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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100IT98 (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 不二製油グループ本社株式会社 研究開発活動 (2020年3月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等

当社グループは長年積み重ねてきた研究成果と先進の技術力を生かし、植物性油脂と大豆を基礎とする新しい機能を持つ食品素材の開発に取り組んできました。特に近年はESG経営の推進のもと、持続可能性(Sustainability)の観点から各事業分野で「PBFS(Plant-Based Food Solutions)」を掲げ様々な社会課題の解決に取り組んでいます。世界中の人々の食べることの歓びと健康に貢献することをモットーに、社会になくてはならない会社になるための研究開発活動に努めています。
当社グループの中核研究開発施設である日本国内の「不二サイエンスイノベーションセンター」、「つくば研究開発センター」、及びシンガポールの「アジアR&Dセンター」、そして全世界9箇所の「フジサニープラザ」では、基礎研究や素材開発、及び多数のお客様、企業・研究機関の方をお迎えしての「共創」による研究開発を行っております。
日本国内を統括する不二製油(株)は、各素材別の研究開発室と、これら素材を用いたアプリケーションを開発(応用開発)する「価値づくり市場開発室」を併せた研究開発部門として運営しています。この体制により、各素材の融合による新規複合素材の開発を効率良く行うと共に、開発された新素材をすぐさまお客様へ提案し、お客様と共創による価値づくりを実現します。また、生産技術開発部門では、コア技術の強化・革新に関する研究開発を進めております。
未来創造研究所は、当社グループの将来を支えるための新規事業を創造する研究所としての位置付けのもと、積極的に国内外の大学等の公的研究機関との共同研究、及び研究員の派遣に取り組んでいます。国内では、京都大学と産学共同講座に取り組み、茨城大学とは、クロスアポイントメント制度により、大学教員を当社研究員としても採用しています。大阪河崎リハビリテーション大学(貝塚市)との認知症予防に関する共同プロジェクトは、当連結会計年度において「第4回大阪府健康づくりアワード」地域部門の最優秀賞(知事賞)を受賞しました。海外では、シンガポール大学との共同研究、オランダのワーゲニンゲン大学への研究員の派遣等を行っております。
「アジアR&Dセンター」は、東南アジア地域のニーズに合わせた製品研究・開発、並びに、国際食品企業との連携、及び現地大学機関、関連省庁との共同研究による社会課題の解決において重要な拠点になっております。日本とシンガポールのR&Dセンター、及び海外の各拠点R&Dとの定期的な会合や人的交流を実施することでの新たなテーマの発掘や、製品開発と課題解決のスピードアップに努めています。
当連結会計年度の研究開発費の総額は5,231百万円です。

研究開発活動の概要は次のとおりです。
(植物性油脂事業)
安全・安心で環境に配慮した油脂の製造技術、新機能を有する油脂製品、及びその最適な応用法に関する研究開発を通して、お客様のご要望を形にし、新しいおいしさの創造に貢献しております。
当連結会計年度の主な成果としては、健康志向素材として提案を継続中の魚臭の発生を抑制した安定化DHA・EPA油脂素材は、各種生活習慣に纏わる問題解決への選択肢として、幅広いカテゴリーの食品用途への応用開発が進んでおります。その他、育児粉乳等のニュートリション用途の厳しい品質規格にも対応できる健康油脂素材の開発にも注力しました。また、従来より検討していますDTR技術(*)を進化させて有効成分の高濃度化を達成し、より少量の添加で効果を示す製品を開発しました。この製品により、これまで参入できなかった市場への販売も期待されます。また、同技術を応用しての油脂の風味発現の向上や口溶けの向上などの従来製品の高機能化に加えて、動物性油脂の代替となる物性、風味を兼ね備えた可塑性油脂の開発を行い、弊社の掲げる植物性素材でのお客様への価値提供(PBFS)を推進しております。更に油脂結晶制御技術、エステル交換、分別技術を利用し、品質、作業性を両立するアイスコーチング用油脂、部分硬化油不使用の機能性チョコレート用油脂等、グローバル市場からの要望にも対応可能な油脂素材の開発に取り組み、海外展開を拡大されるお客様へのご提案が可能な製品の開発を継続しております。
海外での取り組みとしましては、持続可能なパーム油製品を製造するために設立しましたUNIFUJI SDN. BHD.と、アジアR&Dセンターが共同で高品質な製品の開発と製造を実施し、アジア・欧州への販売を開始しております。
当事業の研究開発費は805百万円です。
*DTR技術:水溶性成分を油脂に微分散させる技術で、素材の呈味(塩味、旨味、辛味など)や保存安定性を付与増強する技術。


(業務用チョコレート事業)
チョコレートの新技術・新製品開発、及び想定した社会的課題や消費者への価値を具現化したアプリケーションを組み合わせたソリューション提案を行っております。
本年度の主な成果としては、最近の健康志向の流れから、美味しさと健康を両立した「タンパク質含量を強化したチョコレート」を販売しました。当社最高級品質のピュアチョコレートブランドのフロルデカカオシリーズからは「アリバ ナシオナル」を販売しました。同品には厳選したカカオ豆を使用し、カカオ豆の風味を活かした風味作りを行っております。また、近年のインバウンド需要の高まりから土産物市場における「焼菓子用フィリング素材2品」を販売しました。同品は油脂技術を駆使することで実現した焼成後もなめらかな食感を維持できるのが特長で、大変好評をいただき売上を伸ばすことができました。同品はなめらかな食感を維持しながら包餡機など量産化可能な品質設計を行っており、社会的課題であります人手不足にもお応えできる製品です。
グローバルでの取り組みとしましては、当社グループ会社の各拠点R&Dとの市場・技術情報交換を中心とした定期的なミーティングを実施する「チョコレート開発分科会」を当連結会計年度から発足しました。当社グループ全体でのチョコレート開発組織がグローバルに機能する様、各拠点間でのシナジー創出を目指し、引き続き取り組んでまいります。
当事業の研究開発費は1,097百万円です。

