有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100I99P (EDINETへの外部リンク)
株式会社デ・ウエスタン・セラピテクス研究所 研究開発活動 (2019年12月期)
当社グループの研究開発活動はプロテインキナーゼ阻害剤を中心とした新薬候補化合物の研究開発を行っております。基礎研究から初期の臨床開発までに経営資源を集中させるほか、それを支える研究開発体制の整備に努めております。
当連結会計年度における研究開発費は249百万円となっており、以下に記載の通り研究開発活動を実施いたしました。
(1)研究開発の特徴について
① プロテインキナーゼ阻害剤を中心とした新薬候補化合物の創製
当社グループは主にプロテインキナーゼを中心とした阻害剤の研究開発を進めております。
プロテインキナーゼは、細胞の分化、増殖等の細胞内情報伝達機能を担っている重要な酵素であるとされており、そのプロテインキナーゼに対し、有望な新薬候補品である阻害剤を投与することによって治療効果を高めるのが当社グループの開発の特徴であります。
当社は、有望な新薬候補品を創製するために、独自に開発した化合物ライブラリーを保有しており、これらの開発過程で蓄積したデータやノウハウを活用して、新薬候補化合物を合成しておりますが、これらの技術力が高いことから有効な新薬候補化合物が見つかる可能性が高いと考えております。
② 当社独自の標的タンパク質同定方法であるドラッグ・ウエスタン法の活用
当社は、ドラッグ・ウエスタン法という独自に開発した方法を使って、新薬候補化合物の標的タンパク質を同定しております。生物学の分野では、標的タンパク質を同定するために様々な方法が利用されてきましたが、当社は、それらを踏まえて医薬品開発への応用を図り、ドラッグ・ウエスタン法を完成させました。
この方法の活用により、他の手法を活用した際に困難である新薬候補化合物の標的タンパク質の特定が容易になるほか、1回のスクリーニングで多数の標的タンパク質を同定することが可能です。既存の方法に対して、生物材料や化合物の消費量が少ないこと、スクリーニングの操作が単純であり短時間で完了すること等の長所を持ちます。
既にこのドラッグ・ウエスタン法を用いて、当社グループのパイプラインの「K-134」についても標的タンパク質が同定されました。
③ 細胞内情報伝達研究に由来する分子薬理学に関する経験及びノウハウの活用
当社取締役会長兼最高科学責任者 日高弘義は、長年にわたって細胞内情報伝達の研究活動及び創薬活動に従事してきており、その研究・創薬活動の中で、これまでに製薬会社と共同で二つの上市薬の誕生に貢献しております。当社グループは、日高弘義のこうした活動において獲得した経験とノウハウを基盤に、研究開発活動を行い、2014年12月には当社設立以来初の上市薬が誕生しております。
当社グループの新薬の開発は、この分子薬理学に関する経験及びノウハウを駆使し、新薬候補化合物を設計し、合成することによって開始されております。ここで合成された新薬候補化合物の薬理学的傾向は、過去の分子薬理学に関する経験及びノウハウからある程度予測することが可能であるため、その予測を基に効率的な研究開発が可能になると考えております。
(2)当社グループ研究開発体制について
当社グループは、効率的な研究開発を可能とするための当社グループ体制と社外提携関係による研究開発協力体制を構築しております。
① 当社グループ研究開発体制
当社グループの研究開発体制は、当社開発研究所(生物科学、合成化学及び開発企画管理の各グループによって構成)において新薬候補化合物探索活動等を行うほか、臨床開発部がJITと協力して製薬会社等との情報交換及びライセンスアウトに関する業務、事業開発及び臨床開発に関する業務を行っております。
② 社外提携関係
当社グループは、国立大学法人三重大学との産学官連携講座による共同研究等の提携関係を構築し、それによって固定費の増加を回避しつつ、技術の取り込みを図っております。また、基礎研究における原薬の製造や毒性試験等の実施だけでなく、自社開発の推進においても、業務受託企業を積極的に活用しております。
(3)研究開発活動について
自社開発品につきましては、「H-1337」の緑内障・高眼圧症を適応症とした米国第Ⅰ相/前期第Ⅱ相臨床試験が2018年9月に良好な結果で終了したため、ライセンスアウト活動を進めました。「H-1337」については、適応拡大の取り組みとして、国立大学法人千葉大学と「H-1337」の肺高血圧症に関する共同研究も進めております。これに続く新薬候補化合物の創製のために、シグナル伝達阻害剤開発プロジェクトの基礎研究を進めており、眼科関連疾患を中心に研究開発活動を行いました。また、Glaukos Corporationとの間で、緑内障領域を対象に新規眼内投与製品の創出を目的とした共同研究を推進しており、さらに、10月には、ユビエンス株式会社と標的タンパク質分解誘導薬の開発に関する共同研究契約を締結し、研究活動を推進いたしました。
