有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100LPNV (EDINETへの外部リンク)
ヒビノ株式会社 事業等のリスク (2021年3月期)
当社グループでは、事業活動に影響を与える可能性のあるリスクを洗い出し、経営への影響度と発生可能性等で評価を行い、対策すべきリスクの優先度を決定しております。これに基づき、優先度が特に高いリスクを「特に重要なリスク」、それ以外を「重要なリスク」としております。
当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している特に重要なリスクは「災害等の発生について」「安全について」の2項目であり、それ以外の重要なリスクと合わせ、計12項目を当連結会計年度末現在において主要なリスクと捉えております。
(1) 災害等の発生について
地震、津波、台風等の自然災害、火災、停電、感染症の拡大(パンデミック)、国際紛争等が発生した場合、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
とりわけ、新型コロナウイルス感染症の拡大により、東京オリンピック・パラリンピックの延期をはじめ、コンサートやイベントが中止・延期となる影響が生じており、コンサート・イベント業界は未曽有の危機に直面しております。再開時期は未知数であり、休止状態が長期化することも懸念されます。社会全体の経済活動が停滞した結果、当社グループの提供する製品、商品、サービスに対する需要が減少することも想定されます。
他方、当社グループの主要な拠点において、これらの災害等が発生する場合には、当社グループの事業活動自体が困難になる可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。
これらに対し、当社グループは、災害・事故等の発生を防ぎ、また、万が一発生した場合の被害を最小限に抑えるため、リスク管理委員会を設置し、傘下の各実行委員会(安全管理委員会・防災管理委員会・交通安全管理委員会・衛生委員会)における活動を通じて各種対策を検討しております。具体的には、事業継続計画(BCP)の策定、大規模地震及び新型インフルエンザ発生時におけるマニュアルの整備、安否確認システムの導入、定期的な防災訓練、テレワークの推進等の対策を講じております。
新型コロナウイルス感染症に対しては、2020年2月26日付でヒビノGMC担当取締役を本部長とする「新型コロナウイルス対策本部」を立ち上げ、従業員の健康と安全、並びに雇用の維持を最優先事項として対応を進めております。そのうえで、コロナ危機に対する方針として、①財務の安定化、②収益改善、③経営改革による未来収益創造の3点を優先順位の高い経営課題と位置づけております。
(2) 安全について
当社グループは、多数の施工現場、コンサート・イベント現場で業務を遂行しております。現場の安全確保に万全を期しておりますが、万が一、人身・施工物等に関わる重大な事故が発生した場合には、当社グループの信用、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。
これらに対し、当社グループは、災害・事故等の発生を防ぎ、また、万が一発生した場合の被害を最小限に抑えるため、リスク管理委員会を設置し、傘下の各実行委員会(安全管理委員会・防災管理委員会・交通安全管理委員会・衛生委員会)における活動を通じて各種対策を検討しております。具体的には、現場におけるヒヤリハット事例の原因究明と共有、安全教育の実施、工事を担当する指定工事業者への教育や指導を通じて安全の確保に努めております。
(3) 景気変動について
当社グループの一部の事業は、日本国内の景気変動の影響を受けやすい傾向があります。企業の販売促進活動やその他のイベントは、景況に応じて広告宣伝費支出を増減させる企業が多いことから、開催数や規模が変動しやすい傾向にあります。また、景況感の悪化により企業の設備投資の抑制が進んだ場合や、政府及び地方自治体の財政状態の悪化により公共投資が削減された場合、計画されていたプロジェクトが中止や延期となる可能性があります。
これらの影響により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。
これらに対し、当社グループは、「ハニカム型経営」によって事業の多角化を図るとともに、特定の顧客に依存することなく、広範囲の業種にわたる顧客基盤を構築しております。また、海外売上高比率を30%にまで引き上げることを目標に、世界4極(日本、アジア、北米、欧州)での展開を進めることで、日本国内の景気変動リスクを最小限に抑えるよう努めてまいります。
(4) 海外ブランド商品の輸入販売店契約について
