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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100LSTA (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 ニチコン株式会社 研究開発活動 (2021年3月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等

当社グループは、アルミ電解コンデンサ、導電性高分子アルミ固体電解コンデンサ、フィルムコンデンサ、小形リチウムイオン二次電池等の電子デバイスと、各種電源、機能モジュール、応用関連機器等の回路製品を主力製品とし、コンデンサと回路製品設計のコア技術を用いて「エネルギー・環境・医療機器」、「自動車・車両関連機器」、「白物家電・産業用インバータ機器」、「情報通信機器」の4市場を重点分野と定め、高信頼性、高安全性、高機能性を追求し、競争力に優れる新製品開発を展開しています。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は4,569百万円です。
製品区分毎の研究開発状況は、次のとおりです。
(1)コンデンサ事業
①アルミ電解コンデンサは、電極箔や電解液といった主要部材を自社で研究開発する強みを活かして、上記の重点分野向けに研究開発を進めました。陰極に導電性高分子を用いた導電性高分子アルミ固体電解コンデンサや電解質に導電性高分子と電解液の両方を使用した導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサは、車載機器や情報通信機器で需要拡大しており、高耐熱化や低ESR化といった高性能化を図るとともに、各種電源装置やインバータ機器向け需要の大きな低圧、高圧アルミ電解コンデンサは小形化や長寿命化による商品力強化に取り組みました。
導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサでは、車載分野や産業機器分野および5G基地局などの情報通信分野におけるニーズに対応し、高容量タイプの「GYEシリーズ」を新たに開発するとともに、従来は63V定格までのラインアップであった「GYAシリーズ」に、80V定格を新たに追加して高電圧用途への対応を図りました。
導電性高分子アルミ固体電解コンデンサでは、業界最高クラスの長寿命化を実現している105℃20000時間保証のチップ形導電性高分子アルミ固体電解コンデンサ「PCLシリーズ」に定格電圧2.5Vを追加しました。データ処理増大により回路電圧安定化が必要なサーバー機器や自動車ADAS機器などのアプリケーションに対して、MLCC(積層セラミック)と比較して静電容量や温度特性の安定性といったメリットを訴求しています。
チップ形アルミ電解コンデンサは、車載電装ユニットがエンジンルームや発熱の大きな電動車の走行モーター付近に搭載される機会が増加しているニーズに応えて、超高温度対応の150℃2000時間保証のチップ形アルミ電解コンデンサ「UBHシリーズ」を開発しました。従来品の150℃1000時間保証「UBCシリーズ」に対して長寿命化と最大1.5倍の静電容量を実現したことにより、特に部品搭載スペースの限られた電装ユニットの小形化と高信頼化の両立が実現できます。
小形リチウムイオン二次電池「SLBシリーズ」は負極にチタン酸リチウムを採用することで高レートでの急速充放電性能を有し、短絡や劣化の原因となるリチウム金属の析出が起こりにくいことで、破裂・発火の危険性が極めて低い安全な小形リチウムイオン二次電池であることが認められ、リード線形で直径3㎜長さ7㎜の超小形品をIoTエッジ端末やスマートフォン等のスタイラスペンに供給しています。新たに大容量化のニーズに応えて直径8㎜長さ11.5㎜、直径12.5㎜長さ40㎜サイズをラインアップに追加しました。
②フィルムコンデンサは、基本材料である金属蒸着フィルムから開発し、自動車・車両関連機器分野、特に環境負荷が小さく、市場拡大の目覚しいHV、EV、PHVなどの動力モーター駆動用インバータ回路向け平滑用フィルムコンデンサの開発に注力しました。これらの駆動用インバータユニットに用いられるフィルムコンデンサは、高周波特性・耐電流性能に優れ、長寿命で高信頼、高安全性に加え、顧客要求に応じたフレキシブルな対応が可能であることから、国内外の自動車メーカーへの採用が大きく拡大しています。今後の技術トレンドとして予想される次世代パワーデバイスSiC採用による高電圧化、高温度化に対応する誘電体や蒸着パターン技術開発、システムトータルで小形化に寄与するフィルムモジュール化技術といった製法や生産技術開発にも注力しています。
また、風力発電、太陽光発電などの再生可能エネルギー分野や汎用インバータなどの産機分野でも長寿命、高信頼の直流フィルタ用コンデンサが強く求められています。こうした市場ニーズに応える直流フィルタ用・平滑用コンデンサとして乾式樹脂モールド形「EJシリーズ」や円筒形「ERシリーズ」をとりそろえています。また当社のフィルムコンデンサは、金属蒸着フィルムに保安機構を採用することで安全性を高くするとともに長寿命化を実現しています。
