有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100K9TM (EDINETへの外部リンク)
株式会社地域新聞社 事業等のリスク (2020年8月期)
以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性に係る事項を記載しております。また、当社グループとして必ずしも事業上のリスクとは考えていない事項についても、投資判断上あるいは当社グループの事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。当社グループは、これらのリスクの発生可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、本株式に係る投資判断は、本項及び本書中の本項目以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があります。また、以下の記載は本株式に対する投資に関連するリスクを全て網羅するものではありませんので、この点ご留意ください。
なお、文中における将来に係る事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)当社の事業について
① 広告関連市場の動向の影響について
当社グループが展開する4つの事業のうち、広告関連事業である新聞等発行事業、折込チラシ配布事業及び販売促進総合支援事業の3事業の合計売上高が当社の総売上高に占める割合は、2016年8月期において95.7%、2017年8月期において95.2%、2018年8月期において93.9%、2019年8月期においては93.5%、2020年8月期においては93.9%をそれぞれ占めております。
なお、現在のところ、広告関連市場は成長期から成熟期へ移行したと考えられ、業績の二極分化の傾向にあり、他社との差別化戦略を進めることが、これまでの当社の業績の拡大に寄与してきたものと評価しておりますが、今後も当該変化が継続し、当社グループの事業、業績または財政状態にプラスの影響を与え続ける保証はありません。
また、景況の悪化に伴う広告需要の減少によりもたらされる当社グループの事業、業績または財政状態への悪影響を軽減すべく、当社グループは特定の業種及び企業規模に偏らない顧客開拓や、広告関連市場と関連性が薄い事業の育成を検討しておりますが、当社グループのこれらの対応が不十分である場合には、当社グループの事業、業績または財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。
② 競合について
A.新聞等発行事業に係る競合について
フリーペーパー市場は、WEBやSNSをはじめとした広告媒体の多様化により、成長期から成熟期へ移行したと考えられ、2020年8月31日現在において当社が主たる商圏としている千葉県下においても競合紙(誌)は多数あり、当該競合紙(誌)間において激しい競争が行われております。また、今後、編集や配布のノウハウを有する新聞社及び出版社等や、豊富な事業資金を有する異業種の事業者がフリーペーパー市場に参入してくる可能性もあります。
当社グループは独自のフリーペーパー編集方針、発行エリア(版)設定方針及びフリーペーパー配布方針を堅持することにより、フリーペーパー市場における当社グループの競争優位性を確保していく所存であります。
しかしながら、今後、当社グループが事業を展開するエリアにおいて競合紙(誌)がそれらと同様の方針を採用した場合には、当社グループがそのような競争優位性を継続的に確保できるとは限らず、万が一、当該事業に係る競争優位性が失われた場合には当社グループの継続的な事業拡大が阻害され、当社グループの事業、業績または財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
B.折込チラシ配布事業及び販売促進総合支援事業に係る競合について
折込チラシ配布事業及び販売促進総合支援事業についても、現在、それぞれが属する市場の成長率は鈍化しており、両事業とも競合者は少なくなく、2020年8月31日現在において当社グループが主たる商圏としている千葉県下においても激しい競争が行われております。
当社グループは、企画力や提案力を背景としたサービス品質の一層の向上、きめ細かな営業活動の展開等を通じてそれらの市場における競争優位性を確保していく所存であります。しかしながら、今後、当社グループが事業を展開するエリアにおいて、当社グループがそのような競争優位性を継続的に確保できるとは限らず、万が一、当該事業に係る競争優位性が失われた場合には当社グループの継続的な事業拡大が阻害され、当社グループの事業、業績または財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 「ちいき新聞」及び「地域新聞ショッパー」の発行遅延、不発行等について
当社グループが発行するフリーペーパーである「ちいき新聞」及び「地域新聞ショッパー」は、広告掲載の申込から紙面制作及び印刷を経て、当該新聞の配布を完了するまでに1週間を要しております。このうち、ほぼ内製化された紙面制作までの過程においては業務管理システムのバックアップ(注1)、制作環境(注2)の統一等、考えられる範囲において紙面制作上起こり得るトラブルを想定し、その回避策を講じておりますが、紙面制作完了までの期間において当社や制作に係る一部外注先のシステムサーバ(バックアップ分を含む。)に回復困難なトラブルが発生し、または当社グループや制作に係る一部外注先が異常気象、震災等の大規模な自然災害や事故等、当社グループが予測し得ないトラブルに見舞われ、かつ速やかな復旧が困難である場合には、結果として「ちいき新聞」及び「地域新聞ショッパー」の発行遅延、不発行、配布遅延または未配布という事態が惹起される可能性があります。
