有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100IWVL (EDINETへの外部リンク)
株式会社 群馬銀行 事業等のリスク (2020年3月期)
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当行グループ(当行及び連結子会社等)が判断したものであります。
金融の自由化・国際化の進展や金融技術・情報技術の発達に伴い、銀行が直面するリスクは、ますます多様化、複雑化しています。このような状況の中、経営の健全性や安定性を確保しながら企業価値の向上を図るために、業務やリスクの特性に応じてリスクを適切に管理し、コントロールしていく必要があります。
当行では、適切なリスク管理の実施を経営の最重要課題の一つとして認識し、取締役会において「リスク管理に関する基本方針」を制定し、この基本方針に則り、リスク管理を行うなど、リスク管理態勢の整備強化に取り組んでいます。
取締役会は、リスク管理の重要性を充分認識し、経営方針等を踏まえたリスク管理の方針を決定し、リスク管理を重視する企業風土の醸成に努めています。
また、全行的なリスクの統合管理部署としてリスク統括部を設置し、横断的な視点から、リスク計測結果を含む各種リスクの状況を統合的に把握、管理しています。
リスク統括部及び各種リスク管理関連部は連携し、リスクの状況や課題に関して「ALM・収益管理委員会」「信用リスク管理委員会」「オペレーショナル・リスク管理委員会」における協議・検討を踏まえ、常務会、取締役会へ報告しています。
(1) 基本的な考え方
信用リスク、市場リスク、流動性リスク等のリスクを個々に管理するだけでなく、当行全体が抱えるリスクを総体的に捉え、経営体力と比較・対照するなど統合的に管理する必要があります。そのためリスク統括部を中心として、統合的なリスク管理が行える態勢を整備し、各種リスクの管理強化を進めるとともに、統合的なリスク管理の高度化を進めています。
(2) 統合的なリスク管理の枠組み
当行は、統合的なリスク管理方法の一つとして、信用リスク、市場リスク等のカテゴリーごとにリスク量を統一的な枠組み(VaRなど)により計測し、それらを統合して経営体力(自己資本)と対比する「統合リスク管理」を導入しています。
具体的には、半期ごとに取締役会において、普通株式等Tier1資本から評価・換算差額等を控除した額を配賦原資として各種リスクカテゴリーごとにリスク資本の配賦額を決定してリスクを制御しています。
リスク量の状況については、リスク管理部署において、配賦されたリスク資本の範囲内に収まっているかどうか定期的にモニタリングしています。また、ALM・収益管理委員会や常務会を通じて、毎月経営層に報告しています。
信用リスク
リスクの内容、リスクが顕在化する可能性の程度や時期、顕在化した場合の経営成績等にあたえる影響 | |
・信用リスクとは、取引先や有価証券の発行体が、業況悪化などの原因により、約定通り利息支払や元金返済・償還ができなくなることで銀行が損失を被るリスクをいいます。 ・地元地域の景気動向(※1)、融資先(※2)の経営状況、不動産価格及び株価の変動等さまざまな要因により想定外の不良債権が発生することで不良債権処理費用が増加し、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 ※1 地域経済情勢 当行は、群馬県、埼玉県、栃木県の3県を基幹地域としており、当行(単体ベース)の総貸出金残高に占める基幹地域の比率は70%以上、総預金に占める基幹地域の比率は90%以上に達しております。基幹地域の景気が悪化した場合、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 ※2 中小企業等に対する貸出金 当行は、中小企業や個人向け貸出金の増強に努めております。中小企業・個人向け貸出は、小口化等によりリスクの分散を図っておりますが、中小企業の業績や担保不動産の価格下落、個人の家計等の動向が経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 | |
リスクへの対応策 | |
・当行では信用リスクの大部分を貸出資産が占めており、貸出資産の健全性を将来にわたり確保することが信用リスクを管理する上での重要な目標となっています。 ・厳格な信用リスク管理を行うためには、信用リスクに関連する各部門間における相互牽制が必要となります。当行では、営業推進部門、審査部門から独立したリスク統括部が信用格付制度、資産自己査定、償却・引当制度など信用リスク管理の根幹となる管理制度の企画、検証を行うことにより、常時牽制機能が働く体制としています。 |
市場リスク
リスクの内容、リスクが顕在化する可能性の程度や時期、顕在化した場合の経営成績等にあたえる影響 | |
