シェア: facebook でシェア twitter でシェア google+ でシェア

有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100J0TD (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 ユニチカ株式会社 研究開発活動 (2020年3月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等

当社グループの研究開発活動は、長年にわたり蓄積してきた技術力を基盤とし、新技術の開発、応用を進めて、多様化する社会のニーズに応える商品開発を図り、もって事業基盤の強化と新規事業の拡大を行うことを目標としている。
当連結会計年度の研究開発費は3,624百万円であり、この中には中央研究所で行っている全社共通テーマの各事業部門に配賦できない費用1,068百万円が含まれている。
(1)高分子事業
フィルム事業では、高付加価値品の展開および拡大を推進している。高耐熱性ポリアミドフィルム「ユニアミド」は、耐熱性と溶融加工性が評価されポリイミドフィルムの代替としてモバイル機器向けの採用が増加し、販売量は着実に増加している。今後はFPC(フレキシブルプリント基板)および関連基材や、耐熱性と無色透明性、優れた衝撃吸収性能などの特長を活かした用途への展開を進めていく。シリコーンフリー離型PETフィルム「ユニピール」は、年々、高まる高品位化への要望に対応することで、銘柄も増加し、着実に販売量が拡大している。また、高粗度PETフィルム「エンブレットPTH、PTHA」の性能が国内だけでなく、海外まで認められて、販売量が拡大している。柔軟性のある有機系バリア層をナイロンフィルムに積層した新規バリアナイロンフィルム「エンブレムHG」もボイル・レトルト用途に対する高いガスバリア性能と食品の色目保持効果が格段に高いことから、漬物、惣菜、農産加工品を中心に国内だけでなく、海外でも採用が拡大し、ユニチカバリアフィルム商品群の主力銘柄に成長した。また、ユニチカを代表するバリアフィルム、「エンブレムDCR」の新銘柄として、バリア性と低温での耐ピンホール性をさらに向上させた「エンブレムDCR-25(K)」を上市し、好評を得ている。さらに、昨今の環境問題への意識の高まりの中、循環社会による持続可能な成長社会を目指す「Circular Economy:CE循環経済」の考えに基づいて、当社の重合設備にてケミカルリサイクルし、再生した樹脂を使用したフィルム「エンブレムCE」と「エンブレットCE」を上市した。ケミカルリサイクルとマテリアルリサイクルを併用することで、機械物性、印刷適性などを損ねることなく、再生材料の利用比率を高めることができた。
樹脂事業では、自動車などの軽量化に有効なナイロン系射出発泡用樹脂「フォーミロン」の商品展開に注力しており、国内高級車への搭載も始まっている。当社固有のエンジニアリングプラスチックであるポリアリレート樹脂「Uポリマー」については、その広い温度域における性能、寸法の安定性から、スマートフォン、タブレット用途などのほか、自動車用ランプ用途で引き続き販売を継続しているほか、新たに開発した溶剤可溶タイプのポリアリレート樹脂「ユニファイナー」Vシリーズ、高耐熱成形用途Tシリーズの引き合いも増えており、優れた耐熱性と電気特性から、多用途で評価が進んでおり、早期実績化を目指している。ポリアリレート樹脂の旺盛な需要に応えるため行っていた増産工事が2018年12月に完了し、生産能力20%アップを実現した。高耐熱性ポリアミド樹脂である「ゼコット」は電気・電子用途のほか、摺動用途でも採用が進んでいる。オレフィン系エマルションである「アローベース」は包装材料などの接着層、コーティング層として拡大しているほか、金属と樹脂といった異種材料の接着に効果が認められ引き合いが増加している。ポリエステル樹脂としては、ダイレクトブロー用に開発した共重合品のラインナップに耐衝撃グレードを加え、採用が拡大している。昨今の環境配慮意識の高まりもあり、バイオマスかつ生分解材料である「テラマック」のストロー用グレードについては、2019年3月25日にプレスリリースを行い、採用が始まっている。