また、当社グループは「ちいき新聞」及び「地域新聞ショッパー」の印刷や配布を外注先にそれぞれ完全委託しており、これらの委託先が異常気象、震災等の大規模な自然災害や事故等、当社グループが予測し得ないトラブルに見舞われ、かつ速やかな復旧が困難である場合には、「ちいき新聞」及び「地域新聞ショッパー」の発行遅延、不発行、配布遅延または未配布という事態が惹起される可能性があります。
このように、「ちいき新聞」及び「地域新聞ショッパー」の制作から配布完了までの期間において前述の如き事態が発生すれば、当社グループに対する広告主や読者の信頼が大きく損なわれ、その結果として広告収入の減少等を招来するおそれがあり、そのような場合には、当社グループの事業、業績または財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(注)1.業務管理システムのバックアップの主な内容については、「(3)⑥ 業務管理システムについて」の記載内容をご参照ください。
2.紙面の制作環境とは、当社グループの編集部において「ちいき新聞」及び「地域新聞ショッパー」に掲載する広告や報道記事を制作及び編集するための一連のハードウェア及びソフトウェア並びにその有機的なつながりを指しております。また、制作環境の統一とは、編集部内において各人の制作環境を統一することをいいます。
④ 印刷用紙の調達価格の変動について
「ちいき新聞」及び「地域新聞ショッパー」の原材料である印刷用紙は市場における流通量が多く、かつ取扱業者数も多いため、供給量及び価格は比較的安定しております。また、当該印刷用紙は当社グループの新聞印刷の依頼先である印刷業者が仕入れており、当該業者は印刷用紙の調達先(メーカー)との間で常に価格交渉を行い、市況等の変動に起因する仕入価格の高騰リスクの回避に努めております。
しかしながら、製紙原料価格の予想外の変動等により印刷用紙の調達価格が今後高騰した場合には、紙媒体の発行を主たる事業とする当社グループの事業、業績または財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2)法的規制等について
① 広告関連事業に係る法的規制等について
当社グループの広告関連事業(新聞等発行事業、折込チラシ配布事業及び販売促進総合支援事業)には事業そのものに係る業法規制こそないものの、様々な法的規制が設けられております。
これらを直接規制する主な関連法令としては、不当景品類及び不当表示防止法、不正競争防止法、知的財産権法、著作権法、商標法、公職選挙法等が挙げられ、また、薬事法、宅地建物取引業法、特定商取引に関する法律等のように、顧客の業種等に係る規制法令が間接的に当社の広告関連事業を規制する例も少なくありません。更に、「ちいき新聞」及び「地域新聞ショッパー」や配布するチラシ等に掲載する広告の方法や内容等については、広告主、当社グループともに前述の法令以外に各業界団体の自主規制が存在する場合があります。
当社グループは、新聞等発行事業において報道記事を制作及び掲載する際には、当社が制定した取材及び編集業務用マニュアルの規定に従って記事の執筆、紙面の編集及び制作を行い、事実を正確に、偏ることなく読者に伝えるよう努めるとともに、第三者の知的財産権を侵害し、または公職選挙法等の法令に抵触する内容の記事とならないよう、細心の注意を払っております。また、新聞等発行事業、折込チラシ配布事業及び販売促進総合支援事業において広告を制作し、当該広告を「ちいき新聞」及び「地域新聞ショッパー」紙面やチラシに掲載するに際しては、当社グループが制定した広告掲載基準や校閲校正業務用マニュアルの規定に従って広告の制作及び校閲、校正を実施することにより、前述の法令や自主規制に係る違反や第三者の知的財産権の侵害に係る未然防止に努めております。
しかしながら、「ちいき新聞」及び「地域新聞ショッパー」紙面に万一事実と異なる内容や、読者に混乱や誤解を与える表現を含む記事や広告が掲載された場合、または第三者の知的財産権を侵害したり、前述の法令や自主規制に抵触する内容の記事や広告が掲載された場合には当社グループは社会的信用を失い、訴訟を提起され、または何らかの行政処分等を受ける等の事態が惹起される可能性があり、その場合には当社グループに対する広告主や読者の信頼が大きく損なわれることによる広告収入の減少等並びに当該訴訟等の動向または結果が、当社グループの事業、業績または財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、昨今の社会情勢の変化等に応じて前述の規制法令を始めとする各種法令や自主規制の強化、改正または解釈の変更等が行われた場合には、当社グループの事業、業績または財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
② その他の事業に係る法的規制等について
当社グループは、教養、趣味、娯楽としてのダンス等を顧客に教授し、入会金及び受講料を収受するカルチャーセンター運営事業については事業を規制する法令等は特に見あたらないものの、当該事業の展開にあたっても、事業者として個人情報の保護に関する法律(以下、個人情報保護法という。)等の一般法令の規制の適用を受けております。
そして、通信販売事業においては、景品表示法、JAS法、特定商品取引法などによる法的な規制を受けております。
また、昨今の社会情勢の変化等に応じて前述の規制法令を始めとする各種法令の強化、改正または解釈の変更等が行われた場合には、当社グループの事業、業績または財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3)当社グループの経営について
① 「ちいき新聞」及び「地域新聞ショッパー」の発行エリア(版)の展開及び撤退の方針について
当社グループは、一定の発行エリア(版)ごとに「ちいき新聞」及び「地域新聞ショッパー」を発行しており、2020年8月31日現在において、「ちいき新聞」は6支社の下に49の発行エリア(版)と「地域新聞ショッパー」は2支社の下に10の発行エリア(版)が存在しております。(注)
