シェア: facebook でシェア twitter でシェア google+ でシェア

有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100IWO3 (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 トレイダーズホールディングス株式会社 事業等のリスク (2020年3月期)


従業員の状況メニュー研究開発活動

当社の経営成績、事業運営及び財務状態その他に関する事項のうち、投資家の投資判断に影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項として、以下のようなリスクがあげられます。これらのリスクは複合、連鎖して発生し、様々なリスクを増大させる可能性があります。
当社は、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の適切な対応に努めてまいります。
なお、本項目に記載の事項は必ずしもすべてのリスクを網羅したものではなく、また、将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

1 顕在化する可能性を高く想定しているリスク
(1)外部環境によるリスク
① 競争激化に伴うリスク
トレイダーズ証券は、顧客獲得の競争が激しく、取引スプレッドの縮小、スワップポイントの付与率、取引システムの機能や操作性等の優劣によって商品性や提供サービスが他社に比べて劣後する等の要因により、顧客が競合他社に流出することで、トレイダーズ証券の収益を低下させるといった影響を被る可能性があります。
また、このようなリスクが顕在化する時期は、トレイダーズ証券のマーケティング手法・戦略が競合他社の戦略と比べて劣る場合は常態的に発生することが考えられます。
具体的には、FX取引事業に関して、顧客預り資産の減少、口座の解約、取引量の低下、トレーディング損益の減少といった影響を想定しております。
当社グループといたしましては、グループ内に金融取引システム開発会社Nextop.Asiaを有する強みを生かし、顧客の取引利便性を高める各種機能の追加・改良等により、安心して取引できる最新の取引システムの提供及び顧客満足度を高める取引ツールの提供や関連サービスの向上を行うことで顧客の確保に努めるとともに、財務体質を強化し競争力を増していくことを考えております。

② 規制等に関するリスク
トレイダーズ証券は、証券取引事業及びFX取引事業(第一種、第二種金融商品取引業及び投資助言・代理業)を営むに当たり、内閣総理大臣の登録を受けるとともに、自主規制機関である日本証券業協会、金融先物取引業協会、第二種金融商品取引業協会及び日本投資顧問業協会に加入しており、金融商品取引法その他の法令のほか、これら自主規制機関の規則に服しています。トレイダーズ証券が法令諸規則を遵守できていない等の要因により、業務停止による業績悪化あるいは、当社グループに対する顧客からの信用失墜を招き、当社グループ全体の業績が悪化するといった影響を被る可能性があります。
また、このようなリスクが顕在化する時期は、社内検査や内部監査等の内部での検知や金融庁及び各自主規制機関等の外部検査での検知、並びに、顧客等からの金融庁等への通報によることが考えられます。
具体的には、FX取引事業に関して、業務停止、業務改善命令あるいは信用失堕による顧客預り資産の減少、口座の解約、取引量の低下、トレーディング損益の減少といった影響を想定しており、システム開発・システムコンサルティング事業に関して、信用失堕による受注減少、契約の解除といった影響を想定しております。
当社グループといたしましては、対応策としてトレイダーズ証券において、内部管理統括責任者の指揮の下、全社的な内部管理態勢の強化を図り、継続的な役職員向けのコンプライアンス研修の実施や社内検査・内部監査の実施等、法令遵守・コンプライアンス意識向上の徹底に取組み、制度改正に対しても適切な対応に努めていくことを考えております。

③ 経済環境、市況の変化に伴うリスク
トレイダーズ証券は、主にハイリスクの金融デリバティブ取引を個人投資家に提供しているため、日本経済あるいは世界の経済環境の動向や、市況の影響を大きく受ける傾向があります。景気の低迷による投資意欲の減退により投資資金が減少したり、相場の急変で顧客に損失が生じた場合には顧客預り資産が減少し、その後の取引量が大きく減少する等の要因により、トレイダーズ証券の収益を長期にわたり低下させるといった影響を被る可能性があります。
また、このようなリスクが顕在化する時期は、過去の事例からみると年に1回から3回程度の頻度で発生することが考えられます。
具体的には、FX取引事業に関して、顧客預り資産の減少が長期間にわたり、トレーディング損益の低迷が長期間続くといった影響を想定しております。
当社グループといたしましては、対応策としてトレイダーズ証券において、顧客への継続的なリスク情報の提供や相場急変動時に備えた顧客への注意喚起を行うなど、顧客の適切なリスク回避の投資判断を促し、顧客預り資産を減少させない施策を講じることで、顧客が持続的にFX取引を行える投資環境の整備に努めることを考えております。

