有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100L6LP (EDINETへの外部リンク)
株式会社 トリケミカル研究所 事業の内容 (2021年1月期)
当社グループの事業は、半導体等製造用高純度化学化合物事業並びにこれらの付帯業務の単一セグメントであります。
当社グループは、当社、連結子会社(三化電子材料股份有限公司)、持分法適用関連会社(SK Tri Chem Co., Ltd.及び㈱エッチ・ビー・アール)の4社で構成されております。
連結子会社三化電子材料股份有限公司は、台湾での高純度化学化合物の開発・製造・販売を行うことを目的として設立された会社であります。
関連会社SK Tri Chem Co., Ltd.はSK Materials Co., Ltd.との合弁で設立された会社であり、韓国における高純度化学薬品の開発・製造・販売を行っております。
関連会社㈱エッチ・ビー・アールはテイサン㈱(現日本エア・リキード(同))との合弁で設立された会社であり、当社グループの主力製品であります臭化水素の製造・販売を行っております。
当社と連結子会社、及び関連会社2社は相互に連携を保ちながら、主として半導体メーカー向けの高純度化学薬品の開発・製造・販売を行っております。
半導体デバイス製造においては、シリコンのウェハ(注1)上に複雑な電子回路を構成するため、多様な工程を経て作られております。この工程はウェハプロセスと呼ばれておりますが、その中の様々な場面で、化学反応を利用した加工がなされており、当社グループの製品は主にウェハの表面上に薄膜を化学反応を用いて堆積させる「CVD」、薄膜の不必要な部分を腐食させて削り取る「エッチング」、ウェハ上にトランジスタ(注2)やダイオード(注3)等を作るためにウェハの内部に不純物を注入させる「拡散」といった多岐にわたる工程において用いられております。
また、これらに供される材料は、半導体デバイスの微細化に伴い、製造プロセス変更や材料の持つ特性の限界、化学物質を取り巻く法規制の強化等の要因により、それまで使用されていた材料から新しい材料への変遷が行われることもあります。当社グループは、この材料変更の要求に対し、材料工学・応用化学の観点から常に新しい材料の開発・提案を行い新材料の供給を行っております。
設立当初は光ファイバー製造に供される高純度材料の供給を行うことで成長を遂げてまいりましたが、現在では同様な材料を使用し、ニーズの変化が常に起こる半導体製造用材料や、デバイスの原理的に半導体と共通点の多い太陽電池製造用材料の供給が主力となっております。また、高純度材料や新規化学材料の試作依頼など開発に供される材料の開発・販売も同様に事業の一部となっております。
(注)1:ICチップの製造に使われる半導体でできた薄い基板。シリコン製のものが多く、これを特に「シリコンウェハ」と呼びます。
2:増幅機能を持った半導体素子であります。
3:片方向にのみ電流を流す性質を持った半導体素子であります。
事業系統図は、次のとおりであります。
製品事業
当社グループが、開発・製造・販売している主な半導体・太陽電池向け製品は、主に以下の3種類であり、また、製品製造・開発の過程において、当社グループの得意とする以下の4つの作業を付加することにより製品の高付加価値化を図り、他社との差別化を図ります。
① CVD材料
② ドライエッチング材料
③ 拡散材料
① 化学薬品用容器の設計販売(化学関連法規などをクリアーした化学薬品輸送用タンクの設計及び販売)
② 化学薬品の受託合成(新規薬品の受託合成)
③ 受託実験(共同開発高純度化学薬品の開発並びに薬品を用いたCVDに関わる受託実験)
④ その他付帯サービス(化学薬品の物性調査や分析などのサービス)
①CVD材料
CVD(ChemicalVaporDeposition:化学気相成長)法とは、化学材料の蒸気を熱などにより分解しウェハ上に堆積させる技術であり、CVD材料とはその際に用いられる化学材料を指します。堆積させる薄い膜は絶縁膜や金属・導体膜・半導体膜であり、使用される材料は多岐にわたっております。
