有価証券報告書 抜粋 ドキュメント番号: S100LKVD (EDINETへの外部リンク)
株式会社いい生活 事業の内容 (2021年3月期)
当社グループ(当社及び当社の子会社)は、「ITで不動産市場をより良いものに」というミッションの実現に向け、「不動産市場になくてはならない情報インフラになる」というビジョンを掲げ、不動産業並びに不動産市場におけるさまざまな課題を解決するシステム・アプリケーションを企画・開発し、利用期間に応じて料金をお支払いいただく(サブスクリプション、継続課金モデル)クラウドサービス(SaaS:Software as a Service)として提供することで、不動産業並びに不動産市場のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援するクラウドソリューション事業を展開しております。
(事業系統図)
クラウドソリューション事業の系統図は以下のとおりです。
(1)クラウドソリューション事業の構成区分
1.サブスクリプションサービス
不動産市場に必要とされる業務支援システム・アプリケーションをクラウド・SaaSで提供するサービスであり、当社グループの主力サービスであります。当該サービスは、ソフトウェアをユーザにパッケージとして納品するのではなく、インターネットを通じてアプリケーションを提供するクラウド・SaaSの提供形式をとっており、主要な顧客である不動産企業からは主にサービスの月額利用料(サブスクリプション)の形で対価を得ております。
上記のようなビジネスモデルにより、顧客にとっては次のようなメリットがあります。
・業務支援システムの導入/維持/管理等に係るコスト削減
・オンラインで提供されるアップデートプログラムによりシステムが常時進化
・法令改正等への対応にはスピーディにアップデートプログラムが提供されリスク低減
・自社でハードウェア設備等を保有する必要がなく、初期投資が僅少
・インターネットがあればどこでも業務ができ、万全のセキュリティが確保され、リモートワーク等に最適
サブスクリプションサービスにおける主なサービスのラインアップは下記のとおりです。
2.スポットサービス
「スポットサービス」の区分には、主に次のようなサービスが含まれます。
・当社クラウド・SaaS導入/運用の支援(BPO)
・システム・アプリケーションの受託開発
・他社サービスの紹介/代理店販売
「当社クラウド・SaaS導入/運用の支援(BPO)」につきまして、こちらは当社クラウド・SaaSを導入・運用するにあたり顧客側に人的リソースが不足している場合などに、当社グループから有償で導入・運用支援サービスを提供するものであります。このシステム導入・運用支援サービスについては、子会社「株式会社リアルテック・コンサルティング」が主にサービスを提供しております。
「システム・アプリケーションの受託開発」につきまして、これはいわゆる一般的なソフトウェアの受託開発ではなく、当社のクラウド上での提供を前提としたものであり、顧客側の他のシステムとの連携機能等、当社クラウド・SaaSをより効果的にご活用いただくための付加的サービスとして提供しております。
「他社サービスの紹介/代理店販売」は、主に他社クラウド・SaaSの販売手数料・紹介手数料等であります。電子契約ソリューション・VRソリューション等の業界特化型でないBtoBクラウド・SaaSベンダーが主たる提携の相手先であり、顧客にとっては当社の不動産市場特化型クラウド・SaaSとの併用が効果的であります。そのためこれら提携先の提供するサービス群についても多くの商談機会が継続的に発生しており、販売手数料・紹介手数料等が当社グループの収益に安定的に寄与しております。
以上のとおり、「スポットサービス」に区分される各サービスにつきましては、当社グループの収益の柱である不動産市場特化型クラウド・SaaSソリューションのラインアップを補完するとともに、より幅広い顧客ニーズにも応えていくためのサービス群であります。
主力である当社クラウド・SaaSについて引き続き機能開発・ラインアップ拡充を進め、より幅広い顧客に対して課題解決を訴求していく一方で、スポットサービスに区分される各サービスにつきましても、引き続き旺盛な市場の需要が存在しております。従いまして、今後も当該サービス群は当社の収益に安定的に寄与していくと考えており、また、サービス提供の過程で得られた知見・ノウハウを開発部門にフィードバックする等、機能開発・サービス拡充の面におきましても、当社の成長に貢献していくものと考えております。