・市場リスクとは、金利、為替、株価など市場要因の変動によって、銀行が損失を被るリスクをいいます。 ・有価証券等については、市場動向を注視しつつ適切に運用しておりますが、今後、金利上昇に伴い国債など債券の評価損が発生すること、為替相場の変動により為替差損が発生すること及び株式相場の下落に伴い株式の減損処理などが発生することもあります。この結果、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 | |
リスクへの対応策 | |
・市場取引担当部門の組織については、取引を担当する部署(フロントオフィス)と、リスク管理や事務処理を担当する部署(ミドルオフィス・バックオフィス)を分離し、相互に牽制する体制となっています。 ・市場要因の変動が経営に与える影響の重要性を認識し、適切なリスクコントロールを行うことを基本方針としています。特に債券及び株式などの運用は、価格変動リスクがあることから、十分なリスク管理の下、適正な取引規模の範囲内で行っています。 |
流動性リスク
リスクの内容、リスクが顕在化する可能性の程度や時期、顕在化した場合の経営成績等にあたえる影響 | |
・流動性リスクには、資金繰りリスクと市場流動性リスクがあります。 ・資金繰りリスクとは、運用と調達の期間のミスマッチや予期せぬ資金流出により、必要な資金確保が困難になる、または通常よりも著しく高い金利での資金調達を余儀なくされることにより、銀行が損失を被るリスクをいいます。 ・市場流動性リスクとは、市場の混乱等により取引ができなくなる、または通常よりも著しく不利な価格での取引を余儀なくされることにより損失を被るリスクをいいます。 ・内外の経済情勢や市場環境等の変化、当行の信用力が低下すること等により、必要な資金が確保できなくなる場合や、通常よりも著しく高い金利での資金調達を余儀なくされることにより損失を被る可能性があります。例えば、当行の格付けの低下等により流動性リスクが顕在化した場合には、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 | |
リスクへの対応策 | |
・流動性リスクの顕在化は、経営破たんに直結するおそれがあるなど、当行に与える影響の重要性を認識し、流動性リスクの状況を常時的確に管理することを基本方針としています。 |
※ 「信用リスク」、「市場リスク」、「流動性リスク」につきましては、「第5 経理の状況」の「1 連結財務諸表等」のうち「(金融商品関係) 1 金融商品の状況に関する事項」もご参照ください。
オペレーショナル・リスク
リスクの内容、リスクが顕在化する可能性の程度や時期、顕在化した場合の経営成績等にあたえる影響 | |
・オペレーショナル・リスクとは、銀行の業務の過程、役職員及び派遣社員等の従業者の活動若しくはシステムが不適切であること、または外生的な事象により当行が損失を被るリスクをいいます。当行では、組織体制や業務の内容に即して効果的にリスクを管理するため、オペレーショナル・リスクを以下の5つに区分しています。 ①事務リスク 各種取引に伴う事務を適宜適切に処理しなかったことによって事故が生じ、金融資産の喪失や原状回復などに係る対応費用などの発生、あるいは社会的信用の失墜などにより、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 ②システムリスク コンピュータ機器や通信回線の故障、プログラムの不具合などによるコンピュータシステムの停止または誤作動や、コンピュータの不正使用または外部からの攻撃などによる情報の破壊や流出が発生した場合、決済機能やサービス業務の停止、社会的信用の失墜などにより、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 ③有形資産リスク 当行が保有する店舗、本部棟、電算センター等の施設が、地震等の自然災害の発生、停電等の社会インフラ障害、あるいは犯罪やテロ等の被害を受けることにより、当行の業務運営に支障を来し、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 ④人的リスク 人事運営上の諸問題(報酬・手当・解雇等の問題)、差別的行為(セクシャルハラスメント等)等により、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑤法務リスク 法令解釈の相違、法令手続きの不備、当行及び役職員の法令違反行為等に起因して法令諸規則や契約内容を遵守できなかった場合には、罰則適用や損害賠償等により、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 | |
リスクへの対応策 | |
