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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100J50I (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 株式会社LIXIL 事業等のリスク (2020年3月期)


従業員の状況メニュー研究開発活動

当社グループでは、事業活動に影響を与える可能性のあるリスクを洗い出し、それらについてグループ共通の基準(事業計画への影響度と発生可能性等)で評価を行い、グループ内での事業規模の違いや外部環境の変化等に基づき、経営者の目線からリスク間の相対的な関係を考慮した上で対処すべきリスクの優先順位を決定するというリスク評価を行っております。
また、リスクの洗い出しに際して、リスクを戦略リスクとオペレーショナルリスクに分類しており、それぞれ以下のように定義しております。

戦略リスク事業戦略の策定及び遂行により獲得を企図する成果が予定通り獲得できない程度及びその発生可能性であり、健全な範囲で事業成果を獲得するために敢えて選択して取るリスク
オペレーショナルリスク戦略遂行を支えるオペレーション上の事象による損失額及び事象発生可能性であり、事業遂行上一定以下に抑制すべきリスク

これらに基づき重要と判断したリスクについて、当社グループの各事業、管理部門、マネジメントの各レベルが当該リスクの内容に応じた対策を立案、実行し、対策の進捗状況をモニターし、継続的に改善する活動を展開しております。
また、監査委員会は取締役会及び各種委員会への参加、重要書類の閲覧、会計監査人とのコミュニケーション等を通じて、対処すべき優先順位の高いリスクについて有効な対策が実施されているかモニターしております。なお、上記に加えて、必要に応じて各事業及び子会社に対する現地往査も実施しております。

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項について、影響度、発生可能性、重要性の前年からの変化をリスクマップに一覧化した上で、各リスクの詳細な情報を記載しております。なお、当社グループでは、事業活動への影響が短期的なリスクを中心に、リスクを戦略リスクとオペレーショナルリスクに分類した上で、各リスクについてグループ共通の基準で評価した結果を一元的に管理するために、同一のリスクマップに掲載しております。

なお、本項に記載した将来や想定に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。ただし、新型コロナウイルス感染症に関する事項は、その状況変化の著しさを鑑み、可能な限り提出日時点に近い情報とするべく、2020年5月末現在において当社グループが判断したものであります。


(新型コロナウイルス感染症に関するリスク)
2019年11月に発生が確認された新型コロナウイルス感染症は2020年1月以降世界的に感染が拡大しており、2020年3月末時点で当社グループにおける事業活動への影響が今後多岐に渡って増大することが想定されます。新型コロナウイルス感染症の感染拡大による最大の懸念は、グローバルに展開する当社グループの従業員及び家族の安全と健康が損なわれる点、及び各拠点における職場の労働安全衛生を担保することが困難となることにより、人的被害が発生する可能性がある点です。また、労働安全衛生に加え、政府による移動制限処置等の影響を受けて職務環境へのアクセスが困難となり、従来通りに業務が行えなくなる可能性もあります。
サプライチェーンへの影響においては、原材料の供給遅延や従業員の出社停止に伴う工場の操業度の低下又は生産停止等が発生する可能性があります。さらに、影響が長期化する場合には、技術開発活動の遅延等により新製品の開発・発売の延期等が発生する可能性があります。これらの原因や、経済状況の悪化等より、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、その影響につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 5.追加情報」に記載の通りであります。

発生可能性影響度重要性の前年
からの変化
新規
対応策当社グループでは、従業員及び家族の命の安全確保を最優先に対応を行っております。具体的には、感染拡大を防止するため、出張・移動・出社の制限、感染予防法の周知、また感染発生時の対応準備、感染発生時の報告フロー整備などを行っております。このほか、不足するマスク・消毒液等のグループ間での融通や、政府機関・医療機関等へのマスク提供を行い、社会広範における感染拡大の防止と早期終息を目指し、当社グループとして貢献出来ることに取り組んでおります。また当社グループでは、サテライトオフィス整備や在宅勤務制度といったテレワークの環境整備と運用を従来から推進しており、今回在宅勤務への迅速な切替えと対象の拡大を進め、従業員が安心して働ける環境を構築するとともに、事業活動を従来通り継続することに努めております。
事業活動の継続にあたっては、原材料調達状況及び生産状況の的確な把握と対応、自社グループ他拠点への調達・生産の移管、代替品の検討、重要な部品の複数購買実施により、ニーズの高い商品の世界市場での安定供給に努めております。手元資金については、従来から金融機関とのコミットメントライン契約やコマーシャルペーパー発行枠を確保しており、更に事業運営面でも設備投資の実行時期の見極めや販管費の低減などを通じて手元流動性の維持に取り組んでおります。
経営方針等
との関連性
-


