有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100JC9X (EDINETへの外部リンク)
株式会社スリー・ディー・マトリックス 事業等のリスク (2020年4月期)
以下において、当社グループの事業展開その他に関してリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。
当社グループとしては、必ずしも事業展開上のリスク要因に値しないと考えられる事項についても、投資判断上、重要と考えられるものについては、投資者への積極的な情報開示の観点から記載しております。なお、これらのリスクを認識した上で、その回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式への投資判断は、本項及び本項以外の記載も併せて慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。また、以下の記載は当社グループに関連するリスクの全部を網羅したものではないことにご留意いただく必要があります。
なお、本文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものであります。
①医療製品事業に関するリスク
A 医薬品医療機器等法等の法的規制に関する事項
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保に関する法律(以下「医薬品医療機器等法」」という)は、医薬品及び医療機器等の有効性及び安全性を確保することを目的としています。医薬品医療機器等法上、医療機器を製造・販売するためには、所管の都道府県知事より医療機器製造販売業許可を取得する必要があり、また、個別製品ごとに所轄官庁等の承認又は認証を得ることが必要となります。当社は、2010年8月18日に、東京都知事より第一種医療機器製造販売業許可を取得して(2015年7月に更新、有効期限2020年8月17日)、医療機器の研究開発を行い、製造・販売に向け事業活動を行っています。当社グループでは、医薬品医療機器等法その他の関連法規の遵守に努めており、事業の進捗に合わせて社内の体制の整備にも取り組んで参りました。しかしながら、第一種医療機器製造販売業許可については、当社に医薬品医療機器等法その他薬事に関する法令若しくはこれに基づく処分に違反する行為があったとき、又は当社若しくは当社の役員が医薬品医療機器等法第23条の2の2第3号の準用する同法第5条第3号に掲げる事由に該当するに至ったときには、当該許可が取り消される可能性があり(同法第75条第1項)、その場合、当社グループの財政状態や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性が否定できません。
また当社は、本止血材について、日本では2015年3月13日の製造販売承認申請の取下げ後、PMDAとの間で再度の臨床試験開始に向けた協議を継続しておりましたが、内視鏡的粘膜下層剥離術下の漏出性出血に対する止血効果等の有効性評価や安全性評価を含めた総合的判断を行うという治験計画を構築し、2017年4月11日に臨床試験を開始するための治験計画届をPMDAに提出し、2017年8月より臨床試験を実施し、2019年7月22日に完了、同年10月23日にPMDAに製造販売申請を提出しておりました。そして、2020年7月16日付で製造販売承認を取得しております。
止血材について日本における製造販売承認後も、止血材が、その申請に係る効能、効果若しくは性能を有すると認められないとき等は当該承認が取り消されることとなり(医薬品医療機器等法第74条の2第1項)、また、当社が同法74条の2第3項に掲げる事由に該当する場合には、当該承認が取り消される可能性があります。かかる製造販売承認の取消がなされた場合は、当社グループの財政状態や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性が否定できません。
B 収益の不確実性に関する事項
止血材は外科手術や消化器内視鏡領域において幅広く使用され、手術件数や適応症例数も安定的に推移しており、止血材については製品化後に安定した需要が見込まれます。また、医薬品医療機器等法により生物由来製品の安全管理が厳しくなったことから、人工合成物であり安全性が高い止血材は、既存製品と十分差別化できるものと考えております。しかしながら、製造販売承認後も止血材について保険収載が否定されたり、保険収載価格が想定価格と乖離が生じる場合があり得ます。
また、止血材は、欧州、アジア・オセアニア・南米地域において製品販売を開始しておりますが、各地域での法的規制その他の関連法規に大きな変更が生じた場合に、止血材の販売実施ができなくなる可能性があることは否定できません。
さらに、韓国においても製品登録承認申請を行っておりますが、同国での法的規制その他の関連法規に大きな変更が生じた場合や、審査の結果として、適応手術領域より狭い範囲でしか承認を取得できなかったり、同製品の有効性・安全性が認められず、承認が取得できない可能性があることは否定できません。
