有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100LQWS (EDINETへの外部リンク)
レイズネクスト株式会社 研究開発活動 (2021年3月期)
当社グループの研究開発活動は、当社が顧客に提供するソリューション・サービスに係る技術力の強化を目指して取り組んでいるものであります。
当連結会計年度は経営統合後の第1次中期経営計画の最終年度として、「メンテナンスとエンジニアリングの技術力強化」をキーワードに活動を展開しました。具体的には、作業の非熟練化、軽労化、作業の機械化、および現場業務のIT化を踏まえた各種先進技術の活用・導入を図ってまいりました。
なお、当期の研究開発費の総額は132百万円であり、主な取組みは次のとおりです。
(1)メンテナンス作業の機械化
既存技術の付加価値向上に加え作業員の非熟練化、軽労化および安全性の向上を目的とした作業の機械化に取り組みました。
①熱交換器のメンテナンスに関連する技術
熱交換器のカバー類の脱着について、狭所における支保工材を活用した工法の改善策としてより軽量で取扱いが容易な部材の採用や冶具の開発を行いました。来期は現場における有効性を確認したうえで本工法の標準化を図ってまいります。また、高温高圧の環境下で使用される熱交換器の開放作業においては、焼き付き、かじりによってボルトの取外しが困難となる状況が度々発生します。これに対応するため、火気によるボルトの溶断や手作業による切断等に関し、より安全で効率的な工法への取組みを開始しました。
②配管切断技術
ウォータージェットを利用した切断機の有効性が現場において検証できたことから、来期以降、さらに適用実績を蓄積して改良を重ね、既存の技術を含むコールドカッティング技術全体のメニュー化を図ってまいります。
③自動溶接の適用範囲拡大
前期はタンク側板の周継手に係る自動溶接について現場で適用できることが確認できました。当期においては自動溶接の適用範囲を縦継手まで拡大すべく、溶接条件の検討を行ってまいりました。来期には現場で適用できるよう継続して溶接条件の検討を行ってまいります。また、タンク屋根板の自動溶接にも取り組み、現場での施工に問題がないことを確認しました。
④溶接士不足への対応
将来的に溶接士の不足が懸念されることから、前期に引き続き、自動溶接機による配管の溶接実験を継続して行い、来期には現場適用できるように取り進めてまいります。また、溶接士がいつでも技能の向上を図ることができるよう訓練機の開発にも着手しました。
今後も、メンテナンス技術力の強化を目標にメンテナンス作業の機械化を進めてまいります。
(2)現場業務のIT化
現場で必要となる情報の一元化、情報取得の省力化等により、現場管理業務を効率化するとともに業務品質を向上させることを目指して、ITツールの開発とその活用法に取り組みました。
①メンテナンスデータベース
当社が自社開発したメンテナンスデータベース(S-TORAGE)は、機能改修とクラウド化によって複数の定期修理工事現場においてその有効性を発揮できることを確認しておりましたが、当期前半において最終の機能改修を行い、一連の開発が完了しました。また、当データベースを活用した文書管理にも取り組みました。引き続き、定期修理工事現場における活用の拡大を図ってまいります。
②工事情報共有化・工事進捗管理システム
当社が自社開発した工事情報共有化・工事進捗管理システム(SPIRIT)は、多くの定期修理工事現場においてお客様や他の元請会社にご活用いただいております。当該システムの開発、運用から7年が経過したことから、最新のIT技術を活用してこれまで以上にユーザーフレンドリーなシステムにすべく抜本的に見直し、再構築するためにPoC(Proof of Concept:概念実証)を実施いたしました。このPoCによって、新たに開発する機能等の実現性が検証できたことを受け、社内外のユーザーをメンバーとするプロジェクト体制を組んで当期後半から開発に着手いたしました。来期には開発を完了させ、定期修理工事現場へ導入してまいります。
③位置情報管理技術の開発
IoT(Internet of Things:モノのインターネット)を用いて現場機器等の管理を行うため、位置情報管理システムの開発を進めておりますが、前期において近距離無線通信の活用によって位置測位精度の向上を図ることができました。これをGPS技術と組み合わせることで広域における大まかな位置情報と狭域における精度の高い位置情報の取得が可能となりました。今後は、測位機材を簡易に設置できるよう改良を施し、来期における現場での適用を視野に入れた本システムの実用化を図ってまいります。
④VR(Virtual Reality:バーチャル・リアリティ、仮想現実)映像の現場活用
これまでVR映像の現場活用に取り組んでまいりましたが、当期は安全体感VRの有効性を検証し、現場での安全教育へ導入、運用を開始しました。さらに、熱交換器チューブバンドルの抜出し、挿入に使用するハイドロエキストラクターの操作VRの制作にも取り組み、次期には完成させて実機操作前の教育に活用してまいります。
⑤AI(Artificial Intelligence:人工知能)
AIを現場管理業務に適用するため、「予測系AI」「認識系AI」「対話系AI」によってどのような現場業務に効果が見出せるか、の検討を開始しました。また、AIを活用した各種ツールが急速に普及しておりますが、その有効性と現場活用について調査を実施しました。引き続き、具体的な導入に向けて検討を進めてまいります。
