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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100LLLD (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 池上通信機株式会社 研究開発活動 (2021年3月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等

当社グループは、お客様に満足して頂ける製品を創造するために常に技術を磨き、「技術の池上」と評価を頂けるよう、積極的に研究開発活動を行っています。研究開発は、プロダクトセンター(宇都宮市)とシステムセンター(藤沢市)において、事業毎に要素技術・機能開発・製品化開発を行っています。 また、グループ外企業との分業と連携により、自社のコア技術開発とスピードある製品開発を実現しています。当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、1,995百万円です。

(1) 放送システム事業関連

放送システム事業関連では、番組制作から放送番組の送出・基幹網伝送に渡るデジタル放送機器に注力した研究開発を進めています。特に総務省の推進する超高精細映像技術4K・8Kのロードマップを重視した撮影機器、有線/無線中継機器、ネットワーク機器、および将来を見据えた新しい制作のワーキングスタイルに着目した研究開発に取り組んでいます。

放送用カメラでは、今年度、以下の開発成果がありました。

様々な撮影用途に対応した4K/HDポータブルカメラ「UHK-X700」を開発いたしました。従来の4Kフォーマット対応カメラは撮像方式がローリングシャッタ方式となっており、動きの速い被写体の撮影で像が歪む現象や、フラッシュなどの短時間に発光する照明下でフラッシュバンドと呼ばれる帯状の明暗が生じる短所がありました。今回開発した4K/HDポータブルカメラ「UHK-X700」では、新開発の4Kイメージセンサを採用することでグローバルシャッタ撮像方式に対応し、これらの課題を解決しました。
また、新開発の4Kイメージセンサは高速読み出し機能を備えており、今後、4Kフォーマットで2倍速、HDフォーマットでは8倍速の高速撮影への対応を図って参ります。これにより、スロー再生映像の要求されるスポーツ撮影用途等において機能を発揮すると期待されています。
さらに、従来の4KカメラではHDの4倍以上の処理を行うため、映像処理部をカメラ外部のCCU(Camera Control Unit)に配置していましたが、映像処理の最適化を図りカメラ本体内への実装を行いカメラのポータブル化を実現しました。これにより、既存のHDカメラと同様にカメラ単体運用が可能となり、ワイヤレスカメラへの用途など、4K番組制作の効率化に寄与するものと期待されています。
加えて、本4K/HDポータブルカメラに接続可能なベースステーション「BSX-100」も、4Kフォーマットへの対応を行いました。これにより、新たな4K/HDポータブルカメラへの接続と従来のUnicamHDシリーズのカメラへの接続互換性を実現し、スタジオシステムのHDから4Kへのスムーズな移行を可能としました。また、今後のサイマル制作対応のための4K/HDの同時出力機能、さらに、システムのIP化対応に向けたMoIPインタフェースへの対応開発を進めており、放送現場へ柔軟なソリューションを提供して参ります。
なお、本4K/HDポータブルカメラは、2020年11月にオンライン開催となったInterBEE展示会にて発表し注目を集めました。2021年度に出荷を開始します。

放送映像音声スタジオ機器・システムでは、今年度、以下の開発成果がありました。

主力の映像制作スイッチャ「MuPS-5000」シリーズは、納入開始して2年経過する中で、オプション機能を全て開発完了し、今年度は機能・性能向上のためのファームウエア・ブラッシュアップ開発を行いました。ワークフローを具体化したことが成果となり、大型、中型スイッチャの2ラインアップ製品が、制作/報道スタジオ副調整室設備、或いは大型、中型中継車設備に採用され、次世代4K映像制作からHD映像制作まで、幅広く実績を伸ばしております。

報道系においては、ニュース送出ソリューションに位置付けている「ワンタッチ送出コントローラ」(システムアプリケーション)との連携を新開発する中で、報道スタジオの受注を伸ばして参りました。
番組制作系においても、昨今高まりを見せるスタジオゲスト・リモート出演ニーズに対応し、これをサポートする演出効果(座標変換機能)を新開発しました。お客様へのタイムリーなソリューション提案が受注獲得へと結びついております。
今後、地方ローカル局の需要が更に高まる中で、小規模映像制作向けに3ラインアップ目の小型製品開発に着手しており、2021年度製品発表計画としております。マスターサブや小型制作中継車への提案、或いは非放送市場として、オンライン授業などの学校需要、競技場映像制作に向けた提案も強化して参ります。
制作スイッチャと共に、システムのキーデバイスであるルーティングスイッチャ「UHSM-220220」については、現場での新たな運用、操作性向上を目指し、新たに外部コントロールGUIを開発しました。これにより、マトリクス操作の他に映像変換、スーパープロセス、マルチビューワ操作を可能とし、主戦の映像制作システムのみならず、放送局内の回線システムにも新たに採用されるなど、お客様にルーティングスイッチャの新たな付加価値と運用性を認知して頂いております。
この他、制作スイッチャ、ルーティングスイッチャの周辺機能として製品化している「OnePackⅡ周辺機器」シリーズでは、今年度マルチビューワ機能をラインアップとして追加開発しました。小規模なモニタリング機能として、他社にはない周辺機器棚板に内蔵できる差別化のシステム製品となりました。今年度中継車への納入実績をきっかけに、コンパクトな中継制作システムへ訴求して参ります。
また、4K/HDサイマルキャスト(同時送出)の具体的提案に向け、これまで色合いが異なるとされてきた両者の方式を改良し、特性近似となる当社独自のソリューションをカメラ製品と共に開発しました。これにより、VE(ビデオエンジニア)のQC(クオリティコントロール)をHDに集約できる独自の提案となり、今後の4Kビジネスを普及していくために、4K/HDの充実した映像制作ソリューションを提案して参ります。