当社グループは、海外メーカーと輸入販売店契約を締結して国内における輸入販売権を取得しております。これらの契約内容はメーカーごとに異なりますが、メーカーとの間で最低仕入額を設けるケースが多くなっており、輸入実績がメーカーの希望する金額を下回った場合は次回の契約に影響が及ぶ可能性があります。また、商品の開発・生産等に関しては、メーカーの事情に影響されるため、新商品の発表や商品供給に対する大幅な遅延や、メーカーの商品戦略に当社グループが考えているものと大きな乖離が発生する可能性があります。また、買収・統合等によりメーカー側の経営方針等が転換した場合、販売店が変更される可能性があります。これらの要因により、仕入先の海外メーカーとの取引関係が継続困難となった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。
これらに対し、当社グループは、多数の優秀なブランドの輸入販売権を確保することで、特定仕入先への依存によるリスクを軽減しております。著名なブランドだけではなく、まだ国内での知名度は高くなくても優秀であると当社グループが見極めたブランドの輸入販売店契約締結を推進し、優れた商品を直輸入販売することで業績拡大に努めております。
なお、現在、当社グループと仕入先の海外メーカーとの取引関係は安定しており、今後も良好な関係を継続する方針であります。
(5) M&Aについて
当社グループは、音響、映像、音楽、ライブの分野でナンバーワン、オンリーワンの企業が集まり連携する仕組みをつくる「ハニカム型経営」の推進を目的として、積極的なM&Aを進めており、これを成長戦略の要と位置づけております。しかしながら、M&A後の事業環境の変化等により業績計画との乖離が生じる場合や、事業や人材等の統合が進まず期待するシナジー効果が得られない場合には、投下資本の回収に一定の期間を要する、または、回収ができない可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。
当社グループは、M&Aの実施に際しては、対象企業の財務、法務、事業等について詳細なデューデリジェンスを行い、リスクを検討し正常収益力を分析したうえで機関決定いたします。当社グループの経営戦略との整合性や将来における成長性、シナジー効果等についても、事前に十分に議論し進めるように努めております。
M&A後においては、シナジー実現に向けたフォローアップを行うとともに、業績が当初計画から大きく乖離していないかを月次で確認し、経営会議で報告しております。必要に応じて、関係部門は、今後の方向性や業績改善のための対策を検討しております。
当社は、2021年3月31日現在において、国内11社、海外9社の連結子会社があり、うち、国内11社、海外4社はM&Aによる子会社であります。子会社化した後に、過去最高売上高、過去最高益を更新した子会社も多く、連結業績に大きく貢献しております。
(6) 為替変動について
当社グループは、事業のグローバル化を推進しており、為替相場の変動は、外国通貨建ての売上高や仕入コストに影響を及ぼします。また、連結決算における海外連結子会社の財務諸表の円貨換算額にも影響を及ぼします。為替変動が想定以上となった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。
これらに対し、当社グループは、取引先企業との間で円建て等特定通貨による取引の交渉を進めるとともに、外貨通貨建て取引については、為替予約等のヘッジ取引により為替変動リスクの軽減に努めております。また、主要通貨の変動と事業への影響をモニタリングし、適時、経営会議に報告しております。そして、吸収できない為替変動に関しては、競合他社の動きも見つつ適切に売価反映を行うなど、関係部門は事業への影響を軽減する対策を講じております。
(7) コンプライアンスについて
当社グループは、事業活動を営むうえで、建設業法、製造物責任法、電気用品安全法、独占禁止法、下請法、労働基準法(その他 労務管理に関わる法令等を含む)等さまざまな法規制の適用を受けております。それらの法令の改廃、法的規制の新設・強化等が行われた場合、何らかの事情により法律に抵触する事態が生じた場合、当社グループの信用、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。
当社グループは、「ヒビノグループ行動規範」において法令を遵守することを定め、役員・従業員に対し研修等を通じて徹底を図っております。社内体制としては、代表取締役社長を委員長、全取締役を委員、全監査役をオブザーバーとする内部統制委員会を設置し、その機能を補完する下部組織であるコンプライアンス委員会に対して指示を行い、報告を求める仕組みとなっております。さらに、代表取締役社長直轄の内部監査室が子会社を含め内部監査を実施するとともに、内部通報制度を設置し、違法行為等の未然防止や早期発見に努めております。
(8) 情報管理について
当社グループは、事業活動において取引先企業等の機密情報や個人情報等を保有しております。これらの情報が人的及び技術的な過失や、違法または不正なアクセス等により漏洩した場合、機密情報を保護できなかったことの責任追及や、それに伴う規制措置の対象となる可能性があり、当社グループの信用、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。