(リスクマップ及び凡例)
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事業等のリスク
-新型コロナウイルス感染症に関するリスク
戦略リスク事業横断的なリスク(1)経済状況の変動に関するリスク
(2)為替相場・金利の変動に関するリスク
(3)新商品の開発に関するリスク
(4)原材料等の供給に関するリスク
(5)環境に関するリスク
(6)事業再編に関するリスク
(7)人材の獲得と育成及びダイバーシティ推進に関するリスク
(8)設備等の操業度に関するリスク
(9)他社との連携・企業買収等に関するリスク
事業特有のリスクウォーターテクノロジー事業(10)販売チャネルに関するリスク
(11)ブランドに関するリスク
ハウジングテクノロジー事業(12)競合他社との競争・商品価格に関するリスク
ビルディングテクノロジー事業(13)長期受注工事契約に関するリスク
オペレーショナルリスク(14)災害・事故・感染症等に関するリスク
(15)情報セキュリティに関するリスク
(16)訴訟その他法的手続きに関するリスク
(17)製造物責任や補償請求に関するリスク
(18)繰延税金資産の回収可能性に関するリスク

(戦略リスク)
[事業横断的なリスク]
(1) 経済状況の変動に関するリスク
当社グループは日本国内において販売活動を行っており、その売上収益は日本国内における需要、景気、物価の変動、産業・業界の動向に影響を受けます。特に住宅着工戸数や建設会社の建設工事受注高の大幅な変動は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、中国、タイなどのアジア、欧州や北米など海外諸国において生産活動及び販売活動を行っており、これらの国々において戦争、内乱、紛争、暴動、テロ等が発生した場合には、当該国及び周辺地域における販売活動だけでなく、原材料の価格面や数量面で調達安定性を脅かし、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

発生可能性影響度重要性の前年
からの変化
同水準
対応策日本での販売活動において、日本国内における人口減少に伴う住宅着工件数減少の予想を踏まえて、新築市場におけるシェアの拡大の取り組み、中高級品市場への拡販、リフォーム戦略の強化を進めております。また、生産、販売活動においては、外部の第三者機関等を通じて政治情勢、政策変更等をモニターすることにより、海外における政情不安等のリスク顕在化の兆候の早期把握や、代替調達先の確保による製品・原材料を含めた適切な在庫水準の維持により安定的な供給体制を構築するよう努めております。
経営方針等
との関連性
①[持続的成長に向けた組織を作る]事業領域を常に再定義し続ける

(2) 為替相場・金利の変動に関するリスク
当社グループは海外諸国において事業を展開しているため、為替変動は、当社グループの外貨建取引により発生する資産及び負債の円貨換算額に重要な影響を与える可能性があります。また、外貨建で取引されている商品の価格や売上収益等にも重要な影響を与える可能性があります。さらに、当社グループの資金調達は、主として金融機関からの借入等の有利子負債によっており、市場金利が著しく上昇した場合には当社グループの借入による資金調達に係る金利負担が増加し、借入による資金調達の難航や支払利息が増加する等、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

発生可能性影響度重要性の前年
からの変化
同水準
対応策日本の財務部門において、運転資金及び投融資による資金需要を把握し、投資審査委員会で全ての案件を審査する体制を構築しております。また、日本の財務部門の他に、中国、シンガポール、ドイツ、米国に1か所ずつ計4拠点の「リージョナル・トレジャリー・センター」を設置し、各拠点において月次で為替をモニターするとともに、必要に応じヘッジ手続きを実行することにより、為替変動の影響を低減しております。また、当該「リージョナル・トレジャリー・センター」において、各地域における資金管理業務等を集約することにより、資金調達の効率化及び安定化を進めております。
経営方針等
との関連性
①[持続的成長に向けた組織を作る]事業領域を常に再定義し続ける