これらの事象が生じた場合には、当社グループの販売計画に影響を与える可能性があり、当社グループの財政状態や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
C 特定の契約先からの事業収益への依存に関する事項
当社グループの事業収益は、止血材のグローバルな製品販売と契約一時金等を中心としておりますが、欧州ではFUJIFILMへの依存度が高くなっております。日本においては扶桑薬品工業株式会社への依存度が高くなっておりますが、2020年7月10日付で同社より独占販売権許諾契約に関する解除通知を受領しております。今後、FUJIFILMとの契約が解除その他の理由で終了した場合や、扶桑薬品工業株式会社との同契約で予定されている収益が得られなくなった場合には、当社グループの財政状態や経営成績に重大な影響を及ぼすこととなります。また、安定的製品売上まで当社グループの日本における主な事業収益は、止血材に関する契約一時金・マイルストーンペイメントであります。そのため、同収益が獲得できない、または獲得が遅れることとなった場合には、当社グループの財政状態や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
とくに、日本における止血材の販売については、扶桑薬品工業株式会社との間で独占販売権許諾契約を締結しておりますが、2020年7月10日付で契約解除通知を受領しているため、今後の同社との協議次第では、当社グループの財政状態や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
D 重要な契約に関する事項
当社グループの事業展開上、重要な契約が解除された場合、不利な契約改定が行われた場合や契約期間満了後に契約が継続されない場合は、当社グループの財政状態や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。E 製造・販売・在庫に関する事項
当社グループは、伊藤忠ケミカルフロンティア株式会社との間で業務提携契約を締結し、自己組織化ペプチド技術製品の原材料の調達先や、製剤の業務委託先の選定、販売提携先の選定に関し業務提携を行っています。当社グループは、主要原材料であるペプチドを十分な品質を担保して調達すべく、複数社に対し製造を委託しています。また当社は、止血材について、扶桑薬品工業株式会社との間で製造委受託契約を締結しておりますが、2020年7月10日付で契約解除通知を受領しております。製造委受託契約のスムーズな解消の為の移行期間の設定や今後も引き続き製造を継続して頂けるよう協議を進めてまいりますが、製造委受託契約の継続が出来なかった場合には、今後、速やかに新たな製造委託先を獲得する必要が生じます。このように、当社グループでは、本止血材の製品供給体制を強化するため、バックアップ体制の構築に取り組んでおりますが、想定外の事故なども含め原材料の供給、委託製造の遅れが生じる事態になった場合には、当社グループの財政状況や経営成績に重大な影響を与える可能性があります。
また、製品販売が計画通りに進まず、過剰な原材料を保有することになった場合には、製品販売の機会損失や原材料等の評価損計上など当社グループの財政状態や経営成績に重大な影響を与える可能性があります。
さらに、日本における止血材の販売については、扶桑薬品工業株式会社との間で独占販売権許諾契約を締結しておりますが、2020年7月10日付で契約解除通知を受領しており、同社との契約が解消された場合には当社グループの販売計画に影響を与える可能性があり、当社グループの財政状態や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
F 製造物責任に関する事項
医療製品の設計、開発、製造及び販売には、製造物責任賠償のリスクが内在しております。当社グループにおいては、製品の基礎となる自己組織化ペプチド技術を利用した止血材について、ヒトでの臨床試験を実施済みであり、実施した全97症例において、因果関係を否定できない重篤な不具合及び副作用等の有害事象は検出されておりません。また、当社グループは欧州及びアジア・オセアニア地域において止血材の販売を開始しており、同製品は規制当局の基準に基づく当社グループの品質管理基準にしたがって製造販売されております。しかしながら、今後、止血材を含む当社グループが開発した医療製品が患者の健康被害を引き起こす可能性は否定できず、また、治験、製造、販売において不適当な点が発見された場合には、当社グループが製造物責任を負う可能性があることは否定できません。製造物責任賠償については保険に加入しておりますが、当社グループの財政状態や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