これらに対し、当社は、個人情報の保護に関する法律に則った個人情報保護方針並びに情報セキュリティ基本方針を策定し、役員・従業員に対し研修等を通じて徹底を図っているほか、プライバシーマークの認証取得等により情報管理の強化に努めております。
(9) 資金調達について
当社グループは、事業活動に必要な資金調達を、金融機関からの借入等により行っております。金融市況及び景気動向の急激な変動があった場合、当社グループの資金調達に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの業績悪化等により資金調達コストが上昇した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。
これらに対し、当社グループは、調達時の金利情勢、外部マクロ環境、当社グループの状況等を総合的に勘案し、資金調達を実施することとしております。また、金融機関との良好な関係を維持し、コミットメントライン等の活用により十分な流動性を確保するとともに、資金調達先及び期間の適度な分散等に努めております。
(10) 競合について
当社グループは音響と映像を中心とした製品、商品、サービスを多様な市場に提供しており、他の業務用音響・映像機器メーカーや、コンサート・イベントの音響サービス、大型映像サービス会社をはじめ、さまざまな企業と競合しております。今後、さらなる価格競争の激化や、当社グループよりも顧客のニーズに合った製品、商品及びサービスを提供できる企業が新たに台頭してくることも否定はできません。また、経済のグローバル化に伴い、欧米等先進国の企業だけでなく新興成長国の企業との競争も激化しつつあります。これらの場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
電気音響・施工事業及び映像製品の開発・製造・販売事業においては、競合他社との間で品質や機能・性能を含むさまざまな要素で競争しており、特に近年は、低価格化競争が激化しております。これらに対し、当社グループは、音と映像をコアとしたトータル・ソリューションの提供、顧客サービスの向上等によって競合他社との差別化を図り、競争力を維持・強化しております。
また、コンサート・イベントサービス事業においては、最新鋭かつ大量の機材を保有して競合他社との差別化を図るべく積極的な設備投資を実施しておりますが、今後、急速な技術革新により保有機材が陳腐化する可能性や、機材のコモディティ化、低価格化が進行した結果、機材での差別化が困難になる可能性があります。これらに対し、当社グループは、技術力やノウハウといった強みを生かすことはもとより、付加価値を生み出す源泉を機材等の有形資産から人的資産へとシフトするビジネスモデル変革を進めております。
(11) 技術革新について
当社グループの属する業務用音響・映像業界においては、技術の進化及び変化が著しく、当社グループが競争力を維持するためには、急速な技術革新に適時に対応していく必要があります。しかしながら、技術や市場ニーズの変化の読みと対応が遅れた場合、重点技術領域を強化するために必要な人材確保を含め適切な資源投下ができなかった場合などにおいては、当社グループの製品、商品、サービスの陳腐化、競争力低下等が生じる可能性があります。また、対応が可能な場合であったとしても、研究開発等に多額の費用が発生する可能性があります。かかる場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。
これらに対し、当社グループでは、常に最新のソリューションを顧客に提供するため、最新の技術情報を把握し、将来における顧客ニーズや業界トレンドを予測して、新しい技術への投資と事業化を継続的に行っております。
また、2018年より、代表取締役社長を責任者とする「ヒビノ・イノベーション活動」(新アイデア提案制度)を開始しております。アイデアから事業化までのプロセスの構築と体制整備を行うことで、新規事業のスピーディーな開発を可能としております。
(12) 人材の確保について
当社グループの持続的な成長を可能とするためには、多様で優秀な人材の確保が欠かせません。たとえば、当社グループが提供する音響・映像機器のオペレートや、システム設計、メンテナンス等においては、専門的な知識や技術、ノウハウが要求されます。
一方で、少子高齢化の到来、ESG経営、わが国が推進するSociety 5.0社会といった潮流の中で、雇用情勢や必要となる専門性、働き方の価値観等が大きく変わりつつあります。大きな環境の変化を先取りし、各分野、とりわけデジタル分野で高度な専門性を持つ人材や、変化を先導するリーダーの確保・育成が計画どおりに進まない場合、また、優秀な人材の社外流出が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。
当社グループでは、新卒社員の採用を強化するともに、高度な専門性を持つ人材の中途採用を進めております。また、教育研修の実施や自己啓発推進制度の導入により成長に資する機会を提供するとともに、評価制度の充実、社内表彰制度の運用、ワークライフバランスを支える各種制度の整備、健康増進支援等の施策により、従業員がいきいきと働き、最大限の能力を発揮できるよう、環境整備に努めております。
