続的な実効性検証、生産の外部委託先に対する自社工場と同様の管理の徹底等、製品の品質保証体制の維持・向上に取り組んでおります。
③ 災害・事故・感染症
当社グループは、安心・安全な製品を安定的に供給するために工場等の設備維持・安全確保に努めておりますが、地震や風水害などの大規模自然災害、火災・爆発などの事故や新たな感染症の流行が発生した場合、損害発生、顧客への製品供給に支障をきたすなどの可能性があります。
このような災害・事故に係るリスクに対応するため、当社グループは地震・風水害など自然災害の発生時に人的被害・工場等の設備破損が生じないように主要工場の耐震補強、水害対策等を進めるとともに、火災・爆発などの事故発生防止の体制作りの強化(設備・安全監査の実施、設備安全に関する規程整備を含む)、大規模地震に備えたBCP(事業継続計画)、及び風水害に備えたタイムライン等を整備しております。また、発生後の経過と終息を予測することの難しい新たな感染症に対しては、BCP(事業継続計画)、及び感染防止対策等を整備しております。なお、大規模自然災害対策にあたっては、近年の災害甚大化に伴う国の災害想定見直しを逐次確認し、それに対応した対策見直しを行っております。
④ 他社とのアライアンス及び企業買収の効果の実現
当社グループは、事業ポートフォリオの強化を図り、長期的な企業価値の極大化を実現するため、国内外において他社とのアライアンス及び企業買収を行っておりますが、アライアンス及び買収後の事業が当初の想定通りに進捗しない場合等には、その効果を実現できない可能性があります。また、企業買収等に伴い発生しているのれん等の無形資産について、期待されるキャッシュ・フローを生み出さない状況になるなど、収益性低下により投資額の回収が見込めなくなることにより、多額の減損損失を計上する必要が生じた場合、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは今後も事業ポートフォリオの強化を進めてまいりますが、他社とのアライアンス及び企業買収については、独自のガイドラインに基づく案件の事前検証、適切なM&Aチーム体制の構築等を実施することでリスクの低減を図り、アライアンス及び買収直後から確実な事業継承・立上げやPMI活動の充実等に取り組んでまいります。
⑤ 海外事業
当社グループは、アジア、北米、オセアニアを中心にして積極的にグローバル展開を推進し、海外売上高比率は20%超に達しております。また、コスト競争力強化のため、グローバルな最適生産体制の構築にも取り組んでおります。今後も海外事業基盤の拡大に取り組んでまいりますが、海外においては、政治あるいは経済の予期しない変動や法律・規制の変更、及び訴訟の提起、テロあるいは紛争等の発生、及び新型感染症の流行による事業活動の制約・停滞などにより、業績悪化、事業継続に支障が生じるなどの可能性があります。
このような海外事業におけるリスクを低減するため、グループ横断のリスクマネジメント委員会の下部組織である海外安全対策部会や外部専門家等を通じて、現地経営環境を踏まえた事業運営の適切な管理・サポート等を実施するとともに、現地に派遣する従業員の研修体制を整備しております。
⑥ 為替変動
当社グループは、加工食品事業をはじめ各事業において、原材料・製品の一部を海外より調達しており、為替変動により調達コストが増加する可能性があります。また、海外事業においては損益、財務状況が円換算の変動により悪影響を受け、製粉事業においては副産物のふすま価格が為替で変動する輸入ふすま価格の影響を受ける可能性があります。
このような為替変動によるリスクに対応するため、当社グループではグループ横断の為替委員会を設置し、為替予約ルールの設定、為替に関する情報共有及び対策の協議を行うなど、為替変動により業績が大きく左右されないよう取り組んでおります。
⑦ 原材料調達
当社グループは、各事業において安全で、かつコスト競争力のある原材料の持続的な調達に努めておりますが、原材料市況の変動及び賃金、物流コスト、包装資材等の原材料価格の上昇などで調達コストが高騰し、コスト低減を実現できない可能性があります。また、輸入小麦価格の大幅な引き上げ等原材料や商品等の調達コストの上昇に対応した小麦粉及び加工食品等の販売価格の改定が確実に行われない場合、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、原材料調達に係る環境・人権問題等の社会的課題に対して適切に対応できなかった場合、企業としての信頼が失墜し、企業ブランド価値・競争力の低下に繋がる可能性があります。
このような原材料調達に係るリスクに対応するため、当社グループは調達コスト、生産コストの継続的なローコストオペレーションを推進するとともに、マーケットの変化に適合した新製品開発や高付加価値化戦略等により製品の適正価値維持に取り組んでおります。また、安全な原材料を安定的かつ持続的に調達するため、サプライヤーとの協力のもと、サプライチェーンも含めて公正で倫理的な取引を基本とした責任ある調達活動を行ってまいります。
⑧ 情報・システム
当社グループは、業務効率の最適化を実現するため基幹系をはじめとして多くのシステムを活用しておりますが、システム運用上のトラブルの発生、当社グループの予測不能なウィルスの侵入・サイバーテロや情報への不正アクセスなどにより、顧客対応に支障をきたす可能性や、営業秘密・個人情報の社外への流出などによる費用の発生、社会的信用の低下などにより事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