これら現場業務のIT化に関する研究開発は、業務効率化や省力化による業務品質の向上だけでなく、働き方改革にも寄与する取り組みとして、社内標準化を目指して継続的に推進してまいります。
(3)その他の技術等
①溶接技術の確立
溶接補修により溶接熱影響部のクリープ寿命に著しい影響を及ぼすといわれている材料について、適切な溶接技術を確立するための材料評価を実施しております。前期までに基礎データの採取が完了しておりますので、当期においては溶接補修を施した試験片の製作と硬度およびクリープ試験によるデータ採取を行いました。来期は基礎データと比較することで溶接欠陥への対処に関する知見を獲得し、リスクを回避した溶接施工方法を確立してまいります。
②FREND検査™
当社は、熱交換器、ボイラチューブの内・外面腐食検査を高精度かつ迅速に行うことができる、独自の検査技術(FREND検査™)を有しております。この技術をUベンドを有する熱交換器チューブに適用すべく、曲率半径の小さなUベンド部を通過できるセンサの開発に着手し、良好な結果を得ることができました。来期には異なる型式の熱交換器チューブへも適用範囲を拡大することを目指して開発を進めてまいります。
③ドローンの活用
活用法が急拡大しているドローン技術について、点検・検査に止まらずメンテナンス現場やエンジニアリング分野での活用について検討を開始しました。
④レーザー計測の設計業務への活用
設計業務に活用するレーザー計測について、精度の向上や機器の信頼性等に関する研究を行い、実業務へ反映させました。
当社グループの主要顧客である石油業界や石油化学業界においては、既存プラントの安全・安定操業に対するニーズの高まりや設備の経年劣化による事故・トラブルの未然防止への取組みに加え、先進技術を活用したスマート保安の動きが広がりを見せるなど、プラントメンテナンスの重要性がますます高まっております。このような事業環境において、当社のようなメンテナンス請負企業に対する労働安全、品質管理への要求が厳しくなっていることに加え、先進技術の活用による生産性向上に対する要求も強まってきています。さらに社内においては時間外労働時間の削減が重要課題となっており、業務効率化を含めた働き方改革が求められております。
当社グループはこれからも、こうした顧客ニーズや事業環境の変化に対応するため、研究開発活動を実施してまいります。研究開発のテーマ選定にあたっては、これまでどおり国内のみならず欧州や米国等における技術および市場調査の成果を有効に活用するほか、第2次中期経営計画に掲げた「DX(Digital Transformation)推進」に向けて、デジタル技術や先進技術を活用したテーマにも取り組んでまいります。
当連結会計年度は経営統合後の第1次中期経営計画の最終年度として、「メンテナンスとエンジニアリングの技術力強化」をキーワードに活動を展開しました。具体的には、作業の非熟練化、軽労化、作業の機械化、および現場業務のIT化を踏まえた各種先進技術の活用・導入を図ってまいりました。
なお、当期の研究開発費の総額は132百万円であり、主な取組みは次のとおりです。
(1)メンテナンス作業の機械化
既存技術の付加価値向上に加え作業員の非熟練化、軽労化および安全性の向上を目的とした作業の機械化に取り組みました。
①熱交換器のメンテナンスに関連する技術
熱交換器のカバー類の脱着について、狭所における支保工材を活用した工法の改善策としてより軽量で取扱いが容易な部材の採用や冶具の開発を行いました。来期は現場における有効性を確認したうえで本工法の標準化を図ってまいります。また、高温高圧の環境下で使用される熱交換器の開放作業においては、焼き付き、かじりによってボルトの取外しが困難となる状況が度々発生します。これに対応するため、火気によるボルトの溶断や手作業による切断等に関し、より安全で効率的な工法への取組みを開始しました。
②配管切断技術
ウォータージェットを利用した切断機の有効性が現場において検証できたことから、来期以降、さらに適用実績を蓄積して改良を重ね、既存の技術を含むコールドカッティング技術全体のメニュー化を図ってまいります。
③自動溶接の適用範囲拡大
前期はタンク側板の周継手に係る自動溶接について現場で適用できることが確認できました。当期においては自動溶接の適用範囲を縦継手まで拡大すべく、溶接条件の検討を行ってまいりました。来期には現場で適用できるよう継続して溶接条件の検討を行ってまいります。また、タンク屋根板の自動溶接にも取り組み、現場での施工に問題がないことを確認しました。
④溶接士不足への対応
将来的に溶接士の不足が懸念されることから、前期に引き続き、自動溶接機による配管の溶接実験を継続して行い、来期には現場適用できるように取り進めてまいります。また、溶接士がいつでも技能の向上を図ることができるよう訓練機の開発にも着手しました。
今後も、メンテナンス技術力の強化を目標にメンテナンス作業の機械化を進めてまいります。
(2)現場業務のIT化
現場で必要となる情報の一元化、情報取得の省力化等により、現場管理業務を効率化するとともに業務品質を向上させることを目指して、ITツールの開発とその活用法に取り組みました。
①メンテナンスデータベース