なお、発行エリア(版)を新設し、継続的に「ちいき新聞」及び「地域新聞ショッパー」を発行し続けるために、当社グループはその紙面発行費用(営業、制作及び編集等に係る人件費、紙面の印刷や配布に係る費用等)を負担しなければならず、また、発行エリア(版)を新設する際に新たな営業拠点となる支社等をも新設した場合には、前述の紙面発行費用に加えて当該支社等の開設費用をも負担する必要がありますが、発行エリア(版)の新設及び当該発行エリア(版)における「ちいき新聞」及び「地域新聞ショッパー」創刊以降、これらの費用以上の広告収入を獲得するまでの期間においては、当該発行エリア(版)単独での黒字化は困難であります。
したがって、当社グループは発行エリア(版)の新設及び当該発行エリア(版)における「ちいき新聞」及び「地域新聞ショッパー」の創刊にあたり、広告収入のより効率的な獲得を目指して地域密着型のきめ細かい営業活動を行う等の施策を実施して、当該発行エリア(版)単独の収益性の向上に努めております。
しかしながら、当該発行エリア(版)進出後に何らかの事由で住民の流出が進み、当社グループの顧客がその商圏に魅力を感じなくなる等、当該発行エリア(版)の地域特性の変化等に起因して広告受注が拡大しない場合、当該発行エリア(版)単独の赤字が想定以上の期間にわたり継続し、当社グループの事業、業績または財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当該発行エリア(版)単独の赤字が想定以上の期間にわたり継続した場合、当社グループは当該発行エリア(版)における新聞等発行事業から撤退する可能性があります。今後、当該事態が惹起された場合には、当該発行エリア(版)の新設及び当該発行エリア(版)における「ちいき新聞」及び「地域新聞ショッパー」創刊に係る費用、また、場合によっては新たな営業拠点として開設した支社等の開設費用の回収が大幅に遅延し、または回収できず、当社グループの事業、業績または財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 広告媒体の多様化への対応について
当社グループが発行する「ちいき新聞」及び「地域新聞ショッパー」は、読者の生活に密着した地域の情報を伝え、広告主にとっては細分化された比較的狭小な発行エリア(版)の中から広告掲載エリアを任意に選択して機動的な広告戦略を採ることができるというメリットを有していることから、当社グループは今後も紙媒体であるフリーペーパーの発行を継続していく方針であります。
一方、近年においては電子広告等の新たな広告媒体の発展が著しく、今後は当社グループの新聞等発行事業対象地域の拡大に合わせ、紙媒体である「ちいき新聞」及び「地域新聞ショッパー」とは別に、インターネット等の電子媒体を通じた事業対応を実施する必要があるものと認識しており、「チイコミ」において電子広告を行っておりますが、後発電子媒体に対して当社グループが当該対応のタイミングを逸した場合には、当社グループの事業、業績または財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、今後インターネット等の電子媒体の急速な発展が紙媒体の価値を相対的に低下させ、「ちいき新聞」及び「地域新聞ショッパー」の読者及び広告主が結果として減少した場合には、当社グループの事業、業績または財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。
③ 人材の獲得及び育成について
当社グループの従業員数は2020年8月31日現在において199名(臨時従業員89名を除く)であり、内訳は当社に169名(臨時従業員78名を除く)、ショッパー社に30名(臨時従業員11名を除く)となっております。また、当社の従業員の平均勤続年数は、2020年8月31日現在において6.6年と短いものの、これは今後の事業拡大に備え新規採用及び中途採用をもって従業員の確保を積極的に図っている結果であり、現時点において人員は充足しているものと考えております。
当社グループは、当社グループの事業成長を継続するために、今後も着実に人材を確保及び育成していく予定でありますが、人材の確保及び育成が質量両面において事業の成長スピードに追いつかない場合には、当社グループの事業、業績または財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 知的財産権について
当社グループが保有する知的財産権は、登録済み商標権19件(注)並びに当社が制作した報道記事及び広告の内容に係る多数の著作権であり、当社グループが保有している、または取得を出願中である特許権及び実用新案権はありません。また、現在のところ、当社グループの事業分野において他者に先駆けて特許申請を行わなければならない技術等も存在いたしません。
なお、登録済の商標権の1つである「ちいき新聞」については、その商標登録が完了しているか否かに拘らずこれが無断で使用され、広告主や読者の当社グループに対する信用が損なわれるような内容の記事や広告が掲載された場合、当社グループの事業、業績または財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(注) 「ハッピージョブ/Happy Job」(登録第4644705号)、「地域通販」(登録第5009735号)、「地域新聞」(登録第5065614号)、「地域新聞社」(登録第5105183号)、「地域新聞社」社章(登録第5377313号)、「地域新聞」題字(登録第5407843号)、「地域新聞」キャラクター(登録第5377314号、5377315号、5377316号、5407842号、5572088号、5572087号)、「ちいこみ」(登録第5431607号)、「チイコミ」ロゴ(登録第5559762号)、「ちいき新聞」ロゴ(登録第5606880号)、「チキチキクーポン」(登録第5545679号)、「チイキング」キャラクター(登録第5677445号)、「販促の大学」(登録第6005081号)及び「Happiness」(登録第6005082号)の19件であります。
⑤ 個人情報等の管理について
