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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100ITRP (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 日本酸素ホールディングス株式会社 研究開発活動 (2020年3月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等

当社グループ(当社及び連結子会社)では、「進取と共創。ガスで未来を拓く。」を企業理念として、産業ガス事業の拡大を進め持続的な成長と企業価値の向上を目指しています。
研究開発において、当社独自のガステクノロジーを基盤とした、ガスアプリケーション、環境、ガス分離精製、エレクトロニクス、医療・ライフサイエンス、ファインマテリアル、先端技術分野に向けた新商品・新技術の開発に取組むことで収益拡大に貢献しています。また、知的財産の有効活用と特許出願についても推進しており、2019年12月末時点において当社保有特許件数は798件となっています。
当連結会計年度に支出した研究開発費の総額は3,389百万円であり、その内訳は「国内ガス事業」に2,691百万円、「米国ガス事業」に658百万円、「サーモス事業」に39百万円となっております。主な研究開発活動の概要は次のとおりです。

〔国内ガス事業〕
国内ガス事業においては、当連結会計年度末現在、つくば研究所、山梨研究所、SIイノベーションセンター及び京浜事業所の4拠点が連携して研究開発を実施しています。
近年の当社の開発体制として、2019年10月に新たにデジタルソリューションセンターを設立し、自社生産工場の操業最適化などAI・IoTを用いてデジタル革新に取り組むとともに、顧客の要求に対応しています。また、オープンイノベーションとして、海外を含めたベンチャー企業との事業提携を通じて最新の技術を取り込み、当社保有技術との相乗効果を発揮して開発商材の上市を加速します。
(ファインマテリアル)
・先端技術分野では、AM(アディティブ・マニュファクチャリング)事業を、グローバル規模で進む第4次産業革命の中心分野とみなして当社の注目する事業の一つとしており、コア技術開発とトータルソリューション提案を軸とした事業戦略を推進しております。先行する欧米マーケットとのシナジーも最大限活用し、現状では売上収益数億円の事業規模から、数年以内に数十億円規模への拡大を目指します。
・新素材分野では、高配向カーボンナノチューブ「CNT-uni」、高機能フッ素樹脂、金属ナノ粒子等を開発しました。中でも、当社独自技術により合成した銅ナノ粒子を用いた光焼成用導電性ペーストやパワー半導体用のシート状接合材は、電子機器や自動車部品への展開が期待されています。
(ガスアプリケーション)
燃焼分野、溶接・切断分野及び低温・食品分野を中心に、産業ガスの使用に関する様々な工業製品を開発しております。
・燃焼分野では、電炉の製鋼プロセス向けに省電力貢献をしている酸素燃焼用バーナ・ランスに酸素予熱機能を組込む事で超音速流を形成し、溶解時間を従来より最大50%短縮する「SCOPE-JetⓇ OxHeat」を開発しました。
・炭素繊維市場向けに、製造プロセスからのNH3やHCNを含む排ガスを効率良く除害処理する「Innova-FLASH」を開発しました。
・溶接分野では、日酸TANAKA株式会社と共同で、「サンアークⓇ DS-TIGアドバンストーチ」を開発しました。特殊な冷却方法とガスシールド方法を採用することで、従来のTIG溶接電源でもキーホール溶接が可能となりました。
(環境関連)
・2020年2月に太陽光発電電力を利用したオンサイト型CO2フリー水素の燃料電池フォークリフト充填システムが完成しました。
・高温超電導電力機器を-200℃以下まで冷却可能なネオンガス冷凍機「NeoKelvinⓇ-Turbo」は、モスクワ市電力公社の超電導限流器向けに納入され、商用運用が開始されています。
(ガス分離精製)
・ガス発生装置分野では、2019年7月にファイバーレーザ加工機向けに鉄やアルミの切断の専用機とした新モデル(LT60F)を上市しました。本装置のアシストガスにより、レーザカット時に発生する金属溶融物を低減させることで切断品質の向上が可能となりました。また、当社のPSA式窒素ガス発生装置「NitrocubeⓇ」の遠隔サポートサービス加入件数も増加し、顧客より好評を得ています。
(エレクトロニクス)
エレクトロニクス分野では、社会のデジタル化により半導体需要は拡大し、プロセス材料の使用量増加や半導体製造装置の大型化が進んでおります。これらの動きに積極的に対応し、電子材料ガスの国内トップシェアを維持しております。
・客先工場のスマートファクトリー化を実現する新たなガス供給システムであるインテリジェント・ガス・サプライングシステム「IGSS」を開発しました。各種監視機能を備え、容器の自動搬送、AIによる消費予測と容器位置情報把握、設備の運転データの記録とこれらをタブレットに集約できるガス監視システムで構成されております。
・半導体製造プロセスで利用される窒素ガスの監視について、熊本大学との共同研究により、金属有機構造体(MOF)を感湿剤とした高応答性、高感度を満足する小型かつ安価な微量水分計を開発しました。
・当社グループ会社のRASIRC社で製造・販売している高濃度H2O2ガス供給装置(PeroxidizerⓇ)について、既存酸化剤の使用よりも良質なAl2O3薄膜及びTiO2薄膜を高速成長できることを実証いたしました。
・「THVPE法による高品質バルクGaN成長用装置」を科学技術振興機構(JST)のNexTEPプログラムに基づいて東京農工大学と共同で開発しました。従来法と比べ高温(1,200~1,400℃程度)で結晶成長させることで3倍以上の成長速度で高品質かつ厚みのある結晶成長を実現し、安価で高品質なバルクGaN結晶の大量生産に近づきました。

