有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100IU2H (EDINETへの外部リンク)
住友ファーマ株式会社 研究開発活動 (2020年3月期)
当社グループは、精神神経領域、がん領域および再生・細胞医薬分野を研究重点領域として、自社研究に加え、技術導入、ベンチャー企業やアカデミアとの共同研究など、あらゆる方法で最先端の技術を取り入れて、研究開発活動に取り組んでおり、優れた医薬品の継続的な創製を目指しています。また、感染症領域にも取り組み、グローバルヘルスへの貢献を目指しています。さらに、医薬品以外のヘルスケア領域において、社会課題の解決のための新たなソリューションを提供することを目的として、フロンティア事業の立ち上げを目指しています。
当連結会計年度における主な開発の進捗状況は、次のとおりです。
(1)精神神経領域
① 「ロナセンテープ」(一般名:ブロナンセリン)
日本において、統合失調症を適応症とした承認を2019年6月に取得しました。
② 「ラツーダ」(一般名:ルラシドン塩酸塩)
日本において、統合失調症および双極性障害におけるうつ症状の改善を適応症とした承認を2020年3月に取得しました。
③ dasotraline(開発コード:SEP-225289)
米国において、2019年5月に成人の過食性障害(BED)を対象とした承認申請を行い、2019年7月に受理されました。
(注)米国食品医薬品局(FDA)の承認審査においてリスクベネフィットに対する考え方に隔たりがあり合意
に至らなかったため、2020年4月にBEDおよび開発方針検討中であった注意欠如・多動症(ADHD)を対
象とする承認申請を取り下げました。
④ アポモルヒネ塩酸塩水和物(開発コード:APL-130277)
米国において、2019年11月に成人のパーキンソン病に伴うオフ症状の改善を対象とした再申請を行い、2019年12月に受理されました。
⑤ SEP-363856
米国において、統合失調症を対象としてFDAよりブレイクスルーセラピー指定(Breakthrough Therapy Designation)を2019年5月に受領し、フェーズ3試験を開始しました。
(2)がん領域
① ナパブカシン(開発コード:BBI608)
米国、日本等において、結腸直腸がんおよび膵がんを対象とした併用での国際共同フェーズ3試験を実施していましたが、膵がんを対象とした試験は、2019年7月、独立データモニタリング委員会(DSMB)から中間解析の結果が無益性基準に該当したことによる試験中止の勧告を受け、中止しました。一方、結腸直腸がんを対象とした試験は、2019年6月、DSMBから中間解析の結果が事前に設定した基準を満たしたとの判断による試験継続の推奨を受け、継続しています。
② 造血幹細胞移植前治療薬「リサイオ」(一般名:チオテパ)
日本において、悪性リンパ腫における自家造血幹細胞移植の前治療を対象とした追加承認を2020年3月に取
得しました。
(3)再生・細胞医薬分野
① RVT-802
米国において、2019年4月に小児先天性無胸腺症を対象とした承認申請を行っていましたが、2019年12月にFDAから現時点では承認できないとする審査結果通知(Complete Response Letter)を受領しました。現在、再申請に向けて対応中です。
② SB623
米国において、慢性期脳梗塞を対象としたフェーズ2b試験の詳細解析結果を踏まえ、サンバイオ・インクとの北米における共同開発を2019年12月に中止しました。
③ 腎臓の再生医療
当社は、2019年4月に慈恵大学・東京慈恵会医科大学、明治大学、バイオス株式会社および株式会社ポル・メド・テックとともに、iPS細胞を用いた「胎生臓器ニッチ法」による腎臓再生医療の2020年台での実現を目標として、共同研究・開発などの取組を開始しました。
(4)感染症領域
アカデミアなどとの共同研究により、薬剤耐性菌感染症治療薬ならびに当社ワクチンアジュバントを基盤としたマラリアワクチンおよびユニバーサルインフルエンザワクチン(ほとんどの型のインフルエンザウイルスに対し幅広い効力を持つインフルエンザワクチン)の創薬研究を展開しています。
(5)その他の領域
① ビベグロン
米国において、2019年12月に過活動膀胱を対象とした承認申請を行い、2020年3月に受理されました。
② レルゴリクス
欧州において、2020年3月に子宮筋腫を対象とした承認申請を行いました。
③ イメグリミン塩酸塩(開発コード:PXL008)
日本において2型糖尿病を対象とした3本のフェーズ3試験に関して、主要評価項目を達成するととも
に、良好な忍容性を示す結果を得ました。
(6)フロンティア事業
2019年7月にドローブリッジ・ヘルス・インクへの出資契約を締結しました。同社は、痛みの少ない血液採取、採取した血液の安定化および簡易輸送を単一のデバイスで実現することを目指しており、同社の採血デバイスは、簡便に採血することを可能にするよう設計されています。同社の採血デバイス技術を活用した事業の国内展開を検討しています。
このような研究開発活動の結果、当連結会計年度の研究開発費の総額は1,151億円(前連結会計年度比12.5%増)となりました。なお、当該金額は当連結会計年度に計上した減損損失225億円を含んでいることから、これを除いたコアベースの研究開発費は926億円(前連結会計年度比11.7%増)となりました。また、当社グループは、研究開発費をグローバルに管理しているため、セグメントに配分していません。
当社グループにおける開発状況は以下のとおりであります。
1.精神神経領域 | (2020年5月13日現在) | ||
製品/コード名 (一般名) | 予定適応症 | 地域 | 開発段階 |
