有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100LNHI (EDINETへの外部リンク)
フォスター電機株式会社 事業等のリスク (2021年3月期)
当社グループ(以下、当社という。)では、リスク・危機管理委員会が当社のリスクマネジメント活動を推進する役割を担っており、定期的に当社におけるリスクの識別、当該リスクが顕在化する可能性や影響度を検討し、当該リスクへの対応策の立案及び対応状況の進捗確認を行っています。リスク・危機管理委員会は、当該委員会の運営状況、直面するリスク及び対応状況を取締役会に適宜報告し、取締役会は社外取締役の専門的見地からの助言を含め監督機能を発揮しています。
経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクのうち、リスク・危機管理委員会が、特に重要と分類しているリスクは、以下のとおりです。
なお、文中における今後または将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日(2021年6月23日)現在において当社が判断したものです。
(1)直面しているリスク
新型コロナウイルス感染拡大に伴うリスク
新型コロナウイルス感染拡大は、ワクチンの普及による収束が期待される一方で、変異種の感染拡大により事態が長期化すれば、従業員等への感染リスク、世界的な景気の悪化及び消費行動の減退に伴う需要減、顧客工場の休止又は低稼働による需要減、原材料確保の困難など、当社の業績及び財政状態にさらに影響を及ぼす可能性があります。
輸送コスト上昇に伴うリスク
新型コロナウイルス感染拡大に端を発した、輸送コンテナの世界的な不足に伴う海上運賃の高騰、さらに納期を遵守するための空輸費用など輸送コストが大幅に上昇しています。
当該運賃のさらなる上昇や事態の長期化等により、当社の業績及び財政状態にさらに影響を及ぼす可能性があります。
これに対して、当面は、輸送代替ルートの開拓、ロジスティクスの管理体制を強化することにより、影響の軽減を図っていきます。同時に中期的には、地産地消の生産体制構築に取り組み、輸送コスト高騰リスクを低減していきます。
なお、地産地消は輸送に係るCO2削減にもつながり、環境対策面においても重要な戦略と考えています。
ミャンマーの政変によるリスク
当社は、ミャンマーにある連結子会社(孫会社:フォスターティラワ※)にてスピーカ生産を行っておりますが、2021年2月に発生した同国の政変により生産活動が制限されています。
政変の長期化、各国のミャンマーに対する制裁等により、当社のミャンマーでの活動が大幅に制限され、当社の業績及び財政状態にさらに影響を及ぼす可能性があります。
これに対しては、中国やベトナムでの代替生産を早期に開始したことにより、顧客影響は最小化できています。引き続き従業員の安心・安全を最優先に考え、他の拠点でのバックアップ体制を確保しつつ、ミャンマーにてミニマムの生産を続けていきますが、ミャンマーの位置づけを中長期的観点から再検討していきます。なお、本記載は2021年6月23日現在の情報に基づきますが、不確実性が高い状況にあります。引き続き当社ウェブサイト等で情報を適宜開示します。
※正式名称:フォスター エレクトリック (ティラワ) Co.,Ltd.