当社グループは、広告掲載等に係る営業活動を通じて、また、報道記事の取材活動を通じて、顧客情報を始めとする様々な個人情報を入手する機会があります。そこで、当社グループは、個人情報保護法の規定の趣旨に鑑みて、情報管理の観点から、個人情報の厳正な管理及び漏洩防止手続を定めた個人情報保護関連規程を制定し、加えて当社グループの全ての役員、従業員及び臨時従業員との間においては機密保持に係る誓約書を個別に締結する等、個人情報の保護並びに個人情報漏洩の未然防止に努めております。
更に、当社グループは、当社グループの個人顧客、役員及び従業員の個人情報をも含めた重要な業務管理情報についてID及びパスワードによって管理するとともに、インターネットを通じた外部からのアクセスによる情報流出の防止策を採用しております。
しかしながら、このような対策をもってしても個人情報を含むそれらの重要情報に係る社外漏洩を防止できず、当該情報漏洩に起因して第三者に何らかの損害が発生した場合には、当社グループが損害賠償請求の対象となる可能性があります。また、当社グループの情報管理体制に係る良くない風評が発生し、当社グループの事業、業績または財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 業務管理システムについて
当社グループは業務管理システムを保有しており、当該システム内に、当社グループの個人顧客、役員及び従業員の個人情報及び取引先等に係る法人基本情報等を蓄積しております。また、当社グループは、事業の推進に欠かせない各種の管理業務を当該システムによって行っており、当社の業務効率は当該システムに大きく依存しております。
そこで、当社グループは、不測の事態(アクセスの急増等による一時的な負荷増大に伴うシステムダウン、異常気象、震災等の大規模な自然災害や事故等に伴う停電、故障等)によりこれらの業務管理システムが稼動しているそれぞれのサーバが停止し、またはサーバ上に蓄積されたデータが失われることにより当社の業務の遂行に支障を来たさないよう、一定のセキュリティレベルを実現し、かつ無停電電源装置を備えたサーバ専用室にアプリケーションサーバとデータベースサーバを2台ずつ格納して並行運用するとともに、データの日次バックアップ、バックアップデータの分散型格納を実施する他、サーバの外部委託等考えられる範囲において起こり得るトラブルを想定し、その回避策を講じております。
しかしながら、そのような当社グループの施策が不十分である場合または当社グループの現在の対応では係る影響を十分に軽減できない場合には、当社グループの事業、業績または財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4)新型コロナウイルス感染症の影響について
新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、営業自粛等の理由により取引先からの広告出稿が減少しており、当社グループの企画運営は甚大な影響を受けております。新型コロナウイルス感染症の収束時期等を予測することは困難なことから、今後も当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(5)重要事象等について
当社グループは、新型コロナウイルス感染症拡大の影響に伴い、2020年4月以降、月次売上高が前期に比べ著しく減少しており、当連結会計年度において292,047千円の営業損失及び332,295千円の親会社株主に帰属する当期純損失を計上しております。この影響は今後数年続くと考えており、翌期以降についても継続して重要な営業損失及び親会社株主に帰属する当期純損失の計上が見込まれ、当連結会計年度末に118,194千円である純資産は債務超過となる可能性があります。当該状況により、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。
当該状況を解消又は改善するため、以下の対応策を推進してまいります。
① 収益獲得が見込めるエリアへの人的資源及び資金を集中
当社グループは当連結会計年度において不採算エリアの発行を休止するとともに、2020年9月に日本全国を商圏としているクライアントを担当する広域営業部を設置いたしました。収益獲得が見込めるエリアに有能な人材を重点的に配置し、資金を集中することでより付加価値のある商材を提供し、販売の更なる強化を進めてまいります。
② マーケティング機能の強化 インサイドセールスチームの発足
営業効率・質の向上や見込み顧客データの活用を目的とし、マーケティング機能を強化するとともに、インサイドセールスチームを発足いたしました。マーケティング機能を強化することで、リード(見込みが高いと考えられる顧客)の獲得数が増加し、そのリードに対して事前にお電話で状況確認することで、アポイントを獲得してから営業にバトンタッチすること等が可能となり、営業はより受注に直結した活動がしやすくなります。
③ 受注窓口の拡大及び他社サービスとの連携
当社グループが展開しているサービスを最大限活用するため、他社サービスと連携しながら受注窓口を拡大し受注件数増加を図ってまいります。今後も積極的に他社との業務提携の可能性を模索し、当社グループの既存事業と他社の事業とのシナジーを創出することで、既存事業の拡大を図ってまいります。
④ デジタルトランスフォーメーション(DX)の強化
デジタル分野の重要性が高まっていることから、社内にデジタル戦略推進をミッションとしたプロジェクトを立ち上げ、広告領域のデジタル化はもちろん、これまで築いてきたブランドや資産を生かした新規事業の立ち上げ、顧客への提供価値の変革をしてまいります。これにより、新たな収益基盤の獲得を実現し、地域密着×デジタルのシナジーを生み、当社の企業価値、存在意義の向上を図ってまいります。
⑤ 費用の削減
営業拠点及び管理部門の事務所統合や外部に委託していた一部配送業務の内製化する等経費見直しを行い、販売費及び一般管理費の更なる削減を図ってまいります。
⑥ 資金調達
当連結会計年度において金融機関との緊密な連携関係のもと、当座貸越枠の利用や新型コロナウイルス感染症関連の融資制度を利用し資金調達を行っております。引き続き金融機関からの資金調達及び増資による資金調達等を継続して検討し、財務基盤の安定化に努めてまいります。