(3) 新商品の開発に関するリスク
当社グループは、「私たちは、優れた製品とサービスを通じて、世界中の人びとの豊かで快適な住生活の未来に貢献します。」を企業理念として活動しております。高品質の健康かつ快適で安全な住空間の創造を実現するために常に技術と顧客ニーズを的確に把握し魅力ある商品開発を行っておりますが、市場や業界のニーズ変化に十分対応できない、あるいは十分な開発投資を維持できず上市に至らない等の場合、将来の成長と収益性が低下し、売上収益が減少することにより当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

発生可能性影響度重要性の前年
からの変化
同水準
対応策革新的なスタートアップ企業との提携やグローバル情報ネットワークの活用を通じて消費者ニーズの変化に迅速に対応する体制を構築し、当該ニーズを満たす魅力ある商品を開発するため、衛生陶器の新素材である「アクアセラミック」を代表とする先進技術の開発、デザイン力の強化及び商品プラットフォームの統一によりスピード感のある商品開発に努めております。さらに、新商品の開発活動時はステージゲートの設定・運用、上市後は新製品業績の管理により市場トレンドと開発戦略が適合しているか確認しております。
経営方針等
との関連性
②[魅力ある差別化された製品の開発]イノベーション
②[魅力ある差別化された製品の開発]ブランド
②[魅力ある差別化された製品の開発]デザイン
④[エンドユーザー、インフルエンサーへのマーケティング]エンドユーザー
④[エンドユーザー、インフルエンサーへのマーケティング]総合メーカーとしての戦略

(4) 原材料等の供給に関するリスク
当社グループの生産活動にあたっては、資材、部品、その他のサービス等の供給品を適宜に調達しております。そのため、業界の需要増加や事業展開国におけるインフレ等による原材料の高騰、コモディティの価格変動や石油、アルミ、木材やステンレス等の重要な物的資源の調達可能性の変動の結果、売上原価が増加し、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。また、資材、部品、その他のサービス等の供給品は、欠陥や欠品により当社グループの商品の信頼性や評判に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに、生産活動・販売活動と密接に関わる物流業務に関して、石油価格の変動や人件費の高騰を背景に物流費が変動することより、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

発生可能性影響度重要性の前年
からの変化
同水準
対応策デリバティブの活用、原材料価格高騰部分の販売価格への転嫁、複数購買の実施、より採算性の高いサプライヤーへの集約、取引先の信用情報調査の実施、取引先との定期的なコミュニケーションの実施、定期的な品質テスト、安全在庫量の確保等を実施し、安定的な供給体制の構築に努めております。また、物流費の安定化を図るために物流効率の改善にも取り組んでおります。
経営方針等
との関連性
③[競争力あるコストの実現]サプライチェーンの質的向上

(5) 環境に関するリスク
当社グループは、「LIXILグループ環境方針」に基づき、地球環境保全に向け様々な活動を行っております。特に近年においては、気候変動の影響を受けて省エネ関連の法規制強化や炭素税導入等新たな法規制が整備されることにより、従来は問題視されることのなかった生産・販売活動が法令違反に該当する可能性が増加しております。しかしながら、環境汚染等の環境リスクや法規制違反を完全に防止又は軽減できる保証はありません。当社グループの事業活動に起因する重大な環境汚染等が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

発生可能性影響度重要性の前年
からの変化
同水準
対応策ISO14001もしくは環境マネジメントシステムによる環境関連法令の洗い出しや遵守の点検ルールを定め、運用状況について定期的に審査を実施しております。「EHSパフォーマンスデータ報告ガイドライン」を制定して運用し、グループ全体の目標管理とモニタリング体制を強化し、グループ全体での環境負荷削減を推進しています。また、LIXILグループ独自の環境マネジメントシステムに基づく内部監査を実施しており、対象を順次子会社へと拡大しています。さらに、内部監査で指摘があった事項については、フォローアップを行い、改善の実施を確認することで、マネジメントシステムの効果的な運用につなげています。
経営方針等
との関連性
①[持続的成長に向けた組織を作る]尊敬され、誇りを持てる会社になる

