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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100L6S8 (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 ダイドーグループホールディングス株式会社 事業等のリスク (2021年1月期)


従業員の状況メニュー研究開発活動

当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況などに重要な影響を及ぼす可能性のある主要なリスクには、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

当社グループは、代表取締役社長を委員長とする「グループリスク管理委員会」を設置し、リスクマネジメント体制の運用方針・計画を定めるほか、当社グループに重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクを特定し、リスク対策の妥当性を評価しております。
当連結会計年度におきましては、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大によるリスクが顕在化しております。当社グループは、お客様と従業員の健康・安全を最優先に考慮し、感染拡大防止につとめております。
当連結会計年度の「グループリスク管理委員会」においては、新型コロナウイルス感染拡大による各事業セグメントへの影響と対応策を確認したほか、人材の確保・育成や海外子会社の管理・統制などの重要課題への取り組みについて協議いたしました。

(1)人材の確保・育成
・リスクが顕在化した場合に経営成績等に与える影響の内容等
コロナ禍を契機とした社会変革により事業環境が大きく変化していく中で、お客様や社会に価値を提供し、持続的な成長を実現していくためには、イノベーションの担い手となり得る多様な人材の確保・育成と社内環境の整備が極めて重要な課題であると認識しております。当社グループの各事業は、労働集約型産業の側面を持ち、国内飲料事業では自販機オペレーションを担う人材、医薬品関連事業や食品事業では製造工場のオペレーションを担う人材によって支えられていることから、日本国内の人口動態の変化による労働力不足への対応は、将来の持続可能性にも関わる大きな課題となっております。
また、当社グループの成長戦略を推進していくためには、事業領域の拡大に応じた高度な専門性や経験を有する人材や、イノベーションを創出することのできる多様な知見・スキル・価値観を有する人材を確保・育成していく必要がありますが、今後の社会情勢や雇用環境の変化により、相応しい人材を継続的に採用することが困難になる場合、既存事業における売上確保や成長戦略の推進に支障が生じるなど、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。

・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
近年、人々のワークスタイルに対する価値観の多様化が進行し、働き方に対するニーズも大きく変化していることから、当該リスクが顕在化する可能性は常に認識しておく必要があります。
当社グループでは、これらのリスクの低減を図るため、「人的資本の確保」「将来を担う人材の育成」「人材の適正配置」の3つの観点から人材マネジメント体制の強化を図っております。また、健康経営の推進により、従業員自身が自らの健康への意識を高め、健康維持・増進に努めることができる環境の整備に取り組むとともに、従業員が自律的に業務を推進する「新たな働き方」への移行や、「副業制度」「副業受入制度」の導入など、ワークスタイルに対する価値観の多様化に対応するとともに、イノベーションの創出につながる多様な知見・価値観・スキルを持つ自律型のプロフェッショナル人材を確保・育成するための取り組みを推進しております。

(2)海外子会社の管理・統制
・リスクが顕在化した場合に経営成績等に与える影響の内容等
当社グループは、海外での事業展開の拡大を「グループミッション2030」の基本方針に掲げ、グループ全体の海外売上高比率を20%以上に成長させることをめざしております。
海外飲料事業の中で大きなウエイトを占めるトルコ飲料事業の足元の事業環境は、為替変動による輸入原材料価格の高騰や、新型コロナウイルス感染拡大による消費への影響に留意が必要な状況にあるものの、主力ブランドであるミネラルウォーター「Saka(サカ)」は、消費者の健康志向を背景に着実に成長を続けており、中長期的にも成長が期待されております。一方、トルコ飲料事業に係るのれん及び商標権は、当該株式取得に係る取得原価と比較すると相対的に多額となっており、将来の環境変化等により、期待されるメリットをもたらさず著しい企業価値の減価がある場合には、減損損失が計上される可能性があります。
また、海外における事業展開には、各国の法令・制度、政治・経済・社会情勢、文化・宗教・商習慣の違いや為替レートの変動をはじめとした様々なリスクが存在します。事前に想定できなかった問題の発生やこれらのリスクに対処できないことなどにより、事業展開が困難になった場合や投資回収となった場合には、減損損失や事業撤退損失等が発生する可能性があるほか、中長期的な海外事業戦略の推進にも支障が出るなど、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。