④ 新型コロナウイルス感染症によるリスク
当社グループは、新型コロナウイルス感染症の影響により社会活動の制約が長期化し、経済への影響が深刻化し景気が長期にわたり低迷した場合、顧客の投資資金の減少、投資意欲の減退、新規システム開発の中止、海外金融機関等との取引停止、企業の資金繰り不安、新興国通貨危機等の要因により、当社グループの業績悪化といった影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの役職員に新型コロナウイルスが感染した場合、業務が停滞するといった影響を被る可能性があります。
また、このようなリスクが顕在化する時期は、現在から数年の間に断続して発生することが考えられます。
具体的には、FX取引事業に関して、顧客の投資資金の減少及び投資意欲の減退による顧客預り資産の減少、取引量の低下、トレーディング損益の減少、並びにカバー先の破綻によるFX差入証拠金・決済資金の回収不能による損失及び新興国通貨危機によるトレーディング損失の発生といった影響を想定しております。また、システム開発・システムコンサルティング事業に関して、景気低迷による新規システム開発の中止又は見送りによる収益の減少といった影響を想定しております。
当社グループといたしましては、対応策としてトレイダーズ証券において、対面ではないインターネット取引による投資機会を提供している事業の強みを活かした認知度向上施策を行うことで、顧客の投資意欲を維持し、顧客預り資産の減少を食い止めることに注力し、また、カバー取引先の金融機関の分散、リスク回避のディーリング方法の実施を考えております。また、システム開発・システムコンサルティング事業における対応策として、営業力強化により外部販路を広げることで受注先の拡大(収益源の多様化)を考えております。
一方、当社役職員の新型コロナウイルスの感染リスクを低減させるために、国内外の全役職員がテレワークで業務を行える体制の構築を実施しております。

(2)当社グループの事業戦略、経営基盤に関するリスク
① 新商品の開発又はシステム開発等に伴うリスク
トレイダーズ証券は、多様化する顧客ニーズへの対応を図るため、新商品(新サービス)の導入や既存商品(既存サービス)の改善、見直しを行い、Nextop.Asiaがそれらのシステムの機能強化や新規システムの開発を行っています。しかしながら、開発した商品が顧客ニーズを満たしていない、技術の進歩が速いため商品の陳腐化が極端に早い等の要因により、トレイダーズ証券及びNextop.Asiaの業績悪化といった影響を被る可能性があります。
また、このようなリスクが顕在化する時期は、顧客のニーズを読み誤ったり、相対的に他社商品が優れていることで現れることが考えられ、加速度的に技術が進歩するシステム開発事業においては、しばしば発生することが考えられます。
具体的には、システム開発・システムコンサルティング事業に関して、開発したシステムはソフトウエアとして資産計上するものがありますが、使用しなくなった場合に固定資産除却損として損失が発生し、Nextop.Asiaの業績を悪化させるといった影響を想定しております。
当社グループといたしましては、対応策として新商品及び新システムを開発する場合には、開発コスト及び顧客ニーズを十分検証し検討したうえで、迅速な開発を進めていくことを考えております。

