有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100ITIG (EDINETへの外部リンク)
株式会社クレディセゾン 事業等のリスク (2020年3月期)
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経済環境など外部環境に関するリスク
a.経済状況
当社グループの主要事業であるペイメント事業、リース事業、ファイナンス事業、不動産関連事業及びエンタテインメント事業の各セグメントは、国内外の経済状況に影響を受けるため、景気後退に伴う雇用環境、家計可処分所得、個人消費等の悪化が、当社グループが提供しているクレジットカードやローン、信用保証及び不動産担保融資等の取扱高の減少や債権回収率の下落を引き起こすことにより当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。特にリース事業においては、中小規模の企業を主要顧客としていることから、景気後退に伴う設備投資の減少や企業業績悪化の影響をより強く受ける可能性があります。さらに、不動産関連事業においても景気後退に伴う不動産価格の下落により販売用不動産の評価損等を計上する可能性があります。
当社グループでは、RCM(リスクキャピタル・マネジメント)により、格付け機関から取得している格付けを維持するために必要なリスクキャピタルを事業ごとに算出しております。その結果、算出された余剰リスクキャピタルの範囲内で、最大限のリターンが得られるよう取り組んでおります。
b.競争環境
当社グループが事業を行っているペイメント業界において、規制緩和及び技術の進展により異業種からの新規参入等で競争が激化するとともに、競合他社との戦略の差別化が難しくなっており当社グループが競争に十分対応することができない場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、これまでのクレジットカード決済だけでなく新たに非接触型決済やQR・バーコード決済など多様な決済手段の拡充を通じて顧客基盤を拡大するとともに、お客様ごとのライフサイクルに寄り添うサービスを提供する「総合ノンバンク」として、他社との差別化を図っております。
c.各種規制及び法制度の変更
当社グループは、現時点の規制に従って、また、規制上のリスクを伴って業務を遂行しております。当社グループの事業は、会社経営に係る一般的な法令諸規則のほか、金融関連法令諸規則の適用を受けておりますが、これらの法令諸規則は将来において改正もしくは解釈の変更や厳格化、又は新たな法的規制によって、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、規制の変更等により一定のサービスを停止せざるを得ない状況になった場合でも、業績に与える影響を軽減させるため、法令を遵守しながらも、新たな規制に即したサービスの開発を迅速に対応していく体制を構築してまいります。
d.海外事業展開
当社グループは、新たな収益基盤の確立を目的として、海外市場に進出し事業展開を行っております。これらの海外で事業展開する関係会社につきましては、所在国における市場動向、競合会社の存在、政治、経済、法律、文化、宗教、習慣、為替、その他のさまざまなカントリーリスクが存在しております。また法律・規制の変更や予期せぬ政治・経済の不安定化などにより、当社グループの事業活動が期待どおりに展開できない、もしくは事業の継続が困難となり、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、複数の国・地域への進出を行うことで特定の国へのカントリーリスクを分散させるとともに、定期的に所在国のリスク分析及びモニタリングを実施することによってリスクの軽減を図っております。
e.大規模災害及びパンデミック等の発生
当社グループは、国内外の各地域において事業を行っておりますが、これらの地域で、地震等の大規模な自然災害により、保有する資産への物理的な損害、社員への人的被害があった場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、新型コロナウイルス感染症の拡大が、国内及び海外主要各国において収束に向かわず、拡大が長期間にわたり続いた場合、企業の倒産や個人消費の減退により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。さらに、社員に新型コロナウイルス感染症が拡大した場合は、顧客へのサービス提供を一時的に停止する等、当社グループの業務運営にも影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、不測の事態に備えたBCPプランを策定しており、定期的に実効性の確認、教育、訓練を実施しております。特に、当社グループの主要な事業であるペイメント事業については、社会的インフラであることから継続したサービス展開が必要であることを踏まえ、オーソリゼーションシステムを関東と関西に分散することでクレジットカードが利用できる環境を整備するなどの対応を実施しております。また、新型コロナウイルスの感染拡大に対しては、社員の健康管理や予防策を徹底し、感染拡大を防止することで提供業務の停止という事態を避けるとともに、非接触型決済やQR・バーコード決済など感染リスクを低減させる決済手段の拡充に取り組んでおります。