一方で、SDGsの目標6にて掲げられている通り、世界には下水や衛生施設の設置が行き届いていないことにより屋外での排泄を余儀なくされている人々が数多く存在します。また、水質汚染や渇水により十分な水資源へのアクセスが無い地域においては、より効率的な水資源の活用を前提とした排泄物を処理する仕組みや節水技術が求められております。
このようなニーズに対応するために、当社グループとして2025年までに1億人の人々の衛生環境を改善し、生活の質向上につなげることを目指しております。具体的にはトイレの設置が行き渡っていない開発途上国の農村部におけるSATOトイレシステムの展開と事業としての黒字化、トイレは設置されているものの水の供給量が限られる都市部における活用を目指したマイクロフラッシュトイレシステムの開発、屋外トイレの設置が困難なスラムにおける活用を目指したポータブルトイレシステムの開発を進めております。これら社会課題への取り組みを推進することにより、現在のみならず将来の事業展開国・地域における当社グループの持続的な成長と、存在意義及びブランドイメージの向上を実現することを目指しております。

さらに、パリ協定及びSDGsの目標13に掲げられている通り、CO2削減を実現するための製造・販売活動の見直しや気候変動による影響を低減するための取り組みを実施することが以前に増して企業に求められております。また、世界的な人口増加や経済成長に伴い、節水・浄水技術に対する需要が高まっております。
このようなニーズに対応するために、当社グループとして環境ビジョン2050を定め、気候変動対策を通じた緩和と適応(事業プロセスと製品・サービスによる温室効果ガスの排出を実質ゼロにする)、水の持続可能性を追求(節水や水の循環利用、浄水技術などを通じて、水の環境価値を創造する)、資源の循環利用を促進(循環型社会への変革に貢献し、限りある資源を未来につなぐ)の分野に注力します。事業プロセスにおいては、工場やオフィスでの徹底した省エネ活動や、再生可能エネルギーの利用、製造プロセスのエネルギー効率化に向けた技術開発を推進していきます。また、各地域の水関連の問題に対する事業へのリスクを把握し、水使用効率の改善や循環利用、排水管理などの適切な施策を実施することで、事業を行う地域で継続した水の利用を可能にする環境の維持に努めています。さらに、廃棄物の削減や適切な管理を徹底するとともに、サプライヤーとの協働により、新規に投入する資源の最小化や、リユースやリサイクルをさらに促進することで、社会とともに資源の循環利用を加速させる仕組みを構築していきます。これら社会課題への取り組みを推進することにより、現在のみならず将来の事業展開国・地域における当社グループの持続的な成長と、存在意義及びブランドイメージの向上を実現することを目指しております。

(6) 事業再編に関するリスク
当社グループは、経営の効率化及び競争力強化のため、不採算事業からの撤退、子会社や関連会社の再編、製造拠点や販売・物流網の再編及び人員の適正化等による事業の再構築を行うことがあります。これらの施策に関連して、事業再編後の組織において当社グループと対象事業の戦略が整合しておらず、全体として最適な戦略に基づき経営資源が配分されないこと等により、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。さらに、投融資等の意思決定の際に、事業戦略、領域、展開国等に内在するリスクが体系的に識別されず、投資実行後に当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

発生可能性影響度重要性の前年
からの変化
同水準
対応策親会社及びテクノロジービジネスの経営陣、各グループ会社の取締役及び執行役と社員とのコミュニケーション強化によって当社グループの経営戦略の浸透を図っております。
親会社による事業・地域ポートフォリオマネジメントを強化することにより、事業の再構築を実施した後において、テクノロジービジネス間のシナジー効果の最大化や戦略実効性の向上が実現するよう努めております。大規模な事業再構築を生じさせない組織の構築に向けて、M&Aにおける買収先企業のPMI強化の一環として、ガイドラインの策定を通じてPMI推進体制、進捗報告プロセスを明確化することにより、有効かつ適切なPMIプロセスの整備・運用による子会社ガバナンスの強化を目指しております。さらに、LIXILグループまたはその子会社による会社の新設、事業再編等を含む投融資に関する事項(投融資案件)については、その内容や金額的重要性に応じて、投資審査委員会による審査や決議をする体制を整えております。
なお、対応策については2015年に発覚した当社海外子会社Joyou AGにおいて不適切な会計処理が行われていた事実(Joyou問題)への再発防止策を踏まえたものであります。
経営方針等
との関連性
①[持続的成長に向けた組織を作る]事業領域を常に再定義し続ける
③[競争力あるコストの実現]間接部門費の削減

