有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100QG1J (EDINETへの外部リンク)
株式会社ズーム 事業の内容 (2022年12月期)
(1) 事業の概要
当社グループは、当社、子会社5社(連結子会社4社、持分法非適用非連結子会社1社)から構成されております。主として各国販売代理店への出荷に関する事務手続きを担うZOOM HK LTD(連結子会社)と、主要国での販売拠点であるZOOM North America, LLC、Mogar Music S.r.l.、株式会社フックアップ(いずれも連結子会社)と、その他1社から構成されております。当社グループは、音楽用電子機器の開発及び販売を主な事業内容としており、「We're For Creators」という基本理念のもと、世界中のクリエーターがよりユニークでオリジナルな作品を創造できるツールを提供することによってブランド力を向上し、株主、従業員や取引先などの当社グループと関係するステークホルダーから評価される企業を目指しております。
当社グループでは、開発は当社(日本)で行っておりますが、現在、生産は全て生産委託先であるEMS企業(注1)に外注しており自社工場は有しておりません。主として中国で生産された当社ブランドの製品は、当社を通じて南ヨーロッパ向けはMogar Music S.r.l.へ、北米向けはZOOM North America, LLCへ、その他地域向けは各国の販売代理店へ出荷されます。なお、製品自体は中国又は香港の倉庫から国内の倉庫又は各国の販売代理店へ直接出荷しております。また、国内倉庫及び各国の販売代理店からは、直接又は卸売を通じて楽器店や家電量販店、ネット通販業者などに出荷され、店頭あるいはインターネットにより最終顧客へ販売されます。
当社グループは音楽用電子機器事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しておりますが、当社グループの主な製品は下記のカテゴリーに区分されます。
製品カテゴリー | 製品例 | |
① ハンディオーディオレコーダー(HAR) 当社グループのハンディオーディオレコーダーは、楽曲配信で使われるMP3(注2)のような圧縮されたデジタル音声では無く、非圧縮音声で録音する高音質リニアPCMレコーダー(注3)です。マルチトラックレコーダーで培った録音技術を応用し、ロックミュージックを演奏するミュージシャン向けに開発しましたが、ミュージシャンのみならず、映像や放送分野等のクリエーターの間においても音声レコーダーとして使用されております。主力製品のH8は、2.4インチのカラータッチスクリーンを備えた操作性の高いフラッグシップモデルとなります。 | H8 | |
② デジタルミキサー/マルチトラックレコーダー(DMX/MTR) デジタルミキサーは、入力された複数の音声信号をデジタル信号に変換して音量や音質を調整し、複数の音声をミックスさせる電子機器です。マルチトラックレコーダーは、複数のトラック(録音データの単位)を自由に選択し、録音/再生を行う事ができる録音機器で、ベースとなる曲を作成し、別トラックに歌、更に別トラックに音階の異なる歌を録音するといった多重録音ができる製品です。2022年9月に、2.4インチのタッチスクリーンを搭載する、新世代のマルチトラックレコーダーR12を発売しています。 | R12 | |
③ マルチエフェクター(MFX) 当社グループのエフェクター(注4)は、デジタル処理を使った、複数のエフェクトを内蔵したマルチエフェクターです。エフェクトは内蔵された種類を任意に組み合わせることが可能で、作成した音色は本体に記録して、フットスイッチを踏むことで、呼び出して使用することができます。 当社は1990年に“ギターのストラップに取り付けることのできる小型マルチエフェクター”をコンセプトとした9002を発売して以来、ベースギター用、アコースティックギター用、それらの価格帯別モデル、更にサックスやハーモニカといったアコースティック楽器全般に幅広く対応するモデルなど、様々な製品を発売しております。2022年12月に、新開発のマルチレイヤ―IR(注5)機能を搭載するマルチエフェクターG2 FOUR/G2X FOURを発売しています。 | G2 FOUR G2X FOUR | |
④ プロフェッショナルフィールドレコーダー(PFR) プロフェッショナルフィールドレコーダーは、屋外での使用を想定した、映像関連産業やサウンドデザイナーなどのクリエーター向けのレコーダーで、圧倒的に広大なダイナミックレンジ(注6)を持つ32bitフロート録音(注7)や映像との高精度な同期を実現するタイムコード(注8)などの機能を備えております。2022年1月に、手のひらサイズのコンパクトかつ堅牢な筐体の32bitフロートフィールドレコーダーF3を発売、2月に最上位機種F8n PROを発売しております。 | F3 |
製品カテゴリー | 製品例 | |
⑤ マイクトラックレコーダー これまでハンディオーディオレコーダーで培ったマイク集音技術とプロフェッショナルフィールドレコーダーで開発した32bitフロート録音技術を結集し、新たな製品カテゴリーとしてマイクトラックシリーズ(Mシリーズ)を2022年12月に発売しております。 入力ゲイン(注9)調整を行う必要がなく、大音量に耐えるマイクと高性能プリアンプ(注10)を備えることで、リハーサル無しの一発録音が行える画期的なマイク型レコーダーシリーズとなります。 なお、当連結会計年度においては、マイクトラックレコーダーの連結売上高に占める割合が低いことから、カテゴリー別の売上高の記載においては、プロフェッショナルフィールドレコーダーに含めて表示しております。 | Mシリーズ | |