また、このような事例において結果として当社グループの過失が否定されたとしても、製造物責任に基づく損害賠償請求等がなされたこと自体によるネガティブ・イメージにより、製品に対する信頼、ひいては当社グループの財政状態や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
G 止血材以外の医療製品に関する事項
当社グループでは、歯槽骨再建材について、当社子会社が2011年7月にFDAからIDEの承認を得て、米国において2012年2月に臨床試験を開始しております。しかしながら、臨床試験の結果、同製品の有効性・安全性が認められなかった場合には、同製品の製造販売を実施することができず、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。粘膜隆起材については、当社が2014年12月より臨床試験を開始しておりましたが、臨床試験症例において、前臨床試験の結果より想定した有効性に対して十分な結果が得られない傾向にあることから、試験方法及び製剤の開発等を検討するために、臨床試験を自主的に一時中断しております。今後、十分な有効性が認められる試験方法及び製剤の開発が順調に進まない場合には、同製品の事業化が進展せず、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループでは、外科領域において血管塞栓材TDM-631の研究開発を行っております。しかしながら、いまだ研究開発段階であり、今後の研究開発が計画どおりに進む保証はなく、事業化が順調に進展しない場合には、当社グル―プの事業戦略、ひいては財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
上記の歯槽骨再建材、粘膜隆起材、癒着防止材は、いずれも止血材と同じ配列(RADA16)の自己組織化ペプチド技術を基礎としているものです。そして、止血材については、既にヒトへの臨床試験を実施しており、実施した全97症例について因果関係を否定できない重篤な不具合及び副作用等の有害事象は検出されておりません。そのため、これらの製品についても、今後の臨床試験の結果、その有効性が認められれば、所轄官庁の承認または認可を受けられない可能性は低いものと思われます。しかしながら、当該技術自体の安全性に疑問が生じることとなった場合や、医薬品医療機器等法その他の関連法規に大きな変化が生じた場合には、これらの製品について承認または認可が取得できなくなり、当社グループの事業戦略、ひいては財政状態や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性が否定できません。
DDS領域においては、主に医薬品の研究開発を行っております。医薬品の場合には、医療機器と比べ臨床試験が多段階に設定されていることから、承認申請に至るまでのプロセスが長期に亘り、また、不確定な要素が多くなるため、当社グループの想定どおりに研究開発が進まない場合には、当社グループの事業戦略、ひいては財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
H 研究開発活動に関する事項
当社グループは、MITからライセンスされている自己組織化ペプチド技術に関する基本特許群(下記「②知的財産権・訴訟等に関するリスク」において定義する。)の上に応用技術を構築し、新しい医療製品を開発することを目指しております。提出日現在までに、当社グループは日米約100の研究機関と共同研究を実施し、心筋再生技術、肝細胞培養技術、膵島細胞培養/移植技術などの分野では特許出願またはその準備を行っており、その他多数の分野において論文発表が行われております。当社グループでは、現在の主要なパイプラインに続く次の事業化候補として、これらの応用技術から、(a)創傷治癒、心筋再生、軟骨/椎間板再生など細胞を用いない再生治療、(b)埋め込み型人工膵臓治療、体外型人工肝臓治療など細胞を用いるが体内埋植しない治療法、さらに(c)膵島移植治療、脊椎損傷治療など細胞を体内埋植する治療法、(d)BMPなどタンパク製剤やペプチド製剤、核酸などのDDSなど、新しいパイプラインが開発計画に組み込まれる可能性があると見込んでおります。
これらの事業化候補については、現在は基礎研究段階であり事業計画に織り込まれておりませんが、事業化が順調に進展しない場合、将来の重要なアップサイドポテンシャルを失う可能性があります。
I 大規模災害等に関する事項
当社グループは、グローバルで事業展開をしておりますが、地震、火山の噴火、津波等の大規模災害、COVID-19やその他感染病によるパンデミック、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。このため、大規模災害を想定した訓練及び必要な対策を継続実施するとともに、当社の事業活動の継続や従業員の衛生・健康・安全の確保のために必要な対応を適時適切に行うこととしております。特に、現下のCOVID-19の感染状況に関しては、当社グループが事業を展開する各国の医療業界の影響を注視している会議において、事業の継続が危ぶまれる程の影響には至っておりませんが、万が一当社が事業を営む地域において甚大な影響がある場合は、必要な対応を図ってまいります。