(7) 人材の獲得と育成及びダイバーシティ推進に関するリスク
当社グループが継続的に事業を発展させるためには、専門技術に精通した人材や、経営戦略や組織運営といったマネジメント能力に優れた人材の確保、育成を継続的に推進していくことが必要となります。しかしながら、特に日本国内においては少子高齢化に伴う労働人口の減少等もあり、必要な人材を継続的に獲得するための競争は厳しく、人材獲得や育成が計画通りに進まない場合には、長期的観点から業務運営の効率性が損なわれ、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。


発生可能性影響度重要性の前年
からの変化
同水準
対応策日本において、新卒採用や経験者の通年採用を積極的に展開するほか、人事・教育体系の充実や65歳以上の退職技術者の嘱託雇用等により技術継承を促進するとともに、グローバルで人材育成計画を策定し、各プログラム(海外派遣研修、共通eラーニング等)を実行することにより社員の定着と育成に努めております。あわせて、女性の労働力確保を含め、ダイバーシティ・マネジメントを推進し、多様な社員が個性や能力を十分に発揮し活躍できるよう制度や環境の整備を進めております。また、「シェアード・サービス・センター」をアジアに設立し、アジアにおけるガバナンスを強化するとともに、間接業務の集約化や効率化を図ることにより、日本国内あるいはアジアにおける将来の労働環境に左右されない柔軟な組織を構築することを目指しております。また、多様な人材を受入れる企業文化、職場環境の構築(テレワークやエキスパート制度等)を進めております。
経営方針等
との関連性
①[持続的成長に向けた組織を作る]尊敬され、誇りを持てる会社になる
①[持続的成長に向けた組織を作る]従業員の行動様式こそが競争力となる

一方で、高齢化の促進による高齢世帯の増加及び障がい者人口の増加に対応した商品の必要性が高まっております。また、SDGsの目標5にて掲げられている通り、企業に対して高齢者や障がい者の雇用だけでなく、ジェンダー格差の是正に対する取り組みも求められております。
このようなニーズに対応するために、多様性から生み出される活力を起業家精神醸成の源ととらえ、将来へ向けた成長とイノベーションを達成するために、「LIXILダイバーシティ&インクルージョン宣言」を採択し、グループ内にて実行しております。これら社会課題への取り組みを推進することにより、現在のみならず将来の事業展開国・地域における当社グループの持続的な成長と存在意義及びブランドイメージの向上を実現することを目指しております。

(8) 設備等の操業度に関するリスク
当社グループの主要な事業では多様な商品の製造を行っているため、製造拠点となる工場等の生産設備を数多く所有しており、また、その展開地域も多岐に渡っておりますが、当該生産設備について、需給の変動、労働力の減少や災害の発生等をはじめとする様々な要因で操業度が低下する可能性があります。操業度の低下により当初想定した収益を獲得できない場合、当該設備について減損損失を計上し、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

発生可能性影響度重要性の前年
からの変化
同水準
対応策当社CFO直轄組織の「ガバナンス推進部」がガバナンス強化の取り組みの一環として国内外子会社の業績管理プロセスを推進することにより、遊休資産の発生や業績悪化に伴う固定資産の減損の兆候を早期に捉えることを可能とし、業績悪化の兆候を把握した際には適時に対策が打てるような体制を構築しております。さらに、CRE(Corporate Real Estate)がグローバルで不動産管理を行っており、事業用資産の稼働状況、遊休状態の有無をモニターし、関係部署へ定期的に確認を行っております。
経営方針等
との関連性
①[持続的成長に向けた組織を作る]事業領域を常に再定義し続ける

(9) 他社との連携・企業買収等に関するリスク
当社グループは、企業買収及び資本参加を含む投資による事業の拡大を企画することがありますが、買収・投資実行後にグループ全体に内在するリスク及びオポチュニティを適時・的確に識別することができず、当初想定した利益やシナジー効果をあげられない、あるいは買収後に偶発債務の発生や未認識の債務等が判明する可能性があります。さらに、事業拡大後、当社グループと対象事業の戦略が整合しておらず、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

発生可能性影響度重要性の前年
からの変化
同水準
対応策統合時においては、統合に関するグローバル共通のポリシーを策定し、統合後のレビューやモニタリングプロセスを効率的に設計、運用する体制の構築を目指して動いております。また、統合後においては、シナジー創出に向けて効率的でフラットかつシンプルな組織構造の構築を目的とし組織変革を推進しております。
経営方針等
との関連性
①[持続的成長に向けた組織を作る]事業領域を常に再定義し続ける

