有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100LI2X (EDINETへの外部リンク)
川崎重工業株式会社 研究開発活動 (2021年3月期)
当連結会計年度は、「グループビジョン2030」で掲げた「安全安心リモート社会」「近未来モビリティ」「エネルギー・環境ソリューション」の実現に向けて、事業部門と社長直轄プロジェクト本部や本社技術開発本部が一体となって当社グループの持ち得る技術を結集し、技術のシナジーや最新のデジタル技術等も活用しながら、研究開発に取り組みました。
また、脱炭素社会を目指して策定された「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」(2020年12月)に沿って、水素社会の早期実現に向けて日本・豪州政府機関や関係各社とも連携して、水素の製造から輸送・貯蔵・利用までのサプライチェーンの構築に向けた取り組みにも注力しています。
当連結会計年度における研究開発費は449億円であり、各事業セグメント別の主な研究開発の内容及び費用は以下のとおりです。
航空宇宙システム事業
航空宇宙事業では、防衛省向け固定翼機や回転翼機の近代化・派生型事業、宇宙空間の利活用に向けた宇宙機器システム等の研究開発を推進するとともに、ロボット事業とのシナジーによる生産自動化、ICT/IoTを活用したスマートファクトリー化への取り組みを進めています。また、無人化・遠隔化、並びに自律化や知能化といったAI技術を活かした研究開発についても取り組んでいます。更に脱炭素社会の実現に向けた取り組みについても進めていきます。
航空エンジン事業では、自社開発エンジンであるKJ14の防衛事業への展開実績を足掛かりとして、高出力型エンジンの実用化に向けた研究開発に取り組んでいます。また、将来の航空エンジンに求められる環境性や効率化を踏まえた圧縮機・燃焼器技術、ギアシステム技術や革新的な生産技術に関する研究開発への取り組みを進め、更に、脱炭素社会への貢献を目指し、水素燃焼技術の研究開発も進めています。
当事業に係る研究開発費は56億円です。
エネルギー・環境プラント事業
エネルギー分野では、ガスタービンの高効率化、ガスエンジンの次世代機や信頼性向上に向けた技術開発に加え、脱炭素社会に向けて、水素ガスタービン及び水素ガスエンジンの開発等に取り組んでいます。
プラント分野では、水素サプライチェーンの構築に向けて液化水素貯蔵・積荷基地・揚荷基地の技術実証を推進しているほか、CO2分離回収システムの実用化開発を実施しています。また、生産年齢人口の減少、労働力人口の構成の変化に対応するため、ごみ焼却発電プラントでの遠隔監視による状態把握やデータの活用による最適運用・運転支援技術の開発、ロボット分野とも連携した遠隔操縦型のグラインダーロボットシステム「Successor-G」、双腕型スカラロボット「duAro」を活用した廃棄物処理施設での瓶選別システムの開発に取り組んでいます。
舶用推進分野では、環境規制強化に向けたガス燃料機関の開発・製品展開や推進機器の性能向上、ハイブリッド推進・統合電気推進や次世代操船システム等の開発を進めています。また、それら新技術・システムを組み合わせる次世代キーハードの開発にも継続して取り組んでいます。
当事業に係る研究開発費は40億円です。
精密機械・ロボット事業
精密機械事業においては、ショベル分野におけるシェア維持を目指し、製品競争力の強化に加えて、高付加価値の電動化・自動化/自律化に対応した将来建機油圧制御システムの開発に取り組んでいます。また、ショベル以外の建設機械分野や農業機械分野への拡販を見据え、マーケットニーズに応じた小型軽量・高効率・高機能な油圧ポンプ・モータ、コントロール弁の開発並びにシリーズ展開を進めるとともに、水素関連事業として燃料電池車用高圧水素減圧弁等の開発に取り組んでいます。
ロボット分野では、遠隔協調で熟練技術者の動きを再現するロボットシステム「Successor」を、塗装や研削等へ適用範囲を拡大するための開発を推進しています。また、将来市場の大きな伸びが期待される医療・ヘルスケア分野への展開を目指した医療用ロボット「hinotori™」や、堅牢な体と柔軟な環境対応能力を兼ね備えたヒューマノイド、「TRanbo」・「Vambo」をはじめとする物流分野の自動化に向けたロボット等の研究開発にも取り組んでいます。