(2)サービスの主な特徴
①不動産市場に特化-市場特化型クラウド・SaaSの提供
当社グループのサービスは不動産市場を主なターゲットとしており、不動産業務や業界に特有なデータ特性等の業務知識をノウハウとして蓄積し、開発工程にもフィードバックしていくことで、参入障壁の高い市場特化型クラウドソリューションを志向しております。開発・セールススタッフ共に不動産業界の業務ノウハウに精通することで、顧客企業と密接かつ継続的な関係を構築・維持し、受注率及び継続率の向上を図っております。また、経営資源を集中投下することで市場における知名度の確立及び競争力の維持・向上を目指しております。
当社グループが不動産市場に特化する主な理由は、以下のとおりであります。
・不動産市場は国内最大級産業であり、市場規模が大きい
・不動産業界には中小規模の会社が圧倒的に多く、投資を必要としない「使う」システムが最適
・不動産会社は全国各地に分散しており、クラウド・SaaSモデルに最適な市場特性
・不動産会社の業務フローは各社類似しており、共通のシステムツールへのニーズが高い
・消費者の検索ニーズや業者間取引に対応できる物件情報データベースを構築・管理するシステムが不可欠
当社グループが推進するクラウド・SaaSモデルは、これら要因・特性を持つ不動産市場において、特に大きな付加価値を生むモデルであると考えております。以上のような背景から、当社グループは不動産領域に特化し、垂直型のクラウド・SaaS事業展開を行っております。
②安定性・堅牢性・可用性に優れたシステム基盤をベースにしたクラウド・SaaS
当社グループは、企業ユーザー向けの保証・サポートのあるハードウェア・ソフトウェア製品を採用し、安定性・堅牢性・可用性の高いシステム基盤上でサービスを提供しております。顧客企業は、一社のみで実現するには高コストとなる優れたシステム基盤・プラットフォームを、クラウド・SaaSの形態で共同で利用することができるため、自社保有の場合と比較して以下のような点でメリットがあります。
・短期間でのシステム導入
・導入に係る初期費用及び保守・運用の月次費用の低コスト化
・面倒なシステムメンテナンスから開放され、顧客本来のビジネスに集中できる
・自社で本当に必要とする機能のみを組み合わせて利用することが可能
・システムの導入・利用に柔軟性が持てるため、低コストで成果をあげることが期待できる
・大切なデータをクラウド上で保管することでBCP(事業継続計画)としても最適
一方、当社グループにとってもクラウド上で顧客企業向けシステム・アプリケーションを運用することで、継続的なシステム利用料収入が見込め、開発完了・納品で途切れることのない顧客との関係構築が容易になり、機能拡張や新機能の追加等、新たな顧客ニーズを掴むことが可能になります。
なお従来当社では、国内データセンターに自社で保有するサーバー機器等を設置し、当該設備上において先述のシステム基盤の運用を行っておりましたが、当連結会計年度におきまして当該サービスインフラを全面的にIaaS(Infrastructure as a Service)上にマイグレーションする取組みを推進し、当連結会計年度末時点でそのプロジェクトを予定通り完了しております。
当該IaaSを提供するベンダーにつきましては、現時点で世界トップクラスの安定性・堅牢性・可用性を有するベンダーを選定しております。また、局地的な災害リスク等への対応の面でも、従来の自社データセンター上での運用と比較して地理的分散によりリスクが低減されることから、顧客への安定的なサービス提供の面で大きなメリットがあるもの、と考えております。
③不動産業務を網羅する、フルラインアップのサービスポートフォリオ
当社グループの提供するクラウド・SaaSは、「物件探し~契約~入居~退去」という一般的な住まい探しのプロセスにおいて、あらゆる場面でシームレスに利用されるサービスとなることを目指しております。
・賃貸物件の管理/付加価値向上(PM:プロパティ・マネジメント)
・不動産管理会社/賃貸仲介会社/家賃債務保証会社等、関連事業者間の物件情報/顧客情報の流通
・入居申し込み受付の電子化
