有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100LQXX (EDINETへの外部リンク)
日清オイリオグループ株式会社 研究開発活動 (2021年3月期)
当社グループは“植物のチカラ”を通じ、お客様のニーズにお応えする商品開発、技術開発を進めてまいりました。今後も油脂に関する技術力をさらに究めていくと同時に、お客様の抱える課題の解決と、「健康」「おいしさ・美」「環境」を軸とした新たな価値の創造を進めてまいります。
中央研究所では、当社が創造する価値を商品としてタイムリーに提供することを目指し、ホームユース用の食用油とドレッシング類、業務用の食用油、製菓・製パン用の加工油脂等の開発を行っています。また、グループ研究開発の中核拠点としての役割を果たすべく、グループ全体の事業領域を対象に、油脂の製造、加工、分析、調味評価、調理評価、栄養評価に関わる技術開発にも取り組んでいます。
ユーザーサポートセンターは、マーケット調査や周辺技術研究、ユーザーニーズに対応した商品開発やアプリケーション開発を推進し、販売と一体となった総合的な技術営業の展開、ソリューション提案を行っております。ユーザーとの接点の中で、ユーザーが抱える課題の解決や新たな価値の創造に関与することで、売上拡大や事業拡大を実現してまいります。
生産技術開発部では、基盤生産技術の強化に取り組むとともに、生産と研究開発の融合によりスムーズな事業化や生産性の向上を実現してまいります。
また、パーム油の主要産地であるマレーシアには、Nisshin Global Research Center Sdn. Bhd.を置き、当社グループのパーム油事業会社であるIntercontinental Specialty Fats Sdn. Bhd.と連携のもと、より高品質で持続可能なパーム油の研究開発にも取り組んでおります。
ファインケミカル事業部テクニカルセンターでは、化粧品領域、化学品領域、および食品領域におけるファインケミカル素材の開発ならびに、その機能評価に基づく価値開発やアプリケーション化を進めるとともに、生産部門と連携して製品の品質優位性を高めるための活動を行っております。また、事業のグローバル展開を支える基盤を形作るために、スペインの子会社Industrial Quimica Lasem, S.A.U.とは、エステル油剤開発、品質管理、生産技術などにおいて多面的な技術連携関係を構築しております。中国ではファインケミカル製品販売会社・日清奥利友(上海)国際貿易有限公司とファインケミカル事業部テクニカルサポート課が連携して当社製品の技術的、品質的な特徴を顧客にアピールする活動を行い、中国における市場開拓を着実に進めております。
なお、当連結会計年度における研究開発費の合計は2,495百万円であります。
〔油脂・油糧および加工食品事業〕
当社独自の油脂製造技術や食品加工技術、官能評価技術により、安全・安心・おいしさを追及した付加価値商品の開発を行っております。また、MCT(中鎖脂肪酸油)に関する長年の研究を通じたノウハウや開発力により、さまざまなライフステージに向けた商品を展開することで、健康的な食生活に貢献しています。
ホームユース領域では、食用油の新たな使い方としてのかけるオイル市場の拡大と、これに続く市場の創造に向けた新商品開発に取り組んでおります。注目のオメガ3(α-リノレン酸)を豊富に含む「日清有機えごま油(50g瓶、145g・320gフレッシュキープボトル)」を発売し、かけるオイルのラインアップを充実いたしました。お客様の原料や製法へのこだわりにお応えし、有機栽培された良質なえごまのみを使用しています。併せて、普段の食生活で手軽にえごま油を摂りたいというニーズに向けて、マヨネーズタイプ調味料「日清えごま油日和210g」と、「日清えごま油ドレッシング190ml(和風、胡麻)」を発売いたしました。また、油の健康性への期待の高まりを受け、コレステロールが気になる方へ特定保健用食品の「日清こめ油プラス600gPET」、血圧が高めの方へ機能性表示食品の「日清アマニ油プラス600gPET」を発売いたしました。油の新たなおいしさを楽しんでいただく商品として、油を“料理の味つけ調味料”としてお使いいただける「日清やみつきオイル」にガーリックバター風味を追加発売しました。さらに、持続可能な社会を実現・発展させていく目的のもと、地球環境に配慮した商品開発の一環として、600gペットボトル製品において、ラベルとキャップフィルムの一部に再生ペット樹脂を導入いたしました。