また、半導体の微細化・高性能化を進めるために、従来の製法・材料では解決できない電気的な問題を解決するための誘電率の低い膜が得られる(low-k)材料や逆に誘電率の高い膜が得られる(high-k)材料・物理的な問題を解決するための金属窒化膜材料などといった新たなニーズに対応するための材料をいち早く提案し、安定供給するのが当社グループの特長であります。
②ドライエッチング材料
主に腐食による化学反応により、CVD法で堆積させた膜等の不要な部分を削り取り、ウェハ表面を凹凸に加工する技術であります。このプロセスに供される材料は、従前は特定フロン(注)に代表される材料を使用しておりましたが、環境問題や半導体の微細化により変わりつつあります。微細化が進むとCVD法等で使用される薄膜の材料も変更されることから、ドライエッチングに使用される化学材料も変更されます。当社グループの主力製品の1つである臭化水素(化学式:HBr)は環境問題・微細化といった問題をクリアーする材料であり、その需要は増大しております。
(注):オゾン層保護のため国際条約により規制の対象となっているフロン。
③拡散材料
ウェハ上などにトランジスタを形成する際、不純物を注入する技術があります。イオン打ち込み法(注1)と熱拡散法(注2)の2種類がありますが、いずれも不純物を注入するということでは同様であります。
ここで使用される材料は、周期律表のⅣ族(注3)元素であるシリコンの持つ性質を変えることが求められるため、性質の異なる不純物である必要があります。具体的にひとつはⅢ族(注3)の元素であるホウ素・ガリウム・インジウムなどで、もうひとつはⅤ族(注3)の元素であるリン・ヒ素・アンチモンなどであります。
また、光ファイバーでも同様に光の拡散を制御する目的でゲルマニウムに代表される不純物を使用しております。
当社グループでは、これらに関わる材料を多様にラインナップするとともに、材料の性質や顧客の細かな要求に対応した容器に封入し出荷しております。また、既存製品の単なる販売にとどまらず、新規化学薬品の受託合成や、当社グループの製品を顧客が実際に使用する条件下で性質・性能等の評価を行う各種受託実験も行っており、これが当社グループの大きな特長となっております。
(注)1:原子をイオン化して加速し、固体中に打ち込む方法。
2:熱的な方法で原子を固体中に注入する方法。
3:元素の周期律表の縦列に並ぶものは概ね性質が類似しており、Ⅰ~Ⅷまでの族に分類されます。
当社グループは、当社、連結子会社(三化電子材料股份有限公司)、持分法適用関連会社(SK Tri Chem Co., Ltd.及び㈱エッチ・ビー・アール)の4社で構成されております。
連結子会社三化電子材料股份有限公司は、台湾での高純度化学化合物の開発・製造・販売を行うことを目的として設立された会社であります。
関連会社SK Tri Chem Co., Ltd.はSK Materials Co., Ltd.との合弁で設立された会社であり、韓国における高純度化学薬品の開発・製造・販売を行っております。
関連会社㈱エッチ・ビー・アールはテイサン㈱(現日本エア・リキード(同))との合弁で設立された会社であり、当社グループの主力製品であります臭化水素の製造・販売を行っております。
当社と連結子会社、及び関連会社2社は相互に連携を保ちながら、主として半導体メーカー向けの高純度化学薬品の開発・製造・販売を行っております。
半導体デバイス製造においては、シリコンのウェハ(注1)上に複雑な電子回路を構成するため、多様な工程を経て作られております。この工程はウェハプロセスと呼ばれておりますが、その中の様々な場面で、化学反応を利用した加工がなされており、当社グループの製品は主にウェハの表面上に薄膜を化学反応を用いて堆積させる「CVD」、薄膜の不必要な部分を腐食させて削り取る「エッチング」、ウェハ上にトランジスタ(注2)やダイオード(注3)等を作るためにウェハの内部に不純物を注入させる「拡散」といった多岐にわたる工程において用いられております。
また、これらに供される材料は、半導体デバイスの微細化に伴い、製造プロセス変更や材料の持つ特性の限界、化学物質を取り巻く法規制の強化等の要因により、それまで使用されていた材料から新しい材料への変遷が行われることもあります。当社グループは、この材料変更の要求に対し、材料工学・応用化学の観点から常に新しい材料の開発・提案を行い新材料の供給を行っております。