・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当社グループは、「グループミッション2030」の達成に向けて、海外での事業展開の拡大に取り組む方針であることから、当該リスクが顕在化する可能性を常に認識しておく必要があります。
当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、持株会社の海外事業統括部が海外子会社を管理・統括する体制とし、海外事業セグメント全体の黒字確保を当面の目標としながら、海外事業戦略の再構築を進めてまいります。
なお、新型コロナウイルスの感染拡大が続く状況下においては、海外への渡航に一定の制約があり、持株会社の監査部による現地監査の実施が困難であることなど、海外子会社の管理・統制については、工夫の余地があるものと認識しております。当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、持株会社の監査部に対する第三者の評価結果に基づき、優先順位を定めながら、監査体制の強化を図ってまいります。

(3)企業買収及び事業・資本提携
・リスクが顕在化した場合に経営成績等に与える影響の内容等
当社グループは、非飲料事業での第2の柱の構築を「グループミッション2030」における基本方針に掲げ、企業買収及び事業・資本提携などの戦略的投資も事業拡大を加速するための有効な手段として、その可能性を常に検討しております。しかしながら、有効な投資機会を見出せない場合や、当初期待した戦略的投資効果を得られない場合には、成長戦略の推進に支障が生じるなど、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。また、企業買収等により新規事業領域・新規市場へ参入する場合には、その事業・市場固有のリスクが新たに加わる可能性があります。
企業買収等にあたっては、対象企業の事業計画や財務内容、契約関係等についての詳細な調査を行い、十分にリスクを検討することとしておりますが、事前に把握できなかった問題の発生や事業展開が計画どおり進まない場合、のれんなどの固定資産の減損処理を行う必要性が生じる等により、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。

・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当社グループは、「中期経営計画2021」の投資戦略において、ヘルスケア領域におけるM&Aなどの戦略投資にも積極的に取り組む方針としていることから、当該リスクが顕在化する可能性を常に認識しておく必要があります。
当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、取締役会の実効性評価を毎年1回実施し、その評価結果をふまえて、取締役会のモニタリング機能の実効性をさらに高めるなど、迅速・果断な意思決定を行うための仕組みであるコーポレート・ガバナンスの継続的改善に向けた取り組みをすすめております。

(4)自販機チャネルへの集中・依存
・リスクが顕在化した場合に経営成績等に与える影響の内容等
当社グループのコアビジネスである国内飲料事業は、日本国内における自販機の普及の歴史とともに発展してまいりました。地域に根差した営業活動を展開することにより、業界有数の自販機網と品質の高いオペレーション体制を構築し、当連結会計年度において、国内飲料事業における自販機チャネルの売上比率は80%超となっており、業界平均を大きく上回っております。
自販機チャネルは、本来、価格安定性・販売安定性が比較的高く、収益性の高い缶コーヒーを主力商材として、安定的なキャッシュ・フローを確保することが可能ですが、近年、自販機オペレーションを担う人手不足の問題などもあり、自販機市場全体の総台数は減少に転じております。また、コロナ禍により、消費者の行動様式は大きく変容し、在宅勤務の定着化などによる売れる場所の変化とともに、飲料業界全体の自販機を通じた販売数量は大きく減少するなど、市場環境は大きく変化しており、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。

・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
自販機チャネルの収益構造は、限界利益率が高い一方で、売上高に対する固定費の比率も比較的高く、国内飲料事業の中で売上構成比の高い自販機チャネルの減収は、グループ全体の営業利益の減少にもつながりやすいことから、当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても相応にあるものと認識しております。
一方、コロナ禍を契機として、業界各社の自販機チャネルに対する取組み姿勢には変化が生じていることから、当社グループは、これらのリスクをビジネスチャンスへと転換すべく、売れる場所の変化を的確に捉えた営業活動を推進し、収益性の高い自販機網の拡充を図ってまいります。また、自販機オペレーション現場の働き方においても業界をリードする存在となるべく、最新のテクノロジーを活用したスマートオペレーション体制の構築を着実に推進することにより、自販機市場における確固たる優位性を確立してまいります。