[事業特有のリスク]

(10) 販売チャネルに関するリスク
ASD Holdings Corpは様々なライフスタイルに合わせて中高級品から普及品まで幅広いデザインの商品を展開しておりますが、近年特に北米を中心として流通構造の変化が起きています。具体的には、代理店・小売店等を経由した従来型の販売チャネルからよりエンドユーザーへの直接的な販売への転換が起きており、ASD Holdings Corpにおいても、ECを活用したウェブサイトでの自社商品の販売等を含め、ビジネスの転換を図り、コスト構造の改革に努めていますが、このような販路の転換に対して、想定していた顧客数が確保できない等の理由により、その収益力が低下した結果、当社グループが計上しているのれんについて減損損失が発生する可能性があります。

発生可能性影響度重要性の前年
からの変化
増加
対応策販売チャネルの拡大を進めるために、正規代理店における販売計画を強化するとともに、住宅設備関連の施工会社等への販路を柔軟に拡大することで自社製品の販売促進に努めております。さらに、エンドユーザーからの直接需要を効率的に取り込むことを目指し自社のECサイトの構築を進めております。さらに、安定した販売活動を支え運営上の安全性を担保するため、目的に応じ適切な管理システムを導入することで情報漏洩やサイト運営に支障が出ることを事前に防ぐ体制を整えております。
経営方針等
との関連性
②[魅力ある差別化された製品の開発]ブランド

(11) ブランドに関するリスク
GROHEブランドは富裕層をターゲットとした洗練されたブランドとして認知されていますが、競争の激しい環境において更なる販路の拡大を目指し、従来の欧州中心のビジネスから、アジアやアフリカ等の新興国への展開を進めております。新興国への販路拡大のためには従来よりも柔軟な価格対応や、地域特有のニーズに応える商品の開発が求められることがありますが、これらの施策を実行することにより、これまでのGROHEが維持してきたブランド価値が棄損し、その収益力が低下した結果、当社グループが計上しているのれんについて減損損失が発生する可能性があります。
また、当社グループの一員としてGROHEブランドを維持する際に、テクノロジー内において一貫性のある戦略に基づいた管理がされない場合、GROHEのブランドやデザインの差別化がなされず、ブランド価値が棄損し、その収益力が低下した結果、当社グループが計上しているのれんについて減損損失が発生する可能性があります

発生可能性影響度重要性の前年
からの変化
増加
対応策継続的なブランド投資によりブランド価値の維持や、商品開発を実施しております。また、グローバルでGROHEブランド及び競合他社ブランドの販売価格を継続的にモニタリング・分析し、収集した情報を元にブランド戦略に沿った価格を設定・共有した上で、グローバルで統一的な施策を立案・実行できる仕組みを整備することで、競争の激しい市場においてもグローバルでブランド価値を反映した価格帯を維持できるよう対応しております。さらに、ウォーターテクノロジー事業におけるGROHEブランドの位置付けについて、事業内の他ブランドとの差別化を図るため、ブランドデザインの使用に関するルールを設け、ブランド価値の管理に努めております。
経営方針等
との関連性
②[魅力ある差別化された製品の開発]ブランド
②[魅力ある差別化された製品の開発]デザイン


(12) 競合他社との競争・商品価格に関するリスク
当社グループは、事業を展開する多くの市場において激しい競争に直面しておりますが、特に建材・建築資材を取り扱う国内市場は当社と競合による寡占市場となっております。そのような環境において、当社グループにとって常に有利な価格決定をすることは困難な状況にあり、売上収益は競合他社の価格設定に影響を受けます。当社グループは高品質で魅力的な商品を市場へ投入できるリーディングカンパニーと自負しておりますが、価格面において競争優位に展開できる保証はなく、当社グループの商品・サービスが厳しい価格競争に晒され、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

発生可能性影響度重要性の前年
からの変化
増加
対応策競合他社との激しい競争による市場価格の下落に対し、付加価値商品の市場投入を進め、販売価格の底上げに取り組んでおります。
経営方針等
との関連性
②[魅力ある差別化された製品の開発]ブランド