設立当初は光ファイバー製造に供される高純度材料の供給を行うことで成長を遂げてまいりましたが、現在では同様な材料を使用し、ニーズの変化が常に起こる半導体製造用材料や、デバイスの原理的に半導体と共通点の多い太陽電池製造用材料の供給が主力となっております。また、高純度材料や新規化学材料の試作依頼など開発に供される材料の開発・販売も同様に事業の一部となっております。
(注)1:ICチップの製造に使われる半導体でできた薄い基板。シリコン製のものが多く、これを特に「シリコンウェハ」と呼びます。
2:増幅機能を持った半導体素子であります。
3:片方向にのみ電流を流す性質を持った半導体素子であります。
事業系統図は、次のとおりであります。
製品事業
当社グループが、開発・製造・販売している主な半導体・太陽電池向け製品は、主に以下の3種類であり、また、製品製造・開発の過程において、当社グループの得意とする以下の4つの作業を付加することにより製品の高付加価値化を図り、他社との差別化を図ります。
① CVD材料
② ドライエッチング材料
③ 拡散材料
① 化学薬品用容器の設計販売(化学関連法規などをクリアーした化学薬品輸送用タンクの設計及び販売)
② 化学薬品の受託合成(新規薬品の受託合成)
③ 受託実験(共同開発高純度化学薬品の開発並びに薬品を用いたCVDに関わる受託実験)
④ その他付帯サービス(化学薬品の物性調査や分析などのサービス)
①CVD材料
CVD(ChemicalVaporDeposition:化学気相成長)法とは、化学材料の蒸気を熱などにより分解しウェハ上に堆積させる技術であり、CVD材料とはその際に用いられる化学材料を指します。堆積させる薄い膜は絶縁膜や金属・導体膜・半導体膜であり、使用される材料は多岐にわたっております。
また、半導体の微細化・高性能化を進めるために、従来の製法・材料では解決できない電気的な問題を解決するための誘電率の低い膜が得られる(low-k)材料や逆に誘電率の高い膜が得られる(high-k)材料・物理的な問題を解決するための金属窒化膜材料などといった新たなニーズに対応するための材料をいち早く提案し、安定供給するのが当社グループの特長であります。
②ドライエッチング材料
主に腐食による化学反応により、CVD法で堆積させた膜等の不要な部分を削り取り、ウェハ表面を凹凸に加工する技術であります。このプロセスに供される材料は、従前は特定フロン(注)に代表される材料を使用しておりましたが、環境問題や半導体の微細化により変わりつつあります。微細化が進むとCVD法等で使用される薄膜の材料も変更されることから、ドライエッチングに使用される化学材料も変更されます。当社グループの主力製品の1つである臭化水素(化学式:HBr)は環境問題・微細化といった問題をクリアーする材料であり、その需要は増大しております。
(注):オゾン層保護のため国際条約により規制の対象となっているフロン。
③拡散材料
ウェハ上などにトランジスタを形成する際、不純物を注入する技術があります。イオン打ち込み法(注1)と熱拡散法(注2)の2種類がありますが、いずれも不純物を注入するということでは同様であります。
ここで使用される材料は、周期律表のⅣ族(注3)元素であるシリコンの持つ性質を変えることが求められるため、性質の異なる不純物である必要があります。具体的にひとつはⅢ族(注3)の元素であるホウ素・ガリウム・インジウムなどで、もうひとつはⅤ族(注3)の元素であるリン・ヒ素・アンチモンなどであります。
また、光ファイバーでも同様に光の拡散を制御する目的でゲルマニウムに代表される不純物を使用しております。
当社グループでは、これらに関わる材料を多様にラインナップするとともに、材料の性質や顧客の細かな要求に対応した容器に封入し出荷しております。また、既存製品の単なる販売にとどまらず、新規化学薬品の受託合成や、当社グループの製品を顧客が実際に使用する条件下で性質・性能等の評価を行う各種受託実験も行っており、これが当社グループの大きな特長となっております。
(注)1:原子をイオン化して加速し、固体中に打ち込む方法。
2:熱的な方法で原子を固体中に注入する方法。
3:元素の周期律表の縦列に並ぶものは概ね性質が類似しており、Ⅰ~Ⅷまでの族に分類されます。
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