(医療・ライフサイエンス)
医療・ライフサイエンス分野では、2015年に国内3基目の「酸素-18 安定同位体標識水(以下、Water-18O)」製造プラントを増設し2016年より「Water-18O」の製造を開始しています。この製造プラントには酸素安定同位体17Oを酸素蒸留法により分離する技術を適用しており、分離した17Oを用いた「酸素-17 安定同位体標識水(以下、Water-17O)」の製造に国内で初めて成功しました。この「Water-17O」は、革新的な17O-MRI脳疾患診断の造影剤として注目されています。また、当社では細胞自動凍結保存装置「クライオライブラリーⓇ」を始め、各種細胞保存関連商材を産学官に納入しています。
・2019年2月よりGMPに準拠した厳格な品質管理の下、高品質な「Water-17O」を安定供給しています。

〔米国ガス事業〕
米国ガス事業においては、コロラド州ロングモント研究所を拠点にエレクトロニクス分野における高純度材料ガスの製造、精製、分析技術の開発を行っております。グローバル市場において、めまぐるしく変化する顧客のニーズをいち早く捉えるため、グループ会社間でマーケティング活動の共有化や製造及び物流を含めたサプライチェーンの最適化に取り組み、高品質、高付加価値製品の開発に活かしております。当連結会計年度は、半導体製造プロセス用ガス分析技術の対象範囲拡大と併せて、アジア量産工場におけるガス製造プロセス改善及び高品質化に貢献してまいりました。
ガスアプリケーション分野においては、ニュージャージー州を拠点として、食品産業分野の顧客を中心にガス利用提案を行っております。当連結会計年度は、これまで開発した液体窒素を大量に使用する食品冷凍装置に加え、食品包装ガス混合装置の受注に注力し、新規顧客を獲得しました。また、山梨研究所で開発されたガス精製装置を米国で受注するなど、当社技術を活用した米国市場の開拓が着実に進んでおります。
外部リソースとの積極的な協業を推進するオープンイノベーション施策においては、米国ベンチャー企業のSulfaTrap LLC社と連携し、顧客へ超微量硫黄分を除去可能な精製剤を販売するとともに、AM関連の米国装置メーカーと連携しガス供給装置を販売するなど、ガス事業とのシナジー創造を推進しております。

〔サーモス事業〕
サーモス株式会社は、「人と社会に快適で環境にもやさしいライフスタイルを提案します」という企業理念に従い、断熱技術を利用することで省エネルギーに貢献するとともに、快適なライフスタイルを実現すべく、積極的な商品開発を推進しております。
当連結会計年度は、年々伸び続けているタンブラー市場において、広口で口当たりが良く飲みやすいように口元を丸くし、持ち運びできるようにシンプルでお手入れしやすいフタを設けた真空断熱ケータイタンブラーの新商品を開発しました。さらに、色付きの陶器風デザインをあしらった真空断熱タンブラーを開発しました。セラミックコーティングを施すことで陶器製タンブラーをイメージさせるとともに、食器洗浄機対応機能も備えてお手入れ性の向上も図りました。また、ステンレス製の持ち易いグリップをレーザー溶接により金属本体に取り付けた大容量の真空断熱ジョッキも開発し、タンブラー商品の拡充をおこないました。
スポーツカテゴリーでは、山での厳しい条件に対応した山専用ボトルに750mlの容量の商品を追加するとともに、カラー、グラフィックの変更をおこなった真空断熱ボトルを開発しました。さらに、昨年開発した自転車のボトルケージに収まる専用設計の真空断熱ストローボトルに追加する形で、保温、保冷の両方が可能な真空断熱ケータイマグを開発しました。
ホットランチカテゴリーでは、フタの開けやすさにこだわり、内部が減圧ないし加圧状態でもフタが開けやすいクリックオープン構造のフタを搭載した真空断熱スープジャーの新商品を開発しました。
キッチンウェアカテゴリーでは2018年の年末に発売を開始したフライパンで新たにプラズマ超硬質コーティングを施し、圧倒的な耐久力を有したフライパンと炒め鍋を開発しました。また、軽量タイプで使いやすいガス火専用のフライパン、炒め鍋、玉子焼きフライパンの新商品開発もおこないました。
これらを初めとして、当連結会計年度に投入した新商品は91機種となりました。このように積極的な新商品投入を続けることにより、サーモスブランドは「環境に配慮するとともに新しいライフスタイルやそれを可能にする商品を提案するブランド」として、市場やエンドユーザーから高い評価を受けております。

(注) 上記の金額に、消費税等は含まれておりません。

事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00783] S100ITRP)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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