当社が自社開発したメンテナンスデータベース(S-TORAGE)は、機能改修とクラウド化によって複数の定期修理工事現場においてその有効性を発揮できることを確認しておりましたが、当期前半において最終の機能改修を行い、一連の開発が完了しました。また、当データベースを活用した文書管理にも取り組みました。引き続き、定期修理工事現場における活用の拡大を図ってまいります。
②工事情報共有化・工事進捗管理システム
当社が自社開発した工事情報共有化・工事進捗管理システム(SPIRIT)は、多くの定期修理工事現場においてお客様や他の元請会社にご活用いただいております。当該システムの開発、運用から7年が経過したことから、最新のIT技術を活用してこれまで以上にユーザーフレンドリーなシステムにすべく抜本的に見直し、再構築するためにPoC(Proof of Concept:概念実証)を実施いたしました。このPoCによって、新たに開発する機能等の実現性が検証できたことを受け、社内外のユーザーをメンバーとするプロジェクト体制を組んで当期後半から開発に着手いたしました。来期には開発を完了させ、定期修理工事現場へ導入してまいります。
③位置情報管理技術の開発
IoT(Internet of Things:モノのインターネット)を用いて現場機器等の管理を行うため、位置情報管理システムの開発を進めておりますが、前期において近距離無線通信の活用によって位置測位精度の向上を図ることができました。これをGPS技術と組み合わせることで広域における大まかな位置情報と狭域における精度の高い位置情報の取得が可能となりました。今後は、測位機材を簡易に設置できるよう改良を施し、来期における現場での適用を視野に入れた本システムの実用化を図ってまいります。
④VR(Virtual Reality:バーチャル・リアリティ、仮想現実)映像の現場活用
これまでVR映像の現場活用に取り組んでまいりましたが、当期は安全体感VRの有効性を検証し、現場での安全教育へ導入、運用を開始しました。さらに、熱交換器チューブバンドルの抜出し、挿入に使用するハイドロエキストラクターの操作VRの制作にも取り組み、次期には完成させて実機操作前の教育に活用してまいります。
⑤AI(Artificial Intelligence:人工知能)
AIを現場管理業務に適用するため、「予測系AI」「認識系AI」「対話系AI」によってどのような現場業務に効果が見出せるか、の検討を開始しました。また、AIを活用した各種ツールが急速に普及しておりますが、その有効性と現場活用について調査を実施しました。引き続き、具体的な導入に向けて検討を進めてまいります。
これら現場業務のIT化に関する研究開発は、業務効率化や省力化による業務品質の向上だけでなく、働き方改革にも寄与する取り組みとして、社内標準化を目指して継続的に推進してまいります。
(3)その他の技術等
①溶接技術の確立
溶接補修により溶接熱影響部のクリープ寿命に著しい影響を及ぼすといわれている材料について、適切な溶接技術を確立するための材料評価を実施しております。前期までに基礎データの採取が完了しておりますので、当期においては溶接補修を施した試験片の製作と硬度およびクリープ試験によるデータ採取を行いました。来期は基礎データと比較することで溶接欠陥への対処に関する知見を獲得し、リスクを回避した溶接施工方法を確立してまいります。
②FREND検査™
当社は、熱交換器、ボイラチューブの内・外面腐食検査を高精度かつ迅速に行うことができる、独自の検査技術(FREND検査™)を有しております。この技術をUベンドを有する熱交換器チューブに適用すべく、曲率半径の小さなUベンド部を通過できるセンサの開発に着手し、良好な結果を得ることができました。来期には異なる型式の熱交換器チューブへも適用範囲を拡大することを目指して開発を進めてまいります。
③ドローンの活用
活用法が急拡大しているドローン技術について、点検・検査に止まらずメンテナンス現場やエンジニアリング分野での活用について検討を開始しました。
④レーザー計測の設計業務への活用
設計業務に活用するレーザー計測について、精度の向上や機器の信頼性等に関する研究を行い、実業務へ反映させました。
当社グループの主要顧客である石油業界や石油化学業界においては、既存プラントの安全・安定操業に対するニーズの高まりや設備の経年劣化による事故・トラブルの未然防止への取組みに加え、先進技術を活用したスマート保安の動きが広がりを見せるなど、プラントメンテナンスの重要性がますます高まっております。このような事業環境において、当社のようなメンテナンス請負企業に対する労働安全、品質管理への要求が厳しくなっていることに加え、先進技術の活用による生産性向上に対する要求も強まってきています。さらに社内においては時間外労働時間の削減が重要課題となっており、業務効率化を含めた働き方改革が求められております。
当社グループはこれからも、こうした顧客ニーズや事業環境の変化に対応するため、研究開発活動を実施してまいります。研究開発のテーマ選定にあたっては、これまでどおり国内のみならず欧州や米国等における技術および市場調査の成果を有効に活用するほか、第2次中期経営計画に掲げた「DX(Digital Transformation)推進」に向けて、デジタル技術や先進技術を活用したテーマにも取り組んでまいります。
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