有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100L2TC (EDINETへの外部リンク)
井関農機株式会社 研究開発活動 (2020年12月期)
当社グループは、創業以来「お客様に喜ばれる製品」の提供を企業理念の一つに掲げ、お客様に満足して使っていただける、お求めやすい商品をタイムリーに提供することをモットーに研究開発活動を展開しています。お客様のニーズに応えるため、徹底した調査に基づき、省エネ・低コスト農業、安全作業・環境保全への配慮など積極的に取り組んでいます。
国内においては、主力である稲作機械をはじめとして、省力化ニーズの高い畑作・野菜作分野への機械化に注力しているほか、ICTやロボット技術を活用した超省力化農業、経験と勘の農業から誰もができる農業、データを駆使した戦略的な農業を可能とするスマート農業にも積極的に取り組んでいます。海外においては、北米や欧州向コンパクトトラクタ市場への対応や、中国・アセアンそして韓国やインドへ日本で培った稲作技術を活用した商品展開など、地域のニーズに対応した商品展開に積極的に取り組んでいます。
近年は、変化し続ける事業環境に迅速に対応するため、産学官との連携や、自前主義にこだわらず、パートナーとの幅広い連携による技術力の向上と画期的な商品・サービスの開発・提供にも積極的に取り組んでいます。
また、毎年、技術研究発表会を開催し、研究開発の成果や発明情報の共有とともに、討論を重ね グループ全体のスキルアップを図っています。
なお、当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発費は1,501百万円であり、主たる研究成果は次のとおりであります。
農業関連事業 |
(トラクタ)
・大型化が進む国内農機市場においても、20~60馬力クラスのトラクタは依然として大きな割合を
占めています。このたび、高い静粛性と高い次元の振動低減、粘り強いトルクを発揮する当社内製
新エンジンを搭載したジアスNTA・NT5シリーズを市場投入しました。
・欧州市場では、環境規制対応により、高機能顧客層(プレミアム)とシンプル低価格志向顧客層(エコノミー)に需要の二極化が進んでいます。このたび、欧州ノンロードディーゼルエンジン排出ガス第5次規制(EU StageV)に適合した当社内製新エンジンを搭載し、高機能顧客層向けのTGシリーズと、シンプル低価格志向顧客層向けのTLEシリーズをモデルチェンジし、市場投入しました。
いずれのシリーズにも、メカ仕様(主に農用)とHST仕様(主に景観整備用)をラインアップし、欧州市場の幅広いニーズに応えます。
(コンバイン)
・当社主力コンバインHFRシリーズに、当社内製新エンジン搭載し、新たなHFRシリーズとして市場投入しました。新エンジンは従来機に比べ低騒音、トルク向上を実現しており、快適作業や高い負荷でもより粘り強い作業を可能にします。また、作業状態時にエンジン負荷、車速、揺動棚の層厚に応じて作業回転範囲内(グリーンゾーン)でエンジン回転を自動的にコントロールするIQ脱穀制御などの新機能を搭載しています。これにより、コーナー旋回や倒伏作業などの低速作業時に唐箕の風量を最適化して脱穀ロスを低減します。
(田植機)
・農業構造が急速に変化している国内市場において、更なる高能率・高精度・省力化が求められています。今回、当社田植機「さなえ」誕生50年の節目の年に、デザインを先進的で高能率なイメージに一新、“オペレスタ・ターン”を始めとする新機能を搭載した乗用田植機PRシリーズ(5条~7条植)を市場投入しました。この新機能は、2017年に市場投入した、GNSSの測位情報を活用した直進アシスト機能(オぺレスタ)に加え、旋回作業のハンドル操作を田植機が自動でアシストするものです。
さらに、当社の国内最上位モデル「Japan」と位置づけ、担い手層向けとしてPRJシリーズ(8条植)を市場投入しました。これにより、トラクタ(TJシリーズ)・コンバイン(HJシリーズ)とともに、「ISEKI All Japan」で日本農業を応援してまいります。
(野菜作商品)
・広がりを見せる野菜作市場においても、生産者1軒あたりの栽培面積拡大により、植付、収穫作
業の更なる効率化や省力化が求められています。
移植機においては、水田転作で増加傾向のあるたまねぎやレタスなどの多条植ができる、「ナウ
エルナナ」PVHR400(4条植え)を市場投入しました。
また、収穫機においては、市場要望に応えた新機能や新エンジンを搭載しただいこん収穫機VHD1250シリーズを市場投入しました。
(その他商品)
・当社乗用管理機JKB23(キャビン仕様)用の作業機「スマート追肥システム(IHB200LX-SET)」を市場投入しました。水稲の追肥作業は、収量を確保し品質を安定させるために行われ、6~8月の時期に稲の生長に合わせた適正時期でのタイミングが重要です。これまでは、各ほ場に作業者が入り、生育状態を葉色と葉色板と比較しながら施肥量を調整しており、熟練の技術を要し、且つ重労働でした。スマート追肥システムは生育センサーでリアルタイムに生育状況を取得しながら、状態に合わせて最適量の追肥(施肥)を自動で行います。これにより、省力化と高精度な追肥作業を実現します。
(本商品は、「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)次世代農林水産業創造技術」の研究を通して国立大学法人鳥取大学、株式会社トプコン、初田工業株式会社と共同開発した商品となります。)
当社は、「ISEKIレポート」「知的財産報告書」等において当社グループの研究開発の考え方、活動、知的財産戦略等について情報開示を行っております。「特許行政年次報告書」(特許庁編)によれば、日本における分野別登録数(2014年までは分野別公開数)および全産業を対象とした特許査定率において上位を維持し続け、2019年度はいずれも第1位となりました。
(分野別登録数・分野別公開数の年度別推移)
年 | 2000~2006 | 2007~2014 | 2016~2017 | 2018 | 2019 |
統計数 | 分野別公開数 | 分野別登録数 | |||
分 野 | 農水産 | その他の特殊機械 | |||
順 位 | 1位 | 2位 | 1位 |
年 | 2004~2010 | 2011 | 2012 | 2013 | 2014 | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 |
特許査定率 | - | 91.8% | 94.7% | 97.0% | 99.2% | 97.5% | 100.0% | 98.1% | 96.4% | 97.7% |
順 位 | 1位 | 2位 | 1位 | 2位 | 1位 |
※ 特許査定率 = 特許査定件数 / (特許査定件数 + 拒絶査定件数 + 取下・放棄件数)
取下・放棄件数 … 拒絶理由通知後に取下げまたは放棄した件数
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01563] S100L2TC)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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