有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100IBYM (EDINETへの外部リンク)
ペプチドリーム株式会社 研究開発活動 (2019年12月期)
当社の研究開発は、当社独自の創薬開発プラットフォームシステム:PDPSを活用することによる自社創薬および世界中の特別な技術を有する創薬企業、バイオベンチャー企業、アカデミア等の研究機関と戦略的な提携を組むことで、自社の医薬品候補化合物(パイプライン)の拡充を図っております。
PDPSは、低分子医薬品や抗体医薬の利点を併せ持つ特殊ペプチドを用いた医薬品候補化合物を探索する創薬開発プラットフォームシステムとして開発され、開発後も性能向上に向けた基盤研究を継続して行っております。当事業年度においては、PDPSを用いた探索工程の一部について自動化装置(オートメーション)のプロトタイプ開発が完了いたしました。今後は、オートメーション導入の効果検証、および本格稼働に向けた準備を進めてまいります。PDPSの効率化やオートメーション化を進めることで、プログラムのスピード向上とともに並行して実施できるプログラム数の増加を図ってまいります。
PDPSを用いた創薬は「特殊ペプチド医薬品」に限らず、PDPSから見い出された特殊ペプチドから得られる情報(標的タンパク質のどこに、どのように結合しているか等)を用いて「低分子医薬品」の開発も行っております。また、特殊ペプチドの高い特異性と強い結合力という特性を生かし、標的タンパク質に薬物を届ける運び屋として使用するPDC(ペプチド-薬物複合体)を活用した「PDC医薬品」や診断薬の開発も行っております。自社創薬については、ヘマグルチニン(HA)を標的タンパク質とした抗インフルエンザウイルス特殊環状ペプチド「PD-001」や、抗自己免疫疾患・抗アレルギー性炎症に関与するインターロイキン-17(IL17)を標的タンパク質とした特殊環状ペプチドを用いた医薬品の研究開発など、複数のプログラムが進行しております。今後、臨床開発に向けた新たな進捗の報告ができるものと考えております。「PD-001」は、単剤での非臨床毒性試験は終了し、大きな問題がないことを確認しており、また異なる作用機序をもつ薬剤との併用試験(非臨床)においても有効性が確認されております。
戦略的提携による創薬に関する主な進捗については、米国Kleo Pharmaceuticals(クリオ・ファーマシューティカル、以下 クリオ)と2017年7月に開始した両社の戦略的共同研究開発において、2つの臨床候補化合物(クリオのパイプライン上では、KP1237、KP1196と公表)が創製されております。いずれも骨髄腫細胞表面に発現しているCD38を標的とし、PDPSを用いて特定された特殊環状ペプチドにARMsを結合したPDC医薬品候補化合物(CD38-ARMs)で、多発性骨髄腫を適応症としております。KP1237は短期間作用型の治療薬として幹細胞移植を受けた多発性骨髄腫患者向けに開発を行っており、KP1196は長期間作用型としてより広く一般の多発性骨髄腫患者向けに使用される治療薬として開発を進めております。クリオは2019年12月9日に米国血液学会(ASH)でCD38-ARMsに関する前臨床試験データの発表を行っております。KP1237については、2020年2月に米国FDAからIND承認を受けております。両社は、今回の臨床候補化合物以外にもARMを用いた複数プログラムの研究開発を進めるとともに、クリオが有するARM以外のがん免疫療法のプラットフォーム技術であるSyAMs、及びMATEsを用いたプログラムの研究開発も進めております。ビル&メリンダ・ゲイツ財団(以下 ゲイツ財団)とは、ゲイツ財団から受領した研究支援金により結核に対する新規治療薬の開発を進めております。現在開発を進めている候補化合物は、結核菌の増殖能や病原性に必須なタンパク質の阻害剤であり、これまでの研究から休眠期の結核菌に対しても有効性が示唆されております。現在、複数のヒット候補化合物について医薬品候補化合物として必要な最適化を進めております。川崎医科大学とのデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)に対するペプチド医薬品の共同研究開発は、筋肉の増加を妨げる生体内のシグナル伝達物質であるマイオスタチンを標的タンパクとしております。ペプチド医薬品候補化合物(筋萎縮阻害ペプチド)のDMDモデルマウスでの有効性は既に確認されており、GLP/GMP試験薬の製造、臨床開発に向けた準備を進めております。
こうした活動の結果、当事業年度における研究開発費は893,267千円となりました。
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