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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100ISZU (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 旭化成株式会社 事業等のリスク (2020年3月期)


従業員の状況メニュー研究開発活動


当社グループは、その広範にわたる事業により安定的な事業運営を実現していますが、個々の事業では事業の性格により異なる市場リスク・投資リスクをはじめ様々なリスクを内在しています。これらのリスクは予測不可能な不確実性を含んでおり、当社グループの財政状態や業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。これらのリスクの回避及び発生した場合の対応に必要なリスク管理体制及び管理手法を整備し、リスクの監視及び管理等の対策を講じますが、これらのすべてのリスクを完全に回避するものではありません。
将来の事項に関する記述につきましては、有価証券報告書提出日現在において入手可能な情報に基づき当社グループが合理的であると判断したものです。なお、新型コロナウイルス感染拡大によるリスクは、現時点における推測を含んでいます。

(1) 当社グループ全体に係るリスク
① 新型コロナウイルス感染拡大によるリスク
新型コロナウイルス感染拡大が経済活動に及ぼす影響の程度、期間の見通しが不透明である中、特に当社グループの事業活動に影響を及ぼすリスクを以下のとおりと認識し、その対策を講じていきます。

・ サプライチェーン:
新型コロナウイルス感染者増加の抑制や各地域政府の操業規制等による方針により、当社グループの製造・営業・物流・工事・建設等の拠点において、事業活動が制約を受ける可能性があります。加えて、当社グループの顧客や原材料等のサプライヤー、工事等の外注業者の事業活動も同様の理由にて制約を受けることにより、サプライチェーンに影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、主要製品・事業のサプライチェーンの多様化や支援等安定操業の継続に注力し、供給責任を果たしていきます。

・ 当社グループ製品の需要:
新型コロナウイルスの影響により、人の移動制限や事業活動の制限による企業の投資抑制・経費削減の方針や個人の消費マインドの冷え込みが見られています。これらに端を発する世界的な経済減速により、当社グループの製品の需要が減少し、業績が悪化する可能性があります。経費の削減や先送り、働き方改革による生産性向上等で業績を下支えしていくことに加え、設備投資や投融資については市場環境の透明度が改善するまでは慎重に判断します。また、需要の減少局面においては当社グループの製品在庫が膨らみ、資金需要に影響を与える可能性があるため、在庫水準を注視し、必要に応じて在庫量の調整をしていきます。一方、新型コロナウイルスの収束後には経済活動が活発化し、需要が急激に増加する可能性もあります。注意深く需要動向をモニタリングし、急激に立ち上がる需要に対して供給対応できるよう努めていきます。

・ 市況:
新型コロナウイルスの影響による世界的な経済減速で需給バランスの見通しが不透明となることにより、原油やナフサ等の市況価格が大きく変動する可能性があります。また、外国通貨レートの変動も見通しにくい環境となっています。今後の動向を注視するとともに、下記「②市況によるリスク」に記載するリスク低減策を強化します。

② 市況によるリスク
・ 原油・ナフサ価格変動リスク:
当社グループは原油やナフサを原料とした石油化学製品の製造・販売事業を展開しています。また、各原料市況並びに需給バランスから固有の市況を形成しており、その変動は当該事業や誘導品からなる当社グループの各事業に影響を及ぼします。特に、事業規模が大きいアクリロニトリル事業は市況価格の変動の影響が大きいため、販売価格フォーミュラの見直し等収益の安定化に努めています。

・ 為替変動リスク:
当社グループは輸出入及び外国間等の貿易取引において外貨建ての決済を行うことに伴い、円に対する外国通貨レートの変動による影響を受けます。そのため、取引では先物為替予約等によるヘッジ策やCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)の活用による安定的かつ効率的な資金活用を目指しています。当社グループは収益の多くが外貨建てであることに加え、当社の報告通貨が円であることから、外国通貨に対して円高が進むと当社グループの業績にマイナスのインパクトを与えます。当社の試算では米ドル・円レートが1円変動すると営業利益に年間14億円の変動をもたらします。

