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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100IC57 (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 アンジェス株式会社 事業の内容 (2019年12月期)


沿革メニュー関係会社の状況


当社グループは、当社及び連結子会社1社より構成され、遺伝子医薬品を中心とする医薬品の開発及び販売を進めております。
当社グループと各事業における位置付け及び事業系統図は、以下のとおりです。



名称主要な事業の内容
当社遺伝子医薬品及び遺伝子治療用製品(遺伝子治療(DNAプラスミド製剤)、核酸医薬品)や治療ワクチンなどの医薬品の研究開発と販売
アンジェス USA, Inc.米国での遺伝子医薬品などの医薬品開発

※アンジェス ユーロ リミテッドは清算が結了しております。

当社グループの事業の系統図は、次のとおりであります。



(1) プロジェクト
① HGF遺伝子治療用製品
当社はHGF(Hepatocyte Growth Factor、肝細胞増殖因子)遺伝子を含む遺伝子治療用製品を主要プロジェクトとして開発しています。HGFは、肝臓の細胞を増やす因子として1980年代に発見されました。最初は、肝臓の病気の治療薬として研究されていましたが、HGFに血管新生作用があることが1990年代に明らかにされました。この発見に基づき当社グループは、血管が詰まり血流が悪くなる虚血性疾患を対象に、新たな血管を再生する画期的な薬効を持つHGF遺伝子治療用製品(以下、本品)の開発を進めております。

a) 対象疾患
血管が詰まることにより生じる疾患には主に、動脈硬化や血管炎症が原因で足の血管が閉塞し、足先に血液が十分に届かない結果、痛みや潰瘍、最終的には足の切断に至る末梢性血管疾患(閉塞性動脈硬化症やバージャー病)や、心臓の冠動脈の血液の流れが悪くなって起こる虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞)があります。これらの疾患の重症患者に対しては、薬物療法に加え、カテーテルなどにより血管を広げる血管内治療やバイパス手術による血行再建術が行われますが、それでも十分な回復が期待できない場合があります。
本品は、既存療法では効果が期待できず、潰瘍を伴う重症の末梢性血管疾患(重症虚血肢)に対して治療効果が期待されています。本品は血管が詰まっている、あるいは狭くなっている部分周辺の筋肉への注射をすることで血管新生を促す、簡便な方法による血管新生療法です。当社グループでは、まず慢性動脈閉塞症を対象として開発を進めてまいりました。




b)技術導入の概況
当社グループは、本品の開発にあたって、田辺三菱製薬株式会社(旧三菱ウェルファーマ株式会社)からHGF遺伝子の物質特許について実施権の許諾を受けております。さらに、大日本住友製薬株式会社及び当社メディカルアドバイザー森下竜一からHGF遺伝子をHGF遺伝子治療用製品に用いるための基本特許の譲渡を受けております。また、本品の投与法に関して、米国Brickell Biotech, Inc.(Vical Incorporated(以下「バイカル社」といいます。)は2019年9月にBrickell Biotech, Inc.に吸収合併されました)から特許実施権の許諾を受けております。


これらの一部については、実施権の許諾又は特許権の譲渡の対価として、一定期間中、本品の開発の進捗に依存したマイルストーン、製品が上市された後には、売上高に応じたロイヤリティを支払う予定となっております。
c) 研究開発の概況
当社グループでは、慢性動脈閉塞症を対象に開発を進めております。
国内においては、2018年1月に再生医療等製品として本品の製造販売承認申請を厚生労働省に対して行い、国内初の遺伝子治療用製品として、2019年3月26日に条件及び期限付承認を取得しました。
HGF遺伝子治療用製品の開発は、当社が設立以来手がけてきた主力プロジェクトです。2004年から国内開発に着手し、2008年4月に医薬品として製造販売承認申請をしましたが、更なる臨床データの蓄積が必要との判断から2009年に申請取り下げをしました。その後、2013年に再生医療等製品の条件及び期限付承認制度の導入が決まり、2014年10月より先進医療B制度を活用した重症虚血肢を対象とした医師主導臨床研究が実施され、2017年8月に終了しました。当社は、これらの新たな制度を活用し、従前に実施した臨床試験の結果とともに、先進医療B臨床研究に結果を併せ再生医療等製品「コラテジェン®」として製造販売承認申請を行い、慢性動脈閉塞症における潰瘍に対する条件及び期限付製造販売承認を取得したものです。また、この「コラテジェン®」の適応拡大を目的として、慢性動脈閉塞症の安静時疼痛を有する患者を対象にした第Ⅲ相臨床試験を2019年10月より開始しております。
一方海外では、重症虚血肢を対象とした国際共同第Ⅲ相臨床試験を実施していましたが、患者の登録に想定より長い期間が必要であることが判明したため、2016年6月にこの試験を中止しました。その後、これに代わる新試験の検討を進めておりましたが、2020年2月より米国において下肢潰瘍を有する慢性動脈閉塞症を対象とした第Ⅱb相臨床試験を開始いたしました。
またリンパ浮腫に関しては、原発性の患者を対象とした第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験を2013年10月以降、国内で実施してきましたが、データ解析の結果、主要評価項目である浮腫の体積に大きな減少は認められなかったため、当社が実施する企業治験としては次の段階に進まないことを2017年7月に決定しました。ただし、医師主導治験・臨床研究の実施には協力し(治験薬の提供など)、良好な結果が得られた場合には将来的に自社開発を再開する可能性があります。
d) 製造体制
当社グループは、本品を自社では製造しておらず、他社に委託して製造しております。
e)販売体制
当社グループは、末梢性血管疾患分野における米国及び国内の独占的販売契約を田辺三菱製薬株式会社と締結しており、同契約に基づき国内については2019年9月から同社に対し販売を開始いたしました。