・オペレーショナル・リスク管理の基本的事項を定めた「リスク管理に関する基本方針」及び「オペレーショナル・リスクに関する基本規定」を取締役会で制定し、リスク統括部の担当取締役をオペレーショナル・リスク管理全般を統括する責任者、リスク統括部をオペレーショナル・リスクの統合管理部署としています。リスク統括部は、担当取締役の指揮・監督のもと、オペレーショナル・リスク全般の管理に関する企画・統括を行い、各「リスク管理関連部」がより専門的な立場からそれぞれのリスクを管理しています。 |
災害リスク、感染症リスク、風評リスク
リスクの内容、リスクが顕在化する可能性の程度や時期、顕在化した場合の経営成績等にあたえる影響 | |
・首都直下型地震等大規模自然災害の発生や、新型コロナウイルス等感染症の流行により、地域の経済活動が停滞し、また、当行の事業活動に支障が生じ、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 ・当行及び銀行業界に対するネガティブな報道や悪質な風評等により、それが事実であるか否かにかかわらず、流動性リスクを誘発することなどにより、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 | |
リスクへの対応策 | |
・当行では、地域金融機関としての社会的責任と公共的使命を踏まえ、大規模自然災害やシステム障害、新型コロナウイルス等感染症の流行などが発生した場合においても、迅速かつ適切に非常事態に対応できる体制を整備し、組織内に周知することに努めています。 ・具体的には、お客さまや役職員等の安全を確保した上で、円滑に業務運営できるよう、平時より危機管理計画(BCP)を整備し、その実効性を確保するため、定期的な訓練と内容の見直しを実施しています。また、危機発生時においては、頭取を委員長とする非常事態対策委員会を招集するなどの体制を整備しています。特に、大規模地震災害などに対しては、想定される影響の大きさを踏まえ、バックアップオフィスやバックアップシステムなどの体制を整備しております。 |
サイバー攻撃のリスク
リスクの内容、リスクが顕在化する可能性の程度や時期、顕在化した場合の経営成績等にあたえる影響 | |
・インターネット等を経由したコンピュータシステムやネットワークへの不正侵入などにより、情報の窃取、改ざん、破壊や、コンピュータシステム等の誤作動、停止などが発生し、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 | |
リスクへの対応策 | |
・当行では、サイバー攻撃に対処するため、「サイバーセキュリティ管理規定」を制定し、システムへの不正侵入防止やウイルス検知等の多層的な対策を実施するとともに、その有効性を確保するための見直しを継続的に行っています。 ・サイバー攻撃に対しては、リスク統括部内に設置した「ぐんぎんCSIRT※」が中心的な役割を担い、必要な対策を講じることに加え情報収集、サイバーセキュリティ研修、サイバー攻撃に係る訓練や演習を実施するなど、管理態勢の継続的な強化を図っています。※CSIRT : Computer Security Incident Response Team の略称 |
外部委託、新商品・新業務導入に関するリスク
リスクの内容、リスクが顕在化する可能性の程度や時期、顕在化した場合の経営成績等にあたえる影響 | |
・当行業務の委託先において、当行が委託した業務に関し、事務事故、システム障害、情報漏洩などの事故が発生した場合、社会的信用の失墜などによって経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 ・新商品や新規業務の仕組みや業務処理態勢が不適切なため、法令違反、お客さまの損失、情報漏洩等などが発生した場合、社会的信用の失墜などによって経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 | |
リスクへの対応策 | |
・当行では、業務の外部委託を行う場合、自ら実施する場合の業務遂行水準を維持するために「外部委託管理規定」を制定し、外部委託時、委託期間中、委託終了時の手続き等を定め、外部委託した業務における顧客保護等管理及びオペレーショナル・リスク管理が十分機能するように努めています。 ・また、新商品や新規業務を導入する際には、あらかじめ内在するリスクの有無やリスクの種類の特定・評価・管理、さらには、お客さまへの説明資料・説明手法などについて、複数の部署がさまざまな角度から検証する管理の枠組みを整備し運用しています。 |
金融犯罪に係るリスク
リスクの内容、リスクが顕在化する可能性の程度や時期、顕在化した場合の経営成績等にあたえる影響 | |
・想定の範囲を超える大規模な金融犯罪が発生した場合、国内外の規制当局による法令及び規則に抵触し、被害者への多額の補償や、セキュリティ対策に対する多額の費用発生、制裁金の賦課等で、当行の経費負担が増大することや信用失墜等により、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。 | |