②知的財産権・訴訟等に関するリスク
A 特許の取得状況等に関する事項
当社グループは、下表に記載の自己組織化ペプチド技術にかかる物質特許及び当該物質特許を利用した基本的な用途特許(以下これらを併せて「基本特許群」という。)につき、当社子会社がMITより専用実施権(再許諾権付)の許諾を受け、当社が当社子会社より実施権の再許諾を受けており、また、当社グループにて特許出願しております。当社は、下記のMITを権利者とする自己組織化ペプチド特許(出願国:米国)について、自己組織化ペプチド応用技術に係るMIT出身の研究者により設立されたバイオベンチャー企業であるARCH Therapeutics, Inc.社との間で非独占的なサブライセンス契約を締結しておりました。しかしながら、米国ARCH Therapeutics, Inc.社の現在の事業展開の進展状況より、現時点において当社グループと競合するおそれは低いものと考えておりますが、将来的な競合の可能性は否定できません。
さらに、ARCH Therapeutics, Inc.社は、止血材を用途とする一部の自己組織化ペプチド(主に当社も用いているRADA配列)に関する特許について、MITから独占的実施権の許諾を受けております。当社の専用実施権との間で調整が必要となる可能性がありますが、従前、ARCH Therapeutics, Inc.社からかかる権利に関して当社に対して働きかけ等があったことはありません。MITのライセンス方針は技術の広がりを目的としており、MITはライセンシー同士の争いは好まないため、当社は、かかる調整の必要が生じた場合には、MITから何等かの支援が得られるものと従前理解しており、現在もそのとおり理解しております。しかし、今般、かかる調整をMIT自ら行うことについて書面で確約することに消極的な姿勢が示されるようになったことから、今後、当社自らかかる調整を行う必要が生じる可能性があります。
基本特許群は、自己組織化を起こしハイドロゲルを形成する主なペプチド群をカバーしており、国、地域によりばらつきはあるものの、日本においては既に登録済みとなっております。しかしながら、基本特許群のうち、現在登録に至っていないものについては、最終的に登録に至らない可能性があり、その場合には当社グループの将来の事業を完全に保護することができない可能性があります。また、当社グループの事業を包含するバイオマテリアル関連産業においては、日々研究開発活動が繰り広げられており、当社グループの技術を超える優れた技術が開発されることにより、基本特許群が淘汰される可能性は否定できません。
また、当社グループは基本特許群を用いて多数の研究機関と応用技術にかかる共同研究を行っており、主要なパイプラインに関するもの以外についても既に複数の用途特許について共同出願しておりますが、すべての特許について登録に至るとは限りません。これらの特許が成立しなかった場合、当社グループの将来の事業を完全に保護することができない可能性があります。
B 訴訟等に関する事項
当社グループは、自己組織化ペプチド技術を用いた製品開発を行う限りにおいて、当社グループに対して上記のARCH Therapeutics, Inc.社のMITの特許由来の権利に関連する事例以外は、第三者の特許権等の知的財産権侵害を理由とする訴訟が提起される可能性は極めて低いと考えております。また、当社グループは第三者の知的財産権に関する調査を随時行っており、提出日現在において、当社グループと第三者との間で訴訟が発生したという事実もありません。しかし、当社グループは、今後多岐に渡る事業展開を考えていることから、かかる知的財産権侵害の問題を完全に回避できない可能性があります。将来、当社グループの事業活動が第三者の知的財産権を侵害しているとして損害賠償請求等の訴訟を提起された場合には、解決に多大な時間及び経費を要するおそれがあり、当社グループの事業戦略、財政状態や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。また、知的財産権以外にも事業活動に付随するその他の訴訟を提起される可能性があり、訴訟等の内容及び結果によっては、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、このような事例において結果として当社グループの責任が否定されたとしても、知的財産権侵害に基づく損害賠償請求等がなされたこと自体によるネガティブ・イメージにより、製品に対する信頼に影響が生じ事業活動に影響を与え、当社グループの財政状態や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
製品・パイプライン | 対象発明の名称 | 登録番号 | 出願国 | 権利者 |
物質特許 | ||||