当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している特に重要なリスクは「災害等の発生について」「安全について」の2項目であり、それ以外の重要なリスクと合わせ、計12項目を当連結会計年度末現在において主要なリスクと捉えております。
(1) 災害等の発生について
地震、津波、台風等の自然災害、火災、停電、感染症の拡大(パンデミック)、国際紛争等が発生した場合、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
とりわけ、新型コロナウイルス感染症の拡大により、東京オリンピック・パラリンピックの延期をはじめ、コンサートやイベントが中止・延期となる影響が生じており、コンサート・イベント業界は未曽有の危機に直面しております。再開時期は未知数であり、休止状態が長期化することも懸念されます。社会全体の経済活動が停滞した結果、当社グループの提供する製品、商品、サービスに対する需要が減少することも想定されます。
他方、当社グループの主要な拠点において、これらの災害等が発生する場合には、当社グループの事業活動自体が困難になる可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。
これらに対し、当社グループは、災害・事故等の発生を防ぎ、また、万が一発生した場合の被害を最小限に抑えるため、リスク管理委員会を設置し、傘下の各実行委員会(安全管理委員会・防災管理委員会・交通安全管理委員会・衛生委員会)における活動を通じて各種対策を検討しております。具体的には、事業継続計画(BCP)の策定、大規模地震及び新型インフルエンザ発生時におけるマニュアルの整備、安否確認システムの導入、定期的な防災訓練、テレワークの推進等の対策を講じております。
新型コロナウイルス感染症に対しては、2020年2月26日付でヒビノGMC担当取締役を本部長とする「新型コロナウイルス対策本部」を立ち上げ、従業員の健康と安全、並びに雇用の維持を最優先事項として対応を進めております。そのうえで、コロナ危機に対する方針として、①財務の安定化、②収益改善、③経営改革による未来収益創造の3点を優先順位の高い経営課題と位置づけております。
(2) 安全について
当社グループは、多数の施工現場、コンサート・イベント現場で業務を遂行しております。現場の安全確保に万全を期しておりますが、万が一、人身・施工物等に関わる重大な事故が発生した場合には、当社グループの信用、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。
これらに対し、当社グループは、災害・事故等の発生を防ぎ、また、万が一発生した場合の被害を最小限に抑えるため、リスク管理委員会を設置し、傘下の各実行委員会(安全管理委員会・防災管理委員会・交通安全管理委員会・衛生委員会)における活動を通じて各種対策を検討しております。具体的には、現場におけるヒヤリハット事例の原因究明と共有、安全教育の実施、工事を担当する指定工事業者への教育や指導を通じて安全の確保に努めております。
(3) 景気変動について
当社グループの一部の事業は、日本国内の景気変動の影響を受けやすい傾向があります。企業の販売促進活動やその他のイベントは、景況に応じて広告宣伝費支出を増減させる企業が多いことから、開催数や規模が変動しやすい傾向にあります。また、景況感の悪化により企業の設備投資の抑制が進んだ場合や、政府及び地方自治体の財政状態の悪化により公共投資が削減された場合、計画されていたプロジェクトが中止や延期となる可能性があります。
これらの影響により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。
これらに対し、当社グループは、「ハニカム型経営」によって事業の多角化を図るとともに、特定の顧客に依存することなく、広範囲の業種にわたる顧客基盤を構築しております。また、海外売上高比率を30%にまで引き上げることを目標に、世界4極(日本、アジア、北米、欧州)での展開を進めることで、日本国内の景気変動リスクを最小限に抑えるよう努めてまいります。
(4) 海外ブランド商品の輸入販売店契約について
当社グループは、海外メーカーと輸入販売店契約を締結して国内における輸入販売権を取得しております。これらの契約内容はメーカーごとに異なりますが、メーカーとの間で最低仕入額を設けるケースが多くなっており、輸入実績がメーカーの希望する金額を下回った場合は次回の契約に影響が及ぶ可能性があります。また、商品の開発・生産等に関しては、メーカーの事情に影響されるため、新商品の発表や商品供給に対する大幅な遅延や、メーカーの商品戦略に当社グループが考えているものと大きな乖離が発生する可能性があります。また、買収・統合等によりメーカー側の経営方針等が転換した場合、販売店が変更される可能性があります。これらの要因により、仕入先の海外メーカーとの取引関係が継続困難となった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。