(5)業界における市場競争
・リスクが顕在化した場合に経営成績等に与える影響の内容等
日本国内の清涼飲料業界の市場環境は、今後さらに進展する少子高齢化の影響により、中長期的には大きな成長を見込みにくい状況の中で、業界各社はマーケティングを積極化し、容器やデザイン面にも工夫をこらした多種多様なコンセプトの新商品を相次いで発売しております。なかでも、新しいタイプのペットボトル入りコーヒーの登場は、業界各社にとって収益性の高いコーヒー飲料の市場環境を大きく変化させるものとなりました。
コロナ禍を契機とした在宅勤務の定着化などによる消費者の行動変容により、自販機やコンビニエンスストアを通じた販売数量が大きく減少し、飲料市場全体の販売数量も前年実績を大きく下回って推移するなど、飲料業界各社は大きな影響を受けております。また、流通チェーン各社も事業環境の変化に対応すべく、店舗の付加価値を追求するなど、他業態との差別化や独自性を訴求した販売方針への転換を図っております。このような状況に対応するため、飲料業界各社は、価格面・販促面での提案を強化するなど、競争環境はさらに厳しさを増しております。
当社グループの商品戦略・販売戦略・価格戦略が、このような市場環境の変化のスピードに対応できなかった場合、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。

・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
日本国内の清涼飲料業界の市場環境は、コロナ禍により急速に変化していることから、当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても常にあるものと認識しております。
当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、市場環境の変化に迅速に対応できるよう商品開発体制を強化し、「おいしさ」と「健康」を追求した商品やサービスの拡大や、自販機ロケーションの特性にあった商品ラインアップの最適化に取り組むとともに、お客様にとって付加価値の高い提案を推進する課題解決型営業により、業界における市場競争に対応してまいります。

(6)原材料・資材の調達
・リスクが顕在化した場合に経営成績等に与える影響の内容等
当社グループの商品には、多種多様な原料・資材が使用されておりますが、中でも国内飲料事業の主要原料であるコーヒー豆は国際市況商品であり、その価格は、商品相場だけでなく為替レートの変動の影響を受けます。価格変動の影響を受けることについては、他の原材料・資材についても同様であり、特に、海外飲料事業(トルコ飲料事業)については、一部の資材調達が外貨建てであることから、トルコリラの為替レートの変動によって、その調達価格は影響を受けます。原材料・資材価格の高騰は、製造コストの上昇につながり、市場環境によって販売価格に転嫁できない場合があり、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。

・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
コーヒー豆をはじめとする原材料・資材の多くは、商品相場や為替変動の影響を受けることから、当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても常にあるものと認識しております。
当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、コーヒー豆については、先を見越して国内焙煎業者と取引価格を契約し、調達価格の安定化を図っているほか、他の原材料・資材についても、調達戦略の推進によるコスト最適化への取り組みをすすめております。

(7)生産・物流体制
・リスクが顕在化した場合に経営成績等に与える影響の内容等
当社グループのコアビジネスである国内飲料事業は、生産・物流を外部へ委託するファブレス方式とすることにより、経営資源を商品の企画・開発や自販機のオペレーションといった、お客様と直接関わる分野に集中しております。
全国の協力工場へ商品の生産を分散して委託することにより、物流コストの低減や、大規模な自然災害や渇水等により、一部地域での生産が困難になった場合でも柔軟な対応が可能な体制としておりますが、近年、生産・物流を取り巻く経営環境は、大きく変化しており、生産を委託する協力工場の設備投資計画の内容によっては、当社商品を生産できる製造ラインが減少することも懸念されます。また、人手不足やコンプライアンスの厳格化を背景とした物流の逼迫による供給リスクは、国内飲料事業、医薬品関連事業及び食品事業に共通する大きな課題であり、物流コストの大幅な上昇とともに、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。
医薬品関連事業を担う大同薬品工業においては、2019年9月に、奈良工場にパウチ容器入りの指定医薬部外品の製造が可能なラインを新設(2020年2月より稼働開始)し、製造受託剤形の多様化への取り組みを進めたほか、2019年10月には、群馬県館林市に関東工場を新設(2020年7月より稼働開始)し、BCP対策の一環として、生産のリスク分散にも対応できる体制とするなど、将来の成長に向けた設備投資を積極化しておりますが、コロナ禍により顧客企業の販売動向は低調に推移しており、受注回復には時間を要する可能性があります。将来の環境変化等により、回収可能価額が帳簿価額を下回ることになった場合には、固定資産の減損処理が必要となる可能性があります

・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
社会情勢の変化を背景とした物流コストの上昇リスクは、当面続くことが想定されます。当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、国内飲料事業の生産体制については委託先に関する施策の検討をすすめるほか、物流体制については、澁澤倉庫株式会社との合弁によるダイドー・シブサワ・グループロジスティックス株式会社を2018年6月に設立し、物流業界との連携強化を推進しております。
医薬品関連事業におきましては、2拠点4工場での効率的な生産の実現に向けた社内体制の整備と収益改善に向けた業務内容の見直しを推進してまいります。

