有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100IYP5 (EDINETへの外部リンク)
株式会社大林組 事業等のリスク (2020年3月期)
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
(1) 事業に対する法的規制
建設業法、建築基準法、宅地建物取引業法、独占禁止法、労働安全衛生法等の当社の事業に対する法的規制の改廃や新設、適用基準の変更等があった場合、これに伴う対応費用等が事業収支に反映され、経営成績に影響を及ぼす可能性がある。
当社グループは当該リスクへの対応策として、各事業部門や法務部等において、常に法的規制の制定改廃動向を予め把握し、これに伴う対応費用を見積原価や事業性判断のための収支予測に正しく反映することとしている。
(2) 建設市場の動向
当社グループの主要事業である建設事業において、国内外の景気後退等により建設市場が著しく縮小した場合、工事受注量の減少等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。
当社グループは当該リスクへの対応策として、中長期的な市場動向を見越した要員計画の立案に加え、営業力、調達力の更なる強化、次世代生産システムの技術開発による生産性向上や施工能力の拡大に取り組んでいる。さらに、事業領域の拡大を通じた収益源の多様化に取り組むとともに、強固な財務体質の構築に取り組んでいる。
(3) 施工物等の不具合や重大事故
当社グループの主要事業である建設事業において、設計、施工などの各面で重大な瑕疵があった場合や、人身、施工物などに関わる重大な事故が発生した場合、多額の補償等の費用が発生することなどにより当社グループの業績や企業評価に影響を及ぼす可能性がある。
当社グループは当該リスクへの対応策として、品質マネジメントシステムの国際認証であるISO9001を取得して厳格な品質マネジメント体制を構築するとともに、安全品質管理本部を設置して、安全と品質の徹底的な管理体制を敷いている。さらに、建設工事保険、賠償責任保険等の付保によるリスクヘッジも行っている。
(4) 取引先の信用リスク
発注者、協力会社、共同施工会社及びその他取引先の信用不安などが顕在化した場合、資金の回収不能や事業遅延を惹起し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。
当社グループは当該リスクへの対応策として、取引前・取引中の与信確認を徹底するとともに、主要事業である建設事業においては、出来高に応じた工事代金の受領・支払などの取引条件確保に取り組んでいる。
(5) 建設資材価格及び労務単価の変動
当社グループの主要事業である建設事業において、建設資材の急激な価格高騰や調達難または労務単価の高騰や技能労働者の不足が生じた場合、工事原価の上昇による利益率の低下や工期遅延による損害賠償のおそれなど、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。
当社グループは当該リスクへの対応策として、協力会社の施工余力の把握等に基づいて当社グループの将来の施工キャパシティを常に把握し、これに応じた受注水準の維持に努めている。また、早期購買を徹底するとともに、将来予測を含めた正確な原価把握を徹底し、適切な見積原価を算出することとしている。さらに、地域ごとに協力会社の互助組織である「林友会」を組織するなど、安定的なサプライチェーンの構築に取り組むとともに、省人化に向けた自動化技術・機械の開発等を進めている。
(6) 保有資産の価格変動
当社グループが保有する販売用不動産、事業用不動産、投資有価証券等の時価が著しく低下した場合、評価損の計上等により当社グループの業績及び財務基盤に影響を及ぼす可能性がある。
当社グループは当該リスクへの対応策として、中長期的な経営計画において財務基盤とのバランスを勘案した投資計画を立案するとともに、個別投資においては決裁・審査基準を設けて投資委員会等による事前の審査を厳格に行うこととしている。取得後についても、投資先の運営・経営状況や時価を定期的に確認することとしている。
(7) 長期にわたる事業のリスク
事業期間が長期にわたるPPP事業や再生可能エネルギー事業等において、その期間中に事業環境に著しい変化が生じた場合や業務遂行上重大な事故等が発生した場合、当該事業の収支悪化や対応費用の損失計上などにより、当社グループの業績や企業評価に影響を及ぼす可能性がある。
当社グループは当該リスクへの対応策として、事前の取り組みにあたっては上記(6)と同様、財務基盤とのバランスを勘案した中長期の投資計画の立案及び個別投資の厳格審査を行うとともに、事業スキームに応じた、事業パートナーや業務委託先との適切なリスク分担、保険付保等によるリスクヘッジを行っている。また、事業開始後においては、投資委員会や関連部門等による運営状況のモニタリングを随時行っており、収支状況によっては事業撤退を行い、損失の拡大を防止することとしている。
(8) 海外事業におけるリスク
当社グループは主にアジア、米国等において事業展開を行っているが、それら進出国におけるテロ・紛争等による政情の不安定化、経済情勢の変動、為替レートの急激な変動、法制度の変更など事業環境に著しい変化が生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。