(2) 財務面に関するリスク
a.資金調達
当社グループの主な資金調達方法は、銀行など金融機関からの借入金のほか、社債やコマーシャル・ペーパー(CP)の発行など資本市場からの調達になります。調達方法の中には、短期借入金やCPなど調達期間が一年以内のものが相当額あり、また一年以内に返済・償還予定の長期負債もあることから、当社グループ固有の要素(業績悪化や信用格付の格下げなど)や外部の要素(経済・金融危機や自然災害など)などさまざまな要因によって流動性リスクが増加すると、事業活動や業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、資金調達のうち長期化・固定化を一定割合維持するとともに、コミットメントラインなど流動性補完枠の設定や、社債や債権流動化など直接調達の実行による多様化を推進し、流動性リスクの軽減に努めております。
b.マーケットリスク
当社グループは上場会社・非上場会社の株式、ベンチャー企業投資ファンド、債券、不動産及び不動産ファンドへの投資を行っております。これらの投資資産の価格が市場において下落した場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、資金調達においては、銀行などの金融機関からの借入れによる間接金融のほか、社債など直接金融を利用しておりますが、その中には変動金利による調達もあり、マーケットにおいて金利が急激に上昇する場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループではRCMやALM(資産及び負債の総合的管理)を導入しており、これらの手法を活用することで、投資の方針や限度額を設けることや調達金利の長期化・固定化を一定割合に維持することで急激な金利上昇に備えることに加え、有価証券やデリバティブ取得時の事前審査、継続的なモニタリングを行っております。また、取締役会やALM委員会において、短期的な視点のみならず中長期的な視点に立ち、あらゆる角度から分析を行い、当社グループが保有するマーケットリスクを適切にコントロールをしております。
c.金融商品の減損(貸倒引当金)
当社グループは各事業においてさまざまな融資を行っており、多数の顧客に対する債権を保有しております。国内外の経済環境(景気後退に伴う雇用環境、家計可処分所得、個人消費)等の状況の変化により、多くの顧客において契約条件に従った債権の返済がなされず、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、信用リスクに関する管理諸規程に従い、継続的な債権内容の健全化に努めており、与信限度額、信用情報管理、内部格付けなど与信管理に関する体制を整備し、運営していることに加え、債権状況モニタリング等の与信管理体制を強化しております。これにより、将来貸し倒れるであろう金額を適切に見積り、貸倒引当金として計上することで、信用リスクの高まりに対する業績への急激な影響を防いでおります。
d.利息返還損失引当金
国内の当社グループにおいて過去に弁済を受けた利息制限法に定められた利息の上限金利を超過する部分に対して、顧客より不当利得として返還を請求される場合があります。これに備えて、当社グループでは利息返還損失引当金を計上しておりますが、今後、経済状況が大きく変化し、過払い請求件数や処理単価が想定以上に増えること、もしくは、法的規制の動向等によって当該返還請求が予想外に拡大することによって、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、過去の返還実績等を慎重に検討するだけでなく、利息返還の請求動向について将来の経済状況も見据えながら考慮したうえで、現時点において必要とされる引当額を計上し、想定外の事象が発生した場合にも耐え得るように備えております。
e.のれんの減損
当社グループは、連結財務諸表についてIFRSを適用しております。日本基準ではのれんの償却が規則的に行われるため、時の経過に伴いのれんの残高は減少し減損リスクも小さくなりますが、IFRSでは定期的にのれんの償却が行われないため、将来にわたって減損リスクが残り続けることになり、M&Aなどにより新たなのれんが発生すると、その都度のれんの残高は増加し続け、減損処理を行った際に当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループにおいては、RCMにより投資限度額を設定することで、過度なリスクを取らない仕組みを設けるとともに、投資段階では買収価格の妥当性を主管部門と専任部門による審議を行い、出資後においても買収時の収支計画実現に向けたフォローアップや経営環境の定期的なモニタリングを行っております。
(3) 業務面に関するリスク
a.主要提携先との関係