資材調達に係るリスク
新型コロナウイルスの感染再拡大が局所的に発生しており、一部のサプライヤー工場では感染者発生による稼働休止が発生しています。これにより、当該サプライヤーからの部品供給が一時的に途絶し、当社スピーカ工場の稼働率に影響を及ぼしています。今後事態が拡大又は長期化すれば当社の業績及び財政状態にさらに影響を及ぼす可能性があります。
これに対しては、当該サプライヤーの復旧に協力すると共に、代替サプライヤーを確保し早期に正常化できるよう取り組んでいます。現時点においては、顧客等への影響は最小限に抑えられています。
中長期的観点からはサプライヤーを育成し、基幹部品について内製化していきます。
資材調達に関するリスクは、新型コロナウイルスのみならず、他の自然災害からも、もたらされるリスクです。これに対しては、調達先の地域の見直しや基幹部品のさらなる内製化等、サプライチェーンの抜本的な見直しに着手しています。
(2)注視するリスク
①経営戦略立案・遂行において特に注視するリスク
②注視する重要なリスク
経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクのうち、リスク・危機管理委員会が、特に重要と分類しているリスクは、以下のとおりです。
なお、文中における今後または将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日(2021年6月23日)現在において当社が判断したものです。
(1)直面しているリスク
新型コロナウイルス感染拡大に伴うリスク
新型コロナウイルス感染拡大は、ワクチンの普及による収束が期待される一方で、変異種の感染拡大により事態が長期化すれば、従業員等への感染リスク、世界的な景気の悪化及び消費行動の減退に伴う需要減、顧客工場の休止又は低稼働による需要減、原材料確保の困難など、当社の業績及び財政状態にさらに影響を及ぼす可能性があります。
輸送コスト上昇に伴うリスク
新型コロナウイルス感染拡大に端を発した、輸送コンテナの世界的な不足に伴う海上運賃の高騰、さらに納期を遵守するための空輸費用など輸送コストが大幅に上昇しています。
当該運賃のさらなる上昇や事態の長期化等により、当社の業績及び財政状態にさらに影響を及ぼす可能性があります。
これに対して、当面は、輸送代替ルートの開拓、ロジスティクスの管理体制を強化することにより、影響の軽減を図っていきます。同時に中期的には、地産地消の生産体制構築に取り組み、輸送コスト高騰リスクを低減していきます。
なお、地産地消は輸送に係るCO2削減にもつながり、環境対策面においても重要な戦略と考えています。
ミャンマーの政変によるリスク
当社は、ミャンマーにある連結子会社(孫会社:フォスターティラワ※)にてスピーカ生産を行っておりますが、2021年2月に発生した同国の政変により生産活動が制限されています。
政変の長期化、各国のミャンマーに対する制裁等により、当社のミャンマーでの活動が大幅に制限され、当社の業績及び財政状態にさらに影響を及ぼす可能性があります。
これに対しては、中国やベトナムでの代替生産を早期に開始したことにより、顧客影響は最小化できています。引き続き従業員の安心・安全を最優先に考え、他の拠点でのバックアップ体制を確保しつつ、ミャンマーにてミニマムの生産を続けていきますが、ミャンマーの位置づけを中長期的観点から再検討していきます。なお、本記載は2021年6月23日現在の情報に基づきますが、不確実性が高い状況にあります。引き続き当社ウェブサイト等で情報を適宜開示します。
※正式名称:フォスター エレクトリック (ティラワ) Co.,Ltd.
資材調達に係るリスク
新型コロナウイルスの感染再拡大が局所的に発生しており、一部のサプライヤー工場では感染者発生による稼働休止が発生しています。これにより、当該サプライヤーからの部品供給が一時的に途絶し、当社スピーカ工場の稼働率に影響を及ぼしています。今後事態が拡大又は長期化すれば当社の業績及び財政状態にさらに影響を及ぼす可能性があります。
これに対しては、当該サプライヤーの復旧に協力すると共に、代替サプライヤーを確保し早期に正常化できるよう取り組んでいます。現時点においては、顧客等への影響は最小限に抑えられています。
中長期的観点からはサプライヤーを育成し、基幹部品について内製化していきます。
