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有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100KZYT (EDINETへの外部リンク)

有価証券報告書抜粋 日清紡ホールディングス株式会社 研究開発活動 (2020年12月期)


事業等のリスクメニュー株式の総数等


当社グループでは、“環境・エネルギー”を軸とし、「モビリティ」、「インフラストラクチャー&セーフティー」、「ライフ&ヘルスケア」に関わる3つの分野を戦略的事業領域に定め、これらの分野において高性能・高品質かつ競争力のある製品・技術の開発に力を注いでいます。そのために、グループ横断的な研究開発活動を行っており、無線・通信、マイクロデバイス、ブレーキ、化学品といった、多岐にわたる保有技術を融合してイノベーションを創出し、持続可能な社会へ資する新たなバリューを提供していきます。
当連結会計年度の研究開発費は23,377百万円であり、主な研究開発とその成果は次のとおりです。

(1)無線・通信
無線・通信事業では無線技術、ネットワーク技術およびセンサー技術の高度化を中心とした研究開発を行い、航海の安全・交通の安全・防災減災など社会の安全に貢献すること、自律航行・自動運転・遠隔制御などスマート社会に貢献すること、ライフ&ヘルスケア分野へ貢献することを目的に基礎技術、機器、サービスの開発に取り組んできました。
社会の安全に関しては、高速衛星データ通信と船内ネットワークを活用した船員の遠隔健康管理システム、クラウドで集積した船舶の航行情報をベースとした小型船の安全システム、通信回線の故障にも対処する安全性を向上させた鉄道保守用の安全システム、急激且つ局地的な気象変化にも高速で観測可能な次世代2偏波フェーズドアレイ気象レーダ、防災向け可搬型衛星通信装置、AIによる雨量/水位予想が可能な防災システムなどに必要な技術を開発しました。
スマート社会に関しては、航海の効率化に貢献する船陸間データ通信の高速化と安定化を目的に船上大型衛星通信装置を開発しました。交通の高度化では位置測定用の全球測位衛星システム(GNSS)信号受信機の高精度化、道路上の人と車の状況をレーダとカメラを融合して識別する技術、歩行作業員の安全及びLTE網でのリモートメンテナンスに対応した次期新幹線保守車両安全システム、GNSS信号が受信不可能なエリアでの測位を可能とする自律航法(デッドレコニング)機能を搭載したロケーション機器等を開発しました。また、遠隔制御と遠隔監視に必要な自営LTEの通信セキュリティ向上、ネットワークを通信断にさせない強靭化を図る為の技術を開発しました。この技術はローカル5Gにも反映して行きます。
ライフ&ヘルスケア分野に関しては、センサー技術を基盤とした小型で高画質のポータブル超音波診断装置を開発しました。
当セグメントに係る研究開発費は5,714百万円です。