これらに対し、当社グループは、多数の優秀なブランドの輸入販売権を確保することで、特定仕入先への依存によるリスクを軽減しております。著名なブランドだけではなく、まだ国内での知名度は高くなくても優秀であると当社グループが見極めたブランドの輸入販売店契約締結を推進し、優れた商品を直輸入販売することで業績拡大に努めております。
なお、現在、当社グループと仕入先の海外メーカーとの取引関係は安定しており、今後も良好な関係を継続する方針であります。
(5) M&Aについて
当社グループは、音響、映像、音楽、ライブの分野でナンバーワン、オンリーワンの企業が集まり連携する仕組みをつくる「ハニカム型経営」の推進を目的として、積極的なM&Aを進めており、これを成長戦略の要と位置づけております。しかしながら、M&A後の事業環境の変化等により業績計画との乖離が生じる場合や、事業や人材等の統合が進まず期待するシナジー効果が得られない場合には、投下資本の回収に一定の期間を要する、または、回収ができない可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。
当社グループは、M&Aの実施に際しては、対象企業の財務、法務、事業等について詳細なデューデリジェンスを行い、リスクを検討し正常収益力を分析したうえで機関決定いたします。当社グループの経営戦略との整合性や将来における成長性、シナジー効果等についても、事前に十分に議論し進めるように努めております。
M&A後においては、シナジー実現に向けたフォローアップを行うとともに、業績が当初計画から大きく乖離していないかを月次で確認し、経営会議で報告しております。必要に応じて、関係部門は、今後の方向性や業績改善のための対策を検討しております。
当社は、2021年3月31日現在において、国内11社、海外9社の連結子会社があり、うち、国内11社、海外4社はM&Aによる子会社であります。子会社化した後に、過去最高売上高、過去最高益を更新した子会社も多く、連結業績に大きく貢献しております。
(6) 為替変動について
当社グループは、事業のグローバル化を推進しており、為替相場の変動は、外国通貨建ての売上高や仕入コストに影響を及ぼします。また、連結決算における海外連結子会社の財務諸表の円貨換算額にも影響を及ぼします。為替変動が想定以上となった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。
これらに対し、当社グループは、取引先企業との間で円建て等特定通貨による取引の交渉を進めるとともに、外貨通貨建て取引については、為替予約等のヘッジ取引により為替変動リスクの軽減に努めております。また、主要通貨の変動と事業への影響をモニタリングし、適時、経営会議に報告しております。そして、吸収できない為替変動に関しては、競合他社の動きも見つつ適切に売価反映を行うなど、関係部門は事業への影響を軽減する対策を講じております。
(7) コンプライアンスについて
当社グループは、事業活動を営むうえで、建設業法、製造物責任法、電気用品安全法、独占禁止法、下請法、労働基準法(その他 労務管理に関わる法令等を含む)等さまざまな法規制の適用を受けております。それらの法令の改廃、法的規制の新設・強化等が行われた場合、何らかの事情により法律に抵触する事態が生じた場合、当社グループの信用、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。
当社グループは、「ヒビノグループ行動規範」において法令を遵守することを定め、役員・従業員に対し研修等を通じて徹底を図っております。社内体制としては、代表取締役社長を委員長、全取締役を委員、全監査役をオブザーバーとする内部統制委員会を設置し、その機能を補完する下部組織であるコンプライアンス委員会に対して指示を行い、報告を求める仕組みとなっております。さらに、代表取締役社長直轄の内部監査室が子会社を含め内部監査を実施するとともに、内部通報制度を設置し、違法行為等の未然防止や早期発見に努めております。
(8) 情報管理について
当社グループは、事業活動において取引先企業等の機密情報や個人情報等を保有しております。これらの情報が人的及び技術的な過失や、違法または不正なアクセス等により漏洩した場合、機密情報を保護できなかったことの責任追及や、それに伴う規制措置の対象となる可能性があり、当社グループの信用、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。
これらに対し、当社は、個人情報の保護に関する法律に則った個人情報保護方針並びに情報セキュリティ基本方針を策定し、役員・従業員に対し研修等を通じて徹底を図っているほか、プライバシーマークの認証取得等により情報管理の強化に努めております。
(9) 資金調達について