リスクへの対応策 | |
・キャッシュカードの偽造・盗難や振り込め詐欺など、金融犯罪は多様化・高度化しており、被害発生を未然に防止するため、セキュリティ強化への取組みを進めております。また、金融犯罪のボーダーレス化により、当行が提供する商品・サービス等がマネー・ローンダリングやテロ資金供与に利用されるリスクを認識し、マネー・ローンダリング防止及びテロ資金供与防止対策を経営の重要な課題と位置づけ、防止態勢の強化を図っております。 |
その他のリスク
上記のほか、以下のようなリスクを認識しております。
・退職給付制度に関するリスク
年金資産の時価の下落、年金資産の運用利回りの低下及び予定給付債務を計算する前提となる保険数理上の前提・仮定に変更があった場合等には、退職給付費用が増加する可能性があり、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
・格付低下のリスク
格付機関が当行の格付を引き下げた場合、当行の市場部門は、不利な条件での取引を余儀なくされたり、一定の取引を行うことができなくなる場合があり、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
・規制変更のリスク
当行は現時点の規制に従って、また、規制上のリスクを伴って業務を遂行しております。将来における法律、規則、政策、実務慣行、解釈、財政及びその他の施策の変更並びにそれらによって発生する事態が、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
・競争に伴うリスク
日本の金融制度は大幅に規制が緩和されてきており、これに伴い競争が激化してきております。その結果、他金融機関等との競争により想定した収益があげられず、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
・会計制度変更に伴うリスク
将来の会計制度の変更内容によってはコストの増加につながり、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
・固定資産に係る減損リスク
固定資産の減損に係る会計基準及び適用指針を適用し、所有する固定資産に損失が発生した場合には、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
・情報漏洩に係るリスク
当行は、個人情報保護法に対応し情報管理体制の強化を図っております。しかしながら、内部者、外部者による不正なアクセスなどにより、顧客情報や経営情報などの漏洩、紛失、改ざん、不正使用などが発生した場合、当行の社会的信用の失墜などによって経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
・経営戦略が奏功しないリスク
当行は、2019年4月から2022年3月までの3年間を計画期間とする「2019年中期経営計画『Innovation 新次元』~価値実現へ向けて~」をすすめ、諸施策を展開しています。しかしながら、経済状態全般の悪化、地元経済の悪化、お客さまの経営状態の悪化などによる想定外の不良債権処理費用の発生などにより目標とした利益などが確保できないこともあり、結果として経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
新型コロナウイルス感染症の事業等のリスクへの影響について
新型コロナウイルス感染症の拡大の収束が見通せない中、感染拡大防止に向けた配慮をしつつも、金融サービスを継続し、感染症の影響を受けているお客さまを全力で支援していくことが、対処すべき最優先の課題であると認識しております。
感染症の拡大による影響は、群馬県をはじめとする地域経済において、観光業や飲食・サービス業のみならず、建設業や製造業など広範に及んでおり、収束時期によっては貸出先の経営状況に変化が生じ、想定外の不良債権が発生する可能性があるなど、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、感染症の影響により国内外の金融資本市場がさらに変動した場合には、有価証券等の評価損、為替差損の発生や有価証券等の減損処理等などが発生する可能性があり、経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、感染症の収束時期は依然不透明であり、実際に起こりうるリスクはこの限りではありません。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E03554] S100IWVL)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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