③ M&Aに関するリスク
当社グループは高い付加価値型事業の集合体を目指し、事業投資、新規事業の創出や事業ポートフォリオ変革の手段として、国内外におけるM&Aを通じた事業展開を行っていますが、初期に期待した投資効果が発現しなかった場合や合弁会社の経営が悪化した場合、被買収企業との事業統合が遅延した場合など、のれんの減損等により業績に影響が及ぶ可能性があります。当社グループは、ZOLL Medical Corporation(2012年度) 、Polypore International Inc.(2015年度)、Sage Automotive Interiors, Inc.(2018年度)、Veloxis Pharmaceuticals, A/S(2019年度)など、大型買収を行ったことからのれん残高は増加しており、2020年3月末には4,695億円を計上しています。当社グループでは、買収検討の対象企業のデューデリジェンス(詳細調査)を慎重に行い、買収後の事業統合の計画を入念に検証することで、リスクの低減に努めており、過去の大型買収に関する減損損失の計上はありません。しかし、過去の大型買収が海外での新規市場や成長市場に関する案件であり、想定外の事業環境変化への対応を誤ると、投資額の回収が困難となるリスクを抱えています。

④ 事業競争力に関するリスク
当社グループは、「マテリアル」、「住宅」、「ヘルスケア」の3つの領域において、価値提供注力分野を中心に付加価値の高い製品・サービスを提供していますが、類似の製品や技術による他社のキャッチアップ、新たな競合企業の参入等によって競争環境が激化することや急速な技術革新による産業構造の変化、急激な需要構造・市場構造の変化などにより、当社グループの各事業の事業競争力を損なう可能性があります。当社グループでは、競合製品の競争力や産業構造の変化をタイムリーかつ的確に見通すことに努めるとともに、製品やサービスの絶え間ない差別化や模倣困難なビジネスモデルの構築、知的財産等による高い参入障壁を設けることにより、これらのリスクの低減に努めています。

⑤ 通商・経済制裁に関するリスク
・ 通商に関するリスク:
当社グループは、製品の輸出や海外における現地生産等、幅広く海外で事業展開をすることで、国際的な貿易協定のメリットを享受しています。このような中、海外の会社との取引や出資その他事業活動において、その国の地政学的問題・税務・法規制・労働環境・商習慣に起因する予測不可能な事態の発生等の影響を受けています。これらの動向には常に十分な注意を払っていますが、税制・輸出規制・通貨規制等の各国政府や国際的な枠組みによる各種規制等の新規導入や変更などにより、代金回収や事業遂行の遅延・不能・業績悪化等が発生するリスクを負っています。
また、グループ会社間の国際的な取引価格につきましては、当社グループ税務方針に基づき、日本国政府及び相手国政府の移転価格税制を遵守しておりますが、税務当局から取引価格が不適切であるとの指摘を受ける可能性や、協議が不調となった場合に二重課税や追徴課税を受ける可能性があります。そのため、重要性の高いグループ会社間取引については、事前確認制度の活用、あるいは、外部専門家の意見も参考にしながら、各国の移転価格税制を踏まえた独立企業間価格を設定しています。

・ 経済制裁に関するリスク:
OFAC規制(米国財務省の外国資産管理室が実施する経済制裁措置)に代表される各種経済制裁が近年、厳しく運用されています。このような経済制裁に抵触する取引を実施した場合の罰金等のペナルティは、当社グループの業績にとって大きな影響となる可能性があります。当社グループでは、新たな取引関連者・関連国を含む取引を行おうとする場合の経済制裁抵触の可能性の有無の事前スクリーニングや、既存の取引に関しても定期的に取引関連者・関連国につき経済制裁抵触の可能性の有無の定期モニタリングを実施し、規制に基づいた適切な対応に努めていきます。


⑥ 気候変動リスク
当社グループは、気候変動に伴う重要な変化を重要なリスクとして認識し、2019年5月にはTCFD(Taskforce on Climate-related Financial Disclosures)へ賛同しています。特に「マテリアル」、「住宅」セグメントを中心に世界的な気温上昇により生じる重要な変化をリスクと機会として把握し、その影響度に応じた対策を講じていきます。
「マテリアル」セグメントにおいては、気温上昇により、各地域で脱炭素化を目的とした炭素税の賦課が進み、原材料や用役コストの上昇が業績に影響を与える可能性があります。二酸化炭素の発生を伴わない再生エネルギーの活用や温室効果ガスの発生低減に寄与する製造プロセスの革新等により、これらの影響を抑制するよう努めていきます。また、「住宅」セグメントにおいては、旭化成ホームズ㈱が事業活動で使用する電気を全て再生可能エネルギーとすることを目指すイニシアティブ「RE100」に登録するなど、その影響の軽減を目指していきます。