(注)「地域新聞ショッパー」を管轄している4支社の内、2支社(所沢支社及びさいたま支社)は2020年8月28日をもちまして閉鎖しております。また、それに伴い20の発行エリア(版)の内、10エリア(版)も8月28日発行号をもちまして休刊しております。
なお、文中における将来に係る事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)当社の事業について
① 広告関連市場の動向の影響について
当社グループが展開する4つの事業のうち、広告関連事業である新聞等発行事業、折込チラシ配布事業及び販売促進総合支援事業の3事業の合計売上高が当社の総売上高に占める割合は、2016年8月期において95.7%、2017年8月期において95.2%、2018年8月期において93.9%、2019年8月期においては93.5%、2020年8月期においては93.9%をそれぞれ占めております。
なお、現在のところ、広告関連市場は成長期から成熟期へ移行したと考えられ、業績の二極分化の傾向にあり、他社との差別化戦略を進めることが、これまでの当社の業績の拡大に寄与してきたものと評価しておりますが、今後も当該変化が継続し、当社グループの事業、業績または財政状態にプラスの影響を与え続ける保証はありません。
また、景況の悪化に伴う広告需要の減少によりもたらされる当社グループの事業、業績または財政状態への悪影響を軽減すべく、当社グループは特定の業種及び企業規模に偏らない顧客開拓や、広告関連市場と関連性が薄い事業の育成を検討しておりますが、当社グループのこれらの対応が不十分である場合には、当社グループの事業、業績または財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。
② 競合について
A.新聞等発行事業に係る競合について
フリーペーパー市場は、WEBやSNSをはじめとした広告媒体の多様化により、成長期から成熟期へ移行したと考えられ、2020年8月31日現在において当社が主たる商圏としている千葉県下においても競合紙(誌)は多数あり、当該競合紙(誌)間において激しい競争が行われております。また、今後、編集や配布のノウハウを有する新聞社及び出版社等や、豊富な事業資金を有する異業種の事業者がフリーペーパー市場に参入してくる可能性もあります。
当社グループは独自のフリーペーパー編集方針、発行エリア(版)設定方針及びフリーペーパー配布方針を堅持することにより、フリーペーパー市場における当社グループの競争優位性を確保していく所存であります。
しかしながら、今後、当社グループが事業を展開するエリアにおいて競合紙(誌)がそれらと同様の方針を採用した場合には、当社グループがそのような競争優位性を継続的に確保できるとは限らず、万が一、当該事業に係る競争優位性が失われた場合には当社グループの継続的な事業拡大が阻害され、当社グループの事業、業績または財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
B.折込チラシ配布事業及び販売促進総合支援事業に係る競合について
折込チラシ配布事業及び販売促進総合支援事業についても、現在、それぞれが属する市場の成長率は鈍化しており、両事業とも競合者は少なくなく、2020年8月31日現在において当社グループが主たる商圏としている千葉県下においても激しい競争が行われております。
当社グループは、企画力や提案力を背景としたサービス品質の一層の向上、きめ細かな営業活動の展開等を通じてそれらの市場における競争優位性を確保していく所存であります。しかしながら、今後、当社グループが事業を展開するエリアにおいて、当社グループがそのような競争優位性を継続的に確保できるとは限らず、万が一、当該事業に係る競争優位性が失われた場合には当社グループの継続的な事業拡大が阻害され、当社グループの事業、業績または財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 「ちいき新聞」及び「地域新聞ショッパー」の発行遅延、不発行等について
当社グループが発行するフリーペーパーである「ちいき新聞」及び「地域新聞ショッパー」は、広告掲載の申込から紙面制作及び印刷を経て、当該新聞の配布を完了するまでに1週間を要しております。このうち、ほぼ内製化された紙面制作までの過程においては業務管理システムのバックアップ(注1)、制作環境(注2)の統一等、考えられる範囲において紙面制作上起こり得るトラブルを想定し、その回避策を講じておりますが、紙面制作完了までの期間において当社や制作に係る一部外注先のシステムサーバ(バックアップ分を含む。)に回復困難なトラブルが発生し、または当社グループや制作に係る一部外注先が異常気象、震災等の大規模な自然災害や事故等、当社グループが予測し得ないトラブルに見舞われ、かつ速やかな復旧が困難である場合には、結果として「ちいき新聞」及び「地域新聞ショッパー」の発行遅延、不発行、配布遅延または未配布という事態が惹起される可能性があります。
また、当社グループは「ちいき新聞」及び「地域新聞ショッパー」の印刷や配布を外注先にそれぞれ完全委託しており、これらの委託先が異常気象、震災等の大規模な自然災害や事故等、当社グループが予測し得ないトラブルに見舞われ、かつ速やかな復旧が困難である場合には、「ちいき新聞」及び「地域新聞ショッパー」の発行遅延、不発行、配布遅延または未配布という事態が惹起される可能性があります。
このように、「ちいき新聞」及び「地域新聞ショッパー」の制作から配布完了までの期間において前述の如き事態が発生すれば、当社グループに対する広告主や読者の信頼が大きく損なわれ、その結果として広告収入の減少等を招来するおそれがあり、そのような場合には、当社グループの事業、業績または財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(注)1.業務管理システムのバックアップの主な内容については、「(3)⑥ 業務管理システムについて」の記載内容をご参照ください。