当社グループは当該リスクへの対応策として、比較的政情の安定した国・地域で事業展開するとともに、アジア支店及び北米支店(それぞれシンガポール及び米国に設置)において、所管地域の適時的確な情勢の把握及びそれに応じた即時の対応に努めることとしている。また、為替リスクに関しては、原則として現地通貨で請負代金を受領し、現地通貨で下請負代金を支払うことで、売り上げと原価の通貨を一致させるとともに、国内工事に関して海外調達を行う場合は、必要に応じて為替予約取引を行い、リスクヘッジを図っている。
(9) 機密情報漏洩
外部からの攻撃や、従業員の不正等により個人情報、機密情報が漏洩した場合、社会的な信用の失墜、損害賠償の発生等により、当社グループの業績や企業評価に影響を及ぼす可能性がある。
当社グループは当該リスクへの対応策として、「個人情報保護規程」や「情報セキュリティポリシー」を制定して、情報管理体制を確立するとともに、定期的にリスク評価を行い、リスクの変化に応じた技術的な対策及び教育・啓発等の人的マネジメント対策を継続的に実施し、個人情報、機密情報を適正に管理している。
(10)当社の独占禁止法違反に関わるリスク
当社におけるリニア中央新幹線工事の入札に関する独占禁止法違反については、2018年10月22日に有罪判決(罰金2億円)を受けたが、公正取引委員会の調査は現在も継続中であり、調査の結果次第では当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。
なお、当社グループは上記案件に関する独占禁止法違反に係る課徴金の見込み額については、2017年度に独占禁止法関連損失引当金を計上済である。
(11)新型コロナウイルス感染症の感染拡大に関わるリスク
新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、国内外の工事で工事中断などの影響が発生した。また、同感染症の影響により国内外の景気が後退し建設市場が著しく縮小した場合に、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。
当社グループは当該リスクへの対応策として、新型コロナウイルス感染症対策本部を設置し、感染拡大予防への協力や関係者の身体、生命の安全を確保する観点から、緊急事態宣言中は、オフィス部門における原則テレワークの実施や一部工事の中断を行うとともに、施工を継続する工事事務所においては3密(密接、密集、密閉)の回避の徹底などにより感染予防策を徹底したうえでの事業継続を図った。
今後については、同感染症に関する最新の動向や景気動向を注視し、経営資源の最適な配分を行ってサプライチェーンの維持や多様な収益源の確保などに努めることとしている。また、本年5月に策定した当社としての「新型コロナウイルス感染拡大予防のための行動プログラム」(柔軟な働き方の定め、執務環境の整備方針など全社共通の指針を規定)を実践することで、感染予防及び感染者発生時の影響を最小化するための対策を取りつつ、従前と同様の事業活動、成果達成等を維持していくこととしている。
なお、景気後退に伴う建設市場縮小のリスク及びその対応策については、上記(2)に記載のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
(1) 事業に対する法的規制
建設業法、建築基準法、宅地建物取引業法、独占禁止法、労働安全衛生法等の当社の事業に対する法的規制の改廃や新設、適用基準の変更等があった場合、これに伴う対応費用等が事業収支に反映され、経営成績に影響を及ぼす可能性がある。
当社グループは当該リスクへの対応策として、各事業部門や法務部等において、常に法的規制の制定改廃動向を予め把握し、これに伴う対応費用を見積原価や事業性判断のための収支予測に正しく反映することとしている。
(2) 建設市場の動向
当社グループの主要事業である建設事業において、国内外の景気後退等により建設市場が著しく縮小した場合、工事受注量の減少等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。
当社グループは当該リスクへの対応策として、中長期的な市場動向を見越した要員計画の立案に加え、営業力、調達力の更なる強化、次世代生産システムの技術開発による生産性向上や施工能力の拡大に取り組んでいる。さらに、事業領域の拡大を通じた収益源の多様化に取り組むとともに、強固な財務体質の構築に取り組んでいる。
(3) 施工物等の不具合や重大事故
当社グループの主要事業である建設事業において、設計、施工などの各面で重大な瑕疵があった場合や、人身、施工物などに関わる重大な事故が発生した場合、多額の補償等の費用が発生することなどにより当社グループの業績や企業評価に影響を及ぼす可能性がある。
当社グループは当該リスクへの対応策として、品質マネジメントシステムの国際認証であるISO9001を取得して厳格な品質マネジメント体制を構築するとともに、安全品質管理本部を設置して、安全と品質の徹底的な管理体制を敷いている。さらに、建設工事保険、賠償責任保険等の付保によるリスクヘッジも行っている。
(4) 取引先の信用リスク
発注者、協力会社、共同施工会社及びその他取引先の信用不安などが顕在化した場合、資金の回収不能や事業遅延を惹起し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。
当社グループは当該リスクへの対応策として、取引前・取引中の与信確認を徹底するとともに、主要事業である建設事業においては、出来高に応じた工事代金の受領・支払などの取引条件確保に取り組んでいる。
(5) 建設資材価格及び労務単価の変動
当社グループの主要事業である建設事業において、建設資材の急激な価格高騰や調達難または労務単価の高騰や技能労働者の不足が生じた場合、工事原価の上昇による利益率の低下や工期遅延による損害賠償のおそれなど、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。
