有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100J8NA (EDINETへの外部リンク)
株式会社うかい 事業等のリスク (2020年3月期)
(1)方針
当社は、事業活動に関わるあらゆるリスクを的確に把握し、リスクの発生頻度や経営への影響を低減し、事業の継続、安定的発展を確保していくため、2016年12月に全社的なリスクマネジメント推進に関わる課題・対応策を協議・承認する組織として、取締役会の下にリスク管理委員会を設置しております。リスク低減に関する協議・承認を行うため、リスク管理委員会を毎年、年4回定時開催し、新たなリスクの候補の検討、また特定したリスクについて、固有リスクの評価、統制活動の決定、統制活動の有効性の評価、残余リスクの評価、リスク対策の優先度を協議・承認を行い、その結果を取締役会に適宜、報告しております。
(2) リスク管理委員会におけるリスクマネジメント体制
①構成メンバー
委員長を社長とし、常任委員に常務会メンバー、非常任委員に経営企画室、管理部メンバーという構成メンバーで組織し、事務局長を経営企画室長としております。またテーマに応じて非常任委員その他の従業員を随時柔軟に招集して開催しております。②主な役割と権限
・リスクマネジメント取組全体の方針・方向性の検討、協議・承認・各リスクテーマ共通の仕組みの検討、協議・承認
・リスクマネジメントに関する年次計画、予算措置、是正措置の検討、協議・承認
・必要に応じ社内外から必要なノウハウや協力の取付検討、協議・承認
・分科会の組成指示、リスクマネジメント推進の進捗管理
・各現場でのリスクマネジメント推進の指示、進捗管理
・情報の収集と社内外開示の実施策検討、協議・承認
・上記に関する取締役会への定期的な報告
③個別リスクの分科会
個別リスクの検討課題ごとに具体策を検討・実行するための分科会を実務担当者から選出、編成しております。各分科会の主な役割と権限、内容は以下のとおりです。
・主な役割と権限
リスク管理委員会からの指示に基づく所管テーマの具体的対策検討、マニュアル化
所管テーマの対応策に関する各職場への周知徹底策検討、実行
・各分科会の内容
経営リスク分科会(契約、与信、資金繰り、減損、債務超過、社内事務、知的財産)
労務・安全衛生分科会労務(負傷、疾病、労務、安全衛生)
コンプライアンス分科会(法令違反、外部犯罪、社内不正)
防災リスク分科会(防災訓練、安否確認)
環境リスク分科会(環境リスク)
品質管理分科会(食品衛生管理、品質管理)
情報システム分科会(ネットワーク障害、顧客情報・個人情報漏洩、安否確認)
雇用・人事リスク分科会(人材流出、海外派遣社員)
【リスクの設定イメージ】
リスク管理委員会、及び各分科会により新たなリスクの候補の洗い出し、及びリスクの特定を行います。特定したリスクについて、固有リスクの評価、統制活動の決定、統制活動の有効性の評価、残余リスクの評価、リスク対策の優先度を分析し、対策を策定、実施いたします。また同時に特定したリスクに実施した対策をモニタリング、及び評価を行い、改善するサイクルを回しております。
(3) 個別のリスク
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
①特に重要なリスク
分類 | 項目 | リスクの内容 | リスクへの主要な取り組み |
経営成績等の状況の異常な変動 | 売上減少 | ・新型コロナウイルス感染症による来客数減少。 ・新型コロナウイルス感染症に伴う緊急事態宣言による営業自粛。 | ・新型コロナウイルス感染症予防、拡大防止対策を徹底。お客様に安心して店舗を楽しんでいただけるよう取り組む。 ・テイクアウト販売等、新たなお客様ニーズの創出による収益力の向上。 |
資金繰り | ・新型コロナウイルス感染症による売上減少。 ・新型コロナウイルス感染症に伴う緊急事態宣言による営業自粛により売上減少。 | ・取引金融機関4行と総額73億円のコミットメントライン契約を締結。運転資金を確保。 | |