・インターネットを活用したマーケティング(不動産ポータルへの広告掲載・自社ウェブサイト運営、等)
・入居者募集/営業活動(CRM:カスタマー・リレイションシップ・マネジメント)
・入居者/オーナーとのコミュニケーション(設備修繕・災害対応・保険対応・退去精算、等)
以上のとおり不動産業における業務領域は多岐にわたりますが、当社グループは全領域を網羅した統合型不動産業務支援クラウド・SaaSを提供する唯一のベンダーとして、各業務領域で活用される物件情報データ・顧客情報データの「一元的管理」をその付加価値の源泉とし、業務のプロセスを全体として最適化しシームレスに統合するソリューションの提供を指向し、事業展開しております。
当社グループは、「ITで不動産市場をより良いものに」というミッションの実現に向け、「不動産市場になくてはならない情報インフラになる」というビジョンを掲げ、不動産に関するあらゆるデータが集まるクラウド上のデータ・プラットフォームを築くため、引き続きクラウド・SaaSの機能開発・ラインアップ拡充、及び新規顧客獲得の営業展開を進めてまいります。
(用語の注釈)
1.デジタルトランスフォーメーション(DX)
企業が、顧客・市場の変化に対応しつつ、組織・文化・従業員の変革を牽引しながら、クラウド・モビリティ・ビッグデータアナリティクス・ソーシャル等の新しいデジタル技術を利用して、新しい製品やサービス、新しいビジネス・モデルを通して、ネットとリアルの両面での顧客エクスペリエンスの変革を図ることで価値を創出し、競争上の優位性を確立すること。
2.システム基盤
アプリケーションとオペレーティングシステムとの中間に位置し、特定の機能やサービスを提供する情報システム全体の中核をなすミドルウェアの総称。つまり、アプリケーションが円滑に動くように支えているシステムの土台部分のことをいう。
3.ソリューション
業務上の問題点の解決や要求の実現を行なうための情報システム。専門の業者が顧客の要望に応じてシステムの設計を行ない、必要となるあらゆる要素(ハードウェア、ソフトウェア、通信回線、サポート人員など)を組み合わせて提供することをいう。
4. クラウド
情報処理システムをどのように構築・運用するかを「利用者」の視点で表した用語で、ネットワーク、特にインターネットを介して利用者がサービスの提供を受けるインフラのことを指す。
5.SaaS(Software as a Serviceの略)
パッケージソフトウェアを顧客に直接販売せず、賃貸契約でアプリケーションの使用を提供するサービス形態をいう。また、ソフトウェアの機能のうち、ユーザーが必要とするものだけをサービスとして配布し利用できるようにしたソフトウェアの配布形態をいう。
6.IaaS(Infrastructure as a Serviceの略)
仮想化技術を利用してハードウェアリソース(CPU/メモリ/ストレージ)などのITインフラをインターネット経由でオンデマンドで提供するサービス形態をいう。
7.PM(プロパティ・マネジメント)
Property Managementの略。不動産の付加価値を高めるため、不動産オーナーに代わり、専門家が賃貸用不動産の管理を代行すること。
8.CRM(カスタマー・リレイションシップ・マネジメント)
Customer Relationship Managementの略。顧客情報を集積・分析し、営業活動を効率化する手法のこと。
(事業系統図)
クラウドソリューション事業の系統図は以下のとおりです。
(1)クラウドソリューション事業の構成区分
1.サブスクリプションサービス
不動産市場に必要とされる業務支援システム・アプリケーションをクラウド・SaaSで提供するサービスであり、当社グループの主力サービスであります。当該サービスは、ソフトウェアをユーザにパッケージとして納品するのではなく、インターネットを通じてアプリケーションを提供するクラウド・SaaSの提供形式をとっており、主要な顧客である不動産企業からは主にサービスの月額利用料(サブスクリプション)の形で対価を得ております。
上記のようなビジネスモデルにより、顧客にとっては次のようなメリットがあります。
・業務支援システムの導入/維持/管理等に係るコスト削減
・オンラインで提供されるアップデートプログラムによりシステムが常時進化
・法令改正等への対応にはスピーディにアップデートプログラムが提供されリスク低減
・自社でハードウェア設備等を保有する必要がなく、初期投資が僅少