吸収性局所止血材 粘膜隆起材 血管塞栓材 歯槽骨再建材 創傷治癒材 PuraMatrix | 高純度ペプチド組成物 | 第5730828号 第5255274号 | 日本 (登録) | 3-D Matrix, Inc. |
WO 06/014570 | 米国 (出願中) | |||
EP 3031466 | 欧州 (登録) | |||
CA 2572964 | カナダ (登録) | |||
組織閉塞剤 | 第5922749号 第6200997号 第6492137号 | 日本 (登録) | 当社 | |
US 10576123 US 10596225 | 米国 (登録) | |||
EP 2345433 EP 3238749 | 欧州 (登録) | |||
用途特許 | ||||
PuraMatrix | 自己組織化ペプチド 軟骨細胞培養法 | US 7449180 | 米国 (登録) | MIT |
EP 1367961 CA 2344954 | 欧州 (登録) | |||
PuraMatrix | 自己組織化ペプチド 修飾ペプチド物質特許 | US 7713923 | 米国 (登録) | MIT |
US 8901084 | 米国 (登録) | |||
第5057781号 | 日本 (登録) | |||
EP 1636250 | 欧州 (登録) | |||
PuraMatrix | 自己組織化ペプチド神経再生法 | US 7846891 | 米国 (登録) | MIT |
PuraMatrix | 自己組織化ペプチド 3次元細胞培養 | 第5057629号 | 日本 (登録) | MIT |
CA 2344954 | カナダ (登録) | |||
PuraMatrix | 自己組織化ペプチド 心筋組織再生法 | EP 2089047 | 欧州 (登録) | 3-D Matrix, Inc. |
第5558104号 第5903068号 | 日本 (登録) | |||
US 9012404 | 米国 (登録) |
製品・パイプライン | 対象発明の名称 | 登録番号 | 出願国 | 権利者 |
PuraMatrix | 自己組織化ペプチド 細胞培養法及び細胞培養物 | 第5263756号 | 日本 (登録) | 岡山大学、 当社 |
US 8647867 | 米国 (登録) | |||
US 8697438 | 米国 (登録) | |||
創傷治癒再建材 PuraMatrix | 自己組織化ペプチド 創傷治癒・皮膚再建材 | 第5497451号 | 日本 (登録) | 当社 |
EP 2229960 | 欧州 (登録) | |||
PuraMatrix | 自己組織化ペプチド トランスフェクション剤 | EP 2322608 | 欧州 (登録) | 日本医科大学、当社 |
第5606318号 | 日本 (登録) | |||
US 9133484 | 米国 (登録) | |||
PuraMatrix DDS | 自己組織化ペプチド 界面活性剤様ペプチド ナノ構造 | US 7179784 US 7671258 | 米国 (登録) | MIT |
PuraMatrix DDS | がん幹細胞の治療、予防及び 診断のための方法及び組成物 | 第5891173号 第6262707号 | 日本 (登録) | 国立がん研究センター、 当社 |
US 10337012 | 米国 (登録) | |||
EP 2606909 | 欧州 (登録) | |||
PuraMatrix DDS | マイクロRNAによる骨肉腫の診断 方法 | US 9322016 | 米国 (登録) | 国立がん研究センター、 当社 |
第6153932号 | 日本 (登録) | |||
EP 2753692 | 欧州 (登録) |
③経営成績、財務状況等に関するリスク
A 業績の推移に関する事項
当社は、日本における止血材に関し、扶桑薬品工業株式会社と独占販売権許諾契約を締結し、その製品開発においては製造販売承認申請を一旦取下げましたが、再度製造販売承認申請を行い、2020年7月16日付で製造販売承認を取得しております。一方で、独占販売権許諾契約に関しては扶桑薬品工業株式会社より2020年7月10日付で契約解除通知を受領している状況であり、現在まで、日本における製品の売上による事業収益は計上しておりません。現在までの事業収益は、主に上記を含む過去に締結した販売提携契約に基づく収益及び海外での止血材の製品売上及び販売提携に基づく収益であり、また、2012年4月期を除き研究開発活動に伴う費用計上が事業収益を上回り、営業損失、経常損失、当期純損失を計上しております。このため、過年度の財務経営指標は、当社の期間業績比較及び将来の業績を予測する材料としては不十分な面があります。B マイナスの利益剰余金を計上していることに関する事項