固定資産の減損損失 | ・キャッシュ・フローを生み出す資産グループの収益性の低下、事業計画の未達。 | ・策定した事業計画のモニタリング実施。 ・期中業績のモニタリングにより顕在化する減損兆候判定前の資産グループに対する積極的な施策の実行。 | |
繰延税金資産の減少 | ・課税所得の減少、会社分類の変更、税制改正に伴う税率変更による繰延税金資産の取り崩し。 | ・事業計画で合理的に見積った課税所得の範囲内で繰延税金資産を計上。 ・経営環境等の変化などを踏まえ適宜見直しを実施。 | |
純資産悪化 | ・新型コロナウイルス感染症に伴う利益の減少による純資産悪化の可能性。 | ・経費支出の内容見直し、圧縮による利益の向上。 ・エクイティファイナンス等の考察。 | |
その他投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項 | BCP再構築 | ・想定を上回る事象によるBCPの機能不全。 | ・社内各組織から選抜した人材によるプロジェクトチームを組成し、早期にBCPの再構築を図る。 |
自然災害 | ・事業停止による機会損失や復旧コストの発生。 ・従業員の危害発生。 | ・営業停止店舗から可能店舗へのお客様、従業員・食材の集中。 ・営業停止店舗の早期営業再開を図るため、工事業者等の事前選定を実施。 ・食材調達先の分散等の適正な仕入先の選定。 ・従業員の安否確認、情報共有化システムを導入。従業員の安否確認、店舗の営業再開を早期に実現する体制を構築。 ・各種保険の加入及び加入検討。保険加入後、保険内容の適宜見直し。 | |
疫病 | ・疫病流行に伴う事業の一時停止による機会損失。 | ・コミットメントライン契約等による運転資金の確保を検討。 ・国や業界団体のガイドラインに沿った感染拡大予防対策を行い、店舗運営を実施。 | |
金利変動 | ・有利子負債の金利上昇に伴う支払金利コストの増加。 | ・有利子負債調達時の固定型金利、または変動型金利を慎重に選択。 ・事業計画策定時、支払利息を精緻に算出し、計画に織り込む。 | |
財務制限条項抵触 | ・財務制限条項抵触により期限の利益を喪失する可能性。 | ・事業計画策定時の確認、また期中業績のモニタリングを実施し、財務制限条項に抵触しないよう注視する。 | |
景気後退 | ・景気後退による業績悪化。 | ・月次ベースでの予実管理を強化し、景気後退局面において迅速に対策が打てる体制を構築。 |
②重要なリスク
分類 | 項目 | リスクの内容 | リスクへの主要な取り組み |
経営成績等の状況の異常な変動 | 棚卸資産の 管理 | ・虚偽記載等の不正会計(架空在庫、利益の水増し等)。 | ・毎月実地棚卸を実施し、在庫状況を把握。 ・第2四半期及び本決算時は、会計監査人、当社管理部及び内部監査室による棚卸実査を実施。また会計監査人、当社の内部監査室で内部統制ウオークスルーを実施。 |
重要な訴訟事件等の発生 | 役員への訴訟 及び株主代表訴訟 | ・訴訟により財務への影響、ブランドの毀損に発展。 | ・役員に対する法令遵守(善管注意義務の徹底)の周知徹底。 |
第三者による権利侵害 | ・商標権侵害による機会損失やブランド毀損。 | ・新規出店時の適切な商標登録手続きの実施。 ・既登録済み商標の適宜見直し。 ・海外でのなりすまし商標を防ぐ為、海外での商標登録を実施。 ・商標権侵害の監視体制を強化。 |
その他投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項 | 食品表示法 違反 | ・アナフラキシーショックによる消費者被害。 ・消費者への賠償責任。 ・営業停止による機会損失の発生。 ・信用失墜等。 | ・物販商品、店舗店頭土産品の食品表示ラベルを社内専門部署で統括する体制を構築。 ・飲食店での予約受付時、料理注文時における食物アレルギー有無の確認徹底。 |
異物混入 | ・消費者への賠償責任。 ・営業停止による機会損失の発生。 ・信用失墜等。 | ・食材納品時、調理時の食材・調理道具の確認徹底。 ・仕入業者への確認徹底を啓蒙。 ・製菓事業におけるISO22000認証による食品安全体制の構築。 | |
