シェア: facebook でシェア twitter でシェア google+ でシェア

有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100L3AS (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 サッポロホールディングス株式会社 研究開発活動 (2020年12月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等

2020年3月、当社は、上場維持機能及び経営資源配分、事業支援機能に特化し、各事業会社がバリューチェーン全てを担い機動力を発揮できるシンプルでコンパクトな事業軸主体の組織構造へ再編する方針の下、R&D本部の「研究戦略推進部」「技術知財戦略部」「価値創造フロンティア研究所」「おいしさ技術研究所」をサッポロビール社、ポッカサッポロフード&ビバレッジ社に移管いたしました。「食のメーカー」としての成長加速に引き続き貢献してまいります。
当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発費は26億円です。

セグメントの状況は次のとおりです。

[酒類事業]
1.研究開発について
2020年3月の組織改訂により、サッポロビール社生産技術本部内に同社「酒類研究所」と当社「価値創造フロンティア研究所」を統合し「価値創造フロンティア研究所」が、あわせて「R&D企画推進部」「情報科学研究室」が新設されました。また同社「バイオ研究開発部」は「原料開発研究所」に組織名が改称されました。
「原料開発研究所」が開発したLOXレス大麦(※)「CDC PlatinumStar」「きたのほし(商標名)」はカナダ及び北海道で協働契約栽培により生産されており、「旨さ長持ち麦芽」として「サッポロ生ビール黒ラベル」等のサッポロビール社商品に採用されております。
2020年には、多収量の農業特性を持つLOXレス大麦品種をオーストラリアで新たに品種登録出願をいたしました。カナダでは2021年から同じく多収量のLOXレス品種「CDC Goldstar」の本格的な普及を目指してまいります。
さらに、新たな製麦方法でビールの風味を劣化させる成分(脂質酸化酵素)を抑制した「新・旨さ長持ち麦芽」を開発し、「サッポロ生ビール黒ラベル エクストラブリュー」に一部使用されております。
ホップでは、同所が開発した品種「ふらのほのか」及び「リトルスター」が複数のサッポロビール社商品に採用されております。「SORACHI1984」に用いられている品種「ソラチエース」は生まれ故郷の北海道上富良野町で商業生産が開始されました。鮮烈なマンゴーの香りが特徴の「フラノマジカル」は、サッポロビール社育成のホップ品種として初めてEUで品種登録をいたしました。
米クラフトビール発展の起点となったサッポロビール社開発品種「ソラチエース」や新品種のホップ香り成分の研究成果では、引き続き世界をリードし国際的にも高評価を得ております。
また、国産ブドウ調達への技術支援にも取り組み、ホップ培養苗作出技術を応用してブドウ苗木の大量生産を可能とする技術の開発も進めております。
その他、気候変動への対応策として、2030年までに「気候変動に対応可能な特性を持つ大麦・ホップを開発する」ことで、持続可能な原料調達に貢献することを目指してまいります。
ビールは原料や醸造に由来する成分により、複雑な香りが形成されており、いまだ解明されていない点が多数残されている中、高田香料㈱との共同研究で「醸造工程中に失われる香りからビールらしさに寄与する香気成分」を見出し、日本農芸化学会2020年度大会において「2020年度大会トピックス演題」に選定されております。
また、ビールを長期間低温熟成することにより付与される熟成香に寄与する成分群を特定することに成功し、日本農芸化学会2020年度大会で発表するとともに「ヱビス 超長期熟成 7年目の刻」のおいしさの解明につなげております。
本格麦焼酎「和ら麦」の特徴的なフルーティーな香りに着目し、その香りに「4-Ethylguaiacol」という成分が大きく寄与していることを突き止めました。ミントを副原料に使用したビール開発では、ミント由来の成分が発酵工程において特徴的な香気成分に変化することを解明いたしました。
これらの研究成果を商品開発技術に応用し、これからもビールテイスト飲料のさらなる魅力を引き出すことで、多様なビールの楽しみ方を提案してまいります。また、品質保証研究では、これまで以上にお客様の安全・安心志向や健康意識に応えるため、原料・製品の安全性分析及びそれを支える分析新技術の研究に継続して取り組んでまいります。
「情報科学研究室」では、生産・マーケティング・物流等さまざまな部署と協働して、データ解析による社会課題の解決を目指し取り組んでおります。
「R&D企画推進部」では、経営・商品開発・研究開発が三位一体の関係を形成できるような仕組みづくり及びグループ内各社の研究開発を横断的に結合する活動を行っております。