(2)マイクロデバイス
新日本無線グループは、電子デバイス製品やマイクロ波製品等の企画、設計から生産技術まで総合的な研究開発を行っています。主力の「電子デバイス製品」を中心に、車載向けや産業機器市場向け、スマートフォン等の通信デバイス向け等、各種デバイスの実用化に向けた開発等に注力しています。また、スマートフォンやAIスピーカー向けにMEMSセンサーを用いたマイクモジュール向けの次世代製品、ウェアラブル端末や健康機器応用製品向け光センサー等の次世代製品の開発を進めています。さらに自社開発のデルタシグマ・アナログデジタルコンバーターをコアにしたセンサー市場向けのアナログフロントエンドICの量産を開始し、高精度化を目指して開発中です。「マイクロ波製品」では、マイクロ波帯からミリ波帯までの衛星通信、センサーおよび高出力電子管等幅広い分野で開発・製造を行っています。
リコー電子デバイス㈱では、民生(IoT含む)、車載、産機市場に向けてCMOSアナログ技術をコアコンピタンスとした小型、低消費、高効率、高精度、高信頼性の製品開発を進めています。
IoT市場に向けては超低消費+バッテリーモニター機能を搭載した昇降圧DC/DCコンバーター、エナジーハーベスト用降圧DC/DCコンバーターなどIoTエッジ端末で要求される自立発電・電池の長寿命化・高精度を実現し、お客様のIoTエッジ端末開発の容易化および工期短縮に貢献できる製品を開発しています。IoT機器の普及によりSDGsターゲット11.3:持続可能な都市化の推進、ターゲット11.b:災害リスク管理などへ貢献していきます。
車載市場向けにはSDGsターゲット3.6:交通事故死亡者の減少を実現する機能安全システムの構築に貢献が可能なウィンドウタイプのボルテージディテクタ(リセットIC)やウォッチドッグタイマー機能を持ったシステム電源ICなどの研究開発を行っています。当期はSoC等のコア電圧の低電圧化への対応とマイコンを使ってIC自体の故障有無を診断できる機能を追加し、更なる安全性の向上を実現したR3514シリーズを量産化しました。また自動運転化に必要なCMOSイメージセンサーの性能を最大限に引き出す、機能安全対応、超低ノイズの複合電源IC RN5T5611の開発を進めています。本製品はISO26262の規格に準拠しシステムのASIL対応に貢献していきます。
当セグメントに係る研究開発費は7,337百万円です。

(3)ブレーキ
ブレーキ事業では、コスト競争力のある差別化商品の提供と技術力の強化を目標に掲げ、自動車用摩擦材の開発に取り組んでいます。重要保安部品としての高い信頼性を堅持し、銅規制等に対応した環境負荷物質を低減する製品の開発では、①電動化し静粛性が高まる新世代車への適合における音・振動の抑制、②効きの安定性、③摩耗粉塵の排出を抑制する優れた摩耗特性等、お客様ニーズへの対応に重点をおいて活動しています。開発した材質は、お客様にご好評を頂いており、国内外の数多くの車両プログラムへの適用が決まり、量産化が進捗しています。
更に、将来の社会・技術動向の調査より開発ロードマップを策定し、これからの材料づくりに必要となる各種要素技術の研究を進めています。また、日清紡グループ内のコラボレーションによりセンシング技術を活用した新たな品質管理手法、車両の自動化を見据えるブレーキ廻りの状態計測方法の研究を推進しています。TMDグループでは、デジタル技術を活用した補修部品の新たな販売・サービスビジネスを開始し、展開を進めています。
当セグメントに係る研究開発費は7,032百万円です。

(4)精密機器
成形品事業では、空調機器用ファンや自動車部品をはじめ、住宅設備や医療向けなど広い分野に向けた製品の機能性や金型技術の向上に加え、持続可能な社会に向けたインフラ分野向け製品の開発など、新たな事業創出に向けた活動に取り組んでいます。この他、当連結会計年度にはIMPC™(※)技術を保有するエレファンテック㈱と車載向け立体配線成形部品の共同開発につき基本合意を締結しました。既にADAS搭載車向け配線一体型成形部品のプロトタイプは完成しており、今後は量産に向けた開発を進め、2023年の量産開始を目指すとともに、家電・医療・住設分野等への用途展開を図ります。※IMPC™(In-Mold Printed Circuit:立体配線成形技術)
精密部品事業では、次世代の自動車用EBSに用いられる新規バルブブロックの加工・検査技術の検討、設備導入、立上げを行っており、低コスト化を実現するための高精度加工、高品質の開発に取り組んでいます。
当セグメントに係る研究開発費は32百万円です。