また、ナノ多孔膜を形成することができるポリイミドワニスについては、リチウムイオン電池の熱暴走を防ぐ新たな技術として高い関心が寄せられ、ユーザーでの評価が続いている。ナノコンについては、メタリック着色、ピアノブラック着色等の高外観グレードで、家電関係や自動車関係に採用が増えており、特に注目度の高い欧州での自動車内装材への採用が始まった。中央研究所発の新素材である「セルロースナノファイバー配合ナイロン6」は、重合工程でセルロースナノファイバーを樹脂中にナノレベルで均一に分散させる独自の製造方法により得られる。この樹脂は、発泡成形すると気泡の大きさが均一になる特色があり、「樹脂化」、「軽量化」のキーワードで注目を浴びている。また、通常のフィラー配合樹脂では発現しない特性も確認されており、高機能化樹脂としての用途開発を推進している。
不織布事業では、スパンボンド分野にて、極太の異形断面糸形状である「ディラ」は、類をみない繊維構造で硬さと高通気性からフィルター材、ワイパー材他、多様な用途への展開を図り、採用実績に繋がっている。また、「ディラ」の特長を活かして、他不織布、他素材との複合品の開発も行っており、さらなる拡販を行う。農業分野へは多様なニーズに応えるべく開発を進めており、従来からのべたがけシートについて、透光・保温を兼ね備え、かつさらなる耐久性の向上を目指した開発を進めた結果、開発が完了し、2018年度から本格販売を行い高評価を得ている。また、さらに透明性を向上した高透光性シートの開発も進めている。多機能(抗アレルゲン・消臭・抗菌等)の性能を有する新たな用途への開発も進めており、アレル物質低減機能などを付与した「ユニダイヤ」を2018年6月より上市している。土木分野では、コンクリート面に貼り付けることで、コンクリートの高品質化を可能にし、構造物の長寿命化に貢献するコンクリート湿潤養生シート「アクアパック」を開発し、2019年9月より上市している。また、タイ国における新機台の増設により、今までと違った素材を提供することが可能となり、新規用途を含めた開発を進めている。スパンレース分野では、コットン素材の持つ優位性から国内外の衛材用途を中心に積極的な開発を推し進めている。撥水や抗菌等の機能性付与や他シートとの複合、柄付け等の意匠性の開発により採用実績に繋がっている。今後ともユーザーの要望に応える製品をタイムリーに提供できるよう開発を進めていく。
バイオマスプラスチック事業では、バイオマスプラスチックの普及に向けた研究開発を引き続き進めている。前述した「ゼコット」は、スーパーエンジニアリングプラスチックでありながらバイオマスを原料とした樹脂であり、ポリ乳酸を用いた環境素材「テラマック」とともに、ユニチカの高い環境意識を象徴した製品としての役割も期待されている。用途開発においては、それぞれの特性をユーザーのニーズと一致させることに注力しており、「ゼコット」の電気、自動車用途への適用に加えて、「テラマック」の包装フィルム用マスターバッチや、後述の3Dプリンター用フィラメントなど、その成果を示す例が出てきている。このほかにも新規バイオマスプラスチックの開発に関して、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業である「木質バイオマスからの各種化学品原料の一貫製造プロセスの開発」プロジェクトに2013年度から参加し、次世代のバイオマスプラスチックの開発を行っている。さらに、グループ内の全事業における技術開発に関わる支援および技術企画を担う技術開発本部内に、サステナブル推進グループを2019年5月に新設し、環境配慮型素材の開発を全社的に推し進めていく体制を整えた。
当事業に係る研究開発費は1,879百万円である。
(2)機能材事業
ガラス繊維事業では、産業資材用途で顧客ニーズに応えたガラスクロス及びそれら処理加工品の製品開発を進め、ユーザーから好評価を得ている。また、電子材料用途では、超薄クロスの生産技術革新に取り組むとともに、高性能な新規ICクロスも開発中である。