② 金融商品取引業等に関する内閣府令に基づくストレステスト実施に伴う経営の健全性に影響を与えるリスク
トレイダーズ証券は、金融商品取引業等に関する内閣府令に従い、2020年1月1日より金融先物取引業協会の規則に基づきストレステスト(将来懸念される異常事態時の「最大想定損失額」:Aと「固定されていない自己資本の額」:Bを比較し、BがAを上回ることが求められる。)を実施しております。自己資本が不足している又は未カバーリスク、未入金リスク及びカバー取引先破綻リスクのいずれかが増大し最大想定損失額が増加している等の要因により、トレイダーズ証券が経営の健全性を確保するための措置を講じなければならないといった影響を被る可能性があります。
また、このようなリスクが顕在化する時期は、トレイダーズ証券の業績が悪化し、自己資本が減少した場合又は最大想定損失額が増加した場合に発生することが考えられます。
具体的には、FX取引事業に関して、自己資本が不足してきた場合、「最大想定損失額」が「固定化されていない自己資本」を上回らないように、利益を減少させても取引ポジションの調整及びカバー先の分散が必要となり、トレイダーズ証券の利益を減少させ、負の連鎖が生じるといった影響を想定しております。
当社グループといたしましては、対応策としてトレイダーズ証券において、未カバーポジションの適切な管理、カバー先の適切な分散等により最大想定損失額を増加させないようにするともに、顧客預り資産及び取引量を増加させることで、トレーディング損益の増加を図り、自己資本を継続的に増加させることを考えております。

(3)事業活動、顧客取引に関するリスク
① オンライン取引のシステム障害に伴うリスク
トレイダーズ証券は、主要商品であるFX証拠金取引において、顧客からインターネットを通じて受注し、一連のコンピュータ処理システム及び第三者への接続を通じて取引を執行しております。当社グループでは、サーバー等の増強、基幹システムのサーバー類の外部データセンターへの移設、より高度なスキルを持つ人材育成に向けた取り組み、システムの改善等を随時行い、あわせてシステム障害時の業務フローの整備等、安全性を確保すべく、システム運営及び保守に努めております。しかしながら、サイバー攻撃による不正アクセス又はこれらのシステムに障害、誤作動が発生し機能不全に陥る等の要因により、当社システムの停止並びにセキュリティ上の問題発生により顧客からの注文を受付けることができなくなる事態及びカウンターパーティーに対するカバー取引を適時に執行できなくなる事態に陥るといった影響を被る可能性があります。
また、このようなリスクが顕在化する時期は、日常的に発生しうる可能性が考えられます。
具体的には、FX取引事業に関して、顧客からの注文が受付けられない事態が生じた場合は、顧客からの信用失墜を招くとともに損害賠償請求が発生するといった影響を想定しています。また、カウンターパーティーに対するカバー取引が適時に執行できない場合は、多額のトレーディング損失が発生するといった影響を想定しています。
当社グループといたしましては、対応策としてトレイダーズ証券においてはシステム障害発生時のマニュアルを整備しており、全社的に障害内容や影響度合いに応じた代替手段や即応体制を敷くこととしております。また、Nextop.Asiaの海外子会社が24時間体制でシステムを監視しており、異常を感知したときは、すぐにトレイダーズ証券及びNextop.Asiaにアラートが通知され、迅速なシステム改修等の対応ができる体制を整えています。異常時において適切な対応ができる人材の育成についても、さらに強化することを考えております。

② 資金繰りリスク(トレイダーズ証券)
トレイダーズ証券は、顧客及びカウンターパーティーとの間で取引の売買代金又は証拠金等の受け払い、信託銀行への顧客資産の分別信託金の預託等、日々多額の資金移動を行っており、厳格な資金繰り管理を行っております。しかしながら、海外のカウンターパーティーとの資金決済は一営業日遅れるため、顧客資産の分別信託金の預託資金及び顧客資産の出金をトレイダーズ証券が立て替えて支払う場合があります。FX相場が大きく変動し多額の立替が必要となる等の要因により、トレイダーズ証券の資金繰りが一時的に逼迫するといった影響を被る可能性があります。
また、このようなリスクが顕在化する時期は、過去の事例からみると年に数回程度の頻度で発生することが考えられます。
具体的には、FX取引事業に関して、想定以上のFX相場の変動が発生し、これまでに経験したことがない多額の立替金が必要となった場合に、トレイダーズ証券の資金繰りが一時的に逼迫するといった影響を想定しています。
当社グループといたしましては、対応策として金融機関等からの借入金及びコミットメントラインの設定、カウンターパーティーとのFX必要証拠金差入額の減額を早期に実現すること及び緊急時における国内カウンターパーティー利用の増加を考えております。

