有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100IXID (EDINETへの外部リンク)
三菱製紙株式会社 研究開発活動 (2020年3月期)
研究開発方針について:
当社は「ハイグレード&情報メディアの三菱製紙」を掲げ、印刷・情報用紙のみならずイメージング関連材料、機能性材料など、幅広い分野の商品開発・製造に取り組んでおります。また、地球環境の保全と循環型社会の構築は、豊かな森林資源にその事業基盤を持つ製紙産業にとって何より重要な課題であり、環境への配慮とより豊かな文化生活の両立という視点は、当社における商品開発すべての大切な原点となっております。事業分野と研究開発体制について:
紙・パルプ事業では、印刷用紙、情報用紙が主な製品群となります。イメージング事業は、インクジェット用紙部門と写真用印画紙、写真用原紙、印刷製版材料などの写真感光材料部門から構成され、研究開発は電気・電子関連材料などイメージング技術を応用した分野に取り組んでおります。機能材事業では、高機能性不織布の開発とその不織布技術を用いた各種フィルターや二次電池用セパレータ等の機能性材料の研究を行っております。研究活動は、つくばR&Dセンター(旧機能材研究開発センター)、京都R&Dセンター、生産技術センターの3センター及び商品開発部等で運営しております。
白河の生産技術センターでは、抄紙テストプラントとオフセット印刷機に関わる印刷評価設備を擁し、研究開発成果の商品化支援と既存製品の品質向上に取り組んでおります。
当連結会計年度の研究開発費は1,170百万円で、当連結会計年度末に当社が保有する産業財産権の総数は1,588件であります。
セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりであります。
(1) 紙・パルプ事業
八戸工場では、お客様からの要望にお応えし、新たに「DFカラーマットIJ」を上市いたしました。当該銘柄は、これまで当社が培ってきた産業用インクジェット用紙開発の技術を応用したもので、産業用インクジェット印刷機、オフセット印刷機、いずれに対しても優れた適性を有する共用印刷用紙となっております。特に圧着葉書用途として好適に使用する事ができ、お客様からも高い評価をいただいております。また、八戸工場はこれまで印刷用紙の生産が中心でしたが、新商品開発プロジェクトの下、包装用紙の商品化検討を進めており、既に上市した晒クラフト紙に続き、「barricote J HS-G」の商品化に至りました。この銘柄は、当社が積極的に商品展開を進めている、紙素材の包装用コート紙 「barricote」ブランドの一つであり、優れたヒートシール適性と高いグラビア印刷適性を両立した、二次包装(集合包装)用途に特化したグレードになります。今後更に、プラスチック材料から紙素材への置換が可能な新商品を提供すべく、開発を継続中であります。
当連結会計年度の紙・パルプ事業の研究開発費は354百万円であります。
(2) イメージング事業
イメージング事業では、インクジェット用紙部門、写真感光材料部門の開発で蓄積したイメージング技術を活かして、既存部門だけでなく機能性フィルムなど成長分野での商品開発を進めております。インクジェット用紙部門では、テキスタイル分野において昇華転写用デジタル捺染紙のラインナップを拡充して北米およびアジア市場を中心に開拓を進めており、熱圧転写用のデジタル捺染紙は試験販売に向け開発に取り組んでおります。
写真感光材料部門では、軽印刷業界をターゲットとした製版機器の開発を完了するとともに、シルクスクリーン印刷業界をターゲットとしたTシャツ向け新規転写システムの導入に取り組むなど新分野の開拓を進めております。
京都R&Dセンターでは、電子工業材料の新規用途開発や先端絶縁材料の処理システム開発に注力しており、すでに上市しております感光性レジストやレジスト処理システムとともにエレクトロニクス分野で品揃えを強化して販売拡大に努めております。
当連結会計年度のイメージング事業での研究開発費は467百万円であります。
(3) 機能材事業
機能材事業では、不織布製品の開発にリソースを集中して投入し、エアフィルター、二次電池セパレータ、水処理関連材料、その他各種機能性材料の開発を進めております。エアフィルターについては、成長が見込まれる中国空気清浄機市場を開拓すべく、中国子会社に濾材生産設備及び空気清浄機の中国国家標準に準拠した評価設備を導入し、中国での開発・生産体制を構築しました。
リチウムイオン電池用のセパレータについては、より電池の長寿命化に貢献できるようなセパレータの設計・開発を進めております。
また、耐熱性・耐薬品性に優れたPPS繊維不織布、極薄オレフィン繊維不織布、その他の特殊繊維のシート化を検討し、多くのお客様と共同で商品化を検討しております。
子会社のKJ特殊紙では、セラミック繊維を用いた高耐熱の無機繊維シート「コーセラン」の強度、加工性の向上と量産化を達成し、耐熱材に加え、VOC除去装置、除湿装置用の吸着基材として採用されました。更に不燃材、防炎材等への展開を図っています。また、カーボンナノチューブ分散液は帯電防止材料として採用が決まり、更なる拡販を進めております。
当連結会計年度の機能材事業での研究開発費は348百万円であります。
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ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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