・インターネットがあればどこでも業務ができ、万全のセキュリティが確保され、リモートワーク等に最適
サブスクリプションサービスにおける主なサービスのラインアップは下記のとおりです。
カテゴリ | 顧客ニーズ | 当社のソリューション | サービス名称 |
物件管理・ 付加価値向上(PM) | 入居者・物件オーナーとの精算・決済の電子化 | スマートフォンアプリによる 電子決済機能 | pocketpost pay (ポケットポスト ペイ) |
入居者・物件オーナー とのコミュニケーション | スマートフォンアプリによる チャット・コミュニケーション機能 | pocketpost home (ポケットポスト ホーム)、 pocketpost owner (ポケットポスト オーナー) | |
不動産物件データ・ 顧客データの一元的管理 | 賃貸管理機能 | ESいい物件One賃貸管理 | |
業者間(BtoB) プラットフォーム | 入居申込の電子化 | スマートフォンベースの Web入居申込機能 | Sumai Entry (スマイ エントリー) |
企業間取引対応 | 企業間での物件情報流通の 支援機能 | ES-B2B賃貸、 ES-B2B call、 いい物件Square(スクウェア) | |
デジタルデータ マーケティング | 自社ホームページ構築・ 運用 | 物件検索機能 | ESいい物件OneウェブサイトFlex(フレックス) |
入居者向けの付帯 サービスの取次・紹介 | 電力・ガス等各種 ライフラインサービスの 取次・紹介支援機能 | ES Bizサポート | |
データマルチユース | 各種不動産ポータル サイト向けの広告データ変換・入稿機能 | スマートOneコンバート | |
入居者募集・ 営業支援(CRM) | 重要事項説明のIT化 | WEB接客・IT重説対応 WEB会議クラウド | ES × MeetingPlaza |
不動産物件データ・ 顧客データの一元的管理 | 営業支援機能 顧客管理機能 | ESいい物件One賃貸、 ESいい物件One売買 |
2.スポットサービス
「スポットサービス」の区分には、主に次のようなサービスが含まれます。
・当社クラウド・SaaS導入/運用の支援(BPO)
・システム・アプリケーションの受託開発
・他社サービスの紹介/代理店販売
「当社クラウド・SaaS導入/運用の支援(BPO)」につきまして、こちらは当社クラウド・SaaSを導入・運用するにあたり顧客側に人的リソースが不足している場合などに、当社グループから有償で導入・運用支援サービスを提供するものであります。このシステム導入・運用支援サービスについては、子会社「株式会社リアルテック・コンサルティング」が主にサービスを提供しております。
「システム・アプリケーションの受託開発」につきまして、これはいわゆる一般的なソフトウェアの受託開発ではなく、当社のクラウド上での提供を前提としたものであり、顧客側の他のシステムとの連携機能等、当社クラウド・SaaSをより効果的にご活用いただくための付加的サービスとして提供しております。
「他社サービスの紹介/代理店販売」は、主に他社クラウド・SaaSの販売手数料・紹介手数料等であります。電子契約ソリューション・VRソリューション等の業界特化型でないBtoBクラウド・SaaSベンダーが主たる提携の相手先であり、顧客にとっては当社の不動産市場特化型クラウド・SaaSとの併用が効果的であります。そのためこれら提携先の提供するサービス群についても多くの商談機会が継続的に発生しており、販売手数料・紹介手数料等が当社グループの収益に安定的に寄与しております。
以上のとおり、「スポットサービス」に区分される各サービスにつきましては、当社グループの収益の柱である不動産市場特化型クラウド・SaaSソリューションのラインアップを補完するとともに、より幅広い顧客ニーズにも応えていくためのサービス群であります。
主力である当社クラウド・SaaSについて引き続き機能開発・ラインアップ拡充を進め、より幅広い顧客に対して課題解決を訴求していく一方で、スポットサービスに区分される各サービスにつきましても、引き続き旺盛な市場の需要が存在しております。従いまして、今後も当該サービス群は当社の収益に安定的に寄与していくと考えており、また、サービス提供の過程で得られた知見・ノウハウを開発部門にフィードバックする等、機能開発・サービス拡充の面におきましても、当社の成長に貢献していくものと考えております。
