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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100LO32 (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 株式会社SRAホールディングス 研究開発活動 (2021年3月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等

当連結会計年度における当社グループの研究開発活動は、研究開発及びその成果に基づくビジネス展開から構成されます。株式会社SRAの先端技術研究所においては、研究開発分野として、ソフトウェアに関わる基礎研究及び技術開発研究に取り組んでおります。具体的には、形式手法(プログラムを数学的に正しく構築する技術)、データの可視化(操作品質の高いオープンデータ活用環境を実現する技術)、及びモデル検査(プログラムの振る舞いの正しさを自動検査する技術)といった分野での技術開発研究に取り組んでいます。Society5.0を見据えた、オープンデータの有効活用及びサービス展開に加え、国内外の研究コミュニティとの連携によるソフトウェア技術を核としたデジタルイノベーションの推進、及び専門家との共同研究を通した科学計算ソフトウェア技術の研究開発とオープンソース化を行うなど、オープンソース・ソフトウェアを基盤とする技術活用のための研究開発を引き続き実施しております。
これらは、主に特定のセグメントに区分できない基礎研究であります。なお、当連結会計年度での研究開発は、当社のグループ会社である株式会社SRAの先端技術研究所を中心に行っております。研究開発費の総額は211百万円であります。
(1) ソフトウェアに関する基礎研究
ソフトウェア開発研究の核として、ソフトウェアの信頼性や生産性を高める技術として注目されている、形式仕様の研究開発を継続的に進めております。形式仕様の中でも歴史が長いVDMの国際的な研究コミュニティである Overtureコミュニティに参加し、COVID-19の状況下で国際学術ワークショップ第18回Overture Workshopのオンライン開催に協力しました。VDMの言語仕様の改訂などへの協力も継続しています。また、当社独自の形式仕様研究として、形式仕様とUI技術の連携によって創造的なシステム仕様の策定を支援する開発環境 ViennaTalk 及び ViennaVM を開発し、オープンソース・ソフトウェアとして公開しております。
ソフトウェア技術の研究に加えて、ソフトウェア技術を通して科学の諸分野に貢献することを目的に、量子化学の研究者が膨大な量の化学反応の経路をインタラクティブに探索するためのツール RMapViewer、生物学や環境学での数理モデルの構築及び検証に特化したマルチエージェントシミュレーション環境 re:Mobidyc の開発を進め、オープンソース・ソフトウェアとして広く一般に公開しています。

(2) データ可視化の活用とサービス展開へ向けた技術開発研究
先端技術研究所では、ビッグデータを「見える化」して活用するための技術を研究・開発しています。国土交通省が推進するGTFS(General Transit Feed Specification)及びGTFS-JPフォーマットは、航空会社、鉄道、バスなどの公共交通機関の情報を記述するための共通フォーマットです。先端技術研究所では、GTFS形式やGTFS-JP形式で表現された運行情報から得られる時刻表や路線図に、観光情報や行政情報を組み合わせることで、観光情報や歴史的記録を地図上に可視化するインタラクティブな表現手法の開発を行っています。これらの技術は、MaaS (Mobility As A Service) を展開する基盤技術となるものです。
また、行政統計情報の可視化にも着手しました。数十年間に渡る地域統計表をコンピュータで読めるデジタルデータに変換することで、人工知能を使って文化史や社会史の学習、教育など広く利用することができます。データを検索して参照できるようにすれば、広く一般に公開されるオープンデータとして活用でき、地域の文化や歴史に触れる機会の増大につながります。AR・MR技術を用いた高度なインタラクション技術を駆使し、地方自治体のオープンデータ活用への貢献を目指しています。

(3) ソフトウェアの正しさを検証する技術開発研究
先端技術研究所では、プログラムの振る舞いを自動的に解析して、その正しさを検査するためのモデル検査技術の開発研究を行っております。当連結会計年度では、科学技術計算の分野で広く使われている計算技法を使ったモデル検査技術を開発し、国内の学術会議で発表しました。提案する検査技術は現状では検査速度に課題がありますが、近年発展が著しい科学技術計算領域での高速化技術を活用することで、その効率化を期待できるものとなっています。
また、多数の個体で構成される生物の集団行動が引き起こす創発的な性質を、モデル検査技術に応用するという新たな手法の構築にも着手しています。効率性とユーザビリティの双方を、高いレベルで達成する検査技術の実現を目指し、多角的な視点から取り組んでいるものです。

(4) オープンソース・ソフトウェア
オープンソース・ソフトウェアに関しては、以前よりWebアプリケーション・システムの開発環境を「GNU/Linux」、「PostgreSQL」を含むオープンソース・ツールキット群によって構築するための情報収集と整備を行っており、一般情報開示も行っております。このような活動から得た様々なオープンソース・ソフトウェアに対する各種の知見に、ソフトウェア工学の研究成果を組み合わせることによって、オープンソース・ソフトウェアをベースとするソフトウェア開発プロジェクトの統合管理環境「ProjDepot」、テスト自動化支援環境「Testablish」を構築し、改良を続けております。すでに、グループ内の多くの開発プロジェクトがこの環境を利用しており、プロジェクトの開発状況の可視化と生産性向上に寄与しております。
オープンソース・ソフトウェアのデータベースでワールドワイドに開発されている「PostgreSQL」においては、SRA OSS, Inc. が積極的に寄与しており、合わせてビジネスでの活用を目的とした研究開発も行っています。
データベース分野では、PostgreSQLに「マテリアライズドビュー」の増分更新を高速化する技術開発や、クラスタソフトウェアである「Pgpool-II」の開発を行う傍ら、データベース関連学会や、国際カンファレンスで講演を行いました。またデータベース以外の分野では、コンテナプラットフォームの「Kubernetes」でPostgreSQLを運用するための技術調査等を実施しました。

これらはいずれも、高度で高品質なソフトウェアの実現に有益となる技術・環境・ツールを目指して進めているものです。実務レベルへの適用を随時行いつつ、国内外の大学や研究機関との連携を通して最新の技術動向を取り入れながら、研究成果を継続的に構築していく実用型の研究です。これらの研究成果の一部は、コンサルテーションや他機関との協同研究開発作業等にも活かされております。

事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E05640] S100LO32)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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