当社グループは研究開発型企業であり、医療製品が販売されるまでには研究開発費用が先行して計上されることとなります。そのため、第16期連結会計年度末においてマイナスの利益剰余金を計上しております。現時点における当社グループの開発製品は医療製品の中でも医療機器として製造承認の取得を目指しており、医薬品と比べて開発に要する費用と期間は格段に少なくなることを想定しております。計画どおりに研究開発を推進することにより、早期の利益確保を目指しております。しかしながら将来において、事業計画どおりに進展せず、当期純利益を獲得できない可能性及び利益剰余金がプラスとなる時期が遅れる可能性があります。C 重要事象等に関する事項
当社グループは研究開発費用が先行して計上されることから、継続して営業損失及びキャッシュ・フローのマイナスを計上しております。これにより、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在していると認識しておりますが、当該状況を解消又は改善するための対応策を講じておりますが、継続企業の前提に重要な不確実性は存在するものと判断しております。当該状況を解消又は改善するための対応策は、「⑥継続企業の前提に関する重要事象等」に記載しております。D 税務上の繰越欠損金に関する事項
当社グループには、提出日現在において多額の税務上の繰越欠損金が存在しております。そのため繰越欠損金の期限が切れた場合には、課税所得の控除が受けられなくなります。そうした場合、通常の法人税率に基づく法人税、住民税及び事業税が計上されることとなり、当期純利益及びキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。E 資金繰りに関する事項
当社グループは研究開発型企業であり、今後もパイプラインの開発費用が先行して発生します。事業提携やライセンスアウト等の契約の獲得、多様な資金調達等による資金確保に努めますが、事業計画どおりに進展しない場合には資金不足となり、事業継続に重大な影響を与える可能性があります。F 配当政策に関する事項
当社グループは、当期純損失を計上しており、利益配当は実施しておりません。また、第16期連結会計年度末においても、3,096,159千円の当期純損失を計上しており、累積損失が処理された段階において財政状態及び経営成績を勘案しつつ利益配当についての方針を検討する所存であります。④組織に関するリスク
A 業歴が浅いことに関する事項
当社は2004年5月に設立された社歴が浅い会社であり、期間業績比較を行うには十分な財務数値が得られません。また研究開発型企業であり、2015年4月期に止血材の海外での販売を開始しましたが、事業ステージはいまだ先行投資の段階にあります。このため、事業の特性を踏まえると、過年度の経営成績だけでは、今後の業績を予想する材料としては不十分な面があります。B 小規模組織に関する事項
当社グループは2020年4月末日現在、親会社で取締役4名、監査役3名、従業員13名の計20名体制、子会社で取締役7名(内2名は親会社役員が兼務)、従業員52名の計59名体制の小規模組織であります。当社グループ では、業務遂行体制の充実に努めておりますが、小規模組織であり、内部管理体制も規模に応じたものとなっております。当社グループでは、今後の事業拡大に向け組織体制の一層の充実を図ってまいりますが、適切な組織体制の構築ができない場合には、経営効率に影響を及ぼす可能性があります。一方、急激な規模拡大は固定費の増加につながり、当社グループの財政状態と経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。C 特定の人物への依存に関する事項
当社グループの事業推進者は、当社代表取締役である岡田淳であります。前代表取締役より経営戦略、開発戦略の決定、事業計画の策定、管理業務における責任を承継しており、グループの経営推進者として大きな影響力を有しております。このため、当社グループでは過度に依存しない体制を構築すべく、経営組織の強化を図っておりますが、当面は依存度が高い状態で推移すると見込まれます。そのため、代表取締役が何らかの理由で業務を継続することが困難になった場合には、事業戦略や経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。D 人材の確保及び育成に関する事項
当社グループの競争力の核は研究開発力、事業企画力にあるため、専門性の高い研究者等の人材の確保が不可欠であり、事業拡大を支えるために営業、製造、内部管理等の専門人材も必要となってきております。当社グループでは、優秀な人材の確保及び社内人材の育成に努めておりますが、人材の確保及び育成が計画どおりに進まない場合には、当社グループの財政状態と経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。⑤その他
A 調達資金の使途に関する事項
当社は、増資等による調達資金の使途については、当初の方針通り研究開発資金に充当しておりますが、環境変化による予測不可能な技術革新や研究開発活動の長期化など投資効果をあげられる保証はありません。このような場合、投資家の期待している収益に結び付かない可能性があります。B 新株予約権の行使による株式価値の希薄化に関する事項