資材調達に関するリスクは、新型コロナウイルスのみならず、他の自然災害からも、もたらされるリスクです。これに対しては、調達先の地域の見直しや基幹部品のさらなる内製化等、サプライチェーンの抜本的な見直しに着手しています。
(2)注視するリスク
①経営戦略立案・遂行において特に注視するリスク
項目 | リスク内容 | 対策 | |
1 | 経済環境及び関連市場の景況 | グローバルで事業を展開する当社において、世界経済や関連市場の景況感は、経営戦略の遂行に大きな影響があります。 ・当社製品の最終消費地域(主に、欧米、日本を含むアジア)における景況感の悪化とそれに伴う需要減。 ・当社が生産を行う地域(中国、ベトナム、ミャンマー等)の経済発展に伴う人件費上昇。 | ・販売地域や生産地域における情報収集と分析。 ・各種リスクを低減させるグローバル・サプライチェーンの構築と高付加価値製品の提案。 ・自動化・機械化の推進と、人と機械を調和させた効率的な生産体制の構築による人員の最適化。 |
2 | ODM・OEM得意先企業の景況への依存 | ・取引依存度の高い企業の販売・業績不振、経営合理化・リストラ、予期しない契約の変更・解除、調達方針の変更等による取引減少。 ・取引依存度の高い企業からの値下げ要求。 | ・取引依存度の高い企業の財務モニタリングや信用調査による与信管理。 ・高付加価値製品のマーケティング。 ・ビジネス・ポートフォリオの見直しによる上位取引企業への依存度引下げ。 |
3 | 人財確保・育成 | 企業価値を高め持続的な成長を実現するためには、多様な価値観や専門性を持った人財が必要不可欠であり、人財戦略は重要な経営戦略です。当該経営戦略に伴い主に以下のリスクがあります。 ・少子高齢化や雇用環境の変化等により、当社の求める人財の確保やその定着・育成が計画通りに進まない。 ・労働市場の状況により、必要なタイミングに必要な能力を有する人財を確保できない。 ・優秀な人財の社外流出。 ・人財育成がうまくいかず、技術の承継ができなくなる。 | ・個々人の価値観を尊重し、多様性を受け入れる文化を醸成するため、Foster Rhythm(行動基準及び大切にする価値観)を整備し、普及させる活動を継続。 ・「働き方改革」の推進により、ワークライフバランスを実現できるさまざまな勤務形態や休暇制度の選択肢を提供。 ・モチベーション向上につながる人事処遇制度の確立。 ・専門性を重視した中途採用。 ・幹部人財の育成と後継者計画プログラムの強化。 ・ダイバーシティの推進。 ・国籍を問わないグローバル人財の登用。 ・健康経営の推進。 ・ハラスメント教育や内部通報制度の整備。 ・技術マイスター制度の運営。 |
4 | 製品の品質 | 車載関連ビジネスを中心におく事業変革・意識変革を推進している当社において、車載向け製品の品質を高めることは経営戦略の根幹です。当該経営戦略に伴って、以下のリスクがあります。 ・顧客品質要求を充足できないリスク。 ・大規模な製品クレームやリコール、製造物責任に繋がるような重大な欠陥リスク。 ・原材料の品質不良を原因とする完成品の欠陥。 | ・品質人財育成と品質を重視した組織風土の醸成。 ・一般車載品質管理から「より高度な品質管理」へ転換するための体制・仕組みの構築。 ・各拠点を含むクロスファンクショナルチームによるグローバル品質改善活動。 ・仕入れ先の品質管理モニタリング。 ・戦略的パートナー(仕入れ先)との関係強化。 ・新規の仕入れ先や業務委託先の調査。 |
項目 | リスク内容 | 対策 | |
5 | 新商品の開発 | 当社は、継続して価値ある新製品を開発し、より付加価値のある製品をタイムリーに市場に提供することを重要な経営戦略として位置付けています。当該経営戦略に伴い、主に以下のリスクがあります。 ・マーケット・ニーズの予測が外れるリスク ・急速な技術変化により、当社製品が市場ニーズの流れに乗り遅れるリスク。 ・新技術の製品化遅延により、市場ニーズにマッチしなくなるリスク。 | ・顧客や消費者からの情報収集と分析。 ・提案型マーケティングと開発へのフィードバック。 ・振動アクチュエータをはじめ新技術・新製品の開発体制の構築。 ・社会的ニーズの把握と環境配慮型製品の開発。 ・M&A候補の継続的調査と産学連携など他社との協業。 |