⑥ ハンディビデオレコーダー(HVR) 当社グループのハンディビデオレコーダーは、ハイレゾオーディオ(注11)音質での録音に対応した音楽用ビデオレコーダーです。現在販売している製品は4K画質に対応しており、YouTube,LLCが提供する「YouTube」などの動画投稿サイトやSNSに、高画質・高音質の動画をアップロードすることができます。主力製品のQ8n-4Kは、交換式マイクカプセルの最新規格V2に対応し、加えてマイク入力端子を2CH備えており、バンド練習の録画や弾き語りの自撮りはもちろん、PC/Mac用の高音質なWEBカメラとして、ライブ配信やWEB会議にも使用することができます。 | Q8n-4K | |
⑦ マイクロフォン(MIC) Apple Inc.により提供される「iOS」デバイス及びGoogle LLCの提供する「Android OS」デバイスに接続してCD品質のステレオレコーディングを行うことができる録音用マイクロフォンである、「iQシリーズ」及び「Am7」をラインナップしております。同時に高音質録音と編集機能を備えた「HandyRecorderアプリ」、スマートフォンのカメラ画像と弊社マイクで高画質・高音質の動画撮影を行える「Mobile HandyShareアプリ」を提供しております。 また、本格的ステレオレコーディングを可能とするマッチング済みのペンシル型ステレオマイク2本セット「ZPC-1」などのラインナップ拡充を進めております。 | ZPC-1 | |
⑧ ボーカルプロセッサー(VCP) ボーカルやボイスといった人声に対し、音楽的ハーモニーを重ねる、あるいはロボットのような機械音声に変換する、更には性別や年齢で変化する声質の要素をコントロールするボイスチェンジャーまで備えたエフェクター製品群です。 ポッドキャストや動画配信者に便利なデスクトップ型ボーカルプロセッサーV3が代表的な製品となります。 | V3 | |
⑨ オーディオインターフェース(AIF) オーディオインターフェースとは、コンピュータへの音声の出入り口になる製品です。コンピュータ内では、デジタル信号しか受け付けないため、音声をコンピュータに入力する場合は、アナログからデジタルへ、コンピュータの音声を聞く場合は、デジタルからアナログへの変換をオーディオインターフェースが受け持つことになります。当社グループでは従来ラインナップに加えて、音楽制作とライブ配信の両方に活用できる新しいオーディオインターフェースAMSシリーズを2022年6月に発売しました。 | AMSシリーズ | |
⑩ Mogar取扱いブランド 当社グループの南ヨーロッパ地区の販売代理店である連結子会社Mogar Music S.r.l.は、当社以外の製品ブランドを取り扱っております。Mogar Music S.r.l.が販売代理店として輸入・販売している当社以外のブランドについては「Mogar取扱いブランド」として独立のカテゴリーとしております。 | ― | |
⑪ フックアップ取扱いブランド 2021年1月に株式を取得したことにより連結子会社となった株式会社フックアップは、当社以外の製品ブランドを取り扱っております。株式会社フックアップが販売代理店として輸入・販売している当社以外のブランドについては「フックアップ取扱いブランド」として独立のカテゴリーとしております。 | ― |
注番 | 用語 | 意味・内容 |
1 | EMS企業 | EMSはElectronicsManufacturingServiceの略であり、EMS企業とは電子機器の受託生産を行う会社 |
2 | MP3 | 音声ファイルを圧縮するための技術の1つであり、それから作られるファイルのフォーマット |
注番 | 用語 | 意味・内容 |
3 | リニアPCMレコーダー | リニアPCM形式で音声データを圧縮せずに記録するICレコーダー。リニアPCMは、音声などのアナログ信号をデジタルデータに変換する方式の一つであるが、音質が劣化する原因となる圧縮等の処理を行わない方式 |
4 | エフェクター | ギターやベース等の音色に変化を付ける機器で、単体のエフェクトペダルと、複数エフェクトが1つの筐体に内蔵されたマルチエフェクターに分類される |
5 | マルチレイヤ―IR | 入力音量に応じてダイナミックに変化するスピーカーキャビネットの特性の再現を目指しLOUD/MEDIUM/SOFTの異なる音量で取り込まれた3つのインパルス応答を元に、特性を自然に変化させることができる信号処理技術 |
6 | ダイナミックレンジ | 処理可能な音声信号の最小値と最大値の比率をいい、音量の抑揚に関する情報量を表す |
7 | 32bitフロート録音 | 24bitリニアに8bitの指数乗数を加えた記録方式。小さな音のボリューム(ゲイン)で録音されたものを編集で上げても音が劣化しないというメリットがある |
8 | タイムコード | 映画やTVなど映像作品の制作現場で必要とされる時間、時刻情報を符号化した電気信号 |
9 | 入力ゲイン | 電気回路の増幅器によって電気信号を増幅すること、又はその増幅の値 |
10 | プリアンプ | アンプ(増幅器)の一種で、主に音響機器から出力された信号を調節するために用いられるアンプ |
11 | ハイレゾオーディオ | JEITA(電子情報技術産業協会)の定義では、サンプリング周波数(kHz)と量子化ビット数(bit)のいずれかがCDスペックを超えているものをハイレゾオーディオといい、ここでいうCDスペックは16bit/44.1kHz又は48kHz |
(2) 事業系統図
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E33025] S100QG1J)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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