(5)化学品
機能化学品事業では、環境配慮型製品の普及や脱炭素社会に貢献することを目的とし、高反応で可使時間の長い水性架橋剤や加工時のガス発生を抑制した安全性の高い樹脂改質剤などの開発を進めています。また、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の委託研究である先導研究プログラムに採択され、「海洋環境を利用する新しい海洋生分解性プラスチックの創出」の研究開発に取り組んでいます。
断熱事業では、基盤製品である発泡ウレタンの収益向上を目的とし、地球環境に優しい低温暖化係数発泡剤への切替推進と安全安心をテーマに不燃ノンフロンウレタンフォームの開発と実用化、きれいな水を守るための高性能水処理担体の開発を進めています。土木用ウレタンは、日刊工業新聞社主催「オゾン層保護・地球温暖化防止大賞」において経済産業大臣賞を受賞しました。
カーボン事業では、データセンター関連など持続的な成長が見込まれる半導体市場において、高性能な先端半導体の製造装置及び製造プロセスで要求される性能を満たすことを目的にカーボン製品の開発を進めています。
当セグメントに係る研究開発費は159百万円です。

(6)繊維
繊維事業では、「環境・エネルギーカンパニー」グループとして地球環境問題解決を具現化するために、環境・健康社会への貢献を重点取り組み事項として掲げ、その実現に向けてグループ内外と幅広く連携し、研究開発を進めています。
当連結会計年度は、ノーアイロンシャツに代表される「アポロコット」シリーズの商品構成を拡充し、新たにストレッチ性能を付与した新商品を開発しました。また、シャツおよびユニフォーム分野においてストレッチ素材「アスタリスク」の新たな展開を進めています。SDGsの達成に貢献できるような商品開発を加速し、抗菌防臭加工、防汚加工など健康快適商品群の充実を図っていきます。
さらに、当社グループ内に無線・通信セグメント及びマイクロデバイスセグメントがある強みを生かし、作業員や妊婦の健康を見守る「見守りサービス」、騒音職場でのスムーズな意思疎通を可能とする「労働環境の改善」などに対応するスマートテキスタイルの開発を進め、製品からサービスまで一貫したソリューションの提供を目指しています。当連結会計年度は、当社グループ会社であるニッシントーア・岩尾㈱と連携を図り、スポーツアパレル向けにヒーターを組み込んだヒーターウェアを開発しました。
当セグメントに係る研究開発費は599百万円です。

(7)全社共通
グループ内の研究開発においては、各事業を超えた連携とシナジーにより、環境・エネルギーカンパニーとして社会に貢献する新たな事業の創出と拡大に向けた取組みを行っており、特に地球環境問題・社会課題解決に向けた取組みを強化しています。
・水素社会の普及実現のための取組み
燃料電池用触媒や水素生成用触媒などの部材開発に加え、超音波技術を活用した水素ガスセンサーの開発、更には燃料電池活用のためのシステム開発に取り組んでいます。燃料電池用触媒はユーザーでの評価が進んでおり、水素ガスセンサーは水素ガス漏れ検知器「MoLeTELL®」の試験販売を開始しました。
・地球環境問題への取組み
マイクロプラスチックによる海洋汚染の拡大防止に向けて、海洋生分解性プラスチックの開発に取り組んでいます。特に天然高分子をベースとした微粒子の開発及び用途開拓を進めています。
・安心・安全への取組み
高速通信技術を活用した大容量のデータを瞬時に確実に伝送する非接触ゲートシステムやセンサー、通信技術を活用した見守り機器・システムなどの開発、更にはこれらシステムを活用したデータ活用ビジネスといったサービスへの取り組みを強化し、安心・安全な社会の実現を目指しています。
・車載向け燃料電池セパレータ
燃料電池車の本格普及に向け、車載向け燃料電池セパレータの開発に取り組んでいます。なお、2021年1月には、車載向け開発のさらなる加速を目的に、これまで新規事業開発本部内にあった研究開発部門を日清紡ケミカル㈱燃料電池事業部と統合し、車載向け量産工程の確立と、生産性・品質の向上を図っていきます。
全社共通に係る研究開発費は2,502百万円です。

事業等のリスク株式の総数等


このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E00544] S100KZYT)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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