2.紙面の制作環境とは、当社グループの編集部において「ちいき新聞」及び「地域新聞ショッパー」に掲載する広告や報道記事を制作及び編集するための一連のハードウェア及びソフトウェア並びにその有機的なつながりを指しております。また、制作環境の統一とは、編集部内において各人の制作環境を統一することをいいます。
④ 印刷用紙の調達価格の変動について
「ちいき新聞」及び「地域新聞ショッパー」の原材料である印刷用紙は市場における流通量が多く、かつ取扱業者数も多いため、供給量及び価格は比較的安定しております。また、当該印刷用紙は当社グループの新聞印刷の依頼先である印刷業者が仕入れており、当該業者は印刷用紙の調達先(メーカー)との間で常に価格交渉を行い、市況等の変動に起因する仕入価格の高騰リスクの回避に努めております。
しかしながら、製紙原料価格の予想外の変動等により印刷用紙の調達価格が今後高騰した場合には、紙媒体の発行を主たる事業とする当社グループの事業、業績または財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2)法的規制等について
① 広告関連事業に係る法的規制等について
当社グループの広告関連事業(新聞等発行事業、折込チラシ配布事業及び販売促進総合支援事業)には事業そのものに係る業法規制こそないものの、様々な法的規制が設けられております。
これらを直接規制する主な関連法令としては、不当景品類及び不当表示防止法、不正競争防止法、知的財産権法、著作権法、商標法、公職選挙法等が挙げられ、また、薬事法、宅地建物取引業法、特定商取引に関する法律等のように、顧客の業種等に係る規制法令が間接的に当社の広告関連事業を規制する例も少なくありません。更に、「ちいき新聞」及び「地域新聞ショッパー」や配布するチラシ等に掲載する広告の方法や内容等については、広告主、当社グループともに前述の法令以外に各業界団体の自主規制が存在する場合があります。
当社グループは、新聞等発行事業において報道記事を制作及び掲載する際には、当社が制定した取材及び編集業務用マニュアルの規定に従って記事の執筆、紙面の編集及び制作を行い、事実を正確に、偏ることなく読者に伝えるよう努めるとともに、第三者の知的財産権を侵害し、または公職選挙法等の法令に抵触する内容の記事とならないよう、細心の注意を払っております。また、新聞等発行事業、折込チラシ配布事業及び販売促進総合支援事業において広告を制作し、当該広告を「ちいき新聞」及び「地域新聞ショッパー」紙面やチラシに掲載するに際しては、当社グループが制定した広告掲載基準や校閲校正業務用マニュアルの規定に従って広告の制作及び校閲、校正を実施することにより、前述の法令や自主規制に係る違反や第三者の知的財産権の侵害に係る未然防止に努めております。
しかしながら、「ちいき新聞」及び「地域新聞ショッパー」紙面に万一事実と異なる内容や、読者に混乱や誤解を与える表現を含む記事や広告が掲載された場合、または第三者の知的財産権を侵害したり、前述の法令や自主規制に抵触する内容の記事や広告が掲載された場合には当社グループは社会的信用を失い、訴訟を提起され、または何らかの行政処分等を受ける等の事態が惹起される可能性があり、その場合には当社グループに対する広告主や読者の信頼が大きく損なわれることによる広告収入の減少等並びに当該訴訟等の動向または結果が、当社グループの事業、業績または財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、昨今の社会情勢の変化等に応じて前述の規制法令を始めとする各種法令や自主規制の強化、改正または解釈の変更等が行われた場合には、当社グループの事業、業績または財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
② その他の事業に係る法的規制等について
当社グループは、教養、趣味、娯楽としてのダンス等を顧客に教授し、入会金及び受講料を収受するカルチャーセンター運営事業については事業を規制する法令等は特に見あたらないものの、当該事業の展開にあたっても、事業者として個人情報の保護に関する法律(以下、個人情報保護法という。)等の一般法令の規制の適用を受けております。
そして、通信販売事業においては、景品表示法、JAS法、特定商品取引法などによる法的な規制を受けております。
また、昨今の社会情勢の変化等に応じて前述の規制法令を始めとする各種法令の強化、改正または解釈の変更等が行われた場合には、当社グループの事業、業績または財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3)当社グループの経営について
① 「ちいき新聞」及び「地域新聞ショッパー」の発行エリア(版)の展開及び撤退の方針について
当社グループは、一定の発行エリア(版)ごとに「ちいき新聞」及び「地域新聞ショッパー」を発行しており、2020年8月31日現在において、「ちいき新聞」は6支社の下に49の発行エリア(版)と「地域新聞ショッパー」は2支社の下に10の発行エリア(版)が存在しております。(注)
なお、発行エリア(版)を新設し、継続的に「ちいき新聞」及び「地域新聞ショッパー」を発行し続けるために、当社グループはその紙面発行費用(営業、制作及び編集等に係る人件費、紙面の印刷や配布に係る費用等)を負担しなければならず、また、発行エリア(版)を新設する際に新たな営業拠点となる支社等をも新設した場合には、前述の紙面発行費用に加えて当該支社等の開設費用をも負担する必要がありますが、発行エリア(版)の新設及び当該発行エリア(版)における「ちいき新聞」及び「地域新聞ショッパー」創刊以降、これらの費用以上の広告収入を獲得するまでの期間においては、当該発行エリア(版)単独での黒字化は困難であります。
したがって、当社グループは発行エリア(版)の新設及び当該発行エリア(版)における「ちいき新聞」及び「地域新聞ショッパー」の創刊にあたり、広告収入のより効率的な獲得を目指して地域密着型のきめ細かい営業活動を行う等の施策を実施して、当該発行エリア(版)単独の収益性の向上に努めております。