このような情報セキュリティに係るリスクを低減するため、当社グループでは「情報セキュリティ基本規程」に基づく積極的な情報セキュリティ活動(教育訓練含む)を展開すると共にセキュリティ関連の情報収集に努め、より高度なコンピューターウィルス対策の実行、基幹系サーバの二重化等の適切なIT管理体制の構築に取り組んでおります。
⑨ 環境課題
当社グループは、企業活動を通じて省エネルギー、廃棄物削減など環境経営を積極的に進めております。しかしながら、当社グループの想定範囲を超えた環境に係る法的規制の変更、強化等が発生した場合、対応費用が発生するなどの可能性があります。また、当社グループが、食品廃棄物・廃プラスチック、及び気候変動等のグローバルな環境課題に対して適切な対応ができなかった場合、地球の資源・環境保全に貢献できないだけでなく、当社グループの企業ブランド価値が低下し、事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは「日清製粉グループ環境基本方針」に基づき、ISO14001のグループ一括認証、環境管理システムの充実、2030年までの中期環境目標の設定(CO₂排出量の削減と資源の有効利用に注力)とその達成に向けた取組み等の環境保全活動を推進するとともに、食品廃棄物の発生抑制や再利用、環境配慮設計の推進などの「食品廃棄物、容器包装廃棄物への対応」及び事業活動におけるCO₂の排出削減などの「気候変動及び水問題への対応」を当社グループのCSR重要課題に位置付け、長期的な企業価値の向上と企業競争力の強化を図り、社会の持続可能な発展に貢献してまいります。
⑩ 人材の確保等
当社グループは、事業競争力強化のため既存事業のモデルチェンジと事業ポートフォリオの強化に取り組んでおり、それらに対応するための多様な人材を確保・育成する必要があります。しかし、労働力人口の減少や雇用情勢の変動等により、当社グループのそれぞれの事業で必要とする人材の確保・育成等ができない場合には、長期的に当社グループの競争力が低下する可能性があります。
このような人材の確保に係るリスクに対応するため、当社グループは採用活動の強化、教育研修の充実、及び多様な価値観を持つ従業員一人ひとりが能力を十分に発揮できる、健全で働きがいのある労働環境の確保や適切な労務管理に努めるとともに、併せて自動化、ロボット化、AI等の様々な技術の導入による生産効率の向上に取り組んでいます。
⑪ 新技術への対応
当社グループは、それぞれの事業において、急激な市場の変化や技術の進化・変化に適切な対応が取れず、製品開発技術力・生産技術力の低下、及び基盤技術の陳腐化に繋がった場合、顧客ニーズに適合した魅力ある新製品開発ができずに、出荷低迷、企業ブランド価値の低下により経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
このような新技術への対応遅れ等のリスクに対応するため、当社グループでは、グループ横断プロジェクト等を活用した技術の進化と技術者の育成、グループシナジー効果を活用した技術領域の拡大、産官学共同研究等外部からの技術導入の推進等、社内外の総合力を最大化することで継続的に技術力を強化し、市場で求められる製品開発に取り組んでまいります。
上記以外にも当社グループが事業活動を展開するうえで、経済情勢や業界環境の変化に伴う主要製品の出荷変動、単価下落リスクの他、国内外での法的規制・訴訟リスク、商標権・特許権等の知的財産権に伴うリスク、取引先(生産委託先を含む)の経営環境の変化によるリスクなど、様々なリスクが当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性がありますが、これらのリスク回避、低減に向けて適切に取り組んでまいります。
また、当社グループは、未来に向かって「健康」を支え「食のインフラ」を担うグローバル展開企業の実現に向けて、経済的価値と社会的価値の双方を追求し、グループ一体で企業価値の向上を目指して取り組んでおります。その実現には、人口動態の変化、地球温暖化や廃棄物汚染・食資源の枯渇、サプライチェーンも含めた環境・人権問題等の社会的課題に対応していく必要がありますが、それらの社会的課題に対するステークホルダーのニーズ・要請の変化に対して、製品開発を含めた事業活動全体を通じて適切に対応できなかった場合、企業としての信頼が失墜し、企業ブランド価値・競争力の低下に繋がり、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
このような社会的課題への対応リスクを低減するため、当社グループでは、優先的に取り組むべき課題を抽出・整理し、「CSR重要課題」※として特定しました。この重要課題への取り組みを経営や事業戦略に統合することで長期的な企業の価値向上や競争力の強化に繋げ、社会の持続可能な発展に貢献できるよう努めてまいります。
※CSR重要課題
(1) 安全で健康的な食の提供と責任ある消費者コミュニケーション
(2) 安定的かつ持続可能な原材料の調達推進
(3) 食品廃棄物、容器包装廃棄物への対応
(4) 気候変動及び水問題への対応
(5) 健全で働きがいのある労働環境の保護
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ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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