③ 市場リスク
トレイダーズ証券は、顧客とのFX証拠金取引について適宜、カウンターパーティーとカバー取引を行うことによって為替変動リスク(市場リスク)を回避しております。しかしながら、FX相場の急変等の要因により、適時にカバー取引が行えなくなり、多額の損失が発生するといった影響を被る可能性があります。
また、このようなリスクが顕在化する時期は、日常的に発生しうる可能性が考えられます。
具体的には、FX取引事業に関して、FX相場が急変し変動幅が瞬時に拡がる場合、カウンターパーティーからレートの配信が停止されカバー取引を行うことができず、トレイダーズ証券が多額の損失ポジションを保持するといった影響を想定しております。
当社グループといたしましては、対応策としてトレイダーズ証券が、国内外の複数のカウンターパーティーとカバー取引を行い、リスクを分散することで損失を最小限にとどめることを考えております。

④ カバー取引先(カウンターパーティー)のリスク
トレイダーズ証券は、顧客とのFX証拠金取引について、複数の金融機関等のカウンターパーティーを相手方としてカバー取引を行い、証拠金を差入れています。しかしながら、世界景気の低迷、金融危機の発生等の要因により、カウンターパーティーが破綻し、トレイダーズ証券が差し入れた証拠金及び決済資金が回収できないといった影響を被る可能性があります。
また、このようなリスクが顕在化する時期は、過去の事例からみると10年に1回から数回程度の頻度で発生することが考えられます。
具体的には、FX取引事業に関して、カウンターパーティーが破綻し、トレイダーズ証券が差し入れた証拠金及び決済資金が回収できなくなりトレイダーズ証券に損失が発生するといった影響を想定しております。
当社グループといたしましては、対応策としてトレイダーズ証券のリスク管理委員会(月次開催)においてカウンターパーティーの財務状況を検証し取引先としての安全性を定期的に確認するとともに、景況が急変した場合には、各カウンターパーティーの財務に問題ないかをトレイダーズ証券の役員間で即座に検討することを考えております。

⑤ 発注先の信用リスク
Nextop.Asiaは、システム開発及びシステム運用・保守に関して、発注先と事前に契約を締結し、その対価を前受金及び納品時またはサービス提供時に受け取っていますが、発注者が信用不安に陥ったり、破綻する等の要因により、Nextop.Asiaが売掛金の回収不能や、システム開発の途中での中止により損失が発生するといった影響を被る可能性があります。
また、このようなリスクが顕在化する時期は、日常的に発生しうる可能性が考えられます。
具体的には、システム開発・システムコンサルティング事業に関して、システム開発及びシステム運用・保守のサービスを提供した後に、売掛金の回収不能が発生しNextop.Asiaに損失が発生するといった影響を想定しております。
当社グループといたしましては、対応策としてNextop.Asiaが、発注先と契約を締結する前に、発注先の財務状況や信用力を十分検証し、判断することを考えております。

⑥ 顧客立替金が発生するリスク及び同債権が貸倒れとなるリスク
トレイダーズ証券は、FX証拠金取引において、個人顧客については約定代金の4~100%を必要証拠金として預託を受け、顧客が建玉を維持するためには必要証拠金の一定割合を維持することを義務づけています。トレイダーズ証券はNextop.Asiaが開発した最新の自動ロスカットシステムを採用しており、相場が急変した場合でも顧客に必要証拠金を超える損失が生じないよう努めております。しかしながら、想定を超える急激なFX相場の動き等の要因により、当該損失はトレイダーズ証券の立替金となるといった影響を被る可能性があります。
また、このようなリスクが顕在化する時期は、FX相場の動きが激しく値飛び(配信レートの大幅な乖離)が生じる時であり、FX相場を急変動させるような非常に大きな世界的な事象が発生した場合において発生することが考えられます。
具体的には、FX取引事業に関して、FX相場が急変し変動幅が瞬時に拡がる状況において、顧客の必要証拠金を超える損失が生じ、一時的にトレイダーズ証券の立替金となる場合があります。当該立替金を顧客から回収できずにトレイダーズ証券の損失となるといった影響を想定しております。
当社グループといたしましては、対応策としてトレイダーズ証券において、相場急変動の可能性が想起される場合には、顧客に事前に保有建玉の決済や証拠金の追加預託を促す等の投資リスク情報を提供して、顧客のリスク低減に取り組むとともに、顧客立替金が発生した場合には、回収に向け、迅速な対応を行うことを考えております。また、Nextop.Asiaにおいては、開発した自動ロスカットシステムの能力をさらに高めることを考えております。