(8)品質管理体制
・リスクが顕在化した場合に経営成績等に与える影響の内容等
当社グループは、安全で高品質な商品の提供のため、品質管理、鮮度管理を徹底し、万全の体制で臨んでおります。国内飲料事業においては、当社が商品企画までを行い、その仕様に基づきグループ外の協力工場に製造を委託する生産体制をとっておりますが、自社と協力工場双方での厳格な管理・検査体制で常に安全安心な製造・出荷体制を維持しております。また、自社工場を有する医薬品関連事業・食品事業では、品質マネジメントシステムの国際規格「ISO9001」、食品安全マネジメントシステムの国際規格「FSSC22000」の認証を取得し、さらなる品質向上に向けた取り組みを継続しておりますが、今後、異物混入及び品質・表示不良品の流通等が発生した場合、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。

・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
当社グループは、品質管理体制には万全を期しており、当該リスクが顕在化する可能性は低いものの、万が一、重大な事故が発生した場合には、極めて大きな問題に発展する可能性のある重要リスクであると認識しております。
当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、国内飲料事業では、製造を委託している協力工場に対して、毎年、品質保証監査を実施し、製造における安全性・品質の向上と信頼関係の構築を図っております。また、医薬品関連事業を担う大同薬品工業におきましては、関東工場の新設等の設備増強とともに、品質管理体制の強化を図っております。

(9)環境問題への対応
・リスクが顕在化した場合に経営成績等に与える影響の内容等
気候変動をはじめとする環境問題への企業の取り組み姿勢に対するステークホルダーからの評価や市場の価値観の変化は、消費者の商品・サービスの選択に大きく影響するものとなっており、気候変動抑制のため、世界的規模でのエネルギー使用の合理化や地球温暖化対策などの法令等の規制も強まっております。
また、海洋プラスティック問題は世界的な共通課題であるとの認識が急速に高まっており、容器包装における対応は、飲料・食品業界共通の大きな課題ともなっております。
これらの規制強化や、容器包装等に対する取組みへの対応費用の増加等により、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。
また、気候変動に起因する水資源の枯渇、コーヒーをはじめとする原材料への影響、大規模な自然災害による製造設備の被害などのサプライチェーンに関わる物理的リスクが顕在化した場合、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。

・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
海洋プラスティック問題をはじめとする地球環境に対する問題意識の高まりは、世界的な潮流であり、気候変動を変動に起因した自然災害の激甚化傾向も高まっていることから、当該リスクが顕在化する可能性は、翌期においても相応にあるものと認識しております。
当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、2020年度より代表取締役社長を委員長とする「グループESG委員会」を設置しております。ESG(環境・社会・ガバナンス)の観点から中長期的な事業環境の変化による課題を整理し、「グループリスク管理委員会」との連携のもと、ESG経営を推進しております。
(10)希少疾病の医療用医薬品事業への参入
・リスクが顕在化した場合に経営成績等に与える影響の内容等
当社グループは、成長性の高いライフサイエンス分野をはじめとするヘルスケア関連市場を次なる成長領域と定め、その中でも希少疾病と呼ばれる国内患者数が5万人未満の難病に着目し、2019年1月に、ダイドーファーマ株式会社を設立いたしました。希少疾病の医療用医薬品事業のビジネスモデルは、さまざまなフィールドのパートナーとの協業、提携をベースとしており、希少疾病治療に関わる創薬シーズに関する提携や開発候補品のライセンスイン、特に日本における独占的な製造販売権の獲得によって、開発・承認取得を行います。臨床開発業務に関してはCRO(ContractResearchOrganization)、医薬品製造に関してはCMO(ContractManufacturingOrganization)などの外部機関を活用いたします。
ダイドーファーマ株式会社は、世界のバイオベンチャーが開発した新薬候補を、導入・開発・承認取得して、一刻も早く患者様にお届けすべく事業展開をすすめてまいりますが、事業基盤が安定するまでの先行投資期間においては、継続的に営業損失を計上し、キャッシュ・フローはマイナスが続くことから、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、国内臨床開発の過程において予見できない事由により医療用医薬品の開発を中止した場合や、わが国の医療保険制度における薬価基準が想定を超えて大幅に引き下げられた場合には、投資コストの回収が困難となり、当社グループの経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。

・リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクへの対応策
希少疾病の医療用医薬品事業は、一定の先行投資が必要な事業であることから、当面の間、営業損失の計上が続くことを想定しており、ライセンス契約に伴う一時金や開発マイルストンに応じた費用の発生などにより、その計上時期や金額規模によっては、当社グループの期間損益の変動要因となる可能性があります。また、新薬開発には不確実性が伴うことから、開発の延長や中止の判断を行う可能性や、想定どおりの内容で薬事承認がおりない又は薬事承認に想定以上の時間を要する可能性も否定できません。
当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、投資判断に高度な専門知識を要する案件について、客観的な立場から評価・助言を行う仕組みとして、社外取締役・社外監査役とは異なる社外有識者によって構成するアドバイザリーボードを代表取締役社長の諮問機関として設置しております。また、取締役会の監督機能の強化を図るべく、2021年4月16日開催予定の第46回定時株主総会には、医薬品業界における豊富な知識と経験を有する独立社外取締役候補者の選任を上程いたします。希少疾病の医療用医薬品事業における投資対象については、海外ですでに相応の開発が進行している案件などに絞り込むとともに、複数のパイプラインの開発を手掛けていくことにより、事業基盤の構築を図っていく方針であります。
なお、希少疾病の医療用医薬品事業には、医薬品医療用機器法等の関連法規による厳格な規制があります。また、知的財産権や研究開発にかかるリスクのほか、製造物責任や副作用などのリスクがあることを常に認識しておく必要があります。
当社グループは、これらのリスクの低減を図るため、医薬品業界の経験を長く積んだ、事業開発、新薬開発、薬事、メディカルアフェアーズ、そして承認取得後の体制を含めたエキスパート人材を整えるとともに、外部の有識者、機関、企業等の協力や支援を仰ぎながら、事業運営を推進してまいります。

(11)その他のリスク
上記以外にも事業活動をすすめていく上において、経済情勢の変化、法規制等の外部要因によるリスクのほか、顧客情報管理やコンプライアンスに関するリスクなど、様々なリスクが当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、こうしたリスクを回避、またはその影響を最小限に抑えるため、リスク管理体制の強化に取り組んでおります。当社グループを取り巻くリスクを可視化し、発生時の影響を最小限に抑えるための対策を強化すべく、毎年、リスクの影響度・発生可能性を分析した「リスクマップ」を作成し、環境の変化に応じた重要リスクを決定・対策を講じることにより、リスクマネジメントを推進しております。

なお、直近では、新型コロナウイルスの感染再拡大により、再び経済が停滞するリスクに十分注意が必要な状況にあります。ワクチンの普及による効果が期待されているものの、新型コロナウイルス感染症の終息時期の見通しは不透明であり、当社グループの経営成績等へ重要な影響を与える可能性があります。
当連結会計年度末時点において、新型コロナウイルス感染拡大により想定される主な影響と対応策は以下のとおりであります。

想定される主な影響今後の対応策
国内飲料事業・2020年4月~5月をボトムとして、販売は緩やかな回復基調で推移も、2021年1月の緊急事態宣言による影響を懸念。
・在宅勤務の定着や消費者の行動変容により、自販機市場は大きく変化することが想定される。
・自販機展開の強化を図るとともに、スマートオペレーション体制の構築により、市場の変化に柔軟に対応できる持続可能な自販機ビジネスモデルの確立をめざす。
海外飲料事業・トルコ飲料事業の販売は感染の再拡大による行動制限により、販売への影響が懸念される。利益面では、為替変動による原材料高騰に対し、価格転嫁が難しい可能性。
・感染の再拡大により、イギリス、ロシアへの輸出の本格化には、時間を要する状況。
・海外における戦略拠点の選択と集中の方針のもと、2020年10月をもってマレーシア飲料事業から撤退。海外飲料事業セグメント全体の黒字確保を当面の目標とし、海外における事業戦略の再構築を図る。
医薬品関連事業・顧客企業の販売動向は、低調に推移。2021年1月の緊急事態宣言による影響も懸念され、受注回復には時間を要する状況。・奈良工場に新設したパウチラインは2020年2月、関東工場は2020年7月よりそれぞれ稼働を開始。2拠点4工場での効率的な生産の実現に向けた社内体制の整備と収益改善に向けた業務内容の見直しを推進する。
食品事業・量販店向けの販売は引き続き堅調ながら、コンビニエンスストア向けの販売は減少が続く可能性。・ライフスタイルの変化に対応した商品開発や、生産性向上への取り組みを引き続き進め、さらなる収益力強化をめざす。

従業員の状況研究開発活動


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