当社グループでは、多数の企業や団体との業務提携を通じ、会員獲得やサービス商品販売チャネルの拡大・多角化を行っております。また提携先の一部と出資関係を結んでおり、当社グループ及び提携先の顧客基盤等を双方で活かした事業展開を行っております。各提携先との事業は、当社グループの重要な事業戦略である一方、提携先の業績悪化や提携先との業務提携の条件変更や提携解消が行われた場合には当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、既存の提携先とのリレーションの強化を行うとともに、多様な業種・業界のパートナーと新規アライアンスを進めることで、特定の提携先に依存することのないビジネスモデルを構築してまいります。
b.システムリスク
当社グループの主要な事業において、取引の根幹をなす基幹システムを内製開発・自社保有しておりますが、システムの不具合、通信回線の障害などによりシステムが機能不全に陥った場合には、事業運営に悪影響を及ぼす可能性があります。また、近年増え続けるサイバー攻撃等により、個人情報や機密情報などが漏洩するおそれがあります。仮に、このような情報が漏洩した場合、信用低下や損害賠償等により当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、日頃よりシステムの安定稼働の維持に努めるとともに、重要なシステムについてはバックアップを確保する等、不測の事態に備えたコンティンジェンシープランを策定しております。また、標的型攻撃メール等のサイバー攻撃対応として、ファイアウォールの強化及び社員の情報セキュリティ意識向上のための訓練を実施するとともに、万一感染した場合でも被害を最小限にとどめる対策を講じております。
c.個人情報の漏洩等
当社グループは、カード会員情報等の個人情報を大量に保有しており、個人情報保護法が定めるところの個人情報取扱事業者にあたることから、個人情報の漏洩や不正利用などの事態が生じた場合、個人情報保護法に基づく業務規程違反として勧告、命令、罰則処分を受ける可能性があります。これにより、当社グループに対する信頼性が著しく低下し、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、個人情報保護法に定められたとおり、個人情報について適切な保護措置を講ずる体制を整備するとともに、特に大量の個人情報を取り扱う当社グループ各社ではプライバシーマークの取得を行い、適切な情報の取り扱いを行っております。
d.コンプライアンス
当社グループは、事業活動を行う上で、会社法をはじめとする会社経営に係る一般的な法令諸規制や、金融商品取引法・割賦販売法・貸金業法・保険業法等の金融関連法令諸規制の適用、さらには金融当局の監督を受けております。今後、仮に法令違反等が発生した場合には、行政処分やレピュテーションの毀損等により、当社グループの業務運営や、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、法令諸規制を遵守すべく、コンプライアンス体制構築及び内部管理体制の強化を図っており、社員教育の実施及び実施状況のモニタリングを行うなど予防策を講じております。また、当社グループでは内部通報制度を整備し、法令遵守違反・経営者及び社員による不正行為、不祥事・潜在的な利益相反等に対し、早期に発見することに努め、迅速な対応を図っております。
e.事務リスクの顕在化
当社グループは、事業運営において社員が手作業による大量の事務処理を行っております。これらの多様な業務の遂行に際して、社員による過失等に起因する不適切な事務が行われることにより、損失が発生する可能性があります。今後、仮に重大な事務リスクが顕在化した場合には、損失の発生、行政処分、レピュテーションの毀損等により、当社グループの業務運営や、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、各業務の事務取扱を定めたマニュアルを制定し、事務処理状況の定期的な点検を行うとともに、社員の誤謬・不正を防止し、早期発見するための内部通報制度に係る規程類を整備、運用しております。特に財務報告に関わる業務については、「財務報告に係る内部統制管理規程」等を定め、財務報告に係る内部統制の整備・運用及び評価のための体制整備を努めるとともに、内部統制の有効性評価の重要性について、評価対象部門担当者への意識付けを行い、内部統制の実効性を高めております。さらに、手作業による大量の事務処理が必要な業務については、随時システム化するとともに、システム化できない作業については、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)などの導入による事務処理の自動化を推進しております。
f.人材の育成及び確保
当社グループでは、顧客に高水準のサービスを提供するとともに、先進的な商品・サービスを開発するために、多様な人材を採用し育成をすることに努めております。当社グループ事業に必要な人材が不足することにより、業務運営や当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、多様な人材を確保するため、社員のニーズに応じた働き方を選択できるようテレワークや短時間勤務などの制度を用意しております。また当社においては、雇用形態を統一し、すべての社員に公平な機会を提供する一方、執行役員制度やスペシャリスト・エキスパート制度など社員それぞれの能力や特徴を活かせる人事制度を採用することで、優秀な人材の確保を行っております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経済環境など外部環境に関するリスク
