有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100LJ1L (EDINETへの外部リンク)
岩谷産業株式会社 研究開発活動 (2021年3月期)
当連結会計年度の研究開発は、「ガス&エネルギー」を基軸に当社の基幹事業である総合エネルギー、産業ガスからマテリアル、自然産業まですべての事業領域を対象として取り組んで参りました。なかでも水素エネルギー関連では、「水素のイワタニ」としての地位を強固なものにするべく水素サプライチェーンの構築に向けた技術開発に注力しました。
研究開発活動の中心となる中央研究所(兵庫県尼崎市)は、グループ全体の成長ビジョンを見据え、営業部門との連携を強化しすべての事業分野の核となる新事業・新商品の開発に繋がる技術支援に取り組みました。特に、最先端の水素試験研究設備を活用し、極低温の液化水素や超高圧圧縮水素ガスに適合した材料や機器の評価を行いました。さらに、分析を主体とした基盤技術を強化するとともに、大学や公的研究機関との共同研究やパートナー企業との共同開発を積極的に進め、「技術のイワタニ」としての価値の向上に努めました。
当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発費は2,261百万円となります。そのうち、当社の研究開発費は2,107百万円であります。
主な研究開発内容は水素関連のもので、その金額は698百万円です。その他の研究開発費用をセグメント別に分けると、総合エネルギー事業225百万円、産業ガス・機械事業51百万円、マテリアル事業57百万円、自然産業事業12百万円、その他1,216百万円となっております。その他セグメントが多いのは研究開発拠点である当社中央研究所の共有費用が含まれるためです。
なお、セグメントごとの研究開発活動は次のとおりです。
(水素エネルギー関連)
水素エネルギー関連では、水素・燃料電池戦略ロードマップ及び水素基本戦略に基づき、水素ステーションの整備や新たな水素エネルギー・アプリケーションの開発等の水素エネルギーの利用拡大に繋がる活動に取り組みました。さらに、脱炭素を見据えたCO2フリー水素サプライチェーンの構築にも重点を置き研究開発を推進しました。具体的には、2025年に開催予定の大阪・関西万博での商用運航を目指し、水素燃料電池船及び船舶用水素ステーションの開発に向けた検討を開始しました。また、経済産業省/新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)との取り組みにおいて、豪州の未利用褐炭を用いた大規模水素サプライチェーンを構築する実証事業(HySTRA)に引き続き参画するとともに、2020年3月に完成した「福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R)」(福島県浪江町)では、「Power-to-Gas」の実用化技術の確立に向けた取り組みを継続しています。
主な研究開発案件は、①水素ステーションの建設コスト削減と保安技術の強化に繋がる水素適合性材料評価の推進、②水素ステーションにおける水素ガス計量や水素ガス品質の管理技術の開発、③バス・トラック等の大型車に対応した水素供給に関わる計量管理技術の開発、④水素大量消費社会を見据えた液化水素流量計や水素導管供給技術の開発等となります。
(総合エネルギー事業)
カーボンニュートラル社会の実現に向けた国の取り組みの一環として、LPガスの脱炭素化につながるグリーンLPガスの生産技術に関する調査研究に着手しました。また、当社主力のコンシューマープロダクツであるカセットガスの拡販に繋がる新商品の開発に向け、熱電発電素子や燃料電池を使った発電技術等の要素技術の評価・開発を進めています。
(産業ガス・機械事業)
再生医療の分野では、大学との共同研究やパートナー企業とのコラボレーションを通じて、細胞凍結・解凍プロセスの最適化研究を進め、細胞保管・輸送容器システムの開発に着手しました。中央研究所に設置した重水素ガス製造プラントにおいては、製造ロスの削減やガス精製技術の更なる向上に努めるとともに、品質管理体制を確立しISO9001「品質マネジメントシステム」を取得し、海外への重水素ガスの拡販に寄与しました。また、包装フィルムや包装内のガス成分を制御することで食品の品質保持や賞味期限の延長を実現するMA包装技術を追究し、徐々に実採用に結びついています。
(マテリアル事業)
大学との共同で、バイオディーゼル燃料製造時の副生成物であるグリセリンをDHAに変換する触媒を開発しました。未利用グリセリンを活用し化粧品や医農薬中間原料として需要があるDHAの製造にかかる時間及びコストの大幅な削減が期待され、事業化に向けた取り組みを推進します。また、ナノニッケルの合成技術に取り組み、MLCC(積層セラミックコンデンサー)向けにサンプル出荷できる目処をつけました。さらに、ヒートシンクや冷却システムへの採用が期待されるロータス金属(多孔質構造の金属)の量産化に向けた加工技術を確立し市場開拓を進めています。
(自然産業事業)