労務問題 | ・過重労働、健康障害等の発生。 | ・労務管理体制の充実。健全な労使関係の構築。従業員の健康管理の徹底、法令遵守の啓蒙に努める。 ・各事業所に衛生管理者を任命し、毎月衛生委員会を開催。 ・定期健康診断、産業医による健康相談を実施。 ・労務管理状況を内部監査室により定期的に評価。評価後、改善提案がなされている。 | |
人権問題 | ・パワハラ、セクハラ、差別等による訴訟の可能性。 | ・従業員に対して社内規程(コンプライアンスマニュアル等)に沿った行動を指導、また各種社内研修を実施。 ・内部通報制度の周知、運用の徹底。 | |
情報漏洩 | ・個人情報、特定個人情報、顧客情報、営業秘密の漏洩の可能性。 | ・社内規程の整備。社内情報へのアクセス管理。情報管理を統一し、クラウド環境で一元管理。顧客情報を本社での一括管理等を実施。 ・社内規程に基づく業務の徹底。 ・各種情報に関する諸教育(概念・漏洩事件・ペナルティー等)を継続して実施。社員の理解を深める。 | |
食材価格の 変動 | ・自然災害、安全性問題、物流の寸断等による仕入価格上昇の可能性。 | ・食材を適切なロットで分散して仕入れることにより安定した仕入れ体制を構築。体制構築により年間を通して食材の価格、供給、品質の安定を実現。 ・取引先との関係強化を図り、仕入れ体制を更に強固にする。 ・食材の確保が困難な場合、臨機応変に他の旬の食材によるメニューに変更し、機会損失を回避する。 ・料理内容、調理方法の創意工夫により原価の安定を図る。 | |
株価低下 | ・資金調達の難化。 ・人材確保の難化。 ・敵対的買収リスクの増加。 | ・収益の改善、財務内容の向上に注力し、株価向上に努める。 ・適時適切なIR活動を実施。 | |
企業イメージの低下 | ・ブランド毀損による業績への影響。 | ・法令、社内規程を遵守し、不適切な行為の防止に努める。 ・従業員に対する法令、社内規程遵守を啓蒙。 | |
風評及び クレーム | ・風評及びクレーム低下による業績への影響。 | ・クレームに対する適切な対応の実施。 ・原因解消に向けた速やかな対応の実施。 ・苦情対応管理マニュアルの整備、運用。 | |
人災、事故 | ・近隣住民への被害発生の可能性。 ・多額の賠償金等の発生の可能性。 ・信用失墜。 | ・防火、防災管理体制の整備。定期的な訓練の実施。 ・各種保険の加入及び加入検討。保険加入後、保険内容の適宜見直し。 |
(4) その他
(継続企業の前提に関する重要事象等について)
新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、日本政府による緊急事態宣言、各自治体からの外出自粛要請により、当社は、一部を除いた店舗で臨時休業及び臨時休館を実施いたしました。この結果、2020年4月及び5月に関して、当社の来客数は減少し、売上高が著しく減少しております。
また、緊急事態宣言の解除により同年6月1日から全ての店舗の営業を再開いたしましたが、再開後の集客等の回復には一定期間を要すると考えられることから、資金繰りに懸念が生じており、継続企業の前提に関する重要事項を生じさせるような状況が存在しております。
このような状況を解消するために、当社は財務基盤を安定させることが重要であると考え、キャッシュ・フロー改善を推進し、設備投資や経費の更なる見直し等を基本に収益力の向上に努め、財務体質の改善に取り組んでまいります。また、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する可能性に備え、経営の安定化を図るべく、手元資金を厚くすることを目的として、2020年4月及び6月に取引金融機関4行と総額7,300百万円の機動的な資金調達が可能となるコミットメントライン契約を締結いたしました。
これらの対応策により、当社は、継続企業の前提に重要な不確実性は認められないものと判断しております。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E03324] S100J8NA)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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