(2)サービスの主な特徴
①不動産市場に特化-市場特化型クラウド・SaaSの提供
当社グループのサービスは不動産市場を主なターゲットとしており、不動産業務や業界に特有なデータ特性等の業務知識をノウハウとして蓄積し、開発工程にもフィードバックしていくことで、参入障壁の高い市場特化型クラウドソリューションを志向しております。開発・セールススタッフ共に不動産業界の業務ノウハウに精通することで、顧客企業と密接かつ継続的な関係を構築・維持し、受注率及び継続率の向上を図っております。また、経営資源を集中投下することで市場における知名度の確立及び競争力の維持・向上を目指しております。
当社グループが不動産市場に特化する主な理由は、以下のとおりであります。
・不動産市場は国内最大級産業であり、市場規模が大きい
・不動産業界には中小規模の会社が圧倒的に多く、投資を必要としない「使う」システムが最適
・不動産会社は全国各地に分散しており、クラウド・SaaSモデルに最適な市場特性
・不動産会社の業務フローは各社類似しており、共通のシステムツールへのニーズが高い
・消費者の検索ニーズや業者間取引に対応できる物件情報データベースを構築・管理するシステムが不可欠
当社グループが推進するクラウド・SaaSモデルは、これら要因・特性を持つ不動産市場において、特に大きな付加価値を生むモデルであると考えております。以上のような背景から、当社グループは不動産領域に特化し、垂直型のクラウド・SaaS事業展開を行っております。
②安定性・堅牢性・可用性に優れたシステム基盤をベースにしたクラウド・SaaS
当社グループは、企業ユーザー向けの保証・サポートのあるハードウェア・ソフトウェア製品を採用し、安定性・堅牢性・可用性の高いシステム基盤上でサービスを提供しております。顧客企業は、一社のみで実現するには高コストとなる優れたシステム基盤・プラットフォームを、クラウド・SaaSの形態で共同で利用することができるため、自社保有の場合と比較して以下のような点でメリットがあります。
・短期間でのシステム導入
・導入に係る初期費用及び保守・運用の月次費用の低コスト化
・面倒なシステムメンテナンスから開放され、顧客本来のビジネスに集中できる
・自社で本当に必要とする機能のみを組み合わせて利用することが可能
・システムの導入・利用に柔軟性が持てるため、低コストで成果をあげることが期待できる
・大切なデータをクラウド上で保管することでBCP(事業継続計画)としても最適
一方、当社グループにとってもクラウド上で顧客企業向けシステム・アプリケーションを運用することで、継続的なシステム利用料収入が見込め、開発完了・納品で途切れることのない顧客との関係構築が容易になり、機能拡張や新機能の追加等、新たな顧客ニーズを掴むことが可能になります。
なお従来当社では、国内データセンターに自社で保有するサーバー機器等を設置し、当該設備上において先述のシステム基盤の運用を行っておりましたが、当連結会計年度におきまして当該サービスインフラを全面的にIaaS(Infrastructure as a Service)上にマイグレーションする取組みを推進し、当連結会計年度末時点でそのプロジェクトを予定通り完了しております。
当該IaaSを提供するベンダーにつきましては、現時点で世界トップクラスの安定性・堅牢性・可用性を有するベンダーを選定しております。また、局地的な災害リスク等への対応の面でも、従来の自社データセンター上での運用と比較して地理的分散によりリスクが低減されることから、顧客への安定的なサービス提供の面で大きなメリットがあるもの、と考えております。
③不動産業務を網羅する、フルラインアップのサービスポートフォリオ
当社グループの提供するクラウド・SaaSは、「物件探し~契約~入居~退去」という一般的な住まい探しのプロセスにおいて、あらゆる場面でシームレスに利用されるサービスとなることを目指しております。
・賃貸物件の管理/付加価値向上(PM:プロパティ・マネジメント)
・不動産管理会社/賃貸仲介会社/家賃債務保証会社等、関連事業者間の物件情報/顧客情報の流通
・入居申し込み受付の電子化
・インターネットを活用したマーケティング(不動産ポータルへの広告掲載・自社ウェブサイト運営、等)