活性炭繊維事業では、液相分野においては、浄水器用及び工業フィルター用の高性能化とコストダウンにより国内外での競争力の強化を図っている。また、気相分野においては、自動車用に加え、空気清浄機やマスクなど、空気脱臭用の高性能化とコストダウンにより海外展開を進めていく。
ガラスビーズ事業では、粒度分布をシャープにコントロールした「高精度ユニビーズ」について、半導体や電気・電子材料分野向けを中心とした新規ユーザー獲得に向け、さらなる技術改良・開発に取り組んでいる。また、従来製品にはない新規ガラス材料を素材とする球状製品について、ユーザーからのニーズに応えるべく、当事業部のガラス熔解・粉砕・球状化・分級・異形選別などのノウハウを生かした技術開発を進めている。
当事業に係る研究開発費は494百万円である。
(3)繊維事業
繊維事業では、多様化するライフスタイルに対応した衣料用途共通素材として、独自のポリマー、ノズル、紡糸・延伸技術による3層特殊断面形状を持つポリエステル長繊維素材「クールアート20」を開発し、これまでに無い高度な防透け性に加え、太陽光に含まれる紫外線遮蔽性、近赤外線遮蔽によるクーリング性および軽量性を有する素材提案を進めており、業界から高い評価を得ている。また、太陽光遮蔽性特殊セラミックを高濃度に練込んだポリエステル短繊維を使用した「サラブリーズ」を開発し、天然繊維調の表現も可能とした。また、当社独自の特殊加工技術により生地表面に微細な凹凸構造を形成し、長時間の降雨に優れた水滴転がり性を発揮する「タクティーム」シリーズや、断面形状に起因する高発色性に加え、独特なドライタッチが特長な「セシェ6」が人気素材として続いている。付帯加工としては、高耐久性防汚・制電素材「ナノアクア」を開発した。ポリエステル繊維と機能剤とのグラフト重合により、繰返しの工業洗濯にも対応できる耐久性を有する。また、塩素系漂白剤による退色を抑制する「エバーズⅠ」(ポリエステル)、「エバーズⅡ」(ポリエステル/綿混)を開発した。メーカーズシャツ鎌倉㈱とは、ドレスシャツ「SUVIN GOLD」に続き、当社が得意とする特殊複重層糸「パルパー」を使用した「TRAVELER」が高評で、シワになりにくく手入れが簡単であり、イージーケアシャツとして好評発売中である。ニチモウ㈱と協業で開発された「スリーノット」は、漁業者が快適に働くためのウェアであり、激しい雨や波しぶき、強風から守る防水性・防風性と、蒸れを軽減する透湿性を持ち、さらに軽量でありながら耐久性も備えたプロフェッショナルフィッシャーマンズウェアとして業界でクローズアップされている。また、ユニチカトレーディングでは新たに、環境に配慮されたポリエステル素材を「エコフレンドリー」と称し、全社共通素材として使用済みPETボトルや繊維の生産工程で発生する廃材等を回収・再生利用し、マテリアル/ケミカルリサイクル技術により新たにつくられた高機能環境配慮型ポリエステル繊維を各種展示会に出展し、スポーツ、レディス、ユニフォームといった各分野での商品提案を進めている。
産業繊維事業では、ポリ乳酸紡糸技術による「Material Extrusion方式(熱で融解した造形材料を少しずつ積み重ねていく方式)」に使用される3Dプリンター用フィラメントは、ポリ乳酸製オリジナル、『3Dプリンター用“感温性”フィラメント』、そしてポリ乳酸製の弱点をカバーして造形表現の幅を広げることを実現する易研磨性ポリ乳酸フィラメントも品揃えに加えた。また、業界で初めて製品化したナイロン6樹脂製の中空糸膜フィルターは、これまでの平膜タイプの同樹脂製フィルターに比べて高流量、かつ、長寿命であり、有機溶剤系での使用にも耐えられることから、半導体や化学分野で使用される薬液に含まれる不純物の除去などの用途で採用が続いている。さらに、高性能・高機能なフィルターを実現させるため、他素材も含めた研究開発を加速している。
当事業に係る研究開発費は181百万円である。

事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00527] S100J0TD)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。