当社はストック・オプション制度を採用しております。既に発行されたストック・オプションには、旧商法第280条ノ20及び第280条ノ21の規定に基づき新株予約権を付与する方式により株主総会にて決議されたもの、会社法第236条、第238条及び第239条の規定に基づき新株予約権を付与する方式により株主総会にて決議されたものがあります。また、主に止血材とその他パイプラインの原材料調達、製品原価改善とその開発に関する費用、並びに事業運営費用等として投資ファンドのハイツ・キャピタル・マネジメント・インク(以下「ハイツ」という。)に対して第2回及び第3回無担保転換社債型新株予約権付社債並びに第24回新株予約権(行使価額修正条項付)及び第25回新株予約権を発行しております。これらの発行済みの新株予約権が全て行使された場合の潜在株式数は、合計8,695,779株(2020年6月末日現在)となり、この潜在株式数と当社の発行済株式数38,190,869株(2020年6月末日現在)とを合計した数46,886,648株に対し18.5%を占めております。これらの新株予約権の行使が行われた場合には、当社の1株当たりの株式価値は希薄化する可能性があります。また、当社は今後も優秀な人材確保のために、同様のインセンティブを継続して実施していくことを検討しております。従って、今後付与される新株予約権の行使が行われた場合には、当社の1株当たりの株式価値はさらに希薄化する可能性があります。
C 為替に関する事項
当社グループの取引のうち、自己組織化ペプチド技術製品の原材料の製造委託および海外での製品販売については、主に外貨建での決済が行われておりますが、当社グループにおいては特段の為替リスクヘッジは行っておりません。そのため、予想以上に為替相場の変動が生じた場合には、当社グループの業績はその影響を受ける可能性があります。⑥継続企業の前提に関する重要事象等
「2 事業等のリスク ③経営成績、財務状況等に関するリスク C重要事象等に関する事項」に記載のとおり、当社グループは研究開発費用が先行して計上されることから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在していると認識しております。
今後、当社グループは当該状況をいち早く解消し、経営基盤の安定化を実現するために以下の改善策に取り組んでまいります。
当社グループは医療製品事業においてグローバルに展開している吸収性局所止血材の製品販売による事業収益を計上し、主に欧米・アジア・南米地域における販売権許諾等の契約一時金やマイルストーンペイメント収入を獲得してまいります。
また、親子会社間での研究開発において基礎研究の共有・効率化も進んでいることから、業務効率化による諸経費の節減等にも注力し販売費及び一般管理費の圧縮にも取り組むことで収益構造を改善し、重要事象等の解消に向け取り組んでまいります。
さらに、当社グループの研究開発及び事業運営を進めるための十分な資金確保に向けて、2019年3月に米国においてバイオ業界への投資に多くの実績を有する投資ファンドのハイツに対し第三者割当による第1回無担保転換社債型新株予約権付社債を発行し、2019年4月に1,299,990千円を調達しております。
併せて、第20回新株予約権(行使価額修正条項付)及び第21回新株予約権も発行し資金調達を実行し、その内第20回新株予約権の全数の行使が2019年8月16日に完了し、779,173千円を調達しております。
また、第23回新株予約権の発行及び行使も2020年1月より行われ、2020年3月12日までに683,763千円を調達しましたが、COVID-19の影響により当社を含む上場企業の株式が全般的に暴落し、行使の進行が難しくなりました。これを受けて直ちに無担保転換社債型新株予約権付社債及び新株予約権の条件を見直し、新たに第2回及び第3回無担保転換社債型新株予約権付社債、第24回新株予約権及び第25回新株予約権を発行することで、当初のファイナンス条件を上回る契約を締結することができました。
この結果、新株予約権の払込金等により319,304千円を2020年4月30日に、第24回新株予約権の行使により2020年6月末日までに1,913,380千円を調達することができております。今後も順調に行使が進むものと考えております。
また、株式会社りそな銀行と借入コミットメントライン契約を締結しており安定的な事業資金の確保に取り組んでおります。今後も引き続き各金融機関からの資金調達、借入コミットメントライン契約の設定・拡大、リース等様々な資金調達を検討・実施し、継続的に財務基盤の強化に努めてまいります。
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ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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