(13) 長期受注工事契約に関するリスク
当社グループが海外において展開する事業活動の中で、プロジェクト型の長期受注工事契約案件は、見積りから入札、受注、契約、施工、引き渡しまでの一連のサイクルが長い特徴があり、売上の計上から債権の回収までの期間も長期に渡ることがあります。長期契約に基づく収益を認識するため、当該契約の成果が信頼性をもって見積ることができる場合、工事契約の進捗に応じて収益及び費用を認識しております。
プロジェクト型の長期受注工事契約案件では、見積総原価、完成までの残存費用、見積総売価、契約に係るリスクやその他の要因について重要な仮定を設定する必要がありますが、工事進捗の能率差異や施工に対する顧客の確認結果等により、見積りと実績が乖離した場合、当該契約に関する見積りを見直す必要が生じます。また、設計及び施工上の欠陥等により、工事損益の見積の前提が変化し、受注時点で想定していない要因により、採算が悪化し、売上収益等に影響することがあります。さらに、債権回収の観点からは、受注時における取引先に対する与信管理が重要になります。プロジェクト進行中における経済状態や取引先の財務状況の変化により、一部の債権が回収不能となる、あるいは貸倒引当金の積み増しが必要となる場合があります。なお、受注工事に係る契約履行義務については、当社グループの偶発債務として認識しております。
なお、2020年5月に当社の連結子会社であるPermasteelisa S.p.A.の株式譲渡を決定したことに伴い、当該株式譲渡契約に規定されている条件に基づく追加的な偶発債務を認識しております。その内容につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 42.非継続事業」に記載のとおりであります。

発生可能性影響度重要性の前年
からの変化
同水準
対応策プロジェクト型の長期受注工事契約案件では、入札及び受注時点において、ボンド枠のグループ全体管理、既存プロジェクトの稼働状況に応じた受注計画の策定及び受注条件の厳格な審査を行っております。また、受注時の見積総原価については、金額的な重要性に応じた入札審査、受注条件の承認を行う体制を構築し、ガバナンスを強化しております。さらに、施工の進捗状況については、モニタリング体制を整備し、見積りの前提条件変化の早期検知に取り組んでおります。債権回収についても、入札及び受注段階で事前に取引先の財務状況を把握しております。また入札審査を金額的な重要性に応じたプロセス設定を行い、実施体制を構築、運用しております。プロジェクト進行中も、請求及び債権回収状況のモニターを月次で実施、債権の滞留状況及び回収状況については四半期毎に適切な評価を行っております。当社グループでは、プロジェクト型の長期受注工事契約に対するこれらの施策を通じ、契約履行義務の確実な遂行に努めております。
なお、対応策については2019年3月期に損失計上した海外事業における再生計画を踏まえたものであります。
経営方針等
との関連性
①[持続的成長に向けた組織を作る]事業領域を常に再定義し続ける

(オペレーショナルリスク)
(14) 災害・事故・感染症等に関するリスク
当社グループは、日本国内及び海外諸国の複数の拠点において生産活動及び販売活動を行っていることから、各地で発生する地震や台風等の自然災害、未曽有の大事故や感染症によって、当社グループの生産、物流、販売活動や情報管理関連施設等の拠点に甚大な被害を受ける可能性があります。特に、災害・事故等の発生により、当社グループの国内及び国外工場の生産活動が停止することは、市場への製品供給に深刻な影響を及ぼし、売上収益に悪影響を与える可能性があります。また、感染症の発生や拡大は当社グループ従業員の健康状態悪化による労働力の低下の可能性や、取引先の生産及び販売活動の一部停止等の影響を及ぼし、当社グループの事業活動に支障が出る可能性もあります。その結果、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