(4)オペレーショナルリスク、その他のリスク
① オペレーショナルリスク
当社グループは、事務処理の過程において、オペレーショナルエラー等の要因により、顧客又は取引先からの損害賠償請求、監督官庁からの行政処分等を受けるといった影響を被る可能性があります。
また、このようなリスクが顕在化する時期は、新たな事務処理方法の適用、法令諸規則の変更、従業員の退職等の機会に発生することが考えられます。
具体的には、当社グループの役職員が正確な事務処理が出来ない、あるいは内部統制が有効に機能しない等の事情によって、十分かつ適切なサービスが提供できなくなるといった影響を想定しております。
当社グループといたしましては、事務処理能力が低下することのない様、優秀な従業員の採用、適切な人員を確保するとともに、外部研修への参加の奨励、社内セミナー等の開催などにより従業員の教育に努めることを考えております。

② 開発したシステムの品質上の重大事故や不具合等による瑕疵等のリスク
Nextop.Asiaは、金融商品取引システムの開発及び開発したシステムの運用・保守を外部金融機関等に提供しております。しかしながら、提供するシステムに品質上の重大事故や不具合等の要因により、提供先から賠償請求を受けるといった影響を被る可能性があります。
また、このようなリスクが顕在化する時期は、日常的に発生しうる可能性が考えられます。
具体的には、システム開発・システムコンサルティング事業に関して、納品したシステムの品質上の重大事故により、システムが停止したことで発生する損失をNextop.Asiaが賠償するといった影響を想定しております。
当社グループといたしましては、システムを開発・納品にするにあたり、システム開発時の、要件定義や設計・開発の各段階の管理を適切に行い、システム開発時の十分な提供先の受け入れテスト(UAT)を実施することで、品質を両社で確認し不具合を発生しないように努めることを考えております。

③ 情報漏えいによるリスク
当社グループは、サイバー攻撃等による不正アクセスにより個人情報が漏洩し、不正使用等が生じる等の要因により、損害賠償請求や監督官庁による行政処分を受けるといった影響を被る可能性があります。
また、このようなリスクが顕在化する時期は、特定することはできませんが、サイバー攻撃などは常にその危機にさらされていると考えられます。
具体的には、損害賠償額の支払いや対応コスト等の発生、あるいは信用低下に伴う口座解約による顧客預り資産の減少、取引量の減少などによるトレイダーズ証券の収益悪化といった影響を想定しています。
当社グループといたしましては、顧客情報をはじめとする大量の個人情報及び機密情報等を取り扱っているため、これらの情報漏えい等を防止することは重要な経営課題であると認識し、個人情報取扱時の二重チェックや、各種システムのセキュリティ強化に努めることを考えております。

2 顕在化する可能性を低く想定しているリスク
(1)外部環境によるリスク
① 災害の発生によるリスク
当社グループは、地震、津波、風水害等の大規模自然災害あるいは事務所の火災等が発生し、当社グループの従業員や保有資産への被災、業務に必要な人員が確保できない事態、通信障害の発生、及び電力供給不足等の要因により、当社グループの業務運営の継続性の困難や業績の低下といった影響を被る可能性があります。
また、このようなリスクが顕在化する時期は、過去の事例からみると10年に1回から数回程度の頻度で発生することが考えられます。
具体的には、FX取引事業に関して、業務の継続が困難となり収益が長期にわたり無くなるといった影響、システム開発・システムコンサルティング事業に関して、FXシステム等の保守・運用の業務停止、システム開発の停止による納品遅延といった影響を想定しております。
当社グループといたしましては、対応策としてトレイダーズ証券において、緊急事態を想定し具体的なBCP(事業継続計画)を策定し、緊急時の代替事務所を遠隔地に確保しております。また、定期的に社内でBCP訓練を実施し、緊急事態を想定したシミュレーションにより、必要な課題を洗い出し、適切な準備を行うことを考えております。また、システム開発・システムコンサルティング事業における対応策として、テレワーク制度導入によるFXシステム等の保守・運用体制の多様化及びシステム開発の分散化(国内外の全事務所を活用)することでリスク分散化の実施を考えております。