ライセンスアウト済パイプラインにつきましては、ライセンスアウト先の興和により、「グラナテック」が緑内障・高眼圧症を適応症として、2014年12月より国内上市されております。2月には韓国において承認取得されました。その後も、アジア4ヶ国(シンガポール、マレーシア、ベトナム、タイ)へ順次承認申請を行い、海外展開が進められております。「グラナテック」は適応拡大の取り組みも進められており、8月に同剤の有効成分であるリパスジル塩酸塩水和物について、角膜内皮障害(フックス角膜内皮変性症)を適応症とした米国第Ⅱ相臨床試験が開始されました(開発コード:K-321)。2020年2月には、緑内障・高眼圧症を適応症とした配合点眼剤(リパスジル塩酸塩水和物とブリモニジン酒石酸塩)の国内第Ⅲ相臨床試験が開始されております(開発コード:K-232)。また、ライセンスアウト先のわかもと製薬により、1月に「H-1129(WP-1303)」の緑内障・高眼圧症を適応症とした国内第Ⅲ相臨床試験が開始されましたが、長期投与時の安全性が懸念されたことから、9月に開発中止が決定されました。これにより、当社も「H-1129」の海外におけるライセンスアウト活動を終了いたしました。さらに、「DW-1002」の米国及びカナダについては、DORCによって承認申請が行われ、米国については12月に承認取得されました。同剤の日本(白内障手術)については、2月にわかもと製薬にライセンスアウトしており、日本(内境界膜染色)と併せて、承認申請準備が進められております。また、眼科用治療剤「DW-1001」については、12月にロート製薬にライセンスアウトいたしました。今後は、ロート製薬において開発が進められる予定です。
当社グループは、既にライセンスアウトされている開発品に対し、ライセンスアウト先の製薬会社との協力体制の下、順調な臨床試験の推進を支援し、当該開発品の早期上市を図るべく取り組んでおりますが、研究開発費(「DW-1002(日本)」の一部を除く)はライセンスアウト先の資金により賄われており、当社において研究開発費負担は発生しておりません。
当連結会計年度における研究開発費は249百万円となっており、以下に記載の通り研究開発活動を実施いたしました。
(1)研究開発の特徴について
① プロテインキナーゼ阻害剤を中心とした新薬候補化合物の創製
当社グループは主にプロテインキナーゼを中心とした阻害剤の研究開発を進めております。
プロテインキナーゼは、細胞の分化、増殖等の細胞内情報伝達機能を担っている重要な酵素であるとされており、そのプロテインキナーゼに対し、有望な新薬候補品である阻害剤を投与することによって治療効果を高めるのが当社グループの開発の特徴であります。
当社は、有望な新薬候補品を創製するために、独自に開発した化合物ライブラリーを保有しており、これらの開発過程で蓄積したデータやノウハウを活用して、新薬候補化合物を合成しておりますが、これらの技術力が高いことから有効な新薬候補化合物が見つかる可能性が高いと考えております。
② 当社独自の標的タンパク質同定方法であるドラッグ・ウエスタン法の活用
当社は、ドラッグ・ウエスタン法という独自に開発した方法を使って、新薬候補化合物の標的タンパク質を同定しております。生物学の分野では、標的タンパク質を同定するために様々な方法が利用されてきましたが、当社は、それらを踏まえて医薬品開発への応用を図り、ドラッグ・ウエスタン法を完成させました。
この方法の活用により、他の手法を活用した際に困難である新薬候補化合物の標的タンパク質の特定が容易になるほか、1回のスクリーニングで多数の標的タンパク質を同定することが可能です。既存の方法に対して、生物材料や化合物の消費量が少ないこと、スクリーニングの操作が単純であり短時間で完了すること等の長所を持ちます。
既にこのドラッグ・ウエスタン法を用いて、当社グループのパイプラインの「K-134」についても標的タンパク質が同定されました。
③ 細胞内情報伝達研究に由来する分子薬理学に関する経験及びノウハウの活用
当社取締役会長兼最高科学責任者 日高弘義は、長年にわたって細胞内情報伝達の研究活動及び創薬活動に従事してきており、その研究・創薬活動の中で、これまでに製薬会社と共同で二つの上市薬の誕生に貢献しております。当社グループは、日高弘義のこうした活動において獲得した経験とノウハウを基盤に、研究開発活動を行い、2014年12月には当社設立以来初の上市薬が誕生しております。