(乳化・発酵素材事業)
ホイップクリーム、調理用クリーム、ドリンクベース、マーガリン、チーズ風味素材、パイ製品等、乳製品代替素材を中心にした新技術・新製品開発、及びアプリケーション開発を行っております。
本年度の主な成果としては、乳の美味しさと機能向上を目指した製品開発に取り組む一方、健康志向や消費者ニーズの変化に対応し、新しい植物性の素材価値を追求、提案しております。USS(ウルトラソイセパレーション)豆乳の美味しさを活かした「豆乳チーズ」や「豆乳クリームのバター」など、植物性原料主体のサステナブルな製品群の拡充を図りながら、これら製品の特長を活かしたアプリケーション開発と、様々な社会課題の中に消費者価値を想定したソリューション提案を実施しております。さらに、「植物性チーズ」のさらなるイノベーションを目指して、オランダの研究機関NIZO(*)が主管するコンソーシアム(共同事業体)に参画いたしました。世界最先端の技術を取り入れながらPBFSを強力に推進して参ります。
当事業の研究開発費は760百万円です。
*NIZO:食品と健康における受託研究の世界的大手企業

(大豆加工素材事業)
大豆たん白、大豆たん白食品、大豆多糖類等の開発を行っております。
本年度の主な成果としては、粒状大豆たん白素材は、注目される大豆ミート市場向けに食感と風味を改良した新製品を開発し、幅広い食事メニューへの採用拡大に努めました。好調が続くシリアル素材向けには高たん白・低糖質を訴求した大豆パフの新製品を開発し、一層の市場拡大に繋がりました。また、粉末状大豆たん白素材は、たん白摂取の重要性が広く認知されたことで、風味、分散性に優れた「プロリーナ」シリーズ製品を中心にプロテインパウダー、プロテインバー等の栄養健康市場が引き続き好調を維持する他、たん白飲料分野にも採用が進みました。更に、PBF(プラントベースドフード)商品の展開としては、大丸心斎橋店に「UPGRADE Plant based kitchen」を出店し大豆ミート、USS素材を使ったPBFメニュー料理を提案販売、PBF啓蒙活動を行うと共にコンビニエンスストアやファーストフード店向けには日本人の好みに合ったベジバーグ、ソイナゲット等の製品開発を進め、PBF商品の採用拡大に努めました。市場の省人化要望に対しては、半調理済の「大豆ミートのすき焼き丼」、水戻し済冷凍大豆ミート、味付け済大豆ビッツ等の使い勝手の良い製品を開発、新たな顧客獲得に努めました。大豆多糖類においては、製品コストダウンに取り組み、引き続き国内及び中国や東南アジア市場における飲料用安定剤「ソヤファイブシリーズ」、国内市場での麺用品質改良剤「ソヤアップシリーズ」の使用が好調です。
当事業の研究開発費は1,031百万円です。


(基盤研究その他)
未来創造研究所では、経営課題である「おいしさと健康」に拘った食の市場を創造するための研究や、新規事業に繋がる新技術開発に取り組んでおります。また、産学連携による研究開発にも引き続き取り組んでおります。
本年度の主な成果としては、ドリンクヨーグルトの安定剤として利用される「水溶性大豆多糖類」に続く新素材として、アレルゲン表示が不要な「水溶性えんどう多糖類」の開発に成功し、その生産拠点としてFuji Brandenburg GmbHをドイツに設立致しました。本素材の構造解析を大阪府立大学と共同研究で取り組み、国際学術誌「Carbohydrate Polymers」に掲載されました。低脂肪豆乳摂取が糖尿病性腎症を予防する可能性について駒沢女子大学と共同研究を行い、尿中アルブミン排泄が有意に改善することを見出し、日本臨床栄養学会雑誌に掲載されました。大豆の加工と味、機能と成分の関連性について京都大学との産学共同講座に引き続き取り組み、これまで困難であった大豆種子に含まれるタンパク質分子種の構成比を正確に測定する技術を確立しました。この成果は大豆の品質を評価する新たな技術として期待されています。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のスマートセルプロジェクト「植物等の生物を用いた高機能品生産技術の開発/高生産性微生物創製に資する情報解析システムの開発」において新潟薬科大学等と連携し、油脂酵母の新規油脂蓄積制御因子の同定とその機能解析により生産性を5倍以上向上させることに成功しました。本成果は日本農芸化学会2020年大会のトピックス賞として選出されました。科学技術振興機構(JST)の研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)採択課題である「肝臓脂肪量減少作用をもつ緑豆タンパクの新規な抗生活習慣病機能性食材としての実用化への取り組み」では、米国でのInstitute of Food Technologists(IFT)において緑豆タンパクの紹介をするとともに、特定のジペプチド・トリペプチドによる「肝臓脂肪合成抑制用食品組成物」として金沢大学と共同で米国に特許出願を行いました。
当事業の研究開発費は1,537百万円です。

事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00431] S100IT98)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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