しかしながら、当該発行エリア(版)進出後に何らかの事由で住民の流出が進み、当社グループの顧客がその商圏に魅力を感じなくなる等、当該発行エリア(版)の地域特性の変化等に起因して広告受注が拡大しない場合、当該発行エリア(版)単独の赤字が想定以上の期間にわたり継続し、当社グループの事業、業績または財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当該発行エリア(版)単独の赤字が想定以上の期間にわたり継続した場合、当社グループは当該発行エリア(版)における新聞等発行事業から撤退する可能性があります。今後、当該事態が惹起された場合には、当該発行エリア(版)の新設及び当該発行エリア(版)における「ちいき新聞」及び「地域新聞ショッパー」創刊に係る費用、また、場合によっては新たな営業拠点として開設した支社等の開設費用の回収が大幅に遅延し、または回収できず、当社グループの事業、業績または財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 広告媒体の多様化への対応について
当社グループが発行する「ちいき新聞」及び「地域新聞ショッパー」は、読者の生活に密着した地域の情報を伝え、広告主にとっては細分化された比較的狭小な発行エリア(版)の中から広告掲載エリアを任意に選択して機動的な広告戦略を採ることができるというメリットを有していることから、当社グループは今後も紙媒体であるフリーペーパーの発行を継続していく方針であります。
一方、近年においては電子広告等の新たな広告媒体の発展が著しく、今後は当社グループの新聞等発行事業対象地域の拡大に合わせ、紙媒体である「ちいき新聞」及び「地域新聞ショッパー」とは別に、インターネット等の電子媒体を通じた事業対応を実施する必要があるものと認識しており、「チイコミ」において電子広告を行っておりますが、後発電子媒体に対して当社グループが当該対応のタイミングを逸した場合には、当社グループの事業、業績または財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、今後インターネット等の電子媒体の急速な発展が紙媒体の価値を相対的に低下させ、「ちいき新聞」及び「地域新聞ショッパー」の読者及び広告主が結果として減少した場合には、当社グループの事業、業績または財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。
③ 人材の獲得及び育成について
当社グループの従業員数は2020年8月31日現在において199名(臨時従業員89名を除く)であり、内訳は当社に169名(臨時従業員78名を除く)、ショッパー社に30名(臨時従業員11名を除く)となっております。また、当社の従業員の平均勤続年数は、2020年8月31日現在において6.6年と短いものの、これは今後の事業拡大に備え新規採用及び中途採用をもって従業員の確保を積極的に図っている結果であり、現時点において人員は充足しているものと考えております。
当社グループは、当社グループの事業成長を継続するために、今後も着実に人材を確保及び育成していく予定でありますが、人材の確保及び育成が質量両面において事業の成長スピードに追いつかない場合には、当社グループの事業、業績または財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 知的財産権について
当社グループが保有する知的財産権は、登録済み商標権19件(注)並びに当社が制作した報道記事及び広告の内容に係る多数の著作権であり、当社グループが保有している、または取得を出願中である特許権及び実用新案権はありません。また、現在のところ、当社グループの事業分野において他者に先駆けて特許申請を行わなければならない技術等も存在いたしません。
なお、登録済の商標権の1つである「ちいき新聞」については、その商標登録が完了しているか否かに拘らずこれが無断で使用され、広告主や読者の当社グループに対する信用が損なわれるような内容の記事や広告が掲載された場合、当社グループの事業、業績または財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(注) 「ハッピージョブ/Happy Job」(登録第4644705号)、「地域通販」(登録第5009735号)、「地域新聞」(登録第5065614号)、「地域新聞社」(登録第5105183号)、「地域新聞社」社章(登録第5377313号)、「地域新聞」題字(登録第5407843号)、「地域新聞」キャラクター(登録第5377314号、5377315号、5377316号、5407842号、5572088号、5572087号)、「ちいこみ」(登録第5431607号)、「チイコミ」ロゴ(登録第5559762号)、「ちいき新聞」ロゴ(登録第5606880号)、「チキチキクーポン」(登録第5545679号)、「チイキング」キャラクター(登録第5677445号)、「販促の大学」(登録第6005081号)及び「Happiness」(登録第6005082号)の19件であります。
⑤ 個人情報等の管理について
当社グループは、広告掲載等に係る営業活動を通じて、また、報道記事の取材活動を通じて、顧客情報を始めとする様々な個人情報を入手する機会があります。そこで、当社グループは、個人情報保護法の規定の趣旨に鑑みて、情報管理の観点から、個人情報の厳正な管理及び漏洩防止手続を定めた個人情報保護関連規程を制定し、加えて当社グループの全ての役員、従業員及び臨時従業員との間においては機密保持に係る誓約書を個別に締結する等、個人情報の保護並びに個人情報漏洩の未然防止に努めております。
更に、当社グループは、当社グループの個人顧客、役員及び従業員の個人情報をも含めた重要な業務管理情報についてID及びパスワードによって管理するとともに、インターネットを通じた外部からのアクセスによる情報流出の防止策を採用しております。