当社グループは当該リスクへの対応策として、協力会社の施工余力の把握等に基づいて当社グループの将来の施工キャパシティを常に把握し、これに応じた受注水準の維持に努めている。また、早期購買を徹底するとともに、将来予測を含めた正確な原価把握を徹底し、適切な見積原価を算出することとしている。さらに、地域ごとに協力会社の互助組織である「林友会」を組織するなど、安定的なサプライチェーンの構築に取り組むとともに、省人化に向けた自動化技術・機械の開発等を進めている。
(6) 保有資産の価格変動
当社グループが保有する販売用不動産、事業用不動産、投資有価証券等の時価が著しく低下した場合、評価損の計上等により当社グループの業績及び財務基盤に影響を及ぼす可能性がある。
当社グループは当該リスクへの対応策として、中長期的な経営計画において財務基盤とのバランスを勘案した投資計画を立案するとともに、個別投資においては決裁・審査基準を設けて投資委員会等による事前の審査を厳格に行うこととしている。取得後についても、投資先の運営・経営状況や時価を定期的に確認することとしている。
(7) 長期にわたる事業のリスク
事業期間が長期にわたるPPP事業や再生可能エネルギー事業等において、その期間中に事業環境に著しい変化が生じた場合や業務遂行上重大な事故等が発生した場合、当該事業の収支悪化や対応費用の損失計上などにより、当社グループの業績や企業評価に影響を及ぼす可能性がある。
当社グループは当該リスクへの対応策として、事前の取り組みにあたっては上記(6)と同様、財務基盤とのバランスを勘案した中長期の投資計画の立案及び個別投資の厳格審査を行うとともに、事業スキームに応じた、事業パートナーや業務委託先との適切なリスク分担、保険付保等によるリスクヘッジを行っている。また、事業開始後においては、投資委員会や関連部門等による運営状況のモニタリングを随時行っており、収支状況によっては事業撤退を行い、損失の拡大を防止することとしている。
(8) 海外事業におけるリスク
当社グループは主にアジア、米国等において事業展開を行っているが、それら進出国におけるテロ・紛争等による政情の不安定化、経済情勢の変動、為替レートの急激な変動、法制度の変更など事業環境に著しい変化が生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。
当社グループは当該リスクへの対応策として、比較的政情の安定した国・地域で事業展開するとともに、アジア支店及び北米支店(それぞれシンガポール及び米国に設置)において、所管地域の適時的確な情勢の把握及びそれに応じた即時の対応に努めることとしている。また、為替リスクに関しては、原則として現地通貨で請負代金を受領し、現地通貨で下請負代金を支払うことで、売り上げと原価の通貨を一致させるとともに、国内工事に関して海外調達を行う場合は、必要に応じて為替予約取引を行い、リスクヘッジを図っている。
(9) 機密情報漏洩
外部からの攻撃や、従業員の不正等により個人情報、機密情報が漏洩した場合、社会的な信用の失墜、損害賠償の発生等により、当社グループの業績や企業評価に影響を及ぼす可能性がある。
当社グループは当該リスクへの対応策として、「個人情報保護規程」や「情報セキュリティポリシー」を制定して、情報管理体制を確立するとともに、定期的にリスク評価を行い、リスクの変化に応じた技術的な対策及び教育・啓発等の人的マネジメント対策を継続的に実施し、個人情報、機密情報を適正に管理している。
(10)当社の独占禁止法違反に関わるリスク
当社におけるリニア中央新幹線工事の入札に関する独占禁止法違反については、2018年10月22日に有罪判決(罰金2億円)を受けたが、公正取引委員会の調査は現在も継続中であり、調査の結果次第では当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。
なお、当社グループは上記案件に関する独占禁止法違反に係る課徴金の見込み額については、2017年度に独占禁止法関連損失引当金を計上済である。
(11)新型コロナウイルス感染症の感染拡大に関わるリスク
新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、国内外の工事で工事中断などの影響が発生した。また、同感染症の影響により国内外の景気が後退し建設市場が著しく縮小した場合に、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。
当社グループは当該リスクへの対応策として、新型コロナウイルス感染症対策本部を設置し、感染拡大予防への協力や関係者の身体、生命の安全を確保する観点から、緊急事態宣言中は、オフィス部門における原則テレワークの実施や一部工事の中断を行うとともに、施工を継続する工事事務所においては3密(密接、密集、密閉)の回避の徹底などにより感染予防策を徹底したうえでの事業継続を図った。
今後については、同感染症に関する最新の動向や景気動向を注視し、経営資源の最適な配分を行ってサプライチェーンの維持や多様な収益源の確保などに努めることとしている。また、本年5月に策定した当社としての「新型コロナウイルス感染拡大予防のための行動プログラム」(柔軟な働き方の定め、執務環境の整備方針など全社共通の指針を規定)を実践することで、感染予防及び感染者発生時の影響を最小化するための対策を取りつつ、従前と同様の事業活動、成果達成等を維持していくこととしている。
なお、景気後退に伴う建設市場縮小のリスク及びその対応策については、上記(2)に記載のとおりである。
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