発生可能性影響度重要性の前年
からの変化
増加
対応策特に国内拠点においては、事業や財務への影響の低減を目的として、財務的損失をカバーするため包括的な損害保険への加入、工場の分散、耐震工事の実施等により自然災害等発生時の影響を低減した上で、早期に復旧できるようBCP計画の策定及び定期的な見直しを実施しております。また、海外については、保険への加入等の予防策とともに、当該事象が発生した後に迅速な対応をとることができるような体制構築に努めております。さらに、感染症の影響についてはグループイントラサイトに予防方法や業務を遂行する上での対応方針を掲載し、情報の周知徹底を図るとともに、WHOや各国の動向について必要な情報収集を行い、予防策を講じております。
経営方針等
との関連性
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(15) 情報セキュリティに関するリスク
当社グループが行う生産活動、販売活動並びに各種事業活動は、コンピュータシステム及びコンピュータシステムを結ぶ通信ネットワークを利用しております。通信ネットワークに生じる障害や、ネットワーク又はコンピュータシステム上のハードウェアもしくはソフトウェアの不具合・欠陥、データセンターの機能停止等により事業活動に支障が出る可能性があります。また、情報システムが適切に導入・更新されていないことによるシステム上の不具合、業務の非効率、生産性低下を招き、事業活動に支障が出る可能性があります。さらに、当社グループでは業務を遂行する中で顧客情報をはじめとする様々な個人情報を取り扱う機会があり、厳格な情報管理が求められておりますが、不測の事態により個人情報の遺漏が発生した場合には、社会的信頼の失墜を招くとともに多額の費用負担が生じる可能性があります。その結果、売上収益が減少あるいは販管費が増加し、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

発生可能性影響度重要性の前年
からの変化
同水準
対応策効率的で安定した事業活動の遂行を担保するため、老朽化した基幹システムの刷新を進めております。また、個人情報管理の推進機関を設置し、関連する規程類を整備し、適切な研修を継続して行うなど個人情報管理の強化に努めております。なお、サイバー攻撃全体への対応としてCSIRT(シーサート: Computer Security Incident Response Team)を設置し、外部からの不正アクセスを常時監視するとともに、有事の際に適切な対応を実現する体制を構築しております。
経営方針等
との関連性
①[持続的成長に向けた組織を作る]従業員の行動様式こそが競争力となる
④[エンドユーザー、インフルエンサーへのマーケティング]インフルエンサー

(16) 訴訟その他法的手続きに関するリスク
当社グループが国内及び海外において事業展開をする上で、訴訟その他の法的手続の対象になる可能性があります。また、当社グループが訴訟その他の法的手続の当事者となった場合、多額の損害賠償金の発生や、事業に要するライセンスの取消し等につながる可能性があります。特に、海外においては、各国により求められる要件等が異なるため、意図せず当該要件等に違反してしまう可能性があります。上記の結果として、当社の信頼性や評判を損ない、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

発生可能性影響度重要性の前年
からの変化
同水準
対応策訴訟その他法的手続きの事案が発生した場合、適時に弁護士等の外部専門家に相談できる体制を構築しております。また、定期的に各地域のCLOが集まる等、グループ全体のLegal体制を整備しております。
経営方針等
との関連性
①[持続的成長に向けた組織を作る]従業員の行動様式こそが競争力となる

(17) 製造物責任や補償請求に関するリスク
当社グループが提供する商品・サービスには、欠陥が生じるリスクがあり、またリコールが発生する可能性もあります。大規模な製造物責任賠償やリコールにつながるような場合には、多額の支払が生じるとともに、当社グループの商品の信頼性や評判に悪影響を及ぼす可能性があります。その結果、売上原価、販管費等が増加し、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

発生可能性影響度重要性の前年
からの変化
同水準
対応策開発及び設計の各段階で品質に関するゲートを設け、当該問題を解決しなければ開発や設計を進めさせないルールを定め運用することにより、商品・サービスが大規模な製造物責任賠償やリコールにつながる可能性を低減しております。
経営方針等
との関連性
①[持続的成長に向けた組織を作る]従業員の行動様式こそが競争力となる
②[魅力ある差別化された製品の開発]品質

(18) 繰延税金資産の回収可能性に関するリスク
当社グループは、税効果会計を適用し、税務上の繰越欠損金及び将来減算一時差異に対して繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得に関する見積りを含めた予測等に基づき判断を行っております。将来の課税所得の予測が変更され、将来の課税所得に基づいて繰延税金資産の一部又は全部の回収ができないと判断された場合、当該繰延税金資産は減額され、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

発生可能性影響度重要性の前年
からの変化
同水準
対応策当社CFO直轄組織の「ガバナンス推進部」がガバナンス強化の取り組みの一環として国内外子会社の業績管理プロセスを推進することにより、業績悪化の兆候を早期に捉えるようにしております。また、業績悪化の兆候を把握した際には、当社経理財務部門及び税務部門が繰延税金資産の回収可能性に関して見直しの必要性を含めて適時に対策が打てるような体制を構築しております。
経営方針等
との関連性
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従業員の状況研究開発活動


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01317] S100J50I)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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