しかしながら、このような対策をもってしても個人情報を含むそれらの重要情報に係る社外漏洩を防止できず、当該情報漏洩に起因して第三者に何らかの損害が発生した場合には、当社グループが損害賠償請求の対象となる可能性があります。また、当社グループの情報管理体制に係る良くない風評が発生し、当社グループの事業、業績または財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 業務管理システムについて
当社グループは業務管理システムを保有しており、当該システム内に、当社グループの個人顧客、役員及び従業員の個人情報及び取引先等に係る法人基本情報等を蓄積しております。また、当社グループは、事業の推進に欠かせない各種の管理業務を当該システムによって行っており、当社の業務効率は当該システムに大きく依存しております。
そこで、当社グループは、不測の事態(アクセスの急増等による一時的な負荷増大に伴うシステムダウン、異常気象、震災等の大規模な自然災害や事故等に伴う停電、故障等)によりこれらの業務管理システムが稼動しているそれぞれのサーバが停止し、またはサーバ上に蓄積されたデータが失われることにより当社の業務の遂行に支障を来たさないよう、一定のセキュリティレベルを実現し、かつ無停電電源装置を備えたサーバ専用室にアプリケーションサーバとデータベースサーバを2台ずつ格納して並行運用するとともに、データの日次バックアップ、バックアップデータの分散型格納を実施する他、サーバの外部委託等考えられる範囲において起こり得るトラブルを想定し、その回避策を講じております。
しかしながら、そのような当社グループの施策が不十分である場合または当社グループの現在の対応では係る影響を十分に軽減できない場合には、当社グループの事業、業績または財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4)新型コロナウイルス感染症の影響について
新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、営業自粛等の理由により取引先からの広告出稿が減少しており、当社グループの企画運営は甚大な影響を受けております。新型コロナウイルス感染症の収束時期等を予測することは困難なことから、今後も当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(5)重要事象等について
当社グループは、新型コロナウイルス感染症拡大の影響に伴い、2020年4月以降、月次売上高が前期に比べ著しく減少しており、当連結会計年度において292,047千円の営業損失及び332,295千円の親会社株主に帰属する当期純損失を計上しております。この影響は今後数年続くと考えており、翌期以降についても継続して重要な営業損失及び親会社株主に帰属する当期純損失の計上が見込まれ、当連結会計年度末に118,194千円である純資産は債務超過となる可能性があります。当該状況により、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。
当該状況を解消又は改善するため、以下の対応策を推進してまいります。
① 収益獲得が見込めるエリアへの人的資源及び資金を集中
当社グループは当連結会計年度において不採算エリアの発行を休止するとともに、2020年9月に日本全国を商圏としているクライアントを担当する広域営業部を設置いたしました。収益獲得が見込めるエリアに有能な人材を重点的に配置し、資金を集中することでより付加価値のある商材を提供し、販売の更なる強化を進めてまいります。
② マーケティング機能の強化 インサイドセールスチームの発足
営業効率・質の向上や見込み顧客データの活用を目的とし、マーケティング機能を強化するとともに、インサイドセールスチームを発足いたしました。マーケティング機能を強化することで、リード(見込みが高いと考えられる顧客)の獲得数が増加し、そのリードに対して事前にお電話で状況確認することで、アポイントを獲得してから営業にバトンタッチすること等が可能となり、営業はより受注に直結した活動がしやすくなります。
③ 受注窓口の拡大及び他社サービスとの連携
当社グループが展開しているサービスを最大限活用するため、他社サービスと連携しながら受注窓口を拡大し受注件数増加を図ってまいります。今後も積極的に他社との業務提携の可能性を模索し、当社グループの既存事業と他社の事業とのシナジーを創出することで、既存事業の拡大を図ってまいります。
④ デジタルトランスフォーメーション(DX)の強化
デジタル分野の重要性が高まっていることから、社内にデジタル戦略推進をミッションとしたプロジェクトを立ち上げ、広告領域のデジタル化はもちろん、これまで築いてきたブランドや資産を生かした新規事業の立ち上げ、顧客への提供価値の変革をしてまいります。これにより、新たな収益基盤の獲得を実現し、地域密着×デジタルのシナジーを生み、当社の企業価値、存在意義の向上を図ってまいります。
⑤ 費用の削減
営業拠点及び管理部門の事務所統合や外部に委託していた一部配送業務の内製化する等経費見直しを行い、販売費及び一般管理費の更なる削減を図ってまいります。
⑥ 資金調達
当連結会計年度において金融機関との緊密な連携関係のもと、当座貸越枠の利用や新型コロナウイルス感染症関連の融資制度を利用し資金調達を行っております。引き続き金融機関からの資金調達及び増資による資金調達等を継続して検討し、財務基盤の安定化に努めてまいります。
(注)「地域新聞ショッパー」を管轄している4支社の内、2支社(所沢支社及びさいたま支社)は2020年8月28日をもちまして閉鎖しております。また、それに伴い20の発行エリア(版)の内、10エリア(版)も8月28日発行号をもちまして休刊しております。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E05716] S100K9TM)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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