6 | 原材料市況の影響・原材料の調達 | コストダウンと調達の安定性のバランスに基づく製品供給は重要な経営戦略です。当該経営戦略に伴い主に以下のリスクがあります。 ・原油やレアアース等の価格の高騰による原材料・部材の価格上昇リスク。 ・価格の高騰等による品不足、さらには供給元の倒産や不慮の事故等による原材料や部品の調達不足リスク。 ・仕入先の一国集中リスク。 | ・VE/VAによる継続的なコスト削減。 ・部品の標準化等によるボリュームディスカウント。 ・重要部品の複数社購買。 ・仕入れ先情報把握。 ・信用調査の実施。 ・BCP在庫の確保。 ・新規仕入先候補の調査と調達地域の見直し。 ・基幹部品の内製化。 |
7 | 国内外の競合状況と価格競争の動向 | 製品価格は、当社製品の需要を決定する重要な要素であり、経営戦略において重要な要素です。当該経営戦略に伴い、主に以下のリスクがあります。 ・競合会社による競争力ある製品の発売。 ・競合会社との価格競争激化。 ・低価格品への需要シフト。 ・商品のコモディティ化による価格の低下。 | ・VE/VAによる継続的なコスト削減。 ・高付加価値製品の開発とマーケティング(「音と振動によるソリューション」の提供)。 ・価格・品質・納期・技術・サービスでの差別化。 ・知財活動による企業価値の維持と向上。 ・基幹部品の内製化によるコストダウン。 |
②注視する重要なリスク
項目 | リスク内容 | 対策 | |
8 | 為替の変動 | ・海外拠点における現地通貨の下落により、子会社の業績や企業価値が下がるリスク。 ・海外拠点における現地通貨の上昇により、現地人件費など製造コストが上昇するリスク。 ・外貨建債権・債務のアンバランスにより、換算差損が生じるリスク。 ・円高進行により輸出用在庫の粗利益が減少するリスク。 | ・各国為替相場のモニタリングと為替予約やデリバティブの活用。 |
9 | 海外展開・進出の潜在リスク | ・予期しない法令や規制の変更。 ・予期しない政治的経済的変動。 ・人財の採用・確保・育成難。 ・社会的共通資本(インフラ)の整備遅れ。 ・テロ・争乱・その他の社会的混乱。 | ・専門的な能力を備えた現地スタッフの採用。 ・現地弁護士等、外部専門家からのアドバイス。 ・現地ソサエティ等を活用した情報収集と分析。 ・事業活動を通じた地域貢献と納税。 ・拠点間の連携によるバックアップ体制の整備。 |
項目 | リスク内容 | 対策 | |
10 | 公的な規制への対応 法的規制・制限 | ・事業・投資に関する各国の法改正、安全保障貿易その他の輸出規制、関税その他の輸出入制限(保護主義政策にともなう関税の引上げ)等。 ・通商、独占禁止、特許等知的財産権、消費者、租税、為替管理、情報セキュリティー、環境・リサイクル関連の法規制の適用。 | ・コンプライアンス委員会、安全衛生委員会等による教育研修。 ・内部通報制度の整備と運営。 ・先願調査、侵害調査の周知徹底による知的財産権侵害リスクの低減。 ・環境マネジメントシステムに基づき、定期的なアセスメントによる環境関連法の順守徹底と規制変化への対応。 ・サイバーセキュリティーリスクを想定した情報セキュリティーの構築。 ・生産拠点の変更及び価格転嫁交渉による関税引き上げリスクの低減。 |
11 | 気候変動に関するリスク | ・脱炭素社会に向けたコストの増加及び企業ブランドの毀損による販売機会の逸失。 ・異常気象による原材料の高騰。 ・異常気象による罹災への対処が遅れ工場操業停止やサプライチェーンの寸断による製品サービス供給停止。 | ・環境委員会の運営。 ・国際要請の確認及び環境目標の見直し。 ・「災害等による影響」及び「原材料市況の影響・原材料の調達」参照。 |
12 | 災害等による影響 | ・地震、洪水、停電等の災害の発生。 ・重大事故の発生。 ・感染症の拡大。 | ・地域や事業に応じたBCP(事業継続計画)を策定。 ・早期復旧体制の整備(被災時の初期対応、報告、方法、各種対策本部の設置、役割の明確化等)。 ・ウイルス感染を防止する職場環境の整備と新しい勤務体系の提供。 |
13 | 減損会計の適用による影響 | ・減損損失の計上。 | ・設備投資委員会の運営(投資回収性等の審査や経過管理)。 ・各子会社の業績モニタリングと兆候の有無の確認。 |
14 | 税務に係るリスク | ・追徴課税 | ・税務アドバイザー等、外部専門家からの助言。 ・BEPS文書の整備と更新。 ・移転価格ポリシーの整備や移転価格契約の締結・更新。 ・バイラテラルAPAの締結。 |
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