当社グループの新薬の開発は、この分子薬理学に関する経験及びノウハウを駆使し、新薬候補化合物を設計し、合成することによって開始されております。ここで合成された新薬候補化合物の薬理学的傾向は、過去の分子薬理学に関する経験及びノウハウからある程度予測することが可能であるため、その予測を基に効率的な研究開発が可能になると考えております。
(2)当社グループ研究開発体制について
当社グループは、効率的な研究開発を可能とするための当社グループ体制と社外提携関係による研究開発協力体制を構築しております。
① 当社グループ研究開発体制
当社グループの研究開発体制は、当社開発研究所(生物科学、合成化学及び開発企画管理の各グループによって構成)において新薬候補化合物探索活動等を行うほか、臨床開発部がJITと協力して製薬会社等との情報交換及びライセンスアウトに関する業務、事業開発及び臨床開発に関する業務を行っております。
② 社外提携関係
当社グループは、国立大学法人三重大学との産学官連携講座による共同研究等の提携関係を構築し、それによって固定費の増加を回避しつつ、技術の取り込みを図っております。また、基礎研究における原薬の製造や毒性試験等の実施だけでなく、自社開発の推進においても、業務受託企業を積極的に活用しております。
(3)研究開発活動について
自社開発品につきましては、「H-1337」の緑内障・高眼圧症を適応症とした米国第Ⅰ相/前期第Ⅱ相臨床試験が2018年9月に良好な結果で終了したため、ライセンスアウト活動を進めました。「H-1337」については、適応拡大の取り組みとして、国立大学法人千葉大学と「H-1337」の肺高血圧症に関する共同研究も進めております。これに続く新薬候補化合物の創製のために、シグナル伝達阻害剤開発プロジェクトの基礎研究を進めており、眼科関連疾患を中心に研究開発活動を行いました。また、Glaukos Corporationとの間で、緑内障領域を対象に新規眼内投与製品の創出を目的とした共同研究を推進しており、さらに、10月には、ユビエンス株式会社と標的タンパク質分解誘導薬の開発に関する共同研究契約を締結し、研究活動を推進いたしました。
ライセンスアウト済パイプラインにつきましては、ライセンスアウト先の興和により、「グラナテック」が緑内障・高眼圧症を適応症として、2014年12月より国内上市されております。2月には韓国において承認取得されました。その後も、アジア4ヶ国(シンガポール、マレーシア、ベトナム、タイ)へ順次承認申請を行い、海外展開が進められております。「グラナテック」は適応拡大の取り組みも進められており、8月に同剤の有効成分であるリパスジル塩酸塩水和物について、角膜内皮障害(フックス角膜内皮変性症)を適応症とした米国第Ⅱ相臨床試験が開始されました(開発コード:K-321)。2020年2月には、緑内障・高眼圧症を適応症とした配合点眼剤(リパスジル塩酸塩水和物とブリモニジン酒石酸塩)の国内第Ⅲ相臨床試験が開始されております(開発コード:K-232)。また、ライセンスアウト先のわかもと製薬により、1月に「H-1129(WP-1303)」の緑内障・高眼圧症を適応症とした国内第Ⅲ相臨床試験が開始されましたが、長期投与時の安全性が懸念されたことから、9月に開発中止が決定されました。これにより、当社も「H-1129」の海外におけるライセンスアウト活動を終了いたしました。さらに、「DW-1002」の米国及びカナダについては、DORCによって承認申請が行われ、米国については12月に承認取得されました。同剤の日本(白内障手術)については、2月にわかもと製薬にライセンスアウトしており、日本(内境界膜染色)と併せて、承認申請準備が進められております。また、眼科用治療剤「DW-1001」については、12月にロート製薬にライセンスアウトいたしました。今後は、ロート製薬において開発が進められる予定です。
当社グループは、既にライセンスアウトされている開発品に対し、ライセンスアウト先の製薬会社との協力体制の下、順調な臨床試験の推進を支援し、当該開発品の早期上市を図るべく取り組んでおりますが、研究開発費(「DW-1002(日本)」の一部を除く)はライセンスアウト先の資金により賄われており、当社において研究開発費負担は発生しておりません。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E22024] S100I99P)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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