当社の扱う食品中の微生物分析、残留農薬分析、抗生物質分析技術を高め品質管理を強化するとともに、液化窒素を用いた食品の凍結保存技術の優位性を検証し、当社中国での製造委託工場での実用化検討を進めています。
研究開発活動の中心となる中央研究所(兵庫県尼崎市)は、グループ全体の成長ビジョンを見据え、営業部門との連携を強化しすべての事業分野の核となる新事業・新商品の開発に繋がる技術支援に取り組みました。特に、最先端の水素試験研究設備を活用し、極低温の液化水素や超高圧圧縮水素ガスに適合した材料や機器の評価を行いました。さらに、分析を主体とした基盤技術を強化するとともに、大学や公的研究機関との共同研究やパートナー企業との共同開発を積極的に進め、「技術のイワタニ」としての価値の向上に努めました。
当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発費は2,261百万円となります。そのうち、当社の研究開発費は2,107百万円であります。
主な研究開発内容は水素関連のもので、その金額は698百万円です。その他の研究開発費用をセグメント別に分けると、総合エネルギー事業225百万円、産業ガス・機械事業51百万円、マテリアル事業57百万円、自然産業事業12百万円、その他1,216百万円となっております。その他セグメントが多いのは研究開発拠点である当社中央研究所の共有費用が含まれるためです。
なお、セグメントごとの研究開発活動は次のとおりです。
(水素エネルギー関連)
水素エネルギー関連では、水素・燃料電池戦略ロードマップ及び水素基本戦略に基づき、水素ステーションの整備や新たな水素エネルギー・アプリケーションの開発等の水素エネルギーの利用拡大に繋がる活動に取り組みました。さらに、脱炭素を見据えたCO2フリー水素サプライチェーンの構築にも重点を置き研究開発を推進しました。具体的には、2025年に開催予定の大阪・関西万博での商用運航を目指し、水素燃料電池船及び船舶用水素ステーションの開発に向けた検討を開始しました。また、経済産業省/新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)との取り組みにおいて、豪州の未利用褐炭を用いた大規模水素サプライチェーンを構築する実証事業(HySTRA)に引き続き参画するとともに、2020年3月に完成した「福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R)」(福島県浪江町)では、「Power-to-Gas」の実用化技術の確立に向けた取り組みを継続しています。
主な研究開発案件は、①水素ステーションの建設コスト削減と保安技術の強化に繋がる水素適合性材料評価の推進、②水素ステーションにおける水素ガス計量や水素ガス品質の管理技術の開発、③バス・トラック等の大型車に対応した水素供給に関わる計量管理技術の開発、④水素大量消費社会を見据えた液化水素流量計や水素導管供給技術の開発等となります。
(総合エネルギー事業)
カーボンニュートラル社会の実現に向けた国の取り組みの一環として、LPガスの脱炭素化につながるグリーンLPガスの生産技術に関する調査研究に着手しました。また、当社主力のコンシューマープロダクツであるカセットガスの拡販に繋がる新商品の開発に向け、熱電発電素子や燃料電池を使った発電技術等の要素技術の評価・開発を進めています。
(産業ガス・機械事業)
再生医療の分野では、大学との共同研究やパートナー企業とのコラボレーションを通じて、細胞凍結・解凍プロセスの最適化研究を進め、細胞保管・輸送容器システムの開発に着手しました。中央研究所に設置した重水素ガス製造プラントにおいては、製造ロスの削減やガス精製技術の更なる向上に努めるとともに、品質管理体制を確立しISO9001「品質マネジメントシステム」を取得し、海外への重水素ガスの拡販に寄与しました。また、包装フィルムや包装内のガス成分を制御することで食品の品質保持や賞味期限の延長を実現するMA包装技術を追究し、徐々に実採用に結びついています。
(マテリアル事業)
大学との共同で、バイオディーゼル燃料製造時の副生成物であるグリセリンをDHAに変換する触媒を開発しました。未利用グリセリンを活用し化粧品や医農薬中間原料として需要があるDHAの製造にかかる時間及びコストの大幅な削減が期待され、事業化に向けた取り組みを推進します。また、ナノニッケルの合成技術に取り組み、MLCC(積層セラミックコンデンサー)向けにサンプル出荷できる目処をつけました。さらに、ヒートシンクや冷却システムへの採用が期待されるロータス金属(多孔質構造の金属)の量産化に向けた加工技術を確立し市場開拓を進めています。
(自然産業事業)
当社の扱う食品中の微生物分析、残留農薬分析、抗生物質分析技術を高め品質管理を強化するとともに、液化窒素を用いた食品の凍結保存技術の優位性を検証し、当社中国での製造委託工場での実用化検討を進めています。
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ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。
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