有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100IV2U (EDINETへの外部リンク)
住友林業株式会社 研究開発活動 (2020年3月期)
住友林業は、1691年の創業以来、「森」や「木」とともに歩んでまいりました。現在当社グループでは、経営理念において公正、信用を重視し社会を利するという「住友の事業精神」に基づき、人と地球環境にやさしい「木」を活かし、人々の生活に関するあらゆるサービスを通じて、持続可能で豊かな社会の実現に貢献することを謳っております。研究開発分野においても、「木の価値を高める」を基本に、地球環境から住環境まで、私たちの暮らしを取り巻く環境を、より豊かに創造することを目指して取り組んでおります。
また、創業から350周年を迎える2041年を目標に高さ350mの木造超高層建築物を実現する研究技術開発構想である「W350計画」を2018年2月にまとめました。中大規模から高層建築物の木造化・木質化を図り、街を森にかえる環境木化都市の実現を目指して取り組んでまいります。
当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発費は22億71百万円であり、この中には各セグメントに配分していない、筑波研究所の研究開発費19億20百万円が含まれております。筑波研究所では各研究グループが、資源・材料から建築・住まいに至る、川上から川下までを網羅する研究技術開発を進めるとともに、「木」と「緑」の価値を高める新たな価値創造型研究を進めております。また、大学や政府の研究開発機関等とも密接な連携・協力関係を保っており、これにより研究開発活動を効果的に進めております。各研究グループの主な活動内容は、以下のとおりであります。
①建築住まいグループ
木造建築物に関する構造技術、防耐火技術、音・振動対策技術、改修技術などの開発を行っております。建築住まいグループの当連結会計年度における主な活動は以下のとおりであります。・中大規模木造建築に関する技術の開発
国内外で普及が期待される中大規模木造建築に関する構造構法、耐火関連技術、木質部材の開発を進めております。
・次世代住宅構法の開発
BF構法(ビッグフレーム構法)をベースに次世代の地震対策技術や大スパン対応技術の開発を進めております。
・住環境の改善、省エネルギー技術の開発
遮音性をはじめとする音環境の改善技術、エネルギー消費量の削減や有効活用のための開発を進めております。
②資源グループ
国内外の植林並びに新たな育種技術等の研究開発を行っております。資源グループの当連結会計年度における主な活動は以下のとおりであります。・植林技術の開発
未利用樹及び早生樹における植林技術の研究開発、さらに国内の苗木の大量生産技術の開発に取り組んでおります。
・育種・培養技術の開発
国内外の優良な形質を持つ樹木について、さらにその形質を高める遺伝子育種(遺伝子組換えではない)や、古木・貴重木を再生・増殖するための組織培養技術の開発に取り組んでおります。
・緑化技術の開発
温熱・防災効果のある機能性緑地の開発や、高層木造建築へ対応できる特殊緑化技術の開発を進めております。
③材料グループ
新しい木質材料の開発や木材利活用技術の開発等を行っております。材料グループの当連結会計年度における主な活動は以下のとおりであります。・新しい木質材料の開発
MDF(中密度繊維板)やパーティクルボードなど木質ボードの性能改善や製造技術の開発を進めるとともに、中大規模木造建築で求められる高強度木質構造材や木質耐火材料の開発に取り組んでおります。
・新しい木材利用技術の開発
木の可能性を引き出し木材の利活用を推進するため、木質資源のバイオリファイナリーに取り組むとともに、木材繊維の新たな領域での利活用を進めております。
④木のイノベーショングループ
「木」や「緑」がもつ特性の解明や、それらを含む環境空間が快適性や知的生産性、更には医学的効果に及ぼす影響などの研究を行っております。木のイノベーショングループの当連結会計年度における主な活動は以下のとおりであります。・「木」と「緑」がもつ特性とその効用に関する研究
木質空間・緑化空間が人の五感に与える影響や、メンタルヘルスなどに及ぼす医学的な効果の研究に取り組んでおります。
・生産性向上に関する研究
木や緑の空間が人の心理生理に及ぼす影響(疲労回復や疲労軽減、創造性、コミュニケーション等)の研究を進め、生産性向上の定量化とその因子の特定のための研究を進めております。
なお、当連結会計年度におけるセグメント別の研究開発活動の状況及び研究開発費は次のとおりであります。
国内の建材製造子会社において、安全性や機能性を付与した住宅用部材・建材の開発等を行っております。当事業に係る研究開発費は3億41百万円であります。
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ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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