a.経済状況
当社グループの主要事業であるペイメント事業、リース事業、ファイナンス事業、不動産関連事業及びエンタテインメント事業の各セグメントは、国内外の経済状況に影響を受けるため、景気後退に伴う雇用環境、家計可処分所得、個人消費等の悪化が、当社グループが提供しているクレジットカードやローン、信用保証及び不動産担保融資等の取扱高の減少や債権回収率の下落を引き起こすことにより当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。特にリース事業においては、中小規模の企業を主要顧客としていることから、景気後退に伴う設備投資の減少や企業業績悪化の影響をより強く受ける可能性があります。さらに、不動産関連事業においても景気後退に伴う不動産価格の下落により販売用不動産の評価損等を計上する可能性があります。
当社グループでは、RCM(リスクキャピタル・マネジメント)により、格付け機関から取得している格付けを維持するために必要なリスクキャピタルを事業ごとに算出しております。その結果、算出された余剰リスクキャピタルの範囲内で、最大限のリターンが得られるよう取り組んでおります。
b.競争環境
当社グループが事業を行っているペイメント業界において、規制緩和及び技術の進展により異業種からの新規参入等で競争が激化するとともに、競合他社との戦略の差別化が難しくなっており当社グループが競争に十分対応することができない場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、これまでのクレジットカード決済だけでなく新たに非接触型決済やQR・バーコード決済など多様な決済手段の拡充を通じて顧客基盤を拡大するとともに、お客様ごとのライフサイクルに寄り添うサービスを提供する「総合ノンバンク」として、他社との差別化を図っております。
c.各種規制及び法制度の変更
当社グループは、現時点の規制に従って、また、規制上のリスクを伴って業務を遂行しております。当社グループの事業は、会社経営に係る一般的な法令諸規則のほか、金融関連法令諸規則の適用を受けておりますが、これらの法令諸規則は将来において改正もしくは解釈の変更や厳格化、又は新たな法的規制によって、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、規制の変更等により一定のサービスを停止せざるを得ない状況になった場合でも、業績に与える影響を軽減させるため、法令を遵守しながらも、新たな規制に即したサービスの開発を迅速に対応していく体制を構築してまいります。
d.海外事業展開
当社グループは、新たな収益基盤の確立を目的として、海外市場に進出し事業展開を行っております。これらの海外で事業展開する関係会社につきましては、所在国における市場動向、競合会社の存在、政治、経済、法律、文化、宗教、習慣、為替、その他のさまざまなカントリーリスクが存在しております。また法律・規制の変更や予期せぬ政治・経済の不安定化などにより、当社グループの事業活動が期待どおりに展開できない、もしくは事業の継続が困難となり、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、複数の国・地域への進出を行うことで特定の国へのカントリーリスクを分散させるとともに、定期的に所在国のリスク分析及びモニタリングを実施することによってリスクの軽減を図っております。
e.大規模災害及びパンデミック等の発生
当社グループは、国内外の各地域において事業を行っておりますが、これらの地域で、地震等の大規模な自然災害により、保有する資産への物理的な損害、社員への人的被害があった場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、新型コロナウイルス感染症の拡大が、国内及び海外主要各国において収束に向かわず、拡大が長期間にわたり続いた場合、企業の倒産や個人消費の減退により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。さらに、社員に新型コロナウイルス感染症が拡大した場合は、顧客へのサービス提供を一時的に停止する等、当社グループの業務運営にも影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、不測の事態に備えたBCPプランを策定しており、定期的に実効性の確認、教育、訓練を実施しております。特に、当社グループの主要な事業であるペイメント事業については、社会的インフラであることから継続したサービス展開が必要であることを踏まえ、オーソリゼーションシステムを関東と関西に分散することでクレジットカードが利用できる環境を整備するなどの対応を実施しております。また、新型コロナウイルスの感染拡大に対しては、社員の健康管理や予防策を徹底し、感染拡大を防止することで提供業務の停止という事態を避けるとともに、非接触型決済やQR・バーコード決済など感染リスクを低減させる決済手段の拡充に取り組んでおります。
(2) 財務面に関するリスク
a.資金調達