当社グループは、事業活動に必要な資金調達を、金融機関からの借入等により行っております。金融市況及び景気動向の急激な変動があった場合、当社グループの資金調達に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの業績悪化等により資金調達コストが上昇した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。
これらに対し、当社グループは、調達時の金利情勢、外部マクロ環境、当社グループの状況等を総合的に勘案し、資金調達を実施することとしております。また、金融機関との良好な関係を維持し、コミットメントライン等の活用により十分な流動性を確保するとともに、資金調達先及び期間の適度な分散等に努めております。
(10) 競合について
当社グループは音響と映像を中心とした製品、商品、サービスを多様な市場に提供しており、他の業務用音響・映像機器メーカーや、コンサート・イベントの音響サービス、大型映像サービス会社をはじめ、さまざまな企業と競合しております。今後、さらなる価格競争の激化や、当社グループよりも顧客のニーズに合った製品、商品及びサービスを提供できる企業が新たに台頭してくることも否定はできません。また、経済のグローバル化に伴い、欧米等先進国の企業だけでなく新興成長国の企業との競争も激化しつつあります。これらの場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
電気音響・施工事業及び映像製品の開発・製造・販売事業においては、競合他社との間で品質や機能・性能を含むさまざまな要素で競争しており、特に近年は、低価格化競争が激化しております。これらに対し、当社グループは、音と映像をコアとしたトータル・ソリューションの提供、顧客サービスの向上等によって競合他社との差別化を図り、競争力を維持・強化しております。
また、コンサート・イベントサービス事業においては、最新鋭かつ大量の機材を保有して競合他社との差別化を図るべく積極的な設備投資を実施しておりますが、今後、急速な技術革新により保有機材が陳腐化する可能性や、機材のコモディティ化、低価格化が進行した結果、機材での差別化が困難になる可能性があります。これらに対し、当社グループは、技術力やノウハウといった強みを生かすことはもとより、付加価値を生み出す源泉を機材等の有形資産から人的資産へとシフトするビジネスモデル変革を進めております。
(11) 技術革新について
当社グループの属する業務用音響・映像業界においては、技術の進化及び変化が著しく、当社グループが競争力を維持するためには、急速な技術革新に適時に対応していく必要があります。しかしながら、技術や市場ニーズの変化の読みと対応が遅れた場合、重点技術領域を強化するために必要な人材確保を含め適切な資源投下ができなかった場合などにおいては、当社グループの製品、商品、サービスの陳腐化、競争力低下等が生じる可能性があります。また、対応が可能な場合であったとしても、研究開発等に多額の費用が発生する可能性があります。かかる場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。
これらに対し、当社グループでは、常に最新のソリューションを顧客に提供するため、最新の技術情報を把握し、将来における顧客ニーズや業界トレンドを予測して、新しい技術への投資と事業化を継続的に行っております。
また、2018年より、代表取締役社長を責任者とする「ヒビノ・イノベーション活動」(新アイデア提案制度)を開始しております。アイデアから事業化までのプロセスの構築と体制整備を行うことで、新規事業のスピーディーな開発を可能としております。
(12) 人材の確保について
当社グループの持続的な成長を可能とするためには、多様で優秀な人材の確保が欠かせません。たとえば、当社グループが提供する音響・映像機器のオペレートや、システム設計、メンテナンス等においては、専門的な知識や技術、ノウハウが要求されます。
一方で、少子高齢化の到来、ESG経営、わが国が推進するSociety 5.0社会といった潮流の中で、雇用情勢や必要となる専門性、働き方の価値観等が大きく変わりつつあります。大きな環境の変化を先取りし、各分野、とりわけデジタル分野で高度な専門性を持つ人材や、変化を先導するリーダーの確保・育成が計画どおりに進まない場合、また、優秀な人材の社外流出が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。
当社グループでは、新卒社員の採用を強化するともに、高度な専門性を持つ人材の中途採用を進めております。また、教育研修の実施や自己啓発推進制度の導入により成長に資する機会を提供するとともに、評価制度の充実、社内表彰制度の運用、ワークライフバランスを支える各種制度の整備、健康増進支援等の施策により、従業員がいきいきと働き、最大限の能力を発揮できるよう、環境整備に努めております。
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