APL-130277 (アポモルヒネ塩酸塩水和物) | パーキンソン病に伴うオフ症状 | 米国 | 申請(2018/3) 審査結果通知(CRL)を受領(2019/1) 再申請(2019/11) |
ロナセン (ブロナンセリン) | (新用法:小児)統合失調症 | 日本 | フェーズ3 |
SEP-363856 | 統合失調症 | 米国 | フェーズ3 |
日本 | フェーズ1 | ||
パーキンソン病に伴う精神病症状 | 米国 | フェーズ2 | |
EPI-743 (バチキノン) | リー脳症 | 日本 | フェーズ2/3 |
EPI-589 | パーキンソン病 | 米国 | フェーズ2 |
筋萎縮性側索硬化症(ALS) | 米国 | フェーズ2 | |
日本 | フェーズ1 | ||
SEP-4199 | 双極Ⅰ型障害うつ | 米国・日本 | フェーズ2 (国際共同試験) |
DSP-6745 | パーキンソン病に伴う精神病症状 | 米国 | フェーズ1 |
SEP-378608 | 双極性障害 | 米国 | フェーズ1 |
DSP-3905 | 神経障害性疼痛 | 米国 | フェーズ1 |
SEP-378614 | 治療抵抗性うつ | 米国 | フェーズ1 |
SEP-380135 | アルツハイマー病に伴う行動障害 | 米国 | フェーズ1 |
DSP-1181 | 強迫性障害 | 日本 | フェーズ1 |
(注)APL-130277(アポモルヒネ塩酸塩水和物、製品名「KYNMOBI」)については、2020年5月に米国で承認を取 得しました。またロナセン(ブロナンセリン)については、2020年5月に日本で小児の統合失調症を対象とし た承認申請を行いました。 | |||
2.がん領域 | (2020年5月13日現在) | ||
製品/コード名 (一般名) | 予定適応症 | 地域 | 開発段階 |
レルゴリクス | 前立腺がん(単剤) | 米国 | 申請(2020/4) |
BBI608 (ナパブカシン) | 結腸直腸がん(併用) | 米国・日本 | フェーズ3 (国際共同試験) |
肝細胞がん(併用) | 米国 | フェーズ1/2 | |
消化器がん(併用) | 米国 | フェーズ1/2 | |
固形がん(併用) | 米国 | フェーズ1/2 | |
DSP-2033 (alvocidib) | 急性骨髄性白血病(AML)(併用) (再発・難治性患者対象) | 米国 | フェーズ2 |
骨髄異形成症候群(MDS)(併用) | 米国 | フェーズ1/2 | |
急性骨髄性白血病(AML)(併用) (初発患者対象) | 米国 | フェーズ1 |
2.がん領域 | (2020年5月13日現在) | ||
製品/コード名 (一般名) | 予定適応症 | 地域 | 開発段階 |
DSP-7888 (アデグラモチド酢酸塩/ネラチモチドトリフルオロ酢酸塩) | 膠芽腫(併用) | 米国・日本 | フェーズ2 (国際共同試験) |
小児悪性神経膠腫(単剤) | 日本 | フェーズ1/2 | |
固形がん(併用) | 米国 | フェーズ1/2 | |
TP-0903 (dubermatinib) | 固形がん(単剤・併用) | 米国・日本 | フェーズ1 |
DSP-0509 | 固形がん(単剤・併用) | 米国 | フェーズ1/2 |
TP-0184 | 骨髄異形成症候群に伴う貧血(単剤) | 米国 | フェーズ1/2 |
固形がん(単剤) | 米国 | フェーズ1 | |
DSP-0337 | 固形がん(単剤) | 米国 | フェーズ1 |
TP-1287 | 固形がん(単剤) | 米国 | フェーズ1 |
TP-3654 | 固形がん(単剤) | 米国 | フェーズ1 |
骨髄線維症(単剤・併用) | 米国 | フェーズ1 | |
TP-1454 | 固形がん(単剤・併用) | 米国 | フェーズ1 |
3.再生・細胞医薬分野 | (2020年5月13日現在) | ||
製品/コード名 (一般名) | 予定適応症 | 地域 | 開発段階 |
RVT-802 | 小児先天性無胸腺症 | 米国 | 申請(2019/4) 審査結果通知(CRL)を受領(2019/12) |
他家iPS細胞由来ドパミン神経前駆細胞 | パーキンソン病 | 日本 | フェーズ1/2 (医師主導治験) |
HLCR011 (他家iPS細胞由来網膜色素上皮) | 加齢黄斑変性 | 日本 | 治験開始に向けて準備中 |
4.その他の領域 | (2020年5月13日現在) | ||
製品/コード名 (一般名) | 予定適応症 | 地域 | 開発段階 |
ビベグロン | 過活動膀胱 | 米国 | 申請(2019/12) |
前立腺肥大症を伴う過活動膀胱 | 米国 | フェーズ3 | |
過敏性腸症候群関連疼痛 | 米国 | フェーズ2 | |
PXL008 (イメグリミン塩酸塩) | 2型糖尿病 | 日本 | フェーズ3 |
レルゴリクス | 子宮筋腫 | 欧州 | 申請(2020/3) |
米国 | フェーズ3 (国際共同試験) | ||
子宮内膜症 | 米国 | フェーズ3 (国際共同試験) | |
rodatristat ethyl | 肺動脈性肺高血圧症(PAH) | 米国 | フェーズ2 |
MVT-602 | 不妊症 | ドイツ | フェーズ2 |
URO-902 | 過活動膀胱 | 米国 | フェーズ2 |
(注)レルゴリクスについては、2020年5月に米国で子宮筋腫を対象とした承認申請を行いました。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00922] S100IU2H)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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