当事業に係る研究開発費は62億円です。
船舶海洋事業
コア・コンピタンスである低温・高圧ガス技術や環境負荷低減技術を強化するとともに、LNG燃料推進システム、LNG燃料供給船、燃料電池推進船の開発に加えて、海底パイプライン検査用AUV※1「SPICE※2」等の水中機器の開発、船舶運航管理支援システム「SOPass※3」の機能拡大に向けた開発に取り組んでいます。また、世界初の液化水素運搬船を建造し、商用化に向けた大型運搬船のための研究開発にも取り組んでいます。
加えて、エネルギー・環境プラント分野との技術シナジーを活かし、自社製ガスタービンコンバインドサイクル/ガスエンジン発電設備を搭載した浮体式LNG発電プラントの開発にも取り組んでいるほか、閉鎖空間におけるガス透過膜による空気浄化技術を応用した新換気システム「SEPERNATM」の研究開発も進めています。
当事業に係る研究開発費は8億円です。
(※1 AUV: Autonomous Underwater Vehicle)
(※2 SPICE: Subsea Precise Inspector Close Eyes)
(※3 SOPass: Ship Operation and Performance analysis support system)
車両事業
コスト競争力の強化に向けたトータルコスト低減技術の開発や、次世代新幹線向け高速車両の開発、車両信頼性向上・安全対策・メンテナンス性向上等のための高機能装置の開発、自動化・ロボット化による合理的生産技術の開発等に取り組んでいます。また、ストック型ビジネスの拡大を目指して、各種センシングやICT/IoTを活用した車両・軌道の状態監視等による効率的なメンテナンスシステムの開発を推進しています。
当事業に係る研究開発費は8億円です。
モーターサイクル&エンジン事業
Kawasakiのブランド力強化を目指して、レースでの更なるポテンシャルとストリートライディングでの楽しみの幅を広げた「Ninja ZX-10R/Ninja ZX-10RR」や、本格的なオフロード走行から市街地走行まで幅広いシーンで楽しめるデュアルパーパスモデルである「KLR650」、更に、成長を続けるスポーツ用オフロード四輪車市場に、新たな楽しみ方としてトレイルアドベンチャーをコンセプトとした「TERYX KRX 1000 eS」を追加する等の新機種開発を行いました。また、今後世界各国での増加が予想される都市部へのガソリン車乗り入れ禁止規制を考慮しつつ、環境対応に併せて「操る悦び」も追求する電動モーターサイクル及びハイブリッドモーターサイクルの開発も推進しています。
当事業に係る研究開発費は151億円です。
本社部門・その他
本社社長直轄プロジェクト本部では、新型コロナウィルスの感染拡大や物流分野の労働力不足などの直近の課題に対して、自動PCR検査システムや無人コンパウンド・ヘリコプターなどを活用した物流ソリューションの開発を進め、早期市場展開を目指しています。
本社技術開発本部では、当社グループの更なる企業価値向上を目指し、事業部門と一体となって「新製品・新事業」の開発に取り組むとともに、「グループビジョン2030」で掲げた注力フィールドを中心に、将来の社会課題解決に向けた技術開発にも積極的に挑戦しています。
また、足元の収益向上を目指し、情報技術を活用したエンジニアリングチェーン、サプライチェーンの標準化にも取り組んでいます。
更に、脱炭素社会の実現に向けて、日本・豪州における各種液化水素インフラの開発・実証を着実に推進するとともに、水素関連事業の商用化に向けた技術開発を積極的に推進しています。
これら本社部門に係る研究開発費は122億円です。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E02127] S100LI2X)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。