無線伝送・通信機器では、今年度、以下の開発成果がありました。

無線伝送・通信機器では、放送局向けに超高精細度テレビジョン(4K・8K)放送番組素材伝送を目的とした新規格ARIB STD-B71に対応した無線伝送装置として、超小型FPU送信装置「PP-87」を開発しました。この新型FPU送信装置「PP-87」は、最新の4K対応H.265 codecを内蔵し、超低遅延・高画質伝送を実現していることから、ニュース素材伝送やイベント中継等、様々な運用形態への活用が期待できます。
デジタルFPU導入から15年以上が経過し、その更新時期を迎えております。当社ではその更新需要に向け、従来の新規格ARIB STD-B71に対応した4K対応FPU装置「PF-900」ならびに新たに開発した小型FPU送信装置「PP-87」を核とし、さらに、HD対応超小型FPU送信装置「PP-97」ならびに「PP-90」も加えて各放送局への積極的な販売活動を行って参ります。

(2) 産業システム事業関連

セキュリティ機器関連では、高画質化、ネットワーク化の市場ニーズの他、様々な顧客ニーズに対応したシステム、ソリューションの提供を推進しています。

各種環境プラント市場では、日本全国に点在するプラントの監視映像の統合管理のソリューションを目指し、アナログ方式、IP方式が混在する監視カメラ映像を当社独自のネットワークエンコーダ/デコーダを用いて、監視映像の統合管理を実現した遠隔監視映像システムを構築いたしました。今後も映像をベースとしたソリューションの提供を推進し、映像による遠隔での支援機能の充実と効率的かつ安定したプラント施設の運営に寄与して参ります。
また、鉄道市場においてプラットホームの安全確認用監視システムのフルHD化が進む中、フルHDカメラ「ISD-220HD/240HD」 と、ワイドカラーモニタ「FCM-E2460HD」を採用したワンマン運転士用列車監視システムを構築し納入いたしました。本システムは、ワイドカラーモニタを縦型に設置し、HDの精細画像とともに奥行き方向の視認性を確保することで、ワンマン運転士による安全確保の向上を実現しました。

さらに、ホームドア用列車停止位置検知センサーを収納する昇降式ハウジングを開発、納入いたしました。当社が培ってきた昇降式ハウジングのノウハウを最大限に応用した製品であり、ホームドアシステムの安全稼働およびメンテナンス時の安全性の向上に大きく貢献する製品となっています。今後も鉄道運行における安全・安心を支えるため、映像をはじめ様々なノウハウを活用し、多様なニーズに的確に対応したシステムの提案・提供に努めて参ります。
セキュリティ分野における監視映像の高画質化、ネットワーク化や多様化するニーズに柔軟に対応するために、これまで培ってきた画像技術・ネットワーク技術を駆使した機器の開発とシステムソリューションの提案力を強化し、引き続き「安心・安全な社会」の構築に貢献して参ります。

メディカル機器関連では、微細手術の高度化を支える映像装置の研究開発を進めています。

2020年度は、内視鏡カメラをターゲットとした画像処理技術の開発に取り組み、従来の画像処理機能を改良し、医師の負担軽減に貢献できる画像鮮明化機能を開発しました。特に低侵襲性であることから様々な領域で応用されているICG蛍光観察をサポートした画像処理も実現しました。既存のソフトウェアをアップデートすることで、様々な手術へ応用することができ医療機器メーカーから好評を博しています。
また、新たな市場への展開として、手術という直接業務の効率向上だけでなく、間接業務を統括して管理できるシステム開発などに取り組んでいます。
今後も最先端のデジタル映像技術を駆使し、医療現場に真に求められる新たなソリューションを展開して参ります。

検査機器関連では、お客様の製品品質の向上を支えるために、画像処理とメカトロニクスを融合した検査装置システムの研究開発を行い、事業拡大に努めています。

近年、超高齢化社会の進行と、ジェネリック医薬品の使用促進による医薬品生産量の急速な増加を背景として、より高速で高精度な医薬品検査を行い、品質を担保する検査装置に対するニーズが高まっています。その中で錠剤の外観検査においては、高い水準で安定した品質を維持するために、錠剤全周の異物付着や汚れ、割れ、欠け、形状不良など様々な不良を高精度で検出するとともに、刻印錠、割線錠のように凹部を持った錠剤の形状欠陥検査においても精度向上が求められています。この状況において2020年11月に新製品としてTIE-10000錠剤外観検査装置を開発、発表いたしました。
TIE-10000は、大量の錠剤を安定的に供給し、高い精度で均等に錠剤を整列する供給・整列部と、当社の搬送技術の粋を結集させた水平ベルト搬送方式を採用したことにより、世界最速となる最大70万錠/時の処理能力を実現しました。搬送速度は、錠剤の特性に合わせて設定できる可変式のため、衝撃に弱い口腔内崩壊錠(OD錠)や転がりやすい錠剤には、その特性に最適な搬送速度に設定することで、安定した搬送を実現しています。
また、産業市場では自動車触媒などに用いられるハニカム構造体の目詰まりなどの不具合を自動的に検査する「HIE-111ハニカム構造体検査装置」を日本で初めて製品化しました。
今後も検査事業領域拡大に向け、新たな検査手法や技術開発を進めるとともに、他企業との技術アライアンス等も含め、お客様に新たなソリューションを提供して参ります。

事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01819] S100LLLD)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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