・入居者募集/営業活動(CRM:カスタマー・リレイションシップ・マネジメント)
・入居者/オーナーとのコミュニケーション(設備修繕・災害対応・保険対応・退去精算、等)
以上のとおり不動産業における業務領域は多岐にわたりますが、当社グループは全領域を網羅した統合型不動産業務支援クラウド・SaaSを提供する唯一のベンダーとして、各業務領域で活用される物件情報データ・顧客情報データの「一元的管理」をその付加価値の源泉とし、業務のプロセスを全体として最適化しシームレスに統合するソリューションの提供を指向し、事業展開しております。
当社グループは、「ITで不動産市場をより良いものに」というミッションの実現に向け、「不動産市場になくてはならない情報インフラになる」というビジョンを掲げ、不動産に関するあらゆるデータが集まるクラウド上のデータ・プラットフォームを築くため、引き続きクラウド・SaaSの機能開発・ラインアップ拡充、及び新規顧客獲得の営業展開を進めてまいります。
(用語の注釈)
1.デジタルトランスフォーメーション(DX)
企業が、顧客・市場の変化に対応しつつ、組織・文化・従業員の変革を牽引しながら、クラウド・モビリティ・ビッグデータアナリティクス・ソーシャル等の新しいデジタル技術を利用して、新しい製品やサービス、新しいビジネス・モデルを通して、ネットとリアルの両面での顧客エクスペリエンスの変革を図ることで価値を創出し、競争上の優位性を確立すること。
2.システム基盤
アプリケーションとオペレーティングシステムとの中間に位置し、特定の機能やサービスを提供する情報システム全体の中核をなすミドルウェアの総称。つまり、アプリケーションが円滑に動くように支えているシステムの土台部分のことをいう。
3.ソリューション
業務上の問題点の解決や要求の実現を行なうための情報システム。専門の業者が顧客の要望に応じてシステムの設計を行ない、必要となるあらゆる要素(ハードウェア、ソフトウェア、通信回線、サポート人員など)を組み合わせて提供することをいう。
4. クラウド
情報処理システムをどのように構築・運用するかを「利用者」の視点で表した用語で、ネットワーク、特にインターネットを介して利用者がサービスの提供を受けるインフラのことを指す。
5.SaaS(Software as a Serviceの略)
パッケージソフトウェアを顧客に直接販売せず、賃貸契約でアプリケーションの使用を提供するサービス形態をいう。また、ソフトウェアの機能のうち、ユーザーが必要とするものだけをサービスとして配布し利用できるようにしたソフトウェアの配布形態をいう。
6.IaaS(Infrastructure as a Serviceの略)
仮想化技術を利用してハードウェアリソース(CPU/メモリ/ストレージ)などのITインフラをインターネット経由でオンデマンドで提供するサービス形態をいう。
7.PM(プロパティ・マネジメント)
Property Managementの略。不動産の付加価値を高めるため、不動産オーナーに代わり、専門家が賃貸用不動産の管理を代行すること。
8.CRM(カスタマー・リレイションシップ・マネジメント)
Customer Relationship Managementの略。顧客情報を集積・分析し、営業活動を効率化する手法のこと。
このコンテンツは、EDINET閲覧(提出)サイトに掲載された有価証券報告書(文書番号: [E05551] S100LKVD)をもとにシーフル株式会社によって作成された抜粋レポート(以下、本レポート)です。有価証券報告書から該当の情報を取得し、小さい画面の端末でも見られるようソフトウェアで機械的に情報の見栄えを調整しています。ソフトウェアに不具合等がないことを保証しておらず、一部図や表が崩れたり、文字が欠落して表示される場合があります。また、本レポートは、会計の学習に役立つ情報を提供することを目的とするもので、投資活動等を勧誘又は誘引するものではなく、投資等に関するいかなる助言も提供しません。本レポートを投資等の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。本レポートを利用して生じたいかなる損害に関しても、弊社は一切の責任を負いません。
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