⑦ その他のリスク
上記のリスクの他、大規模自然災害、産業事故、製品の欠陥に起因する事故、知的財産権、新たな法令に起因する事業上のリスクが想定されますが、担当専門部署にて、予防策を講じることでリスクのミニマイズに努めています。また、リスクが顕在した場合の復旧費用等に充当する目的で損害保険付保によるリスクファイナンス(資金確保)を行っています。さらには、重要なリスク案件について定期的にリスク・コンプライアンス委員会で議題として確認し、経営の品質向上に努めています。

(2) 各セグメントに係るリスク
① 「マテリアル」セグメント
「Environment & Energy」分野においては、リチウムイオン電池用セパレータの世界的な需要及び競合他社の販売政策により販売量・販売価格が当社予測を下回る可能性があります。そのため、当社では多様化する顧客ニーズに対応すべく高出力・高容量と高信頼性を兼ね備えたハイグレード品に注力し、販売価格の安定化を図るとともに、中長期で需要が増えると予測する自動車用電池や蓄電システム(ESS)用途を中心に生産能力増強を推進し、安定的かつ高い品質を強みに顧客ニーズに対応します。また、同事業は各国の規制・環境問題を中心とした社会課題の位置付けにより、テクノロジーの変化が急速に進むことが予想され、この変化の動向の把握と迅速な対応を続けられるかが中期的なリスク要因と考えています。
「Mobility」分野の事業は、世界の自動車業界の動向に大きく影響を受けやすくなっています。自動車部材用のエンジニアリング樹脂や低燃費タイヤ向けの合成ゴム、自動車内装材等については、足元では新型コロナウイルスによる自動車関連部材の顧客生産ラインの停止や生産調整に起因する需要減が発生しており、その影響を注視しています。一方、自動車の「CASE」と呼ばれる技術革新をはじめとした業界の変化は今後も進展していくものと考え、素材のラインナップ拡充や展開エリアの拡張を図り、持続的に成長できるビジネスモデルの構築を推進していきます。

② 「住宅」セグメント
「Home & Living」分野の事業は、主に国内を中心とした事業活動を行っているため、日本国内の個人消費動向・金利・地価・住宅関連政策ないし税制の動向に大きく影響を受けます。足元では新型コロナウイルス感染拡大による個人消費の冷え込みや顧客とのコミュニケーションの在り方が大きく変わるなどの影響を受けています。一方で、在宅勤務が増えることで新たなニーズが生まれる機会でもあると考えています。当社グループは、世帯所得が高く、地価や家賃相場等が安定している都市部をメインターゲットとした事業展開を図ることで、これらのマイナス面の影響を軽減できると考え、新築請負住宅及び集合住宅のシェア拡大に注力しつつ、ストックビジネスを一層強化していきます。また、ITを活用したデジタルマーケティング等による集客、受注活動の推進等により新たな顧客とのコミュニケーションのあり方を追求していきます。
また、事業の特性上、大量の個人情報を扱っているため、個人情報の漏洩等があれば、当社グループの信用を毀損するリスクがあります。そのため、個人情報保護には特に配慮して対策を講じています。



③ 「ヘルスケア」セグメント
医薬品や医療機器等の「Health Care」分野の事業においては、一般的に、その販売数量や販売単価などが定期的な薬価・保険償還価格の改定の影響を受けやすくなっています。特に新薬の研究開発期間は長期に亘ることに加え、新薬が承認取得に至る確率が高くないことなどから、製品化の確度や時期について正確な予測が困難な状況にあり、計画通りに製品化できなかった場合は業績に影響を与える可能性があります。医薬品や医療機器が製品化した場合でも、他社競合品の開発・上市の動向、有害事象の報告、後発品の上市など業績に影響を与える可能性があります。そのため、当社では医薬事業と医療機器事業の両方を持つことで、多様な成長力・競争力を獲得し、イノベーション獲得機会の増加を図るとともに、医療規制等将来の不確実性への対応力を高めていきます。またパイプラインの拡充、製品導出・導入、共同開発、グローバル展開の加速等に努めることで持続的な安定成長を図ります。
足元では、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、人工呼吸器や除細動器、血液浄化や血漿分画製剤用等のウイルス除去フィルター等の医療機器や医薬品の需要が高まっておりますが、今後の感染状況の動向によっては、その需要が急激に変動する可能性があります。また、外出規制により患者様の通院やプロモーションが制約を受けると国内医薬品(骨粗鬆症医薬品等)やクリティカルケア製品の需要が減少する可能性があり、今後も状況を注視していきます。

従業員の状況研究開発活動


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00877] S100ISZU)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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