業務用食用油では、「吸油が少ない長持ち油」が売上拡大に貢献しました。経済面と調理品の健康面が量販店の総菜コーナーをはじめとしたユーザーから評価されております。さらに経済面を強化した「スーパー長持ち油」を上市いたしました。また、中食市場で調理品のおいしさ維持で好評をいただいている機能性油脂を、外食向けに小容量化した「炊飯油」「オリーブパスタさばき油」を上市いたしました。最近の中食市場における健康オイルへの関心の高まりに対応し、中食企業向けにサラダメニューの提案を充実させ、「ボスコ エキストラバージンオリーブオイル」「アマニ油」「日清MCTオイル」などの高付加価値商品が多く採用されました。
ウェルネス食品領域では、食が細くなった方でもエネルギーとたんぱく質を飽きずに補える「エネプリンプロテインプラス40g(チョコレート味、豆腐味)」を発売いたしました。同品は4kcal/gの食べきりサイズの商品で、嚥下物性においてもエネプリンシリーズの特徴をそのままに、ユニバーサルデザインフードの「舌でつぶせる」商品として区分けされています。また、「日清MCTオイルお粥にプラス」は、お粥に混ぜるだけで簡単にエネルギーが補給できます。お粥との馴染みがよく、べたつきが低減され食べやすくなることから、おいしく食べ続けられるとご好評をいただいており、お得な大容量サイズ(900gポリ)を追加発売いたしました。
当社独自の技術で開発した新たな粉末状の油脂である『結晶性油脂』の用途開発を進めております。結晶性油脂は油脂100%の粉末であり、従来の粉末油脂には無い特徴を有しております。このうちMCTを含む低融点の商品として「エネクイック」を上市いたしました。液状食品のペースト化や冷涼感の付与など様々な機能を生かして、食品メーカー向けにおいしく食べやすく加工する応用開発を進めております。また、高齢者の低栄養改善に向け、介護施設や病院での用途拡大にも取り組んでおります。
脂質の栄養研究では、MCTの研究を進め、運動習慣のない中高年齢層においてMCT摂取により運動中の脂肪燃焼が高まることを確認し、国際学術誌Nutrientsに掲載されました。また、メタボローム解析手法にてMCTの代謝動態を確認し、国際学術誌Journal of Agricultural and Food Chemistryに掲載されました。
生活科学研究では、食生活を中心とした社会環境や生活者の価値観の変化、それらに起因する生活習慣の動向などについて25年以上にわたり調査研究し、社会に情報を発信し続けてまいりました。本年度は、新型コロナウイルス感染症が世界的に流行したことを受け、より一層、日常生活での健康志向が高まると考えられました。これをふまえて、「健康と食に関する意識調査」を実施し、性年代別の意識の違いや、過去との比較、変化などを分析しました。研究結果は、当社の新商品開発に活用されるほか、食品メーカーや流通、行政などの皆様にも幅広くご利用いただいております。
油脂・油糧および加工食品事業に係わる研究開発費は1,572百万円であります。
〔加工油脂事業〕
エステル交換や分別といった油脂の構造に関わる独自の加工技術や精緻な油脂分析技術をベースに、マーガリン・ショートニング類、クリーム用油脂、チョコレート用油脂および製菓・製パン素材等において、風味や機能に特徴ある高付加価値の商品を開発しております。昨今、消費者の価値観が多様化し、消費の形態も大きく変わってきております。こうしたなかで、グループ企業を含む社内外の関連部門と深く連携することで、顧客のニーズに速やかに対応する体制を整えております。パイやデニッシュのサクサクとした食感の向上やボリュームアップへのニーズへお応えする機能性シートマーガリン、産地にこだわったバターを使用したマーガリンなどが、大手製パンメーカーやコンビニエンスストア向けの商品として採用されました。その他、ユーザーの製造ライン適性に対応し、固化速度を速めたチョコレート用油脂や、昨今問題となっているフードロスの削減に向けて、最終商品の賞味期限延長を実現する乳化安定性を向上させたクリーム用油脂など、技術に裏付けされた課題解決型の商品が幅広く採用され、販売拡大に貢献いたしました。また、粉末状の油脂である『結晶性油脂』の高融点タイプ「コナファット」に関しても、食感の改善、粘度の調整、分散性の向上といった機能を生かし、食品のみならず、幅広い分野での用途開発、市場開拓を進めております。さらに、大東カカオ株式会社、Intercontinental Specialty Fats Sdn. Bhd.およびNisshin Global Research Center Sdn. Bhd.と技術連携をとりながらグローバルな製品展開に向け、油脂製造からアプリケーション開発にわたる領域でのユーザーニーズに応える研究開発を行っております。