当社グループの主な資金調達方法は、銀行など金融機関からの借入金のほか、社債やコマーシャル・ペーパー(CP)の発行など資本市場からの調達になります。調達方法の中には、短期借入金やCPなど調達期間が一年以内のものが相当額あり、また一年以内に返済・償還予定の長期負債もあることから、当社グループ固有の要素(業績悪化や信用格付の格下げなど)や外部の要素(経済・金融危機や自然災害など)などさまざまな要因によって流動性リスクが増加すると、事業活動や業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、資金調達のうち長期化・固定化を一定割合維持するとともに、コミットメントラインなど流動性補完枠の設定や、社債や債権流動化など直接調達の実行による多様化を推進し、流動性リスクの軽減に努めております。
b.マーケットリスク
当社グループは上場会社・非上場会社の株式、ベンチャー企業投資ファンド、債券、不動産及び不動産ファンドへの投資を行っております。これらの投資資産の価格が市場において下落した場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、資金調達においては、銀行などの金融機関からの借入れによる間接金融のほか、社債など直接金融を利用しておりますが、その中には変動金利による調達もあり、マーケットにおいて金利が急激に上昇する場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループではRCMやALM(資産及び負債の総合的管理)を導入しており、これらの手法を活用することで、投資の方針や限度額を設けることや調達金利の長期化・固定化を一定割合に維持することで急激な金利上昇に備えることに加え、有価証券やデリバティブ取得時の事前審査、継続的なモニタリングを行っております。また、取締役会やALM委員会において、短期的な視点のみならず中長期的な視点に立ち、あらゆる角度から分析を行い、当社グループが保有するマーケットリスクを適切にコントロールをしております。
c.金融商品の減損(貸倒引当金)
当社グループは各事業においてさまざまな融資を行っており、多数の顧客に対する債権を保有しております。国内外の経済環境(景気後退に伴う雇用環境、家計可処分所得、個人消費)等の状況の変化により、多くの顧客において契約条件に従った債権の返済がなされず、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、信用リスクに関する管理諸規程に従い、継続的な債権内容の健全化に努めており、与信限度額、信用情報管理、内部格付けなど与信管理に関する体制を整備し、運営していることに加え、債権状況モニタリング等の与信管理体制を強化しております。これにより、将来貸し倒れるであろう金額を適切に見積り、貸倒引当金として計上することで、信用リスクの高まりに対する業績への急激な影響を防いでおります。
d.利息返還損失引当金
国内の当社グループにおいて過去に弁済を受けた利息制限法に定められた利息の上限金利を超過する部分に対して、顧客より不当利得として返還を請求される場合があります。これに備えて、当社グループでは利息返還損失引当金を計上しておりますが、今後、経済状況が大きく変化し、過払い請求件数や処理単価が想定以上に増えること、もしくは、法的規制の動向等によって当該返還請求が予想外に拡大することによって、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、過去の返還実績等を慎重に検討するだけでなく、利息返還の請求動向について将来の経済状況も見据えながら考慮したうえで、現時点において必要とされる引当額を計上し、想定外の事象が発生した場合にも耐え得るように備えております。
e.のれんの減損
当社グループは、連結財務諸表についてIFRSを適用しております。日本基準ではのれんの償却が規則的に行われるため、時の経過に伴いのれんの残高は減少し減損リスクも小さくなりますが、IFRSでは定期的にのれんの償却が行われないため、将来にわたって減損リスクが残り続けることになり、M&Aなどにより新たなのれんが発生すると、その都度のれんの残高は増加し続け、減損処理を行った際に当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループにおいては、RCMにより投資限度額を設定することで、過度なリスクを取らない仕組みを設けるとともに、投資段階では買収価格の妥当性を主管部門と専任部門による審議を行い、出資後においても買収時の収支計画実現に向けたフォローアップや経営環境の定期的なモニタリングを行っております。
(3) 業務面に関するリスク
a.主要提携先との関係
当社グループでは、多数の企業や団体との業務提携を通じ、会員獲得やサービス商品販売チャネルの拡大・多角化を行っております。また提携先の一部と出資関係を結んでおり、当社グループ及び提携先の顧客基盤等を双方で活かした事業展開を行っております。各提携先との事業は、当社グループの重要な事業戦略である一方、提携先の業績悪化や提携先との業務提携の条件変更や提携解消が行われた場合には当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、既存の提携先とのリレーションの強化を行うとともに、多様な業種・業界のパートナーと新規アライアンスを進めることで、特定の提携先に依存することのないビジネスモデルを構築してまいります。