② カントリーリスク
当社グループは、海外に子会社を有し事業活動を行っているため、外国政府による法令・規制の制定や変更、不安定かつ不確実な政治情勢・社会情勢及び資金移動の制約等の要因により、当社グループが海外子会社を通じて行っている業務・サービス提供が停止又は停滞を余儀なくされることで、当社グループの業績低下といった影響を被る可能性があります。
また、このようなリスクが顕在化する時期は、地政学的なリスク変動による複合的な作用も影響することから、特定することは困難ですが、近い将来に発生することが考えられます。
具体的には、FX取引事業に関して、Nextop.Asiaの海外子会社が24時間体制で行っているFXシステムの監視・保守業務の停止や停滞といった影響を想定しております。また、システム開発・システムコンサルティング事業に関して、システム開発の業務の停止や停滞といった影響を想定しております。
当社グループといたしましては、対応策としてNextop.Asiaにおいて、事業運営上のリスクの高まりを早期に把握できるよう海外子会社との連携を強化し対象国の情報を逐次共有することで、緊急事態が発生した場合の対策を迅速に検討・構築できるようにするとともに、海外子会社に代わりFXシステムの監視・保守業務及びシステム開発を国内で継続して行えるバックアップ体制の整備を考えております。

(2)当社グループの事業戦略、経営基盤に関するリスク
自己資本規制比率が低下するリスク
トレイダーズ証券は、第一種金融商品取引業者として、金融商品取引法等の法令により、財務状態の健全性を維持するために、自己資本規制比率(固定化されていない自己資本をリスク相当額(市場リスク、取引先リスク及び基礎的リスク等)で除した比率)の適正水準の維持(120%以上)が求められていますが、業績の低迷等の要因により、自己資本が減少し金融当局から早期是正措置の発動等による業務改善命令、業務停止命令あるいは金融商品取引業登録の取消等の行政処分を受けるといった影響を被る可能性があります。
また、このようなリスクが顕在化する時期は、トレイダーズ証券の業績が悪化し、自己資本が大きく減少した場合又はリスク相当額が増加した場合に発生することが考えられます。2020年3月31日現在のトレイダーズ証券の自己資本比率は、382.0%となっております。
具体的には、FX取引事業に関して、業績の低迷等の要因により自己資本が減少し金融当局から早期是正措置の発動等による業務改善命令を受けた場合、信用失堕により当社グループの業績が大きく低迷するといった影響を想定しております。
当社グループといたしましては、対応策としてトレイダーズ証券において、適切なリスク管理を行うとともに、顧客預り資産及び取引量を増加させることで、トレーディング損益の増加を図り、自己資本を継続的に増加させることを考えております。

(3)事業活動、顧客取引に関するリスク
① 資金繰りリスク(当社)
当社は、持株会社として当社グループ全社の資金繰り状況を把握し、各事業への適正な資金の配分を検討し、実施しております。しかしながら、当社グループの業績が悪化する等の要因により、当社グループ全体の資金が減少し事業を継続することが困難になるといった影響を被る可能性があります。
また、このようなリスクが顕在化する時期は、当社グループの主力事業であるFX取引事業の業績が低迷し、トレイダーズ証券の資金繰りが逼迫し発生することが考えられます。
具体的には、FX取引事業に関して、あらゆるマーケティング施策を講じても顧客預り資産が減少し、取引量が減少することで、トレーディング損益が減少し、資金繰りが悪化するといった影響を想定しています。
当社グループといたしましては、対応策として資金調達が必要と判断した場合には、金融機関等からの借入だけではなく、第三者割当増資又は新株予約権等のエクイティ・ファイナンス及び社債等のデット・ファイナンス等、可能な限りの資金調達方法を検討し、実行することを考えております。