加工油脂事業に係わる研究開発費は559百万円であります。
〔ファインケミカル事業〕
化粧品領域における開発活動としては、グローバルな視野で化粧品業界に広く展開できる高機能素材や植物由来成分からなる素材の開発に取り組んでおります。
化学品領域における開発活動としては、情報関連分野・潤滑用途の素材を中心に顧客と直結した開発を進めております。
食品領域における開発活動としては、主力であるMCT製品の品質向上を図るとともに、新たな機能性素材の開発に取り組んでおります。
Industrial Quimica Lasem, S.A.U.との間では、技術的な相乗作用を得るために、製品のみならず原材料評価、品質管理、製品開発、および生産技術など多岐にわたる連携関係を構築してきました。同社が製造販売する、FSSC22000などの認証を背景とした高品質なMCT「QUOLIO(クオリオ)」については、国内展開を図るとともに、高品質な化粧品原料の製造が可能となる生産設備の改良を行い、グローバル供給体制確立への歩みを進めております。
日清奥利友(上海)国際貿易有限公司とは、中国における技術サービスの充実を目的として設置したラボ機能の有効活用を図るとともに、さらに発展させる形で、現地企業を対象とした原料セミナーを複数回開催し、当社製品の優れた特徴をアピールする活動を行い、中国における市場開拓を着実に進めております。
日清奥利友(上海)国際貿易有限公司とは、中国における技術サービスの充実を目的として設置したラボ機能の有効活用を図るとともに、さらに発展させる形で、現地企業を対象とした原料セミナーを複数回開催し、当社製品の優れた特徴をアピールする活動を行い、中国における市場開拓を着実に進めております。
連結子会社であるセッツ株式会社において、外食厨房や食品加工工場、さらには介護施設などの衛生管理に役立つ製品やソリューションの提供を通じて、お客様の「食の環境をキレイにする」に貢献するべく、衛生管理事業を推進しております。研究開発部門においては衛生管理の鍵となる微生物制御技術、洗浄技術の深化・融合、商品化に向けた製剤化技術の確立、ユーザーを起点とした疫学的アプローチを通して高付加価値商品及び技術開発に取り組んでおります。大学との共同研究も積極的に活用しております。
重要商品の一つであるウイルス対策アルコール製剤に関しては、商品力の強化と商品ラインアップの充実化に注力しております。また、Key基剤であるブドウ種子抽出物によるウイルス不活化技術の一層の深化と応用展開に向け精力的に取組み、着色抑制に加え、ウイルス不活化効果などの基本性能を大幅に向上させ、大学との共同研究により新型コロナウイルスに対する不活化効果も確認できております。コロナ時代の新しい生活様式、顧客意識変化に対応した商品として、新カテゴリー商品コロウィンを10月に発売いたしました。低濃度エタノールに特定の界面活性剤を複合化することで、洗浄力が高く、アクリル板をはじめとする各種プラスチック材質へも安心して使用でき、拭き取り跡を残さない特長を有する新洗浄剤で、新型コロナウイルス不活化効果も検証でき、幅広い展開が期待できる商品になっております。
ファインケミカル事業に係わる研究開発費は363百万円であります。
今後とも技術力の一層の充実を図り、新製品・新技術開発、新分野開拓に積極的に取り組んでいく方針であります。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00428] S100LQXX)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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