※ ビールの風味を劣化させる成分(LOX-1:脂質酸化酵素)を持たない大麦

2.商品開発について
酒類の商品開発については、2020年に策定されたサッポロビール社の新たな経営ビジョンのもと「お酒と人との未来を創る」商品をお届けすべく活動を行ってまいりました。
ビールテイストでは、「サッポロ生ビール黒ラベル」の麦芽と「ヱビスビール」のホップを一部使用し、サッポロビール社の技術と信念をつぎ込んだ新ジャンル「サッポロ GOLD STAR」を通年新商品として2月に発売いたしました。「家飲み」の拡大による需要増も追い風となり、多くのお客様のご支持をいただいた結果、年間販売計画を大きく超える実績を残すことができました。
また5月にはサッポロビール社が育種、品種登録した「奇跡の麦」と称される大麦「きたのほし」の麦芽を使用したビール「サッポロ 北海道 奇跡の麦 きたのほし」を限定発売いたしました。 ビールテイスト飲料では、機能性表示食品のノンアルコールビールテイスト飲料である「サッポロ うまみ搾り」を6月に発売いたしました。この商品は尿酸値を下げる素材「アンセリン」を350ml当たり50㎎配合し、アルコール度数0.00%、プリン体0(※1)も実現した「世界で初めて(※2)アンセリンで尿酸値を下げる機能を持ったノンアルコールビールテイスト飲料」です。
基軸ブランドについては缶商品が6年連続売上アップを果たした「サッポロ生ビール黒ラベル」のおいしさの決め手の一つである、サッポロビール社独自開発の「旨さ長持ち麦芽」を100%使用した限定商品「サッポロ生ビール黒ラベル エクストラブリュー」を3月に、「同 エクストラモルト」を11月にそれぞれ発売いたしました。
RTDについては、2018年の発売以来ご支持をいただいている「サッポロチューハイ99.99」やレモンにこだわったレモンサワー「サッポロ レモン・ザ・リッチ」をはじめとするブランドでリニューアルや限定商品の発売等を行いました。
特に「サッポロ 男梅サワー」についてはハイボールタイプの「男梅ハイボール」やレモンエキス等を使用した「男梅サワー 追いレモン」といった限定商品の発売も追い風となり、大きく実績を伸ばしたほか、自分の好みに合わせて楽しめるRTSカテゴリーでも「男梅サワーの素」を発売する等、ブランドを強化してまいりました。
酒類事業の研究開発費の金額は13億円です。

※1 100ml当たりプリン体0.5mg未満
※2 尿酸値低減を訴求するノンアルコールビールテイスト飲料において(サッポロビール社調べ2020年2月)

[食品飲料事業]
「食品飲料」分野においては、「おいしさを探す」一環として、ポッカサッポロフード&ビバレッジ社が、レモンの摂取による健康状態への効果を調査する研究を、国産レモンの産地である広島県の大崎上島町にて、ここ数年にわたって地元自治体や大学と協働して進めており、2021年には一部の成果の発表を予定しております。さらに同地では、国産レモンの省力化栽培・供給拡大を念頭に、ICT(情報通信技術)を活用して天候に応じて自動で最適な肥料や水やりを行うレモン栽培、休耕田のレモン栽培への活用等の研究開発を継続しております。さらに、豆乳ヨーグルトの価値向上として豆乳ヨーグルトを摂取した時の効果として腸内菌叢の改善と機能性成分(エクオール)の増加を見出し、2020年5月の第74回日本栄養・食糧学会にて発表しました。
また、「食品」分野の領域拡大を実現するにあたり「おいしさをつくる」一環として、ポッカサッポロフード&ビバレッジ社では、独自開発した柔らかい鶏ムネ肉具材がゴロっと入った、食べ応えがあり、食事の中で鶏ムネ肉由来のタンパク質をおいしく補給できるON系カップ入りスープ(※)「きちんとチキン」シリーズを、新たな食のスタイルに対応すべく、仕事や勉強の最中等一日3食以外に食べる“スナッキングフード”として、粉末にお湯を注いで練って食べる、味がしっかり濃いめのカップ入り軽食ポテト「じゃがネル」シリーズを上市しました。
神州一味噌社は主力商品のひとつである、即席みそ汁のお徳用(12食・20食)のリニューアルを2020年夏に行いました。調味みその出汁感を高めた他、環境にも配慮し、内容物をセットするための内包プラスチックトレイを廃止することで、プラスチック使用量を、リニューアル前後の重量比で約30%削減いたしました。
食品飲料事業の研究開発費の金額は11億円です。

※ 特定の栄養成分を強化したスープ


事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00393] S100L3AS)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
ご利用にあたっては、こちらもご覧ください。「ご利用規約」「どんぶり会計β版について」。