b.システムリスク
当社グループの主要な事業において、取引の根幹をなす基幹システムを内製開発・自社保有しておりますが、システムの不具合、通信回線の障害などによりシステムが機能不全に陥った場合には、事業運営に悪影響を及ぼす可能性があります。また、近年増え続けるサイバー攻撃等により、個人情報や機密情報などが漏洩するおそれがあります。仮に、このような情報が漏洩した場合、信用低下や損害賠償等により当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、日頃よりシステムの安定稼働の維持に努めるとともに、重要なシステムについてはバックアップを確保する等、不測の事態に備えたコンティンジェンシープランを策定しております。また、標的型攻撃メール等のサイバー攻撃対応として、ファイアウォールの強化及び社員の情報セキュリティ意識向上のための訓練を実施するとともに、万一感染した場合でも被害を最小限にとどめる対策を講じております。
c.個人情報の漏洩等
当社グループは、カード会員情報等の個人情報を大量に保有しており、個人情報保護法が定めるところの個人情報取扱事業者にあたることから、個人情報の漏洩や不正利用などの事態が生じた場合、個人情報保護法に基づく業務規程違反として勧告、命令、罰則処分を受ける可能性があります。これにより、当社グループに対する信頼性が著しく低下し、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、個人情報保護法に定められたとおり、個人情報について適切な保護措置を講ずる体制を整備するとともに、特に大量の個人情報を取り扱う当社グループ各社ではプライバシーマークの取得を行い、適切な情報の取り扱いを行っております。
d.コンプライアンス
当社グループは、事業活動を行う上で、会社法をはじめとする会社経営に係る一般的な法令諸規制や、金融商品取引法・割賦販売法・貸金業法・保険業法等の金融関連法令諸規制の適用、さらには金融当局の監督を受けております。今後、仮に法令違反等が発生した場合には、行政処分やレピュテーションの毀損等により、当社グループの業務運営や、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、法令諸規制を遵守すべく、コンプライアンス体制構築及び内部管理体制の強化を図っており、社員教育の実施及び実施状況のモニタリングを行うなど予防策を講じております。また、当社グループでは内部通報制度を整備し、法令遵守違反・経営者及び社員による不正行為、不祥事・潜在的な利益相反等に対し、早期に発見することに努め、迅速な対応を図っております。
e.事務リスクの顕在化
当社グループは、事業運営において社員が手作業による大量の事務処理を行っております。これらの多様な業務の遂行に際して、社員による過失等に起因する不適切な事務が行われることにより、損失が発生する可能性があります。今後、仮に重大な事務リスクが顕在化した場合には、損失の発生、行政処分、レピュテーションの毀損等により、当社グループの業務運営や、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、各業務の事務取扱を定めたマニュアルを制定し、事務処理状況の定期的な点検を行うとともに、社員の誤謬・不正を防止し、早期発見するための内部通報制度に係る規程類を整備、運用しております。特に財務報告に関わる業務については、「財務報告に係る内部統制管理規程」等を定め、財務報告に係る内部統制の整備・運用及び評価のための体制整備を努めるとともに、内部統制の有効性評価の重要性について、評価対象部門担当者への意識付けを行い、内部統制の実効性を高めております。さらに、手作業による大量の事務処理が必要な業務については、随時システム化するとともに、システム化できない作業については、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)などの導入による事務処理の自動化を推進しております。
f.人材の育成及び確保
当社グループでは、顧客に高水準のサービスを提供するとともに、先進的な商品・サービスを開発するために、多様な人材を採用し育成をすることに努めております。当社グループ事業に必要な人材が不足することにより、業務運営や当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、多様な人材を確保するため、社員のニーズに応じた働き方を選択できるようテレワークや短時間勤務などの制度を用意しております。また当社においては、雇用形態を統一し、すべての社員に公平な機会を提供する一方、執行役員制度やスペシャリスト・エキスパート制度など社員それぞれの能力や特徴を活かせる人事制度を採用することで、優秀な人材の確保を行っております。
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ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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