② 財務制限条項に抵触するリスク
トレイダーズ証券は、財務制限条項が付された社債を発行しており、トレイダーズ証券の業績が悪化し同社の自己資本規制比率が低下する等の要因により、財務制限条項に抵触した場合は、トレイダーズ証券は当該社債を直ちに償還しなければならないといった影響を被る可能性があります。
また、このようなリスクが顕在化する時期は、償還期限(2022年6月)以前にトレイダーズ証券の業績が急激に悪化する時が考えられます。
具体的には、FX取引事業に関して、トレイダーズ証券が財務制限条項に抵触し、発行する社債を期限前に償還することで、資金繰りが逼迫するといった影響を想定しております。
当社グループといたしましては、対応策としてトレイダーズ証券において、顧客預り資産及び取引量を増加させることで、トレーディング損益の増加を図り、自己資本を継続的に増加させることを考えております。

(4)オペレーショナルリスク、その他のリスク
① 役職員の不正行為によるリスク
当社グループは、役職員の不正行為もしくは予測し得ない不正行為等の要因により、当社グループのブランドイメージに著しい損傷をきたすといった影響を被る可能性があります。
また、このようなリスクが顕在化する時期は、特定することはできませんが、予期せずに起こりうるものと考えられます。
具体的には、不正行為の発生により信用失墜が生じ、当社グループの風評リスクが高まり、円滑な事業の遂行が困難となる、課徴金・過怠金等の納付命令を受ける、その他の行政処分を受けるといった影響を想定しております。
当社グループといたしましては、役職員に対する法令遵守意識の徹底、内部管理体制の整備、また、内部通報制度導入により、社内担当部署もしくは外部の弁護士に通じるホットラインの設置等を通じ、役職員による不正の探知及び未然防止に努めることを考えております。

② 外部業者への業務委託に伴うリスク
当社グループは、当社及び子会社におけるFX取引事業並びにシステム開発・システムコンサルティング事業において、その業務の一部、帳票作成等の各種バックオフィス業務、顧客資産の分別保管業務等を当社グループ外の業者に委託しております。このため、当該外部委託業者のサービスレベルの低下、不正行為等の要因により、当社グループは、事業運営に深刻な支障をきたすといった影響を被る可能性があります。
また、このようなリスクが顕在化する時期は、特定することはできませんが、予期せずに起こりうるものと考えられます。
具体的には、外部委託業者の不正行為による個人情報や重要情報の漏洩や改ざん、外部委託業者の経営環境や事業環境悪化による当社委託業務の成果物の品質低下や納品遅延といった影響を考えております。
当社グループといたしましては、外部委託先管理規程を整備し、定期的に委託先業者の適正性を把握、確認することとしており、当社グループの経営に重要な影響を与えるリスクを早期に把握して、対応できるよう努めることを考えております。

③ 犯罪による収益の移転防止に関するリスク
トレイダーズ証券は、「犯罪による収益の移転防止に関する法律」の定めに基づき本人特定事項の確認を実施するとともに、取引記録等の保存、疑わしき取引の届出等の措置を講じております。しかしながら、トレイダーズ証券の業務方法が同法に準じていない等の要因により、金融監督官庁による行政処分等を受けるといった影響を被る可能性があります。
また、このようなリスクは、口座開設の際には常に存在していると考えられます。
具体的には、犯罪組織がトレイダーズ証券の口座を利用し取引を行ったことが判明した場合、業務改善命令等の処分を受け、信用失堕による顧客預り資産の減少、取引量の低下による収益の悪化といった影響を想定しています。
当社グループといたしましては、対応策としてトレイダーズ証券において、同法に関する社内セミナーを実施するなど従業員の意識を高め、同法の定めに基づき本人特定事項の確認を徹底し、取引記録等の保存、疑わしき取引の届出等の措置を講じることを考えております。

従業員の状況研究開発活動


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E03819] S100IWO3)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。