③電力・機器用コンデンサでは、防災形進相コンデンサ「GeoDRY®」をはじめ、受変電高圧側、または、末端低圧負荷側に設置される用途に各種進相コンデンサとその附属機器をラインアップしています。進相コンデンサは、製品の安全性を重視し、誘電体絶縁破壊時に絶縁回復する信頼性の高い「金属蒸着電極(SH)コンデンサ」を全機種に採用しています。附属機器は、インバータ機器などによる発生高調波電流を起因とする電力系統の電圧ひずみや、お客さまの配電系統における高調波電流障害から設備や電気機器を保護するための高調波継電器を市場投入しました。この高調波継電器は、一般的な高調波に対する保護モードに加え、コンデンサ回路に特化した保護モードなど、保護対象に応じた保護モードの選定ができるほか、保護方式においても電圧ひずみ率、電流ひずみ率、電流値の3種類の保護方式に対応でき、高調波障害から電気機器を守ります。加えて、電力のバックアップや安定化に寄与する瞬時電圧低下/停電対策装置やパワーコントロールシステムなどの関連装置を取り揃え、BCP対策をはじめ総合的に高品位な電力の安定化を提案しています。
(2)NECST事業
当社グループは、「価値ある製品を創造し、明るい未来社会づくりに貢献します。」を経営理念に掲げ、その具現化を目指して、再生可能エネルギーの普及、エネルギーの地産地消、EVやPHVなど次世代自動車とそのインフラの普及を目指した取り組みを進めています。
2020年10月に政府が発表した方針において、2050年にカーボンニュートラルを実現することを掲げ、環境関連政策を重視する姿勢を明確にしました。その具現化に向けて化石燃料の使用を抑制し、再生可能エネルギーの活用を拡大する政策が打ち出されています。しかしながら太陽光発電や風力発電は気象状況に左右されるため、発電変動が大きいという課題があり、電力系統の安定とエネルギーの有効活用を実現するには蓄電システムとその効果的な運用が必要です。
大規模太陽光発電施設の増加に伴い、電力の需給バランスが変化し、大量の余剰電力の発生が生じ、出力抑制というせっかく発電した再生可能エネルギーを利用できない事態が発生しています。このように無駄になっている余剰電力を有効活用して水を電気分解し、水素に転換して貯蔵し、電力が不足する時に水素を用いて発電する試みが国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の支援を得て山梨県で進められています。当社は、再生可能エネルギーが発電した電力で水素製造するための大電流電源の開発を担当し、再生可能エネルギーの有効活用に貢献しています。
カーボンニュートラルを支える要素としてZEH(ネットゼロエネルギーハウス)も有望視されており、当社は住宅メーカーが販売しているZEHに家庭用蓄電システムや太陽光発電を含むハイブリッド型、さらにV2H(Vehicle to Home)機能も併せ持ったトライブリッド型などの複合システム商品を設置してZEHの拡大に貢献しています。当連結会計年度は、自立時全負荷対応が可能な家庭用蓄電システムの新商品を開発し、発売しました。また、過年度においては、電気自動車から家庭に電気を供給できるV2Hシステムを業界に先駆けて開発し、EVパワー・ステーション®として市場投入してきました。これらの商品は、公共・産業用蓄電システムや、電気自動車から独立電源を供給するパワー・ムーバー®(V2L)などと共に、最近増加している甚大な自然災害による長期停電時に避難所に電力供給できる商品として、避難された方々に重宝されています。
医療関係分野では、がん治療として注目されている粒子線(陽子線・重粒子線)治療向けの医療用加速器電源の性能向上や小型化などに取り組み、国内外の医療機関への納入を増やしました。研究用途の加速器用電源では、東北地方に新たに建設される放射光施設向けの電源の開発が進展しました。
事務機器向けスイッチング電源関連では、環境関連であるLED用電源など新たな分野への展開を目指して技術開発を進めています。
(3)産学連携による研究開発
当社は、産学連携を技術開発の重要な要素と位置づけ、積極的に活用してきております。2016年9月に締結した東京大学生産技術研究所と包括的な産学連携研究協力協定では、当社の技術者を東大に派遣して研究開発を共同で推進し、独自の運営方式により、コンデンサの素材基礎開発からNECSTの次世代ビジネスに関わるシミュレーションまで、幅広い課題を解決するだけでなく、当社技術者の育成にも効果を発揮しています。一方、次世代半導体として期待され、一部に実用化が進んでいるSiCのモジュール化の開発においては、京都大学、大阪大学、大阪工業大学などと共同開発を継続的に行っており、NECSTの要素開発やプラットフォーム構築、および商品開発に寄与しています。こうした産学連携を数年来継続しており、大学の教員と当社社員との関係も深まり、当社の技術者に対する教育効果を含めて研究開発力強化が図られつつあります。

事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E01904] S100LSTA)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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