② NF-κBデコイオリゴDNA
遺伝子医薬には大きく分けると二つの方法があり、一つはHGF遺伝子治療用製品のように遺伝子そのものを利用する手法、もう一つは遺伝子の構成成分の一部を使うもので、後者は核酸医薬と呼ばれます。
デコイはこの核酸医薬の一種です。遺伝子は通常、転写因子と呼ばれる分子がゲノムに結合してそのスイッチが入ります。デコイはゲノム上の転写因子結合部分と同じ配列を含む短い核酸を人工的に合成したもので、体内に投与すると転写因子がゲノムに結合することを妨げて遺伝子の働きを抑えます。
NF-κBは免疫及び炎症反応を強める遺伝子のスイッチ役を担う転写因子で、NF-κBに対するデコイを患部に投与することで、過剰な免疫反応を抑えて炎症性の疾患を治療することが期待されています。

a) 対象疾患
NF-κBデコイオリゴDNAの対象となる疾患には、過剰な免疫反応を原因とするアレルギー疾患及び自己免疫疾患があります。これらの疾患では、免疫反応を強める遺伝子が過剰に働いているため、NF-κBデコイオリゴDNAを投与し、これら遺伝子の働きを抑えることで疾患を治療することが期待されます。
b)技術導入の概況
当社グループは、NF-κBデコイオリゴDNAの開発にあたって、アステラス製薬株式会社及び当社メディカルアドバイザー森下竜一からNF-κBデコイオリゴDNAに関する特許権の譲渡を受けております。この特許権の譲渡の対価は、当社グループが開発するNF-κBデコイオリゴDNAが上市された後の一定期間中、売上高に応じて支払う予定となっております。

c) 研究開発の概況
NF-κBデコイDNAの作用メカニズムから、数多くの疾患が治療対象となる可能性がありますが、現在、椎間板性腰痛症を対象とした開発を進めております。本剤は慢性腰痛に対する鎮痛効果と共に、椎間板変性に対しても有効な可能性がある新しいタイプの腰痛治療薬として期待されます。当社は、米国で第Ⅰb相臨床試験を実施中です。
d)製造体制
当社グループは、NF-κBデコイオリゴDNAの研究用及び治験用原薬は自社で製造しておらず、外部に委託しております。

③ 「ナグラザイム®」
「ナグラザイム®」は、米国のバイオマリンファーマシューティカルインクによって開発された治療薬であり、ムコ多糖症Ⅵ型に対して世界で初めて承認を取得した酵素補充療法剤です。
当社は2008年3月に製造販売承認を取得し、同年4月から販売を行っておりましたが、2019年3月末日をもって製造販売承認及び販売をバイオマリンファーマシューティカルジャパンに承継することを2018年12月に発表し、2019年6月に販売を終了いたしました。

(2) 事業の内容
当社の医薬品事業は、主に提携先から得られる収益、「ナグラザイム®」及びHGF遺伝子治療用製品「コラテジェン®筋注用4mg(以下「コラテジェン®」といいます。)」の販売による収益によって構成されております。
「ナグラザイム®」に関しては、2008年4月以降当社は、「ナグラザイム®」を国内で販売しており、それによる収益を計上しておりましたが、2019年6月をもって販売を終了いたしました。「コラテジェン®」に関しては、末梢性血管疾患を対象疾患とした国内開発について、田辺三菱製薬株式会社に対し独占的販売権を付与する契約を2015年6月に締結しており、当該契約に基づいて当社グループは、開発の進捗に伴いマイルストーンを受け取り、事業収益に計上いたします。「コラテジェン®」につきましては、2019年に厚生労働省より国内の慢性動脈閉塞症における潰瘍に対する条件及び期限付製造販売承認を取得し、同年9月より田辺三菱製薬株式会社への販売を開始いたしました。また、田辺三菱製薬株式会社と、米国における末梢性血管疾患を対象とした独占的販売契約を2012年10月に締結しております。当該契約に基づいて当社グループは、開発の進捗に伴いマイルストーンを受け取り、事業収益に計上する予定です。さらに将来、本製品が上市された際には、当社グループは売上高の一定率を対価として受取る予定です。


収益内容
契約一時金契約締結時に受ける収益
開発協力金研究開発に対する経済的援助として受け取る収益
マイルストーン研究開発の進捗(予め設定されたイベント達成)に応じて受け取る収益
ロイヤリティ製品上市後に販売額の一定比率を受け取る収益

沿革関係会社の状況


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E05301] S100IC57)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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